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2013.12.27
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カテゴリ: 映画/パニック
【コンテイジョン】
20120422

「感染はおそらく呼吸器系や媒介物からよ」
「媒介物とは?」
「それを介して感染が広がるもの・・・例えば人は普通、日に2000~3000回顔を触るの。起きてる間に1分で3~5回も。他にドアノブにも触るし、水飲み器、エレベーター・・・人の手なんかも。それが媒介物よ」


未知のウィルスが人の体を巣食っていくという題材は決して新しくないのに、ソダーバーグ監督作品だと妙に斬新さを感じてしまうから不思議だ。
それもそのはず、こういうパニック映画にはお約束のヒーロー、ヒロイン的なキャラが存在するはずなのに、最後の最後までそういうのは登場しなかった。
どの役者さんも主役級で、どのキャラが主人公なのか見極めるのが難しいぐらいだが、とりあえずマット・デイモンは平凡な一般市民の役だし、ローレンス・フィッシュバーンはエリート医師だが私情から情報を漏洩してしまうし、ジュード・ロウはいかがわしいジャーナリストの役だ。
つまり、どのキャラも世間一般にフツーに存在しそうなタイプというわけだ。
この人間臭い人間たちの中で巻き起こるセンセーショナルな出来事が、原因も分からずパニックを引き起こし、やがて収束に向かっていく模様を見事に表現している。
さすがはソダーバーグ監督、どこかで見たような作品には決してしない。

仕事で香港に出張したベスは、シカゴで不倫相手と密会を果たす。
その後、夫ミッチと子どもの待つミネソタの自宅に戻るが、激しい咳き込みと発熱が続いた。
一方、香港ではカジノでベスの使ったグラスを片付けたウェイターが倒れた。

ただちに緊急連絡を受けたWHOは、ベスの死体解剖をし、医師のレオノーラ・オランテスを中国に派遣する。
逸早く、情報を嗅ぎつけたフリージャーナリストのアラン・クラムウィディは、政府が隠蔽した伝染病ではと、ネットに配信する。

この作品から感じたのは、人間という生きものは、人と触れ合わずにはいられない性を持っているのだということ。
未知の感染症に脅える最中であっても、男女のティーンは親の目を盗んで触れ合おうとし、中国で人質の身となった女医は不衛生な村で子どもたちと触れ合いながら勉強を教えるし、空港で他人のふとした好意に感謝の気持ちを込めて握手を交わすのだ。
恐ろしいウィルスが人との接触で伝染していることを知りながらも、人は人のぬくもりを求め、また与えてしまう。
触れ合うことで、危険と隣り合わせになるにしても、やはり触れ合わずにはいられないのだと、作品は淡々と語りかけてくる。

2011年公開
【監督】スティーヴン・ソダーバーグ
【出演】マット・デイモン、ローレンス・フィッシュバーン

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.12.27 05:51:17
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