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皆様今日は。 前回の『魔法のタイム短縮テクニック』はお試しいただけましたでしょうか? 恐らく「上手くできた人」と、「イマイチよくわからないなと言う人」とが混在する状態なのでは無いでしょうか? なので種明かしが必要でしょうね。ではコレから一つずつ何回かに分けて、3つのマジックの種明かしをしてまいることにいたしましょう。 ところでイキナリ説明に入る前に、5年前に私が何を発見したのかを申し上げることにします。全てはあの時から始まったのですから... 2014年の夏、私はエアコンも壊れ、風呂も壊れ、蒸し暑い部屋の中で意識が朦朧としながら床にひっくり返って、手頃な大きさのノートを団扇がわりに使ってあおいでいました。しかしいくらあおいでも一向に涼しくなりません。動きの鈍い意識がこの時にふと「何でだろう」と思ったのです。 その原因はノートが起こす風が当たった場所が涼しくなる一方で、あおいでいる方の腕が、仕事をすることで熱くなってくるからのようでした。ここで「はてな?」と思いました。 と言いますのは、私達のように年中プールの中でドルフィンキックを打っている人間は、無意識のうちに「自分は前方からの水を後方に送り出している」と思い込んでしまっていたからなのです。 ですからノートであおぐ時にも、「ノートを握った手の側」から、うちわの羽に相当する「ノートの側」へと空気が流れているものだと勝手に思い込んでいたのです。 〈図-1〉 そして、そうであるなら、”うちわをあおぐ”という行為は『手側から、ノート側に空気を送り出す』ということになります。それなら空気の分子が手にも触れるはずです。すると、そのことで手の熱が取り去られるはずなのです。ですから「手が熱を持つのは不思議だな?」と思ったのですね。 一旦何かに関心が向くと、私の性格としてはそれが明らかにならないと他のことが出来ません。そこでティッシュぺーを短冊のように細長く切ってその一端を片手で持ち、垂れさがらせるようにしながら、あおいでいるノートの周りに動かしてみて、空気がどう動いているのかを確かめたのです。それでビックリしたのです。 空気は「ノートを持った手の側」からではなく、反対の「ノート側」からノートが空気を送り出した空間に流れ込んでいました。そしてその空気を再びノートがあおぐと、今度はノートの裏側の空間に、やはり「ノート側」の空気が流れ込むという具合でした。 〈図-2〉 コレは言うなればピンポンでもしているかのように、空気の分子をノートの片側で弾き返すと同時に反対側に招き入れ、また今度は反対側の空気を弾き返すとともにこちら側に招き入れるということを繰り返していたわけです。決してノートを握った手の側からノートの側に空気を送り出していたのではなかったのです。 コレは大変な驚きでした。皆さんはこの図を見ても「そんなものかな?」と思うだけかもしれません。しかし『このうちわを持った手』を魚や、イルカの尾ビレだと思って見ていただきますと、皆さんの中にもとんでも無い事に気がつかれる方がいらっしゃるかもしれません。そうです!水の流れが反対になってしまうんです‼︎ 私は今まで魚やイルカ達のあの美しい流線型の体の形から、てっきり彼らは自分の進もうとする方向からの水を後方に送り出しているものと勝手に信じ込んでいたのですが、これはもしかすると今まで教わってきたことは全部間違いだった可能性が出て参りました。 しかも一旦今までの前提を全て忘れて、仮に「イルカや魚は、自分の体の後方から自分の泳ぐ速度と同じスピードで追いかけてくる水を蹴ることで前に進んでいる」という仮説を立てて考えてみたら、何とも恐ろしいくらいにあらゆる現象が説明できたからです。 ところがこんな事は世界中の本には書いてないのです。 どうやら、えらいことをやってしまったと感じました。ブレークスルーのきっかけを掴んだ瞬間でした。 (続く)
2019年02月15日
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久し振りに再開した無冠のハゲの王者、ブラント ハゲットのブログをお訪ねくださった皆様、誠に有難うございます。 池江璃花子選手の白血病宣言には心が痛みましたが、池江選手一人に日本の水泳界の全てを託すということでは、「より多くの人に水泳の楽しさを知ってもらって、水の事故で命を落とす人がなくなるようにする」という水泳人の大きな目標に反することになります。 また、長い間放置したにもかかわらず、忘れずに尋ねてくださった方々にも何かお礼がしたいものです。 そんな訳で本日は皆様にプレゼントを用意致しました。それはどんな人でも必ず泳ぐスピードが速くなる魔法の技で御座います。もちろんコレは魔法などでは無く、仕掛けはちゃんとあるのですが、それでも多分多くの皆さんが試してみたら驚くことと思います。 プレゼントは3つあります。 まず一つ目はスタートに関してです。 多くの皆さんはスタートで水中に飛び込んだ後に、ほんの少しだけ時間を置いてからドルフィンキックを打つように言われているのではないでしょうか? 何故なら「水泳競技中に最もスピードの出るのは飛び込みの空中での時間であり、次が水の中に飛び込んだ瞬間である。だからできる限り綺麗なストリームラインを作って水の抵抗を抑えてこの最大スピードの時間を伸ばし、スピードが落ちる前の絶妙のタイミングでドルフィンキックを打ちなさい」というように説明を受けたことかと思います。それはそれで良いです。 しかし、今日は敢えて理由を説明しませんが、この《水中に飛び込んで綺麗なストリームラインを作って何もしないでいる瞬間》を無くしてみてください。つまり水に飛び込んだ瞬間からドルフィンキックを打ち始めるのです。コレで確実にスタートが早くなります。コレはターン後の動作も同様です。 次に二つ目のプレゼントをします。コレは試合では使えない場合のあるテクニックですが、水の特性を知るにはとても面白い内容です。それは水深の浅いプールで水中ドルフィンキックをする場合、プールの底から10~15cmのところで泳いでみてください。 最後に三つ目のプレゼントです。コレは自由形以外だと難しいかもしれませんが、泳ぐ時に一番端のコースを選び、壁際ギリギリの所を泳いでみて下さい。 さて、取り敢えずこの三つの事をうまく組み合わせてやってみて下さい。調子の悪い人でもタイムは簡単に上がるはずです。恐らく25Mで1秒位は速くなると思います。何故かということはまた今度説明いたします。 プレゼントを楽しんでみて下さいませ。 それではまた。( ◠‿◠ )
2019年02月13日
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日本の競泳界の次期スターと見られていた池江璃花子選手の白血病罹患宣言には衝撃を受けました。 恐らくご本人やご家族が最も辛い思いをしていらっしゃることと拝察します。 この際、試合のことなどは一旦頭の中から全部追い出して病気を治すことに専念してほしいと思います。 それにしてもなぜ超一流のアスリートである池江選手のような若者が白血病にかかってしまったのかは気になるところです。同じような事態が若者の間に広がっていたら困るからです。 私としてはむやみに世間の不安を煽ることはしたくないのですが、それでも科学技術神話への無批判な態度が、知識のない若者の命を脅かすようなことになっては身も蓋も無いと思っています。 池江選手のケースとは無関係かもしれませんが、スマートフォンやPCの電磁波は健康に良くないことは若い人達もよく知っておくべきです。あまり使用しすぎないように気をつけることは勿論ですが、長時間ポケットに入れているだけでも、その周辺の人体組織に悪影響が出ます。 頭の近くには置かないようにし、出来るだけ体からも話して置くようにするとか、ポケットの内側にアルミ箔を貼るとか、自分なりに工夫をしたほうがいいと思います。スマホは素晴らしい文明の利器ですが、危険性をも知って上手く利用するようにすべきですね。 さて、池江選手の話に戻りますが、長期間水泳の練習から遠ざかるということは、水泳選手としてはかなり厳しい事です。しかし私たちの人生は決して20年や30年で終わるわけではないです。今では90歳近くまで生きる事が当たり前になりつつあります。ですから何か人生の中で必要になる事に時間を振り向けてみるのも良いと思います。 ただしそうは言うものの、自分にとって何の馴染みのない事を新たに始めるのはかえって負担になりますし、出来ればご自身のこれまでの経験から、『今まで忙しくて気がつかないでいた様々な事を思い出しながら、知見を深めて頂く』というのが、きっと水泳レーサーとしてのモチベーションにもプラスであり、尚且つ人間としての成長にも役立てていただけることなのかもしれません。 そんな訳で、長期間お休みしていたこのブログを再開することにします。これまで封印してしまった水についての知見を再び分かりやすく説明します。 池江選手や、明日のスターを目指す若い選手や、彼らを支えている沢山の方々のお役に立つことができましたらこれに勝る喜びはございません。 ブラント ハゲット
2019年02月13日
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2015年の競泳日本選手権が終わった。大会最終日も各レースとも素晴らしい内容だった。女子200M平泳ぎでは、渡部選手(2:20.90、今大会4冠)、金藤選手(2:21.90)、今井選手(2:23.55)の上位3名が派遣標準を切るハイレベルのレースが展開された。男子100Mバタフライでは、この1種目に賭けた藤井拓郎選手(51.77)が先行する川本武史選手にピタリとくっついてラスト数メートルで逆転し、7連覇達成。また女子400M個人メドレーでは、昨年の覇者・清水咲子選手が序盤から積極的に飛ばし、平泳ぎで猛烈に食い下がってきた高橋美帆選手をラストの自由形で突き放した(4:36.12)。その他のレースもみな選手の気持ちが伝わってくるような見事なものだったが、特に私がびっくりしたレースは池江璃花子選手の50Mバタフライです。記録に驚いたのではありません。かつてのオランダのデブリューイン選手とか、スェーデンのシェーストレム選手のように世界の頂点に立つ天性のスプリンターを髣髴とさせる、彼女のダイナミックでバネのようなフォームに度肝を抜かれたのでした。この中学生は将来相当なところまで行けると思う。今大会、自由形で泳いでいる彼女を見ていたうちは、「特に腕が太いわけでもないのによく進むし、不思議だな?」と感じていたのですが、このバタフライを見て深く納得しました。以前にTV番組で、ご両親が自宅の天井に”うんてい”を据え付け、彼女が小さい頃から遊んできたことが紹介されているのを見ましたが、確かに『両手同時に次々と連続してバーに飛び移る動作』はバタフライの体幹を作るのにとても適していますね。これなら腕と体幹を別々に鍛えるのではなく、同時に使うので、水の中で腕の力がスムーズにバネのような体のうねりに繋がる体が作れるわけです。いや、これには1本取られました。