《櫻井ジャーナル》

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2011.06.04
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カテゴリ: カテゴリ未分類
サウジアラビアは今後20年の間に3000億ドル以上をつぎ込み、19機の原子炉を建設すると報道されている

 このタイミングで原発建設プロジェクトを公表した理由として考えられるのは、言うまでもなく、原子力産業への支援。東電福島第一原発の事故に伴う国際的な原発離れで苦しい立場の原子力業界としては、今回のプロジェクトはありがたいだろう。

 欧米各国で原発の建設が止まる中、地震のリスクも顧みずに次々と原発を作ってきた日本。日本が原発離れしないように世界の原子力産業は日本の「原子力村」を支援しているようだが、これまで通りにはなりそうもない。万一、このまま日本が原発政策を変えないなら、「福島第一原発も警告にすぎなかった」というような大事故が起こるだろう。その時、日本という国は歴史から消える。

 サウジアラビアの場合、核廃棄物は砂漠に捨てるつもりかもしれないが、燃料のウランは潤沢に存在するわけでなく、石油の使用量をおさえるという説明に説得力はない。本当に石油の国内消費をおさえることが目的なら、別の手段がある。例えば、降雨量が少ない砂漠地帯なら太陽を利用した発電は有効なはずである。

 それでも原発に執着するひとつの理由は原子力産業からの要請だろうが、もうひとつは核兵器。放射性物質の扱い方に慣れることは、核兵器を開発する上で重要だ。

 世界有数の核兵器保有国、イスラエルがイランの核開発に神経を尖らせている理由もそこにある。アメリカとの交渉などでイスラエルは「核兵器カード」を使っているようで、その力を実感しているはずだ。

 それにもかかわらず、サウジアラビアに対するイスラエルの反応は鈍い。そこにはイスラエルとサウジアラビアとの親密な関係がある。ホスニ・ムバラク時代のエジプトだけでなく、サウジアラビアもイスラエルと友好的な関係にあるということだ。

 言うまでもなく、サウジアラビアの背後にはアメリカの巨大石油資本が存在する。はじまりはSOCAL(スタンダード石油カリフォルニア)。SOCALは1933年にCASOC(カリフォルニア・アラビアン・スタンダード石油)を設立、36年にはテキサコが資本参加、第2次世界大戦の最中、この2社にスタンダード石油ニュージャージーとソコニー・バキュームも加わってARAMCO(アラビアン・アメリカン石油)が誕生した。1979年には、76年にさかのぼって完全国有化されている。少なくとも国有化される前、ARAMCO首脳の多くはCIAとつながり、同社はアメリカの情報基地として重要な役割を果たしていた。



 イラン、シリア、リビアへの攻撃や工作で、サウジアラビア、イスラエル、そしてアメリカの三国は歩調を合わせていることが明らかになっている。ムバラク体制までのエジプト、ガザ攻撃までのトルコもこの集団に加わっていた。こうしたつながりがサウジアラビアの原発建設でも反映されていると考えるべきだろう。





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最終更新日  2011.06.04 21:00:24


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