Fastest Lap

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September 3, 2006
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イタリアをフェラーリで走る旅行記もいよいよ第5話です。

エミリオ・ロマーニャとトスカーナの間に立ちはだかる山岳路を攻略したアレッサンドロと僕は一路フィレンツェへ。
ルネッサンスの至宝、メディチの庭などフィレンツェを形容する言葉はたくさんあります。

いよいよフィレンツェに辿り着いた僕とアレッサンドロはフィレンツェ中央駅、いわゆるサンタ・マリア・ノヴェッラ駅を左手に見ながらスカラ通りを中心部へと向かって南下しました。
この駅の至近にはサンタ・マリア・ノヴェッラ教会があり、近辺にはクローチェ・ディ・マルタ、グランド・ホテル・ミネルヴァなどのホテルが立ち並んでいます。
また、このスカラを突き当りまで進みトルナヴォーニ通りにぶつかるまで来るとそこは高級ブランド・ショップが立ち並んでいます。
この界隈にはストロッツィ宮殿やコルシーニ宮、サンタ・トリニタ広場などがあり活気のあるエリアです。
この辺りまで来ると、街行く人たちが振り返り見ます。
「何を見てるんだ?」と僕。

「お前に振ってるのさ」とアレッサンドロ。
フェラーリだけはイタリアでも「特別」なのです。しかも見ればレース用をロードゴーイング・カーに仕立てているのは一目瞭然です。
この辺りには「ルイ・ヴィトン」や「カルティエ」、「エルメス」など外国産ブランドも立ち並んでいますが、やはりここはフィレンツェ、イタリアですから押さえたいのは「ジョルジオ・アルマーニ」や「プラダ」、「タニノ・クリスティ」(ここのブーツ最高!!)です。
さらに言えば、フィレンツェですからこの地を発祥とする「エミリオ・プッチ」や「サルヴァトーレ・フェラガモ」は絶対に外せないでしょう。
また、これはご婦人方にしか解らないかもしれませんが、「ドルチェ&ガッバーナ」のとなりにある「ラ・ペルラ」なんかもお勧めです。
サンタ・トリニタ広場のフェラガモ博物館前を過ぎて「サルヴァトーレ・フェラガモ」のショップの前でアルノ川にかかるサンタ・トリニタ橋を渡ります。

この橋を渡る時のエキゾースト・サウンドがまた素晴らしい。レース用のエキゾースト・ノートがアルノ川の上に抜けていくように響き渡ります。
こちらも通りの通行人のために敢えてスロットルを絞り込むのですが、アレッサンドロが仕上げたレース用のフェラーリは、あまりの低回転ではトルクもやや細めで最低限の回転を保つ必要があり、そうなると高めのかん高いノートになります。
少々うるさいにも関わらず嬉しそうに手を振ってくるイタリアン。素晴らしいです。

ここを渡るとすぐ左手にフレスコバルディ宮が見えます。
現在でも有名なトスカーナのワイン・メーカー「フレスコバルディ」の前身は貴族で、その栄華は今でも受け継がれています。

多分、イタリア・ファンの方でしたら知っておられる方、多いと思います。
「Hotel Lungarno」(ホテル・ルンガルノ)です。
ホテルのゲスト・ルームからは運河のようなアルノ川を見渡せ、かなり情緒があります。日本語の放送もあります。
ただし、このホテルは全館禁煙ですので喫煙される方は他のホテルを選ばれた方がよろしいと思います。
いたって上質な館内。それもそのはず、このホテルは地元の名士にして世界的な名声を得るフェラガモ・グループが所有するホテルなのです。

夕食は「Borgo San Jacopo」(ボルゴ・サン・ヤコポ)でアレッサンドロと二人で食しましたがこういうときは少々、雰囲気が重くなります。
綺麗なご婦人とご一緒でしたら、気持ちも明るくなるのでしょうが・・
ま、フィレンツェの街をフェラーリで走っただけでも、素敵なご婦人とタンゴを一曲踊ったような情熱的で優美な気分にはなれます。間違いなく。

さて、今回ご紹介するワインですが、フィレンツェ、フェラガモときたらこのワインしかありません。
フィレンツェから約1時間ほど走りアルノ川を越えた丘にイル・ボッロ村があります。
ここが、前述したフェラガモ・グループが所有している村です。
ハンティングが好きな「サルヴァトーレ・フェラガモ」の社長フェルッチオ氏が毎週友人と通い続けていたこの地を村ごと購入したそうな・・・
物凄い金銭感覚です。ちなみに1993年のことです。
もともと、イル・ボッロ村は幾つもの貴族の所有を経てきた村だそうで、サヴォイ家によって所有されていた時代からワインが造られていました。
キアンティの畑です。
しかし、フェルッチオ氏の長男サルヴァトーレはこの土地にあったブドウを植樹することを決意し、細密な土壌調査を実施しメルローとカベルネ・ソーヴィニョンを主体に植え、更にシラーと少量のサンジョヴェーゼも植樹しました。
この地道な努力が実ったのは99年のファースト・ヴィンテージ。
00年も素晴らしく、その弛まぬ努力は味わいにしっかり反映されています。
それにしてもこのワイン、どことなく何かに似ているような気がしてなりません。
初めて味わったファースト・インプレッションでそう感じました。
タンニンが突出しているわけでもなく、酸が強いわけでもなく、それでいてがっしりドッシリ過ぎるワケでもなく、軽すぎることも決して無い。
とにかくバランスが秀逸なのです。
ふわりとした身のこなし、清楚でありながら自身の毅然とした立ち居振る舞いを知っている貴婦人のごとき容貌を持つ味わい。
さすがはフェラガモといったところでしょう。
しかも、そのサルヴァトーレいわく、ワイナリーを大きく肥大させること無く品質優先至上主義で行きたいんだとか・・・しかもフェラガモのネーム・ヴァリューで価格が高騰してしまうようなことも避けたいという謙虚な姿勢の持ち主。
う~む。正にノーブレス・オブリージュです。
皆さんも、機会があったら是非お試し下さい。これも絶対に外しません。

第6話へ続く。

Wine Art 002.JPG
左側は前回の第4話で登場した「Flaccianello」の1,500mlのマグナム・ボトルです。
右側が「IL BORRO」の750ml通常サイズです。大きさ違いますよね。


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Last updated  December 22, 2007 07:05:25 PM
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