これまで日本人女子選手のバタフライと言うと、パワーで外国人選手に勝てない分を理論や省エネ泳法といった技術で対抗するというふうになりがちでしたが、池江選手の泳ぎは『これこそ本当のバタフライ』というような見事なもので、今後本格的に筋力がついてきたら驚異的な選手になる予感がします。さて、改めて大会を振り返って見ますと日本新記録こそ少なかったものの、優勝した選手達はいずれもかなりいいところまできたタイムで泳いでいました。また稲田法子選手のような大ベテランが体をしっかりビルドアップして出場してきて下さったり、萩野・瀬戸両選手や、渡部選手に続くような中・高生スイマーが出てきてくれたり、と嬉しいサプライズもあり、見ていてとてもエキサイティングな大会だったと思います。また、厳しい”世界水泳への派遣標準タイム”に僅差で届かずに涙を飲んだ選手も多かったですが、これが五輪イヤーでなくて良かったと思えるように、今回の経験をうまく生かして行ってほしいです。50歳を越えて私にもようやく分かってきましたが、実際、落とす方の心境も非常につらいんですよね。でもそこは実力勝負の世界ですから、やらないわけには行かないし、選手というのはファイターなのですから、どういう障害が出てこようが、何とかして自力でそれを乗り越えなければなりません。全ての人が出来ることではないし、どんなに頑張っても自分も負けるかもしれない。そういう不安とも常に戦わなければなりません。もし周りの人が全ての手はずをテキパキと整えてくれて、「何もよけいな心配事をすることなく、勝負なり、記録なりに専念できたら、きっともっと楽に良い結果を出せるのに」という気持ちになる人もいるかもしれません。でもそれでは人間がどんどん甘くなってしまいます。人生はとても残酷です。スポーツの比ではありません。そして多くの人達が、この後も50年とか、60年とか、70年という長きに渡って自分の家族や、友人を守って戦わなければなりません。突然のケガで体が動けなくなるかもしれません。視力を失うかもしれません。予期せぬ不幸に見舞われて無一文になるかもしれません。でも、そういう時ですら、過去に何度も修羅場を潜り抜けた経験のある人は、何とか問題を解決して生き抜く術を自力で見出して、ちゃんと家族を守り、戦い抜いてしまうのです。皆さんのやっていること、何度跳ね返されようとも挑戦し続けること、そういうことが無価値だと思う人にはそう思わせておけばいいです。若い選手の皆さんが、”今”やっていることの答えは、これから何十年かした後にきっと返ってきます。今大会、頑張った全ての選手に『お疲れ様でした。素晴らしいレースを見せてくれてありがとう』と申し上げます。
2015年04月12日
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連日熱戦が繰り広げられている競泳日本選手権第5日目。本日世界選手権への代表権を獲得したのは、星奈津美選手(女子200Mバタフライ)入江陵介選手、金子雅紀選手(男子200M背泳ぎ)小関也朱篤選手、立石諒選手(男子200M平泳ぎ)本日の決勝レースはいずれも見ごたえのある内容のものばかりだった。惜しくも今回は世界選手権まで届かなかったものの、女子800M自由形ではこの春高校1年生になったばかりの佐藤千夏選手が、後半のスタミナ勝負に強い大学生の先輩達を尻目に序盤から積極的なレースを仕掛け、終始自分の身長並みのリードを保って逃げ切った。記録も8:33.71で、大幅に自己ベストを更新してこの種目初制覇。女子の長距離自由形で世界に水を開けられている中で、アテネの柴田亜衣氏以来の大物長距離スイマー誕生を予感させるような見事な勝負根性をみせた。女子の200Mバタフライでも、星選手が100Mを59秒台ではいるという、まるでイタリアのF1レーサーか、はたまた柴田隆一氏かと思うような、いきなり前半からのブッチギリの展開をみせた。さすがに後半の100Mは1分6秒以上かかってしまったが、前半の貯金が効いて2:06.66で圧勝。星選手がこのようなレースパターンを成功させたのは本日が初めてではないだろうか?優勝インタビューでアナウンサーに『先生の指示ではなく、自分の意思でやった』と答えており、世界の舞台に再び上がりたいという強い思いをうかがわせた。男子200M背泳ぎでは入江選手が、最初のターンでバサロを使って食い下がってくる金子選手を75M辺りから突き放しにかかり、そのまま後半は他を寄せ付けない日本代表エースの貫禄を見せて、この種目9連覇。記録は1:54.93で本人が目指していた1分53秒台には及ばなかったが、映像で見る限り私には泳ぎの部分に問題があるようには見えないので、やはりターンの修正が今後の課題になると思う。泳速が上がれば上がった分だけ”自分が作り出す波の力”も大きくなる。入江選手のように浅い水深でターンしてしまうと、どうしても自分が作った強力な波の中に頭から突っ込むような形でターンすることになる。そうなるとキックの蹴り下ろし動作の際に生じるふくらはぎ部分の抵抗も大きくなるから、せっかくの壁を蹴ったスピードが自分自身で作り出した波によって相殺されてしまっているのではないだろうか?スタートは善しとしても、途中のターンはあと30~50cm深く潜るようコース修正するだけで記録に違いが出てくるかもしれない。これは結構簡単なことである。壁を蹴る時に水面と平行な姿勢で蹴りだしても、胸をそらせて手先をプールの底に向ければ、た易くプールの底の方向に潜れるし、また深く潜り過ぎてしまって早く浮上したい時には、あごを引いて手先を水面方向に向ければ楽に浮上コースを作れます。背泳ぎの選手は肩間接が柔らかく、カジキマグロのように見事なストリームラインを作れる人が沢山いますが、そのことが逆に肩甲骨の動きをロックしてしまって、腕を潜行舵のように使う妨げになっているのかもしれません。つまりこのように考えれば、課題はあるとしても入江選手の状態は悪くないということになる。一方の金子選手はとにかくアンダーウォーターのテクニックがやたら上手い。泳ぎの部分では入江選手にまだかなわないが、お互いに相手の良い部分をしっかりと盗み合っていけば、この夏は面白い結果が期待できるかもしれない。男子200M平泳ぎでは、昨年からポスト北島の五輪王者最有力候補となった小関選手が、スタートからガンガン飛ばし前半100Mを1:00.86のハイペースで先行、後半スピードは落ちたものの、ラストの50Mで立石選手、小日向選手の猛追を振り切って、自身初となる2分7秒台の2:07.77でレースを制し、100Mとの2冠を達成した。レース直後のインタビューで『2分7秒台で泳ぐのってこんなにもしんどいんだなあ。』と素直に語っていたことから、これまでに積んだ練習量が尋常でなかったことを窺わせる。この記録で泳いだことで今後周囲の期待はいやがうえにも高まるのだろうが、別に何がどうということではないけれど、小関選手には周囲の期待とかが全く気にならない性格なのではないかと思わせるような何とも言えない頼もしさがある。海外勢のレベルが上がった種目でもきっとやってくれるだろう。本日は実際に辰巳にレースを見に行けなかったことが残念でならない。大会は尻上がりにヒートアップしてきている。萩野選手や、瀬戸選手、アメリカのレデッキー選手に刺激を受けている若手選手と、簡単に勝ちを譲る訳には行かないベテラン選手達のプライドがぶつかり合って、何というか、国内の試合とは思えないようなレベルになっている。レースが重なるにつれて各選手とも勝負に対する気持ちがどんどん高まって、もう体調がどうとかいうことも気にならなくなってきているんじゃなかろうか?大会も残すところ後1日。レースの残っている選手は若手も、ベテランも、あさってのことなど何も考えずに、今持っているものを全てプールぶつけて行って下さい。今はただひたすらしんどいだけかもしれませんが、何十年も後になって『あの時自分は輝いていた』と思い出せますように。
2015年04月11日
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競泳日本選手権第4日目。今大会の主役となった観のある渡部香生子選手が200M個人メドレーで自身の日本記録を大きく更新する2:09.81で泳ぎ、100M平泳ぎに続き世界選手権への切符を手に入れた。渡部選手は初日に日本記録までわずか0.03秒差まで迫った50M平泳ぎとあわせて3冠も達成している。記録の面だけから言うと、今年の日本選手権は女子の活躍が目立つ。絶好調の渡部選手の他にも、昨日の50M自由形準決勝で25秒の壁を破った内田美希選手や、堂々たる中学生新記録を連発している池江璃花子選手(200M/50M自由形)、酒井夏海選手(50M背泳ぎ)、さらにジュニアの世界記録を更新した牧野紘子選手(200M個人メドレー)と、ここに来て長年女子選手強化を掲げてきた水泳界の悲願が実りつつあるようだ。頼もしいのは、これまでどういうわけか中々体格の大きな女子選手が出てこなかったのだが、そのような傾向に変化が見られることだ。それに加えて、渡部選手にしても、また2年前はホントに細くて小さかった平泳ぎの今井月選手にしても、みんなしっかり体の強化に取り組んできたことが伺われる。東京五輪の主役を担うことが期待されるティーンの選手達の頭の中に世界レベルとの戦いが明らかに意識されているのだと思う。一方、記録以外の面からも変化が出ている。つまりレースの質的な変化とでも言うのか、これまではいずれのレースも『前半楽に入って、後半のスパートで勝負する』というパターンが圧倒的に多かったのだが、今回の日本選手権はそれが全く違う。距離が長かろうが、短かろうが、そんなことには関係無く、みんな前半から突っ走るようなレースをしている。これは、ただ奇策に打って出ていると言うことではなく、『ちゃんと後半バテないだけの練習量を積んできたぞ』という自信の表れだろう。現実には各選手のコメントにもあるように、後半はみんなバテていたようだ。だがハードな練習の効果と言うものは調整期間とのバランスが難しく、中々短期間で結果に結びつかなかったりするが、長期的には必ず良い効果が出てくる。今回はあまり記録が出なかったと思っていたのに、2~3ヵ月後には記録連発と言うことになるかも知れないので、こういう気持ちの入ったレースをこれからも続けて行ってほしいと思う。(私らのように、100M自由形で50秒を切るのが難しかった時代の人間の目から見ると、200M自由形の前半を50秒台で入った昨日の坂田怜央選手の泳ぎなどはもう滅茶苦茶血が騒ぐ。惜しくも800Mリレー代表入りを逃してしまったが、主要な大会で誰もやろうとしなかったことを試みる度胸にすっかり共鳴してしまいましたよ)。さて、大会も残すところ後2日。選手の皆さんはしっかり体の管理をして、最善の戦いができるよう、最後まで気を引き締めて頑張ってください。昨年春に眼を手術してから視力が大幅に落ちてしまって、中々会場で皆さんの活躍を直接見ることが出来なくなってしまいましたが、ネットで細かく情報を流してくれるフッキーさんや、名解説者、林亮さんのTV中継などを通して、注目&応援を続けます。ガンバレ日本のイルカ達!
