吟遊映人 【創作室 Y】

吟遊映人 【創作室 Y】

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

吟遊映人

吟遊映人

カレンダー

2014.08.19
XML
カテゴリ: 映画/戦争・史実
【スターリングラード】
20140819

「あんな放送、プロパガンダだよ。彼は生きてる。なぜか分かるか? 私が彼を殺してないから。」
「(靴磨きの少年は困惑した表情)」
「一つ秘密を。お前を信用して打ち明ける。誰にも言わないと誓うんだ。誓うか?」
「(少年は頷く)」
「いい場所を見つけた。駅の出口のすぐそばだ。貯水塔に潜んで明日奴を待ち伏せる。奴は必ず現れる。賭けてもいい。もう一つ誓え。“家にいる”と。いいな? 誓うか?」
「(少年は頷く)」


「スターリングラード」は、スピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」の凄惨な戦闘描写と並んで、戦争映画として評価された作品である。
前世紀末、なぜこれほどまでに戦争を描いた作品が次から次へと封切られたのか。
一つ考えられるのは、「多文化主義」の見直しか?
日本人にはそれほど馴染みのない感覚かもしれないが、アメリカなどは複数の人種が異なる文化を抱えて同じ空間を共有しなければならないという国家成立のプロセスを踏んで来た。
そこには民族の違い、宗教の違い、言語の違い、様々な問題が入組んでいて、いつも戦いの火種を燻らせて、でもどうにか表面的な協調によって今に至るのだ。
とにかくこれまでは、「A」という文化が「B」という文化を支配することで、変革を最高のものとする風潮があった。
しかし、グローバリゼーションの進行により、「A」という文化と「B」という文化をそのまま並立させるという新しい動きが出て来たのだ。
「スターリングラード」は、漠然と鑑賞してしまうとロシア対ナチス・ドイツと見て取れるのだが、その実、ユダヤ人対反ユダヤ人(ユダヤ主義対反ユダヤ主義)の構図が見えて来る。

1942年、第二次世界大戦下、ナチス・ドイツの猛攻にさらされてきたスターリングラードは陥落寸前だった。

次々とドイツ人士官を狙撃し、ヴァシリは名スナイパーとして国民的英雄と崇められた。

おかげで弱気になっていたロシア軍兵士の士気はやや盛り返す。
しかし、ナチス・ドイツもそれを放ってはおかず、本国ドイツから狙撃の名手であるケーニッヒ少佐を召喚する。
そこから名スナイパー同士の緊迫した闘いが始まる。

主役のヴァシリを演じたジュード・ロウは、その鋭い眼力で戦場の緊迫した状況を充分に語ってくれた。
一つ一つの動作にそつがなく、観客の集中を捕らえて離さない魅力的な演技を披露してくれた。
そしてそれ以上に、ドイツ軍切っての名スナイパー、ケーニッヒ少佐の役を演じたエド・ハリスの圧倒的な存在感には脱帽。
一見、気難しい印象を与えがちな表情だが、戦死した愛息子の敵を討つため、ロシア軍に対する復讐に燃える父の姿をそこに見ることができる。
主役を食ってしまいそうな勢いのあるエド・ハリスの演技に目を見張ってしまった。

2001年公開
【監督】ジャン=ジャック・アノー




『サイド・エフェクト』
20140819b
は近日アップ予定です、こうご期待♪



20130124aisatsu





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014.08.19 10:36:56
コメント(0) | コメントを書く
[映画/戦争・史実] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: