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2014.07.30
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カテゴリ: 映画/バイオレンス
【スカーフェイス】
20130502

「どういうことだ? 子供を乗せたぞ」
「いつもは別の車で学校へ行くんだ」
「中止しよう。今日はやめだ。中止だ! あいつが一人の時に殺る。女房子供はお断りだ!」


“映像の魔術師”と呼ばれたヒッチコック監督から多大なる影響を受けたデ・パルマ監督は、スリラー映画にこだわることなくバイオレンスのジャンルにも活動の域を広げて行った。
本人も、実はホラー的要素の濃いバイオレンスを扱った作品を手掛けることを得意としているようで、世間の評価とは別に、生き生きとした作品に完成されているのが「スカーフェイス」である。
ヒッチコック監督の得意とした目線アングルや、ワンカットワンカット隙のない凝った画作りは、驚くほど見事にデ・パルマ監督に継承されていると言っても良いだろう。
「スカーフェイス」は、賛否両論分かれる作品だが、興行的には成功し、「殺しのドレス」同様にデ・パルマファンを一気に増やした作品の一つでもある。

1980年、トニー・モンタナはキューバからフロリダ州マイアミへ、鮨詰め状態の船で渡って来た。
カストロ主義に反対し、政治犯として追放されたのだった。
トニーは、弟分であるマニーとともに、アメリカの裏社会で一仕事済ませることになった。
それは、コロンビア人を相手にコカインの取引きを成立させることであった。
トニーは、単なるチンピラに納まるつもりはなく、麻薬王として裏社会に君臨するのが目的だった。


エルヴィラ役のミシェル・ファイファーは、この当時、本当に若くて美しい。
気だるくもの憂げで、いつも何かに対して苛立ちを感じている、雌虎のようなキャラクターに扮するのだが、適役だ。
暇さえあればドラッグに溺れているシーンも、妙に板についていて説得力があった。
さらに、チョイ役ではあるが、F・マーリー・エイブラハムも出演している。
代表作に「アマデウス」があり、サリエリ役として有名だ。
本作においては、マフィアのナンバー2的存在だが、何やら腹に逸物ありそうでインパクトのある役柄だった。
そして何より、主役に扮したアル・パチーノは、ここでも絶好調だ。
声量も行き届いていて存在感があり、肩肘張って生きている男の辛さ、切なさみたいな感情が、ドッと溢れる演技力である。
バイオレンスに彩られた裏社会の縮図を、見事に表現した作品なのだ。

1983年(米)、1984年(日)公開
【監督】ブライアン・デ・パルマ




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最終更新日  2014.07.30 05:56:08
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