2015年04月10日
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2015年の競泳日本選手権、第2日目。夏のロシア・カザン世界選手権の代表選考会もかねた本大会だが、今回の派遣標準記録ははっきり言って非常に高い。これまでは『世界大会で準決勝進出を狙えるレベル』に設定されてきたが、どうも今回のタイムは『夏の本戦では確実に決勝に進出し、メダル争いに絡めるレベル』をターゲットとしているようだ。昨年のアジア大会での場外スキャンダル騒動の教訓を踏まえた『選手に対して厳しい選考姿勢でのぞむ』という日水連の意思表示なのかも知れない。出場選手も各所属のコーチ陣も事前に水連の意向を受けているはずなので、相当にハードな練習に取り組んできたものと思われるが、逆に調整期間の不足で疲労が抜けないまま大会に臨んでいるのか、なかなか選手達の思いが記録に結びつかないでいるように見える。そんな中で、過去日本代表として苛酷なスケジュールの海外遠征をこなしてきたベテラン組(いずれも男子で、萩野選手/400MFr、入江選手/100MBa)、小関選手と立石選手/100MBr)は早々と代表権獲得を決めている。また入江選手に次いで2位だったが素晴らしいスタート技術を持った金子雅紀選手が新たに代表メンバー入りを果たした。女子では初日に50MBrを日本記録まで0.03秒差の31.07で制した渡部香生子選手の成長ぶりが目を引く。2日目の100MBr準決勝もただ一人1分6秒台で1位で決勝へ通過した。これまで”泳ぎのセンスの良さ”、”持久力”は折り紙つきといってよかったが、ここへ来てレベルが上がったのがスタートの技術である。飛び込んでから15Mまでのタイムが7秒を切っているように見える。こんなスピードを出せる女子は世界でも1人か2人くらいだ。リトアニアのBr・スプリンターであるルタ・メイルティテ選手もスタートは上手いのだが、彼女は反射神経は凄いけれども、水中動作ではそれほど伸びない。むしろさっさと浮かび上がって、強烈なテンポ泳法で泳ぐことで15Mまでを約7秒で通過する。米国のソニ選手やロシアのエフィモア選手は後半型なので、それほどスタートで飛び出すことはない。渡部選手のスタートの速さは水中動作の部分が大きい。つまり体力をほとんど使わないで済むテクニックの凄さなのであり、この意味で言うなら世界最高レベルのスタート技術に達したことになるだろう。確かにパワーという点では、まだメイルティテ選手やソニ選手に及ばないかもしれないが、年齢的な伸びしろを考えれば今後の彼女の活躍には十分期待が持てる。実は渡部選手のスタート技術についてはきちんと解説をしたいのだが、現在私はいろいろと面倒な制約がかかる立場にあり、まことに申し訳ないのですが突っ込んだお話が出来ません。ですので、もしご興味をもたれた方は是非とも、映像分析を行ってみてください。とんでもないことをやっていますよ。さて”厳しい派遣標準”という難題を前に多くの選手が苦戦を強いられている今大会ですが、業界が”仲間内の馴れ合い所帯”に陥らないようにするためには、こういう厳しい措置は止むを得ないでしょう。とは言え、まだ若い選手達の中には、自分の結果を正面から受け止められなくなってしまう人も出るかもしれません。私のようなプールを離れた人間が出来ることは少ないですが、様々なことを犠牲にしながら自分達の持てるものを全部ぶつけて本大会にのぞんだ全ての選手達に、『あなたたちの活躍を見ている人は、少ないかもしれないがちゃんといますよ』と申し上げたい。大会はまだ始まったばかりですが気持ちを切らさずに戦ってほしいと思います。
2015年04月08日
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毎日暑いし、だるいし、やらなきゃならないことは沢山あるのに、お金はないし、エアコンは壊れてるし、パソコンは壊れるし、風呂は壊れるし、体も壊れるし、家族も壊れるし…この状況で出来ることは引っくり返って、目の前の厳しい現実から可能な限り逃避して、取り止めの無いことでも考えることぐらいなので、中世のハゲ坊主よろしく、心に映り行く由無し事をあれこれ考えて、いくつか幾何学図形を描いて、「これじゃ駄目、あれじゃ駄目…」などとボヤきながらやった挙句、結局あきらめて一番簡単な論理に戻って、誰が見てもパッとしない力学分析を半分朦朧としながらやっていたら…ひらめいてしまいました。とんでもないことです。まさかと思って、色々考えをひねくり回してみました。どうも怖ろしいまでに、全ての関連事象と論理整合性が取れている…が、しかし既に他の人たちが解明していることじゃないのだろうか?何しろピタゴラスやアルキメデスはどう考えても私より優秀だったし、彼ら以来、権威よりも自然観察と実証を重んじる合理主義者は有名無名を問わず、世界中に数限りなく現れたはず…ところが、何故か一人もいない…、そんなバカな…こんな状況は俄かには信じられません。自分で望んで、やっていたのではありません。あまりの暑さに現実逃避しようとして夢でも見ている気分です。さて、どうしましょう?この原理を公開すべきか?それとも他人には一切知らせず、いっそのこと独り占めしてしまおうか?でもいずれは誰かが気付くでしょう…だって、「それ」はそこにあるのだし、私が気付いたくらいなんですから、他人も気付かないはずはありません。じゃ、第一発見者となるべく公開するか?でも、それには問題があります。きっとまた6年前のように利益を巡って大騒ぎが起きる。しかも今度の大騒ぎは、私が火をつけたことになるのです。「何を言っているのか、いい加減にしろ!」と思われてる方々、お怒りは御最も。ですがもう少し考える時間をくださいませ。何しろ責任が重過ぎます。私が偶然解き明かしてしまったと思われる原理を応用した場合、もしかするととんでもない”究極の高速水着”が結構簡単に作れます。あの6年前の水着騒動の経験のおかげで、私はFINAのルールにも通暁しており、規制のかけようのない製造法のアイデアなどその気になれば、いくらでも湧いてきてしまうのです。しかし状況をコントロール不能にしたくはないので、まず実験して特許をとることを考えています。私がやらなければ、どうせどっかの他人の考えを盗んで金儲けすること以外に何の関心も無いようなロクでもない輩がやって、責任だけは私に押し付けてくるでしょうから。何かまるでもうすでに新型高速水着が出来たような発言で、自分でも言っていることが少々キチガイじみていると思います。でも、当初の狙いは水着でも金儲けでもないんです。そういうものとは全く無関係に、ランダムに自分の失敗だらけの困り者の半生を漫然と振り返っていただけなのです。だから、山の中を歩いていたら、突然に街の大通りに出てしまったようで、心底戸惑っているんです。そういう訳でまた、しばらくブログは休みます。私のバカな話を楽しみにしてくれていた皆様、特に若い諸君には心底申し訳なく思います。でも、いずれ問題が片付いたら、一切を公表致しますんで、どうかその時まで今しばらくご辛抱をお願いいたしますです。ゴメンネ…
2014年07月28日
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今年はあまりにも忙しく、しばらくブログからも遠ざかっていたら、何やら画面のテンプレートが見慣れない形になっているし、いくつかのページは消去されてしまうし、借家人のそこはかとない悲哀を感じないわけでもない。そもそも、このブログを書き出した当初の目的はメーカーの開発者の方々にユーザーからのフィ-ドバックを届けて製品開発に生かしてもらうことだった。ところが2008年北京オリンピックを前にして例の水着騒動が持ち上がり、ブログの目的も変わってしまった。あの時は「こんな差し迫った時期にレース以外の問題に選手を巻き込むなんて非常識もいいところじゃないか」という義侠心のようなものが湧き上がってしまい、黙っていられなかったのです。しかしいろいろな立場の方々の意見を聞いているうちに、本当は誰もが日本の水泳選手の活躍を心から願っていることが分かったし、結局多くの人達は十分な知識・情報が入らないためにフラストレーションを感じているのも分かった。また情報メディアの方々も、他にも沢山の仕事を抱えながら、そういう細かい専門的なニーズにどういう形で応えていけばよいのか測りかねているように見えた。そんな訳で私のブログの目的は「水泳に詳しい人にも、詳しくない人にも、分かりやすく理解できるような情報・知識を提供すること」に変質して行きました。ところで改めて周りを見てみると、水泳のレース解説には林亮氏のように、もう見事としか言いようのない実況解説のできる人が出てくるようになったし、他のアナウンサーの方々も日本選手以外の競技者の実績や近況をきちんと見てくれるようになった。本当に感謝しています。だが、これでやることが無くなった訳ではない。水泳の世界を取り巻く状況は決してまだまだ気を抜けるような状態には無い。シンクロはメダル圏外の2番手グループに落ちてしまったし、競泳にしてもポスト・フェルプス時代の競争は激烈なので慢心しているとヨーロッパやアジアの無名の選手達に後れを取ることも覚悟しなければならない。それに何より、厳しい練習に向かう選手達のモチベーションを維持するためにはどうすればよいのか?人生でやるべきことは沢山あるのに、なぜ1000分の1秒の記録短縮のために心血をそそぐのか?そうしたことの答えを見つけられるようにしなければならない。また今年も世界中で多くの人が水の事故で命を失った。大規模な自然災害を前にして人間の知識でどれだけのことができるというわけでもないだろうが、それでも「もし正しい水泳の知識を多くの人が持っていたら…」と思わずにはいられない。水泳界の頂点の部分だけでなく、底辺の部分にもやらなければならないことが山積みになっているのである。私も気がつけば50歳である。どう頑張っても、もうあと50年は生きられないだろう。今日までの歳月が本当に短かったことを考えれば、悠長に構えてもいられない。自分が大した人間でないことは百も承知だが、せめて死んだ後で「あいつがいた時は結構面白かったなあ」と思ってもらえるようなことを残してから死にたい。来年はもう一度このブログの方針を考え直してみたいと思う。
2013年12月13日
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その会員制スポーツクラブは首都圏郊外のベッドタウンの、とある駅前にあった。設備はトレーニングマシンジム/エアロビスタジオと25Mプールを備えていた。サービス内容は大まかに言って2種類、すなわち子供向けの水泳/体操教室と、大人向けのジム/スタジオ及びプールの設備やレッスンの提供である。設備がやや古いことを除けば、まあ、どこにでもあるようなスポーツクラブだった。ただそこは立地条件が良かった。また料金も、大人の正会員の場合、月額1万円で無制限の利用ができるため、育児を終えた主婦や高齢者の人気を集めていた。会員数は大人と子供を合わせると大体2600人程度はあった。私は正確な経営指標を見せてもらったことはないが、会員単価の平均が5千円程度だったとしても年商1億5千万円くらいはあったことになる。経営が赤字になっているような危機感はほとんどなかった。ただそこのクラブには、支配人や従業員を困惑させるような、ある問題がずっと付きまとっていたのだが…-----------------------------------------------------実はそのクラブでは「プールの水が汚い」という匿名の会員の方からの指摘を何度も受けていた。そして保健所の立入り調査も受けた。無論、クラブ側でも細菌の繁殖を防ぐための最大限の注意を払っていた。プールろ過機や、水底に沈殿した細かなゴミを取る掃除用ロボットは当然備えていたし、また常に水の透明度を25M以上確保するよう指示がなされ、殺菌対策として2時間おきに大量の塩素が投入されていた。むしろあまりにも大量の塩素が投入された結果、通常のph測定器では試薬が赤くならなくなってしまうことが度々あったが、そんな時も、これでもかと言わんばかりの、さらなる塩素投入が敢行された。そしてプールを利用する全ての人に対して、入水前の入念なシャワーの使用を徹底してもらっていた。このようなことが効果があったのかどうか私は知らないが、プールは営業停止処分を受けることはなかった。どうやら細菌は発見されなかったらしい。しかし会員の方からのクレームは、その後もずっと収まらなかった。従業員の間では、トレーニングマシンを使って汗をかいた後などに、体がチクチクと痒くなるという声が上がっていた。だがそれはプールの問題とはみなされなかった。恐らくマシンにその前の使用者の汗などが残っているせいだと考えられた。こうしたことに対して、当時の私はプールへの塩素投入量が多過ぎたため、水が酸性化しているのではないかと思っていた。だが今思うと、そう考えるには妙な点もあった。誰もが「体が痒い」と感じるのは、プールの利用中でも、プール使用直後でもなく、むしろ、プールから上がってしばらく時間が経った後なのだ。一体、原因が何であるのか誰にも分からないまま、会員からのクレームとのイタチごっこは続いた。ただ確かに言える事が一つだけあった。そのクラブのプールの水は、近くにあった千葉県国際水泳場のような"50Mx10レーンx水深2M"という『大きくて空いているプール』と比べると明らかに水質が違った。