Fastest Lap

Fastest Lap

August 14, 2006
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「Mille Miglia」を忠実に再現する場合はモデナに立ち寄るのは復路になるのですが、 日程にゆとりのない僕は逆送する形でモデナでの一泊目の夜を迎えました・・・
モデナ市内にはかつて「スーパーカー」と呼ばれたイタリアン・スーパー・スポーツをリリースするメーカーがたくさんあります。
とりわけ有名なのはモデナ市内にあるMaserati/マセラティ、マラネロのFerrari/フェラーリ、
そしてサンタアガタのLamborghini/ランボルギーニです。また、歴史は浅いもののZondaで名をはせたパガー二もここにあります。
中でもランボルギーニ・オーナーやフリークは必ずミュゼオ・ランボルギーニ(ランボルギーニ博物館)に立ち寄ることをお勧めします。完成したばかりのクルマが実走テストで走り回っているのは壮観にして異様な雰囲気です。
予約すれば工場見学も出来ますので、クルマに興味がなくてもカー・デザインの素晴らしさを堪能できる場ですので是非行ってみてはいかがでしょう?
ちなみにフェラーリの工場は見学不可ですが、モデナにはガレリア・フェラーリ(フェラーリ博物館)がありますのでそちらに回ってみることをお勧めします。ここではフォーミュラ1の新車発表会などのイヴェントが催されることもあり、大変素晴らしい施設です。

先ほど僕は便宜上、「イタリアン・スーパー・スポーツ」と表現しましたが、ちょっとだけ寄り道してみましょう。
日本人が考える「スポーツカー」「スポーティカー」「グラントゥーリズモ」の分類はどうなるでしょう?皆さんそれぞれ考えてみて下さい。

イギリス人とイタリア人の認識もかなり違っていました。
若干食い違う部分があるにせよ、イギリス人とイタリア人が考えるスポーツカーはロータス・エリーゼやエキシージ、あるいはごく一部のフェラーリ、エンツォやFXXなどなどがスポーツカーと呼べる資質があるようです。
ところがクルマの専門家に言わせると「F40やF50、ましてや量産車のフェラーリはスポーツカーではない」と断言するのです。日本人ならばこのあたりはスポーツカーの領域なのですが、彼らにとってはいささか違うようで、「あれはスポーツ・ライクなグラントゥーリズモ」だそうです。
なんでも、このレヴェルをスポーツカーと呼んでしまったら「本物のスポーツカーに申し訳ない」んだとか・・
「フェラーリもポルシェも、マセラティもランボルギーニもアストン・マーティンもTVRもグラントゥーリズモだよ」と名言。
言われてみればそう思えなくもないのも確かですが、時代の流れに伴ってスポーツカーの領域や質が変遷しているのも事実だと思います。
それでも、クルマの発展と技術開発に深く関与してきたヨーロッパの国では未だに「厳然とした価値基準」を持っています。
それが良いのか悪いのかはここで論ずるつもりはありません。
日本人には日本人の考え方があって然るべきではありますが、背負ってきた歴史はかの国のほうが断然長いのです。我々が彼らに云々と論ずるレヴェルにはないでしょう。

寄り道話はこのくらいにして元に戻します。ここモデナでの宿はアレッサンドロ氏のご自宅です。
この「Mille Miglia」を懐古する記念すべき夜に彼が用意してくれたワインは、

Sangiovese di Romagna(サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ)
Lambrusco Salamino di Santacroce(ランブルスコ・サラミーノ・ディ・サンタクローチェ)
Lambrusco di Sorbara(ランブルスコ・ディ・ソルバーラ)
Colli Scandiano e Canossa(コッリ・スカンディアーノ・エ・カノッサ)
Romagna Albana Spumante(ロマーニャ・アルバーナ・スプマンテ)以上6種類。

サンジョヴェーゼと言えばトスカーナですが、ロマーニャで開発されたサンジョヴェーゼのクローンも極めて優れていて、果実のたっぷりとした香りと色素分の多さには目を瞠るものがありました。
また、Lambrusco di Sorbara DOC(ランブルスコ・ディ・ソルバーラ)は逆に色調の淡い感じがとてもキュートでチャーミングな印象を与えます。また味わいもその印象を後押しするようで、イチゴやプラムを思わせる果実の香りの背景には花を感じさせる香りが漂っています。気軽に楽しめる味わいもこのワインの守備範囲を広げる要因です。
用意していただいた6種類すべてが新鮮でしたし、イタリアのワイン生産地の一角を担う
「Emilia Romagna」でこんな素晴らしいワインたちに出会えたことは、数年後僕自身に人生の転機が訪れた際に少なからず影響を与えたことは事実でした。
多くの人たちに愛され愛情を注がれて造られたワインとの出会いでした。この時が僕にとっては始めての、そして本当のワインとの出会いだったのです。

~つづく~


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Last updated  August 14, 2006 02:10:36 AM
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