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2019.05.02
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カテゴリ: 神社・寺院・史跡
【南無妙法蓮華経〜身延山久遠寺〜】
身延山久遠寺大本堂

私は二十四歳で父を亡くし、それから三年後に母を亡くしました。
ずっと両親に甘やかされて来た私は、それまで砦となって私を守って来てくれた存在を次々と失い、茫然自失。
ずいぶんと辛い目にも合いましたし、精神のバランスを崩しかけたこともあります。
不思議なもので動物の世界では、怪我や病気などで弱っている動物は他の肉食動物らの格好の餌食となり、命を奪われます。
親や仲間は一切助けてくれることはなく、短い一生を終えるのです。
人間の世界でも似たようなことが起こります。
例えば私の場合ですが、私が心身ともに衰弱している時、普段はろくに付き合いのない知り合いから宗教の勧誘を受けました。
(ここではその宗教団体名はふせます。)
寄付金の話が出た時、さすがにこれは怪しいと思いお断りさせてもらいました。

このように、弱っている人間ほどターゲットにされやすく、他者は攻撃してくるものなのです。

前置きが長くなりましたが、そんなあられもない二十代を過ごした私が救われたのは、やはり、神社、お寺めぐりと言う趣味があったからだと思います。
たまたまミッション系の短大に学んだこともあり、キリスト教の聖書はよく読んでいました。
キリスト教の神は唯一絶対の神であり、いついかなる時も救いの手を差し伸べてくださるので、思い悩む必要はない、と言う教えでした。
その教えは、両親にさんざん甘えてきた私にとって実に都合の良いものではありましたが、最後のところでしっくり来なかったのです。
一方、釈迦の教えは真逆で、この世に絶対などと言うものはない、すべては無常なのだと言うもの。
最終判断は自分が決めるのであって、結局は自分自身の人生を生きるしかないと言う、スッキリと道筋の通った教えにシビれました。

そんな中、過去何度となく訪れた身延山久遠寺に、久しぶりに出かけて来ました。

身延山久遠寺は日蓮宗の総本山で、かの日蓮大聖人が遺言として「日蓮が弟子檀那等は此の山を本として参るべし 此れ則ち霊山の契なり」と仰ったと伝えられています。

樹齢何百年という老杉に囲まれるようにして立つ三門の正面には、高さ約105m、287段もある急な石段が真っすぐ延びています。

でも安心してください!

前回まで息も絶え絶えに登っていた287段もある石段でしたが、今回は楽をさせていただきました。
〝膝が笑う〟という経験のない方、ぜひこの急な石段を登り功徳を積んで下さいね。

大本堂で「南無妙法蓮華経」を唱えお参りを済ませると、次はロープウェイで奥之院思親閣まで向かいました。(大人往復¥1400)
この思親閣のある場所が身延山の山頂となります。
ここからの眺望はそれはもう雄大で、足下に一級河川の富士川、遠くに南アルプスが望めます。


普段なら「みのぶまんじゅう」として台に並べられているものが、この時期改元を祝して 「令和まんじゅう」 となっていました。(9個入¥900)
薄皮に上品な甘さのこし餡が包まれており、後を引く美味しさでした。

身延山思親閣は日蓮大聖人が故郷安房国を望み、父母を追慕したと伝わります。
両親のいない私がしみじみと思いを馳せるにはうってつけの、静謐な場所なのでした。


20130124aisatsu





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最終更新日  2019.05.03 02:18:39
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