従業員も、会員の方々も、誰もがそう感じていた。----------------------------------------------------今の私には一つの仮説が立てられる。それは「あの原因は"酵素"だったのではないか?」というものである。当時のクラブ側の対策には、"酵素"のプールへの侵入を防ぐような手段はなかった。と言うより、誰も「酵素が原因かもしれない」などとは考えもしなかった。プール利用者には入水の前後に入念なシャワーを浴びてもらってはいた。だが、すべての女性に、結んだ髪の毛を解いてからシャワーを浴びてもらうということはしていなかった。つまり、こういうことだったのではないだろうか?1)女性たちが自宅で、お風呂上りに洗剤の残留酵素のついたタオルで髪を拭く2)女性の髪の毛に酵素が付着3)プール入水前に髪を結んでシャワーを浴びる。酵素は洗い流されること無く毛髪上に残る4)メッシュキャップで頭部を覆い、プールで泳ぐうちに髪に付着していた酵素が水中に流出するそのスポーツクラブでプールを利用していた会員の7~8割が女性であり、しかも多くの人が週3日以上はプールを訪れていた。またプールの水を全て入れ替えるようなことはあまり行われていなかった。そのようにして、「25Mx8レーン(1レーンの幅は2M)x水深1M」という水溜りのような小さなプールに、誰も気付かないうちに大量の酵素が蓄積されてしまったのではないのだろうか?洗濯用洗剤の酵素は弱アルカリ性の水の中で活性を発揮する。だから大量の塩素が投入されてphが酸性化してしまったそのクラブのプールの水の中では反応しなかったのではないか?だがプール利用者の体に付着した酵素は、後になってその人の汗や涙など、弱アルカリ性の水分に触れることで突如再び活性を取り戻し、加水分解反応を引き起こしたのではないだろうか?これが保健所の立入り調査でも見落とされてしまった問題の正体ではないのだろうか?細菌が死滅するほどの塩素が投入されたプールに入った人達が、口々に「何だか知らんが体が痒くなった」とか、「目が霞むようになった」とか、「皮膚が弱くなった」とか、「鼻水や鼻血が出やすくなった」とか、「花粉症がひどくなった」などなどと訴えていた理由は、こういうことだったのではないかと私は思うのだ。---------------------------------------------さて、このプールで起こったことは、上記のような会員の方々からの不満だけではなかった。私にとっては一生忘れることのできない苦い経験をさせてもらった。私はもう少しで人を殺してしまうところだった。だがそのことはまた次回にしたい。
2013年01月14日
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今回も酵素系洗剤の問題について警告する。理由は「私自身がこの洗剤が原因と見られる疾病に長年苦しめられたから」という個人的なものではない。自分1人が酵素系洗剤の使用を止めたくらいでは、この洗剤がもたらす2次、3次の汚染という問題が解決できない。"環境問題と人類の未来"などという壮大な大風呂敷を広げるつもりは無い。まずはもっと身近で切実で、このブログのメインテーマである"プール"の話であり、さらには大勢の人が、理由の分からないまま疾病に苦しめられている膨大な時間的、経済的損失を終わらせたいからだ。------------------------------------------------------今回はもう一度前回に書いたことをおさらいしたい。洗剤に使われた酵素が洗濯された衣類上に残ってしまった場合、以下のような経路を通して酵素は人体に付着し、水分が完全に蒸発するまで加水分解反応を引き起こし、タンパク質である人体を分解する。つまり体を溶かす。(1)風呂上りの体や、濡れた手を"タオル"で拭く(2)顔を洗って"タオル"で拭く(3)涙や鼻水を"ハンカチ"で拭う(4)"服"を着ての運動中、または寝ている間に汗をかくところで(4)の例を別にすれば、(1)~(3)では瞬時に水分がなくなるから反応は止まるのだが、むしろその後が問題だ。上の(1)~(3)のケースで、水分が蒸発した後、毛髪や、顔、手の指先、体などに付着した酵素は、こうした人体の各部位に残留し、唾液、鼻水、涙、汗やその他の体液によって再び活性化する。そして本人が全く予想もできなかったようなタイミングで体を溶かしてしまう。この時に痛感神経がジワジワと刺激され、「痒い」から掻く。すると酵素は指先から傷口に入って、より深刻な炎症を引き起こす。繰り返し炎症を起こした顔面の皮膚、鼻腔内粘膜、角膜、体表面などは溶けて、削り取られることによって薄くなり、健康時本来の機能を発揮できなくなる。このため紫外線やカビの胞子や菌といったハウスダストなどに対して、より敏感に反応し、大量のリンパ液を流したり、鼻水を流したりする。すると水分が供給されて酵素がさらに活性化して加水分解反応が加速し、炎症を急激に悪化させてしまう。悪夢のような負のスパイラルだ。-----------------------------------------------------ところで、このように皮膚の炎症が酷くなり医師に相談に行くと、大抵必ず「あなたはアレルギー体質ですね」という宣告を受ける。だがこの"アレルギー体質”という言葉も困ったものだと思う。それは特定の症状が現れた患者の傾向を総称として言い表しているに過ぎず、決して原因を表す言葉とは言えないからだ。確かに遺伝的な理由で皮膚の弱い人はいるだろう。しかし炎症を起こしている人が誰も彼も片っ端から"アレルギー体質"なのだとしたら、私のように本来なら皮膚疾患の炎症が酷くなる季節に症状が悪化するどころか急速に改善してしまった人間がいることの説明がつかない。私は生物学的に特異な人間でもなければ、何か特別な治療法や薬品を使ったのではない。ただ酵素系洗剤による人体への酵素汚染経路を特定し、自分の身の回りから完全に遮断した。私がやったことはただそれだけだ。--------------------------------------------------------「当面の症状に対して学術用語を与えて患者を分類するやり方」は薬品開発などの対処療法の研究には有効だろうが、医学界のかや外の一般的な世間では凄まじい誤解を引き起こすこともある。そのことを病院の先生方はあまり考えない。彼らは忙しいのだ。そしてアレルギー体質と診断された人は必死になってハウスダストを除去したり、塩素の入ったプールを避けたり、紫外線を浴びないようにしたり、PCの使用を制限したりする。勿論、こういう努力が症状を軽くするのは確かだ。しかし"アレルギー物質"とは、目に見える症状を引き起こした誘因の1つではあるだろうが、そもそも"アレルギー物質"に過敏に反応するくらいなまでに『体の機能を低下させた根本的な原因』ではない。そしてどんなに一生懸命に"対処療法"を続けても、根本的な原因を取り除かない限り、それは「穴の開いた手桶で水を汲んでいる」のと変わらない。----------------------------------------------------------では根本的原因とは何か?それはよく言われるように加齢による免疫機能の低下で、補助的サプリメント成分を外部摂取する以外に方法の無いものなのか?ならば貧しい者は諦めるしかないのか?しかしだ、本当に加齢が原因だというのなら、どうして50才を目前にした私が、貧しいがゆえに何のサプリメントも取らなかったにも拘らず、中性子線被爆した後ドロップキックを食らったような腫れあがった顔面や、全身ケロイドの状態から元に戻ることができたのだろう?くどいようだが、私は『酵素系洗剤の酵素が体表に付着する経路を特定し、遮断した』だけなのだ。たったそれだけのことで、今はこのようにPCディスプレイを前にして紫外線その他の電磁波に素顔を曝していても、以前のように目も霞まなければ、顔面も腫れ上がらない。そしてそうなるとどうしても、私は次のように結論せざるを得ないのだ。根本的な原因は「衣類上に付着した洗剤の残留酵素が、人体の発汗などで再活性化し、体のタンパク質を分解し、溶かしてしまっていること」である、と。"紫外線"は根本原因ではなかった。"菌やカビの胞子などのハウスダスト"も根本原因でなかった。それらは症状の悪化を加速させる誘因の一つに過ぎなかった。"加齢"というのも自分の年齢を考えると信憑性が薄いと思う。"花粉"は今は時期でないから分からないが、これも春先になればはっきりと分かるだろう。------------------------------------------------------さて、上記のように結論を下せるようになったことで、私個人に関する限り10年以上にもわたった白内障や、皮膚の炎症、顔面のトラブルに伴うPCの使用や対人ビジネスへの不適応、神経症、不眠症といった問題の大半が解決してしまった。まことに喜ばしい限りだが、しかしながらまだ完全ではない。やるべきことが残っている。そのことを次回に書く。
2013年01月12日
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気の重い話である。正直書こうかどうしようかずっと迷ってきた。どうせまた叩かれるか、無視され、干されるのが目に見えているからだ。だが、ちょっと考えればまともな教養のある人間なら誰でも「これはマズいんじゃないの?」と気がつくことが、なぜか世の中では全く省みられないままでいることが本当に多い。そしてまたなぜか私はそういうことばかりにピンポイントで首を突っ込んでしまうのが宿命らしい。「一体お前は何をもったいぶっているのか?」と思われるだろうから結論を言ってしまうことにする。それは『現在ほとんどの洗濯用洗剤に使用されている酵素は非常に危険で、使用している人の健康に少なからぬ悪影響を与えているのに、使っている当人達は自分の体調不良の原因を全然別のところにあると考えていること』、そして『"これこれの症状にはこういう物質が効きますよ"などというような対処療法ビジネスばかりが我が物顔に横行し、抜本的な対策が完全に蔑ろにされていること』についてなのだ。つまり、『洗濯用洗剤の酵素は、その危険性について十分に啓蒙がなされないまま漫然と全国的に使われるようになってしまった結果、とてつもない数の現代人の病気を引き起こしているのに、誰もそのことを口にしないのではないか?』と私は疑っているのである。-----------------------------------------------------------------もう少し分かりやすく説明したい。現在洗濯用洗剤に使用されている"酵素"は衣類上に残ってしまった場合、汗などの水分と体温によって活性化して皮膚の上で加水分解反応を引き起こし、"タンパク質を分解"する。別の言葉で言うと『皮膚を溶かしてしまう』のだ。これは別にアレルギー疾患のある人や、敏感肌の人に限った話ではない。相手が誰だろうと酵素にとってはタンパク質はタンパク質だ。一定の条件がそろったら、酵素は、相手が「衣類にこびり付いた皮脂や血や汗などの汚れ」であるか、それとも「生身の人間そのもの」であるかなどということにはまるでお構いなしに容赦なく溶かす。だったら、「日本中の人間がゾンビのようになるはずではないか?人によって症状が出たり出なかったりするということは、特定の人には問題があるとしても、大多数の人には問題なしとしても良いのではないか?」と言われるかもしれない。だがもしも引き起こされている問題の程度の差が「衣類、タオル、寝具などの洗濯物に残留している酵素の濃度」に左右されているとしたらどうだろう?毎日こまめに少量の洗濯物を大きな全自動洗濯機で洗った場合と、大量の洗濯物を小さな2槽式洗濯機で一度にまとめて洗う場合では"すすぎの効果"がまるで違う。また、1回の洗濯時に一々きちんと計量して必要最小限の洗剤を使う場合と、大雑把に目分量で使う場合でも、残留酵素の量は変わってくる。生活実感に則して言うならば、金銭的にあまり余裕がなく、忙しくて身の回りのことに時間をかけられない人と、そうでない人では、着ている物や、タオルや、寝具に付着している酵素の濃度がまるで違う。それは皮膚の溶け方の差という形となって現れる。これは看過できない問題と私は思う。--------------------------------------------------------------------具体的な例で言おう。私が特に問題だと感じているのは、衣類よりも"タオル"のように"水分を媒介として体に酵素を付着させてしまう物"である。残留酵素のついたタオルで顔を拭うのも、いわば硫酸で顔を洗っているようなものであり当然ながら悲惨な結果につながるのだが、もっと悲惨なのは洗った手をタオルで拭うことにより、残留酵素をたっぷりとつけた指で顔や傷のある箇所に保湿剤、薬を塗りこむことである。本人は患部を直しているつもりでも、実際は全く反対のことをしていることになる。さらに書くべきかどうか甚だ迷ったことだが、問題の深刻さを知ってもらうためにも敢えて書く。他でもない、性交時のことだ。男性が事前に残留酵素のついたタオルで手や体を拭いた、或いは残留酵素のついた下着を着ていた場合、性の営みを通して酵素は女性の体の内部に運ばれる。傷付いた膣の外壁に体を溶かす劇薬を塗りこむようなものだと思うが、綺麗に洗濯された衣類や、シミ一つないタオルやバスローブを見て、そういう悪夢のような事態を想像できる人が一体何人いるのだろう?