翠 の 風

翠 の 風

2007年03月08日
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テーマ: お勧めの本(7899)
カテゴリ: 今日読み終えた本
「しゃべれどもしゃべれども」佐藤多佳子


著者:佐藤多佳子
発行:新潮文庫
頁数:421
読みやすさ:3/5
おすすめ度:5/5

 江戸前の若手落語家が主人公で、ひょんな事から集まってきた面々との“鬼
気迫る”というか“心温まる”というか、なんともいえない非現実的なストーリーな
んですが、なぜか引っ張り込まれました。


開されるのですが、集まった面々はそれぞれタイプが違うものの、壁に当たって
自信を失い、なのにどこかで強がって、なにか薄いガラスでできたナイフのよう
な危なっかしい性質を持っています。
 当然まとまりもなく、主人公の落語家を中心にした放射状の関係をつくってい
て、一見横のつながりがまったくないような、不思議な関係を形成しています。

 それぞれの悩みに入り込んでいく主人公が、自分自身の悩みの状況とあわせ
ていくところが人間らしく感じました。
 登場人物の中では、特に小学校5年生の男の子のとんがり具合やら気持ちの
動きが読んでいてホントにハラハラドキドキさせられました。「え~あとどうなるん
かなぁ」と先を読ませる著者の技にしてやられるような気がしました。
 風景や状況の描写はややしつこい感じがするものの、他の登場人物も含めて、

 ストーリーを振り返ると、とても現実にない設定で、登場人物もここまでそろっ
てることは考えにくいのですが、それ以上に“人の心の弱さを認めながら、その
先をどう生きていくか”みたいな大きなテーマを感じさせる長編小説でした。

 ところでこの作品も映画化が決まってるみたいですね。
 最近本がちょっと売れると映画やドラマにすぐなってしまって、しかも原作とスト

なんでしょうか。
 読むのが先か?観るのが先か?
 5月に公開されるみたいなので、読むのが先、という方ははお早めにどうぞ!






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Last updated  2007年03月08日 22時49分16秒
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