----------------------------------------------------------------私自身も10年ほど前に突然帯状疱疹などの皮膚の疾患と白内障を併発したのだが、あの時は何が原因でそんなことになったのか全く見当がつかず、PCのヘビーユーザーであったため、ディスプレイの紫外線等の電磁波の影響かと疑ってきた。しかし改めて振り返ると、あれはちょうど使用洗剤を粉末から酵素系に切り替えた時期と完全に一致していた。当時は洗濯して「綺麗になったはず」のものが自分の体を蝕むことになるなどとは到底想像できなかった。痒みや、痛みを感じるのは体の免疫力が落ちたためカビや菌などへの抵抗力が無くなり、だからなおさら抗菌力のある強い洗剤を使った方が良いものと思ってしまった。「害を為すのは汚れたもの」だと思い込んで、「汚れを取り除いてくれるものが実は元凶」だとは考えてもみなかった。だが事実は全く逆だった。自分にはそう断言する権利はあると思う。なぜなら酵素系洗剤に疑いの目を向けてこれを徹底的に排除した結果、この10年間私自身を悩まし続けた諸症状が初めて好転したからだ。今では私は単に自分が酵素系の洗剤を使わないというだけではなく、他人が酵素系洗剤を使って洗濯したかも知れない物にも一切触れない。手も体もドライヤーで乾かす。持っていた衣類、タオル、寝具も全部すすぎ直した。そう言うとずいぶんと面倒な生活をしているように感じる方もいるかも知れないが、むしろ私は「たったこれだけのことだった」と思っている。私はほとんどお金を使っていない。しかし効果は絶大だったからだ。まず最初に薄くなってしまった皮膚表層の疾患が徐々に和らいできた。睡眠中にまぶたを強くこすって目を覚ますことも、まぶたの内側が真っ赤に腫れる事も無くなった、硬くなって抜けてしまった睫毛もまた綺麗に生えてきた。朝起きたときに強烈に目やにが出たり、目が開かなくなることが無くなった。別にコラーゲンやヒアルロン酸などを取らなかったにもかかわらず、2ヶ月もすると顔面の皮膚本来の厚みと柔構造を回復した。だが、考えてみればそれが当たり前だろう。飢餓・戦争・災害・病気などに見舞われない限り、人間は何もしなくとも50年やそこらで老いさらばえるようにはできていないはずではないか?-------------------------------------------------------------かくして私自身は長かった冬のトンネルを何とか抜け出すことができた。だがそこで冒頭の疑問が心に浮かんできたのである。自分だけが逆境を乗り越えたことで安閑としていていいのだろうか?10年近くあんなに苦しい思いをしてきたのに、結論は「酵素はタンパク質を加水分解する」という中学の理科レベルのあっけないほど単純な"常識"だったのだ。ところが世間では「洗剤の酵素が衣類に残った場合に、それが皮膚を溶かしてしまうから危険だ」という主張はほとんど聞かれない。今世の中を見ていて私は不思議な気持ちである。誰もが何の疑いも持たないでいるかのように大手洗剤メーカーの酵素系洗剤を買い、その一方で様々なサプリメントや医薬品にせっせと大金をつぎ込んでいる。安価な酵素系洗剤の使用によって自分の目や、皮膚や、毛髪や、膜などの組織を溶かして、神経に異常なストレスを与えながら、高額なアントシアニンだの、ヒアルロン酸だの、コラーゲンだの、天然素材のシャンプーだの、抗アレルギー性物質だの、抗鬱薬だのによって体のダメージを補ったり、神経を回復させようともがいている。これは明らかに不毛な連鎖スパイラルに陥っているとしか思えない。なぜ然るべき知識のある人間が問題の大本の原因を指摘しないのか、本当に不思議で仕方が無い。--------------------------------------------------------------私は化学や医学の分野については素人である。だが自分の体で経験したことは分かる。私の考えはいつも同じところから始まる。それは血を流す心臓からである。時に私は間違うこともある、だからいつも「闇雲に私の言うことに従うべきだ」などとは言わないようにしている。私が提言したいことはいつも他愛の無いことである。それは自分自身で確かめてみてほしいということなのだ。今回の場合で言えば、まず十分な水で洗濯層を洗浄した上で、日常使う衣類の"すすぎ"を行うことをお勧めする。別に「無添加の洗剤」などを使う必要は無い。石鹸や米ぬかより昔は水で洗っていたのだ。すでに衣類に染込んでいる酵素だけで十分洗剤の役割は果たされる。そしてできる限りタオルなどで酵素を体に塗りつけないようにすること、特に手には酵素が付着しないように細心の注意を払うようにしたら良いと思う。もし手を洗ったらドライヤーを使うか、団扇で扇ぐなどして乾かしてはどうだろう。時間はかかるが、こうすれば指先から様々な傷のある箇所に酵素が運ばれることはなくなる。これだけでも神経が絶えずざわつくような感覚はすぐになくなるのではないかと思うのだが…そして、このようなことを実践した上でもう一度考えてほしいのだ。目に見えない"酵素"というものが、あなたや、あなたの愛する人の体に付着して、そこに水分が加わった場合に起こる加水分解反応のことを。あなたは視力を失ったり、魚の骨のようなもので全身を刺されるような不快感を延々と終わり無く味合わされたり、顔面や体の表面が醜く焼け爛れたように変貌することを望むはずが無い。また、自分の愛する人を苦しめる病気を引き起こす可能性のあることなどもしたくないはずだ。こうしたことはすべてあなたの着ている衣服の「見かけ上の綺麗さ」などよりも遥かに切実なもののはずだから。
2013年01月10日
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鳩山氏が国連で演説し、民主党のマニュフェストを世界の首脳に公言してきた。国内で大きな論議を呼んでいる「子供手当て」などの政策を国際公約化することで国内反対意見の封じ込めを図るつもりらしい。またしても彼は議論の矢面に立つことを避け、知識のない・または反対意見を述べない相手に「金をばら撒くから」と言って人気を買うやり方をしてしまった。歴代総理大臣も似たようなものだが、政策に対する識見が伴わなければ周りの国々がメッセージを誤解しないような注釈も付けられず、未来に禍の種を蒔くことになる。特に「子供手当て」など政策の中身はあまり語るべきでなかった。鳩山氏はこの政策の目的を「少子化対策」としながらも、「景気刺激策の側面もある」と紹介した。これでは「外国人でも日本に来て子供を生めば一人当たり月額2万6千円差し上げます。お金はどう使おうと国は文句を言いません」と言ってしまったのと同じである。日本人夫婦がこの政策によって子供を生んで育てようとするかどうかは知らない。しかし世界全体で見ると日本の経済環境は後進国とは比べ物にならない。年収が日本円で1万円にも満たない国の人々が鳩山氏の発言を聞いたらどう思うか?「日本に行って結婚して子供を4人生めば年間120万円以上の収入を国が保証してくれる。公衆衛生環境も社会保障制度も自分の国より遥かに充実している。家族に仕送りもできるし、今の国の生活より苦労は少ないに違いない。」― 鳩山氏の発言は、貧しい後進国の何の知識もない10・20代の女性やその家族に恐ろしい誤解を与えてしまいかねない。これでは一国の首相が率先して売春斡旋業者に若い女性のリクルートを行っているようなものだ。そもそも少子化対策に決め手となるような政策はなどはない。移民受入政策は有効だと思うが、日本国民はまだそれに踏み切る判断をしていない。もし本気で日本人家庭の子供を増やそうと思うなら、どんなに時間がかかろうとも持続可能なかたちで子育て支援の社会的環境を一つ一つ整備し、子供を生んだ人間達が苦労の対価を自分自身の手で掴めるようにしていくしかないのである。毎年5兆5千億円もの予算がかかる政策を一体どうやって今後何十年も続けていくと言うのだろう?公共インフラ事業なら初期投資が終了すれば、維持費は僅かで済む。事業の成功失敗の判断も早くできる。だが社会構造を変えていくための投資は通常短期間では効果が出ない。しかも「継続してやる」と言ってしまったものを途中で打ち切ったら、たまたま対象年齢の子供がいた家庭だけが恩恵を受け、新たに子供を生んだ人には育児の負担だけが残る。国の借金は10兆円単位で膨らみ、政策の恩恵を受けなかった人の心には不満が残る。そうして鬱積した社会の怨嗟感情のはけ口が子供に対して向けられないと誰が断言できよう?「公共事業以外の景気対策をしたい」というなら、別に消費刺激策でもいいし、予算組み換えを行おうが、埋蔵金を使おうが構わないから対策の目的をはっきりさせて行うべきだ。そうすると景気浮揚効果が出にくくなるかもしれないが、もし失敗しても人々の理解は得られる。だが国が国民を騙し討ちにするようなやり方をして、しかも国民の了解を得ないまま、貧しい国の女性の売春斡旋を促すようなやり方で少子化に歯止めをかけて、一体誰が幸せになるのだろう?民主党は弱者の立場に立った、国民目線の政治を行うことを標榜していたはずだが、実際にやっていることは国民の意見を全く無視しており、このままでは友愛社会どころかナチスになってしまう。日本総研はここまで酷くないはずだ。小沢一郎がガンなのだろう。やはり昨年に懸念していた通りになりつつある。
2009年09月25日
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行過ぎた市場原理主義の是正と友愛社会の実現を掲げる民主党政権が誕生し、矢継ぎ早に発信してきたメッセージを見ていると、この政権の『骨格』が見えてきた。どうやら私が当初心配したほどには左翼に肩入れしたり、裏社会ベッタリという訳でもなさそうである。衆院選挙であれだけの成功を収めるにはどうしても巨額の資金がかかる。特にTV局に対するお金は半端じゃなかったはずで、あれが一体どこから出ているのか不思議だった。しかしこの一週間で大方謎が解け、やりたい事もわかった。ただ国民の誤解を解くのは大変だろう。解決しようとしている問題は国内・海外ともに『こんがらがったパズル』のようになっている。どうやって問題を解決すればよいのか誰にも分からないので、『失敗覚悟で一気に動くか』、『解からない部分を避けて、解かる部分から解きほぐしていく』という2つの選択肢しかない。この政権は前者を採った。したがって我々は、失敗した場合には相当なリスクもあることを覚悟する必要がある。これが20年以上前なら、内閣発足当初からでも私もリーダーに何かを期待して協力したかも知れない。しかし90年代に国内でオウムの毒ガステロと『失われた10年』の不況に見舞われ、2001年米国同時テロで仲間を失った今では、我々は何も信用していない。心を石にする以外に、怒りや憎しみ、復讐心を抑える方法はなかった。例外的に小泉純一郎氏や石原慎太郎氏には信頼を寄せたが、この2人だけは、それまで日本から『過去の補償』と称して金を引き出しては軍事力強化にあてつつ、さらに我が者顔で犯罪行為を繰り返していた北朝鮮に対して譲歩しなかったからである。当初は小泉氏も私は信頼していなかったが彼は土壇場で正しい判断をした。------------------------------------------------------------------------私はオウムは金日成の最後の妄想「対韓国挟撃作戦」のために用意された北朝鮮の別働隊だと思っている。晩年の金日成は、ルーマニアのように東西冷戦終了で蜂起した民衆に軍が呼応し、一気に支配体制が崩壊する恐怖に取り付かれ、再度朝鮮戦争の戦端を開く事で軍の結束を図ろうとした。日本政界の実力者であった金丸信や統一教会の文鮮明と会って、補償だの新たな協力関係構築だのと言って金を引き出し、戦争の準備を始めた。さすがにこの錯乱した老人の狂気の妄想に恐れをなした北朝鮮の軍高官が次々と西側に亡命し、軍内部からも指導者に対する不信感が高まったさ中の94年に金日成は死んだ。金正日は父親の対韓国強硬路線を引き継ぐ事で、自分に背くかもしれない軍と対峙した。彼は体制維持のために自分の『本気度合い』を軍に示す必要があった。95年の地下鉄千代田線霞ヶ関でのオウムの暴走が松本智津夫の判断なのか、それとも誰かが彼らを動かしたのかは分からない。ただ確かな事は、外国の軍事専門家の協力がなければ、いくら優秀な日本の理系学生を集めても第7サティアンのような化学兵器プラントは作れないし、信者の財産を略奪し、無償労働させた程度ではあれだけの武器を揃える事はできない。そして武器は北朝鮮正規軍が使用していたものと同じだった。外国の誰かが日本を軍事行動の踏み台にしようとしていた事は疑いようがない。地下鉄サリン事件の真相は未だ謎に包まれたままだ。全ての被害者、関係者はそれまでの人生を奪われた。直接被害を受けたわけでもない私の心にさえも真相究明に対するわだかまりが今でも尾を引いている。事実が明らかになるまで関係者の気持ちが解れることはない。------------------------------------------------------------------------鳩山氏は金正日と交渉しようとしている。つまり財界も準備をしてきたという事だろう。だがことはそう簡単に行くまい。相手は外交巧者。しかも国民の心は日朝国交正常化問題に関しては多分9割以上が反対だろう。私も「敢えて邪魔はしない」という程度が最大限の協力だ。ただし下手な譲歩だけは絶対に止めて頂きたいし、失敗しても「良く頑張った」などとは言わない。
2009年09月22日
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忙しさにかまけてブログ更新もままならないでいる内に、気がつけば民主党内閣は成立するわ、為替は再び円高に振れ始めるわ、折角上向きかけた景気の行方は見通しがつかなくなるわと踏んだり蹴ったりの状況になってしまった。もはや外部環境の改善には全く期待ができなくなってしまったので、後はどこまで頑張れるか一人で消耗戦を耐え抜くしかない。鳩山内閣について「理系人事」とか言われているが、これは小沢一郎流の「嫌がらせ人事」ですよ。彼はどうすれば自分のところに金が集まってくるのか良く知っている人間です。業界が困るような発言を大臣達にさせて、『その発言を反故にしてほしければオレのところに裏から金を回せ』と言っている、それがこの人事であるに過ぎません。こんな人間を権力の座に座らせてしまったのだから、日本のマスメディアの罪は途轍もなく重いと思いますよ。小沢一郎という毒をもって、官僚の専横という毒を制すという考えなのかも知れませんが、裏社会と官僚のどっちかを選べというなら官僚の方が100万倍マシです。民主の躍進に拍車をかけてしまった保守派の迷走振りも困ったものだ。攻撃材料や、応酬反撃の材料は結構いろいろあったのに、全くそれらを使いこなせなかった。大衆受けだけを狙っているスポンジのように穴だらけの鳩山の議論に、大所高所から応じるようなやり方をして知識の無い聴衆を敵に回した。職業で論客をしている以上、私のような在野の人間の援護があろうが無かろうが、自分達だけで切り抜けられる力くらいはつけてもらわないと困る。戦局を読んで有利な方につくようなやり方をしていると自力では何もできない人間になります。私は知識人の良心から民主党に警鐘を鳴らしているに過ぎません。貧乏人だから、個人的にはほとんど何の実害も受けない。でも皆さんはそうは行かないはずです。まあ来年の参院選までは小沢も羊の皮を被っているでしょう。そこから後はどうなる事か… マスメディアの方々もそういうところはちゃんとチェックしてくださいよ。こんなアホな政権が日本を正しい方向に導くかのような錯覚を国民に与えてしまったんですから責任は重いです。
2009年09月18日
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インド・ムンバイでの同時多発テロで日本人を含む犠牲者が出た。タイの空港閉鎖事件もそうだが、世界景気の後退局面では、必ずこういうことが起こるので注意してほしいと思っていた矢先だった。インドでのイスラム武装組織の犯行の目的はまだ明らかになっていない。しかし個人の憶測の域を出ないものではあるが、私は理由は大きく2つあると思う。1つは米国が政権交代期に差し掛かかっており、『系統だった従来のようなインド軍・警察の支援ができるのかどうか』を確かめたいのだろう。あわせて外国人をターゲットにしたことで『国際社会が動くかどうか』も試していると見られる。米国も欧州も保護主義的な社会の風潮が強まっているから、もしかすると今回のテロを見て見ぬ振りをするかもしれない。そうなれば今後さらに攻勢をエスカレートさせるという狙いがあると思う。もう一つは、もし仮に米国及び国際社会がインド政府の支援を強め、テロリストに厳しい措置をとった場合、イスラム国家パキスタンの立場が非常に微妙なものとなりかねない。今回武装蜂起したグループは、この何時間か後に全滅させられるかもしれないが、その映像をイスラム圏全域に流す事によって、『アフガニスタンでの戦闘の鍵を握るパキスタンを国際社会から切り離す』という狙いである。パキスタン軍の中にテロリストへの同情者が増えるだけでもテロリストにとって有利になると言う計算があるかもしれない。-----------------------------------------------------------------------さて、テロリストがこのように考えているとすると、これはテロ活動を鎮圧しても、しなくても彼らの目的は達成されかねないことになる。しかし、だからと言って、非武装の民間人を無差別に大量虐殺するなどと言う行為は断じて許されるものではなく、見て見ぬ振りなどできる訳も無いのだが、やり方には注意が必要かもしれない。もしインドが他国の援助を必要とする場合、宗教的に中立な日本が他のイスラム諸国にも働きかけて、このような非人道的武装蜂起は何の解決にもならないという考えを広めるべきではないだろうか?今回もまた、我々も被害国となってしまったのだから。
2008年11月28日
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民主党の金融対策チームが金融危機対応策の原案としてまとめた『行動計画』なるものを25日発表した。参議院での『新テロ法案』と『金融機能強化法案』の審議拒否を行った手前、「民主党のせいで金融危機が深刻化した」と言われないように、アリバイ作りでもしてるのかと思っていたが、これはとんでもないものだった。あえて一言で言えば、これは見方によっては金融危機のどさくさに紛れて、裏で北朝鮮を支援する仕組みを作ろうとするものとも言える。-----------------------------------------------------------------------民主党の『行動計画』は、1.金融機関対策(流動性不足・信用不足対策)2.企業対策(信用収縮対策)3.経済運営・国際協調に関する麻生総理への提言という3部からなる。細かく点検してみないと分からないが、1部と2部は許容できる内容に見える。しかし、問題は第3部である。ここで彼らは『ドルの「完全追随」ではなく多極化指向の為替政策』を行うべしとして、IMFへの出資拡大以外にも特定国への資金支援を行うことを盛り込んでいる。しかしこの特定国というのは一体どういう国を指しているのか?米国が北朝鮮のテロ支援国家指定解除に動いた後、北朝鮮は原則的にIMFからの融資を受ける事ができるようになった。しかし政府与党はIMFへの出資拡大をG20で公約する一方、独自に「拉致問題解決に後ろ向きな北朝鮮に対してはIMFからの融資に反対する」方針を用意し、これによって北朝鮮に国際的な圧力をかけようとしている。これは拉致問題解決以外にも、北朝鮮を国際経済協調体制へ引き込むために必要な措置であるが、民主党の提案は、場合によってはこの措置を無効にしかねない。-----------------------------------------------------------------------勿論、いくら民主党でも「北朝鮮を直接支援しろ」などとは言うまい。しかし国際的な経済監視の目が届かないようなIMF非加盟国などというものは、北朝鮮のような「麻薬・武器貿易で外貨を稼ぐ国」の貿易相手が圧倒的に多いのだ。国とは名ばかりの無法者の軍事政権もある。そんな連中に「学校を作る」などの名目で金を貸したが最後、現実は学校建設どころか、無法者どもは北朝鮮や中国製の武器を買い、農民を制圧して麻薬栽培をさせたり、奴隷労働や性的搾取によって、身勝手な民族主義武装闘争の資金獲得に走る。彼らは借りた金は返さない。日本には軍事力行使というオプションが無い以上、追加資金の引き出しが不可能となった段階で、彼らは日本のコントロールを振り切り、債務不履行を宣言するだろう。日本にしてみれば北朝鮮を間接的に支援しただけでなく、世界中の無法者を支援し、彼らの暴力によって苦しめられる人間を増やし、しかも国の借金には穴が開く事になる。こんな馬鹿げた話はない。--------------------------------------------------------------------たとえ問題はあっても、政府間の資金援助であれば日本はIMF体制を堅持すべきと思う。人道支援ならば仕方ないが、仮にも借金である以上は相手国に返済の義務を求める必要がある。日本が単独で資金回収できなくなった時に、他の国から「そんなことは俺達の知った事ではない。」などと言われない様に、多国間協調の枠組みを積極的に利用すべきなのである。
2008年11月27日
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元厚生次官とその家族の連続殺傷事件の小泉毅容疑者の供述や、事件の背景の特集が連日取り上げられており、話を聞けば聞くほど事件の不可解さが増すばかりです。ところで、まだ事件解明の途中でこんな事を言うのも何ですが、一つの仮説を立てると全ての事象がスッキリと説明できます。無論警察もマスコミも、証拠も無いのに憶測で事件を勝手に誘導する事は許されませんが、もし仮説が正しかった場合、今後どういう事態が予想されるのかということは理解し、準備しておく必要があります。小泉毅容疑者は、定職に尽かず、家族からの仕送りも無しに10年も生活費を得ている事と言い、その言動と言い、暴力団の舎弟である可能性が高いと思われます。勿論そうでないかもしれませんが、仮にそうだとすると、事件の本当の理由は口が裂けても言わないでしょうし、「事件は自分の一存で行った」と主張するはずです。(言えば、それこそ親類諸共殺害されるでしょう)。ところで、小泉容疑者に事件を教唆した者がもしいたとしたら、その人物の狙いは何なのでしょうか?------------------------------------------------------------------------『退官した元次官を家族も道連れに殺害する』という冷酷非道な行為は、今後『現役の官僚トップに対する脅迫』になり得ます。裏社会側からすれば、政治家を賄賂で篭絡しても、当人が失脚すれば影響力が行使できなくなりますが、政党からも、内閣からも独立して国政を司る官僚を直接篭絡できれば、はるかに安く国の権力を掌中に収めやすくなります。もう少し説明すれば、一般的に政治家は賄賂に弱い。政治活動には大変お金がかかります。しかし官僚は生活が保障されている上に、人事院勧告によって移動が繰り返され、かつ会計検査院による予算執行のチェックを受けるから、裏社会の人間が買収するのは難しい。だから裏社会は官僚を統括する側の大臣になりそうな政治家に肩入れしてきた。しかし小泉前首相がこういう『後暗い政治家』を要職から切り落としてしまった。そこで裏社会は今度は官僚の直接支配に乗り出したのではないかと私は想像しております。つまり元厚生次官とその家族の殺害の意味するところは、現役官僚諸氏に対して、「賄賂を受け取らなければ、この次はあなたの番かもしれませんよ。たとえ死刑になるとしても役人のやる事を恨んでいる人間は沢山いるんだから。」という脅迫のメッセージを送ったのかもしれません。少なくとも、その可能性を想定しておく必要はあるでしょう。------------------------------------------------------------------------法律案を一つ作るにしても日本では役人の力が非常に大きい。政・官・財の癒着は言語道断ですが、裏社会が日本の政治システムの根幹に手を伸ばすなどと言う事はあってはならないことです。官僚の仕事は苦労が多い。今後は行政監督先との交際・天下りができなくなります。定年までの生活が保障されるというだけでは大手民間企業にいる事と変わないため、優秀な人材をつなぎとめる事も難しくなるでしょう。経済的魅力に乏しく、一部の人間からの逆恨みによって、家族の命にまで危害が及ぶ可能性のある仕事を、『他人のために行う』ことができるのは、非常に強靭な精神の持ち主だけです。普通の人間ならば賄賂に手を出してしまうでしょう。そうなれば日本は暴力団が法律を決める国になってしまいます。----------------------------------------------------------------------さて、以上は『小泉毅容疑者が暴力団の舎弟であったとしたら』という仮定の話ですが、今回の事件の波紋がどう及ぶのかという点については、あながちあり得ないことではないと思います。残念なのはマスコミ各社の報道にそうした危機意識が今一つ感じられない事です。私のような考え方は証拠を固めてからでなければ報道できないかもしれませんが、「テロはいかん。しかし言論は自由だ。」と言って、裏社会の情報操作を支持するような報道をしている局も見られます。今回の事件を秋葉原の幼児的な無差別殺戮と同様の社会の『負け組になってしまった人間』による単独犯行と見るのは早計だとは思いませんか?「こういう人間を生み出している社会が悪い」という主張は、テロを擁護し、裏社会の人間を増長させる可能性も高いはずですが…
2008年11月24日
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自分の置かれている状況を理解するには、自分の敵が何をしようとしているかを知るのが早道だ。米国、民主党政権誕生で北朝鮮にとっては最大の脅威が和らいだかたちになっているが、韓国・盧武鉉政権が無くなってしまった事で彼らの財政的な支えは弱まっている。もし日本から資金を引き出す事ができれば、北朝鮮は韓国・李明博政権との対決を有利に乗り切ることができるが、日本の与党は拉致問題を避けては交渉に応じない。ならば日本に親北朝鮮、もしくは親中国政権を打ち立てる事によって状況の打開を図るのが彼らの常套策だから、そのための手段を実行しているはずである。そして彼らに御輿を担がれながら勢力を伸ばそうとしているのが、私の目には日本の民主党に見えて仕方が無いのである。「1年前のテロ特措法延長に難癖をつけたこと」と言い、「株価下落が始まっているのを尻目に、株式譲渡益の税率を10%から20%に戻すとゴネまくったこと」と言い、「3月米国でベアスターンズ証券が実質破綻した後の4月のG7直前まで日銀総裁人事を迷走させたこと」と言い、いずれも『意図して』日米関係を悪化させたり、日本の国益を損なう行動をとっているように見える。また、先月米国が北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除を行った時も、民主党の主張は「日本が軽んじられるような日米関係を見直せ」というものであり、日本独自の対北朝鮮制裁カードを増やそうとするものではなかった。その後、さすがにこれではまずいと思ったのか、北朝鮮制裁案として「日本から北朝鮮への送金停止」を検討しているようだが、米国のテロ支援国家指定解除がなされた状況下では、こんなものは北朝鮮にとっては痛くも痒くもない。米国当局によって口座凍結される心配が無いから第3国経由で送金すればよいだけだからだ。つまり北朝鮮に対する民主党の態度は表面上はどうあれ、中身の点では極めて友好的なものと言わざるを得ないのだ。そして、今回の民主党の参議院、新テロ法案審議拒否や金融機能強化法案のたなざらし戦略である。このような、日米関係の悪化や、世界的な経済危機を回避するために寝る間も惜しんで努力している人達の苦労を無にするような行動を取ることで国民の支持が得られるわけはないが、そうまでしても衆院早期解散にこだわり続けるところに、「日本に政治空白を作りたい」はずの北朝鮮の意図にも通ずるものを感じてしまう。日韓、日中の間には領土問題や、食品有害物質問題などで国民感情に隔たりができており政府間関係は、必ずしも磐石とはいえない。こんな中で自衛隊のインド洋での給油活動に支障が出れば、それは北朝鮮・パキスタン・イランなどの核―ミサイル技術がテロリストの手によって世界中に拡散する事態にも発展しかねない。言うまでも無く、それは日米関係にクサビを打ち込む事であり、日本を世界から孤立させ、世界経済を不安定にすることだ。まさに北朝鮮の思うツボである。
2008年11月18日
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今週の週刊現代にはまことに久々に日韓海底トンネル構想の話が取り上げられており、「実現した際には、九州の麻生総理のファミリー企業に利権が転がり込む」として問題提起していた。ところで私が注目したのは『背景に統一教会の影』という、別のサブタイトルだった。まさか今の自民・公明連立与党体制の元で、創価学会と激しく敵対してきた統一教会が、裏で首相と手を組めるとは到底思えないし、そもそも統一教会支持の一部の放送局は野党支持で与党批判ばかりしているから、にわかには信じがたかった。しかし中身を見てみると何のことは無い、例によって日韓海底トンネルの研究会だか、事業化調査会だかの委員に麻生総理が名を連ねた事があり、その他の委員には統一教会関係者がいたということだけだった。そりゃそうだろう。ほこりを被っていた『海底トンネル構想』を再度小泉政権に持ちかけたのは、統一教会べったりの盧武鉉政権なんだから。盧政権としてはこのプロジェクトで日本側の資金を引き出して北朝鮮の金正日体制支持に使いたかったが、拉致問題を理由に小泉に断られた。今の李明博政権は北朝鮮と敵対姿勢を示しているから資金が裏で北朝鮮に流れる心配が少ない。だから北朝鮮や統一教会側からすれば季政権の支持基盤が強化される形でこのプロジェクトが進行するのは何が何でも阻止したいのだろう。つまり記者が意図しているかどうかは別として、この情報ソースを流したのは恐らく北朝鮮 ― 統一教会側の者で、狙いは日韓分断工作だろう。ならば、金正日が死ぬほど嫌いな私としては、そういうプロジェクトは『どうせやるなら北朝鮮が嫌がっている時にどんどんやるべき』だと思う。
2008年11月10日
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5億円著作権詐欺容疑で逮捕された小室哲也の話題が連日ニュースで取り上げられ、この人の音楽に全く関心の無かった世代の我々も、彼の作った『音楽帝国』の凄さを垣間見せられる事となった。彼のあまりの破格の生活振りには驚くばかりだが、どうも報道番組に共通の死角があることが気になって仕方が無い。逮捕されたのは架空の著作財産権詐欺容疑だ。ではその原因は?明らかに中国音楽ビジネス進出の失敗で金繰りがつかなくなったからだ。しかし香港で小室容疑者の70億円を吹っ飛ばした会社の実態は何だったのか掘り下げている報道は一つとして聞かない。地道に楽曲制作や販促・管理をしているだけの会社が数年で倒産して消えるわけがないので、少なからず怪しい話に首を突っ込んでいたと想像される。しかしながら、かつてのヤオハン事件でも、ライブドア事件でも、常に時代の寵児の巨額のマネーを飲み込んできた中国というブラック・ホールの中での不正は暴かれる事が無かった。法的にも社会的にも被告が裁かれてそれで終わりだ。もし今後、問題の根絶を本気で図りたいなら『13億人の巨大市場』という看板の中身がどういうものなのか、きちんと社会に伝える必要はあると思う。折しも川崎で「人体の不思議展」が開催される。中国で不法に大量投獄された法輪功信者を生体標本に『加工』して展示して金を稼いでいるそうだ。中国バブルに踊って大金をスッた中国共産党の金の亡者達が、借金の穴埋めにジャパン・マネーを取り込もうと必死になっているのだろう。彼らは手段を選ばない。世界的な不況によって日本は狙われている。
2008年11月07日
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政府が景気対策として支給する1万5千円の定額給付金について、民主党を始めとする野党が難癖をつけています。曰く『選挙を見据えたバラ撒きである』、『高額所得者には必要ない』、『申告制で給付すると不正が行われる』などなどご案内の通りです。一日仕事すれば稼げる位の金額を一回支給することのどこがバラ撒きなのか、私にはまるで理解できません。そもそも民主党などは少子化対策と称して『その20倍以上の金額を14歳までの子供のいる家庭に一律に毎年支給する制度を作る』という途方も無いバラ撒きプランを、ついこの間小沢氏が述べていたと思いますが、現在政府批判で言っていることと、自分達の選挙用マニュフェストとの整合性はきちんとつけられるんでしょうか?1万5千円で選挙権を売るような人なら、年間31万2千円給すると言われれば悪魔にでも選挙権を売り渡すと思いますが、あの公約は撤回するつもりなんでしょうか?もし撤回するなら、まともな判断をしているとは思いますが…野党の先生方は法律には明るいようですが、経済には疎い方があまりにも多いので心配になります。今は世界規模で89年の日本のバブル崩壊が起きているような状況です。90年代の過ちを繰り返さないためにも政治の迷走は避けていただかなければならないでしょう。なぜ民主党を始めとする野党の皆さんは、目先の『解散・総選挙』の事ばかり考えておられるのか不思議でなりません。極端な話、麻生内閣が来年9月まで解散時期を引き延ばしたとして、そこで与党が勝つかどうかなど分かるわけが無いので、長期戦を戦った上で国民の信頼を得られるような選挙戦のシナリオを練り直した方が得策なのではないかと思いますよ。そのために何をすれば国民の信頼を得られるのか、もう一度考え直してほしいです。得意の揚げ足取りとスキャンダル・リークで野党の支持率が伸びるとは、私には思えませんですが…
2008年11月06日
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日経平均株価が800円以上値上がりした今日の東京株式市場だが、どうも素直に喜ぶ気になれない。価格は受給で決まる。しかしここ何十年という間、実需よりも仮需の方が市場の価格決定権を握った状況が続いている。市場の取引の薄い時期に大量の仮需が殺到することによって、価格の振れ幅が過去には考えられなかったような大きさになった。この1ヶ月間、そのことをまざまざと見せつけられたため、日経平均の800円とか1000円とかといった値幅の変動が以前の300~400円程度にしか感じられなくなってしまった。また以前であればある程度の方向感や個別の商品ごとに適正価格水準の判断はできた。しかしレバレッジを用いる投機資金の規模があまりに膨張しすぎたたため、受給の波の衝撃が実需を牽制し、適正価格が読みにくくなった。加えて市場中立型のオルタナティブ投資が主流になったことで、市場の方向感も読めなくなった。例えば現在のように世界同時金融緩和と世界同時財政出動をやろうとすると、たちまち商品市場に資金が流れ込んで原油価格が上昇し始め、各国の政策を無力化しかねないといった具合に、である。あまりにも目まぐるしい変動要因によってマクロ政策が効果を挙げにくい状況になってしまった。やはりレバレッジ運用は弊害のほうが大きくなっているかもしれない。こういう時の私のモットーは無闇に市場に飛び込まないことである。ハゲタカはまだ上空を舞っていると思う。そのことを分かった上で投資するなら、損をしても諦めがつくだろう。※当ブログコメントは管理者の推測を記したもので、閲覧者に投資判断を提供するものではありません。管理者は当ブログの記載内容が事実であることを一切保証いたしません。管理者は閲覧者の投資に伴う損失に対しいかなる責任も負いかねます。
2008年10月30日
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世界景気の減速と、為替レートが円高に振れた状況を受けて、内需拡大策への要請が強まっている。世界第2位の経済大国の内需が、何ともお寒い状況であり、将来は少子化で国力衰退は避けられないと言われていることからも、何とかきちんとした手を打っておくべきだと思うが、そもそも何でここまで内需 ― 特に地方の景気 ― が落ち込んでしまったのか?財政再建と、企業の優勝劣敗の競争促進を強力に進めた結果であることは分かっている。個々の日本企業が、『グローバル競争の中で最も有利な人・モノ・金の配置』を考えた結果、社会インフラが充実している巨大都市にばかり国中の経営資源が集中してしまった。企業が本社を東京に移した結果、税収も一極集中してしまい、地方の財政基盤も弱まった。しかし地方都市に東京並みの社会インフラ整備をするのは不可能だ。では日本中の各家庭に均一に資金を還元する方法はどうかというと、一時的な効果はあると思うが継続には疑念が残る。かと言って継続的にお金をバラ撒いたら「国」というものが崩壊してしまう。ではどうすればよいのか?一つの方法としては、東京への一極集中に歯止めをかけることだと思う。企業に"最もコストのかからない"『人材の確保』や、『時間の管理』を追求させた結果が一極集中の加速化だ。新たに巨額投資が必要なITを使って分散型組織を作るより、出来上がった社会インフラを利用したほうが遥かに安い。結果が分からないIT投資は失敗すれば責任追及されるが、本社を移すだけなら話は簡単だ。これでは企業に「地方に残れ」というのが無理ではないだろうか?ところで、翻って地方に企業が利用できる有利な経営資源が無いのかというと全くそんなことは無いと思う。従業員の生活環境は都心より地方の方が優れている。地方には『毎朝人が落っこちるJRのホーム』のような光景は無い。地方を『地方相手のビジネス拠点』と考えるのではなく、社員が地方にいながら本社の仕事や国際ビジネスが展開できるような環境を整えた企業に税制優遇措置をとってはどうか?また、今のところ東京は大規模災害を免れているが、もし大地震に見舞われたら徒歩帰宅者で道路が機能しなくなると言う。災害時のリスクを分散を図る上でも本社機能を多極化した方が良い。さらに企業の雇用慣行についても検討した方が良いと思う。正社員が『僅かな昇給で人事部に言われるがままに地方に単身単身赴任しなければならない』という待遇は、現在の若者から完全に拒絶されている。2~3年毎に勤務地の異動を繰り返せば社員が自分の生活を犠牲にせざるを得なくなる。『国内の拠点を統括できる社員の育成』には不可欠なことだろうが、社員の家族から見れば理不尽極まりないシステムになっている。この点は以前からずっと考えていたがまだ具体的な解決策に辿りつけていない。読者から提言があれば参考にしたいし、是非多くの人に考えていただきたいと思う。より重要なことは現在の内需振興の機運を一過性のものに終わらせず、『持続可能な形』で日本経済が抱えている問題の解決に結び付けていくことだろう。これには個々の企業の努力が不可欠だから、そこにインセンティブが働くように税制面での支援を行って行くのが有効ではないかと思う。景気刺激策というカンフル剤は打たれることが決まった。あとは患者が再び元気に生きようとする意志を持ち直すかどうかである。自力再生を目指す人には社会は手を差し伸べることができるだろう。皆で頑張って、もう一度元気な日本を取り戻しましょう!
2008年10月30日
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民主党山岡氏が与党を衆院解散に追い込むため、「現与党の金融対策は市場の信用を得られないから株が下がっている。選挙後に本格対策を講じるべきだ。」と言ってるそうだ。政治家の株価についての後講釈ほど見苦しいものは無い。無責任にこんな発言をして、もし解散総選挙を行って民主党が勝った時に日経平均が今の半値になったとしたら、この人は何と言い訳するつもりなのだろう。知識が無いことには無闇に発言しないのが良識ある大人の態度だ。目的のためなら利用できるものは何でも利用したい気持ちは分かるが、後世の人間の笑い草になるような愚劣な発言は止めた方が良い。以前より申し上げているように向こう半年間は世界の金融市場は非常事態が続くだろう。金融安定化法案は洪水の濁流が押し寄せた時のためにダムを補強しているに過ぎない。株価反転のきっかけにならないことは始めから誰でも分かっている。大体こうした応急処置の必要性を民主党が全く理解していないので、そんな危機感の無い人に国政をいじくり回されて国益が損なわれたんじゃかなわないから解散総選挙は止めてくれと言っているのです。昨年7月の参議院選挙で民主党が圧勝した時を境に日本の株価が崩れだしたことを、よーく思い出していただきたい。
2008年10月28日
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米国不動産バブルと新興国市場バブルとは車の両輪だ。内需が未成熟な新興国の余剰生産物を、米国内の株と不動産の高騰による『にわか資産家』が消費したことで経済が回っていた。これにEU経済圏の好景気が重なったことで、未曾有の世界的景気拡大が実現した。考えてみれば新興国への株式投資も個人投資家向けにはリパッケージされた複数国の投資信託という形態が一般的だった。サブプライムローン証券化の仕組みと、新興国の債務が先進国の投資家向けに販売された仕組みは非常に似通っていたことに気づく。80年代の日本企業は投信ブームで高騰した自社の株価をてこに過剰ファイナンスに走ったが、あの時と同様に新興国企業の財務体質は『バブルが永遠に続く』ことを前提に健全に見えていただけだったのかもしれない。--------------------------------------------------------------------------世界の金融資産市場の規模は2京円という途方もない規模にまで拡大したが、今後これがどれくらいの規模に縮小するのか。仮に単純に90年代の6000兆円前後の規模に戻ったら、市場参加者が増えている分だけ先進国1国当たりに切り分けられるパイは小さくなる。したがって個々の国の株価だけを見て過去の資産価格の何%になったら調整が終了するというような経験則による分析が通用しなくなったと考えた方が良いと思う。今世界的に起きているのは、90年代に日本が嫌というほど経験してきたデフレ・スパイラルのようだ。そして各国の株式市場の値動きを見る限り、これはどう考えてもヘッジファンドがアビトラをやっていると見るべきだろう。もはや余剰な資金はどこからも資本市場に流入しないのだから、極論すれば企業の成長率予想などは一切無視しても良い。自らの換金売りで各国市場は全て下落という一方向にしか動かないと分かっているから、もぐらたたきのように「割安な市場を買って、割高な市場を売り、価格差が縮まったら反対売買で手じまう」を繰り返し利ざやを稼いでいるのだろう。バブル敗戦を生き抜いた人なら分かると思うが、こうなると個々の企業の株価を回復させるには経営陣が本業に注力しただけではだめなのだ。株価はリターンがリスクを上回ったところで反発する。したがってドルベースで見た投資に対する絶対リターンを上げる資本政策に早急に取り組む必要がある。もたもたしているとすり鉢現象の中に日本企業全体が飲み込まれてしまいかねない。90年代の経営トップは株価ボードで下げ止まる兆しのない自社株価を、なす術も無く眺めてることしかできなかった。今のトップは当時の経験という何物にも換えがたい財産だけは、少なくとも持っているものと信じたい。
2008年10月28日
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昨日、日経平均株価はバブル後の安値を切りましたが下げ止まる気配はありません。なぜ金融危機の震源地であった米国株式市場よりも先に、金融危機の痛手が少ないはずの日本株が下落してしまったのでしょうか?実はドル換算すると、折からの円高の影響で日経平均株価は大して下がっていません。海外から見ると、日本株は下がったことは下がったものの、下落率はドルに対して弱含んだ他通貨、特に新興国の株価指数ほどドル・ベースでは下がっていないと思います。具体的に何%ということは、基準をどこに置くかによって変わってしまいますが、現在各国の株式市場はほぼ同じような値動きになってしまっているので、ドルを基準にして通貨価値が逆方向に動く日本株と新興国株の間で市場間裁定が可能になっていると思います。「日本株・買い、新興国株・売り」のポジションを組んで円レートが大きく一方向に振れた時に反対売買を行って利ざやを稼ぐ手法です。いくら日本が「から売り」を規制しても現物株や先物の取引までは規制できません。一方90年代初頭の日本のように、当局の管理の甘い市場は世界中に広がってしまっています。これではバスケットで日本株をどかんと買って、それ自体には利が乗らなくても、『為替レートの変動・新興国の株価下落』があれば、日本株をまとめて売ることができることになります。当面株価はファンダメンタルからかけ離れた動きになることを覚悟しておくべきです。『社員が一丸となって頑張り業績を上げる』だけでは株価は維持できない可能性が高いと思います。日本を代表するような優良企業はアクティビストの標的にされないよう、株価が売り込まれた時に自社株買いに踏み切れるような準備を進めた方が良いかもしれません。
2008年10月27日
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病気で引きこもっていた小沢民主党代表が久々にテレビにカメラの前に登場した。何を言うのかと聞いてると、麻生総理が衆院解散総選挙の延期を示唆したことについて、『世界経済の混乱を理由に解散時期の先送りをするのは自民党の党利党略に他ならない。アメリカだって同じ時期に大統領選挙を行うではないか?』とのたまっておられた。今更指摘するのも何ですが、米国の大統領選挙は2年以上前から実施されることが世界中に認知されているイベントで、どういう結果が出るかという予想も全世界のメディアによってほぼ毎週聞かされています。つまり世界中の人間が政治空白のリスクシナリオを十分描いている問題です。では日本はどうかというと、日本メディアはほぼ毎日のように政界の動きを報道していますが、それをきちんと認知してくれているのは、良くてG8と日本の周辺諸国くらいなものです。グローバル企業のビジネスマンで日本通といわれている人達でさえ、世界中の通貨価値が大暴落を起こして『円』に資金が集まっているさ中に、日本の総理大臣が国会を解散するとは考えていませんよ。つまりそんなことをした場合、世界的な市場混乱を加速させる恐れがあるということです。病気で休んでいて時間があったんですから、発言する前にもっとよく考えていただきたかったです。
2008年10月27日
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新興国市場の株価の下落が始まってから、かれこれ1年近くなる。来月には中国株など昨年11月に崩れた出した市場で月足デッドクロスが現れる。安価で勤勉な労働力や資源を武器に輸出で外貨準備を積み上げ、対外債務を返済し、国内消費を担う新たな中間層を生み出すなど、昨年まで順風万帆に見えた新興国経済だが、米国向け輸出を自力で補う力はまだ無い。加えて円で調達した低利の資金を世界中に供給してきた欧米金融機関が業務縮小を迫られている。収入が減り、原材料価格は上がり、企業の格付けは下がり、資金調達コストは上がり、借入金の早期返済を迫られ、進退窮まって怪しい資金に手をつける ― そんな会社が続出したことだろう。デリバティブを使って現地通貨建てに組み直していたとしても、彼らの債務の大本は円だ。円レートが想定外の水準まで切り上がってしまったら予想外の債務を背負い込んで破綻する企業が増えたとしても不思議ではない。金融仲介の主力は欧米系金融機関だったろうが、そのお陰で日本も現地への輸出を伸ばすことができたのだから、こっちの問題はアメリカの住宅不況のように対岸の火事と傍観するわけにいかないだろう。将来のことについての予言など当てにならないとは百も承知の上で、円レートが史上最高値トライすることを覚悟したほうが良い。その時に新興国という不安定な社会で何が起きるのか?どうすれば悲劇を繰り返さないで済むのか考えておくべきだと思う。
2008年10月25日
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米国大統領選挙はいよいよ最終局面入り。下馬評では大勢オバマで決着したように見える。新政権誕生後に冷遇されては堪らんと財界もメディアもこぞってオバマ支持に傾く中で、アル・カイダがマッケイン支持を表明したと言う。「副大統領がペイリンなので、もし大統領がいなくなれば戦況が有利になる」とでも考えているのかと思ったら、「マッケインが戦争を継続すればアメリカの国内経済を疲弊させることができ、自分達の目的を達成できる」からと、いつもながらハッタリなのか、情報工作なのか訳の分からない理由を挙げている。まあ本音は彼らもオバマ支持なのだろう。世界中のならず者達は「アメリカ一国で世界の警察の役目を果たせない」と言い放ってCIAの予算カットし、テロリストの活動を野放しにしてくれたクリントンの民主党時代の再来を願っていることだろう。しかし余計な心配などしなくとも、ここまで来れば、余程のことが無い限り次期大統領はオバマになるだろう。日米の同盟関係をホゴにしかけた民主党政権の再来とは、何とも気の重い話だ。最終的にはアメリカ人自身が決定する問題だから、誰が選ばれようとこっちは文句をつけようが無い。当分米国をあまりあてにしないで「自分達でできることをやっていく」と腹をくくるしかなさそうだ。
2008年10月25日
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日本がアメリカの住宅バブル崩壊の影響をほとんど受けなかった理由をご存知でしょうか?『日本人は不動産バブル後遺症のトラウマがあってハイリスク・ハイリターンの商品に対して慎重になっていたから』かもしれません。しかしあれだけ地獄を見た後で、未だに訳の分からん詐欺に引っかかる人があとを絶たないことから考えても、それは多分違うでしょう。大きな理由は2つあって、1つは『米国不動産証券化市場に参入したかったが、ノウハウが無かった』こと(ノウハウ取得に走ったみずほと野村は巻き添えを食いました。三菱は会計処理上の問題を指摘されたか何かで米国での営業を制限されてたおかげで難を逃れました)。そしてもう1つは『米国不動産市場などにわざわざ首を突っ込まなくとも別のバブルが発生していた』からで、それが新興国市場バブルです。大半の日本人はこれをバブルと思っていませんが、それは誤りでしょう。資金供給が実体経済の成長力の範囲内に抑えられていたなら新興国企業が巨額の国際的なM&Aに資金をつぎ込む事態は起こらなかったと思います。低金利の円を調達して、高成長・高金利の新興国に貸付ける。大量の資金の流れが昨年2月まで円安トレンドを作っていましたから、ドルや現地通貨建ての借入金の金利と元本がさらに1~2割増えるという夢のような状況が続いていたわけです(いわゆる円キャリートレード)。ところがドルやユーロという主要通貨にリンクした新興国通貨価値の減価プロセスが始まり、97~98年以来再度、非常に厳しいIMF体制の試練が到来してしまいました。先のG7で中川大臣が日本の新興国支援を表明したのは正しい措置だったと思います。問題は各国の金融システムを維持するために行った大規模な金融緩和によって、勢いを増した投機資金が『円ロング・他通貨ショート・株式ショート』のポジションを取り始めたことでしょう。これは対応を間違うと深刻な事態になる事も覚悟しなければなりません。ところで97年のアジア通貨危機が世界に波及したプロセスについての記述では山内英貴氏の『アジア発金融ドミノ』が最も優れています。金融の知識がないとやや難しいかもしれませんが、『これから起こるかもしれないこと』や、『自分が何をすべきであり、何をすべきでないか?』ということを考える上で有力な示唆を得られると思います。金融や経済に全く関心が無い方々にとっても無理に時間を作って読む価値がある本です。
2008年10月24日
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私は勘違いしていました。先のブログに『麻生総理がマスコミ記者との会合にホテルのバーを利用している』としてコメントを載せましたが、麻生総理は『記者と』ではなく『他の議員達と』会合するためにホテルのバーを使っていたとのことでした。で、その回数が多いので、記者が「高いホテルで毎日食事をしているのは庶民感覚からすると違和感があると思いますが?」というような質問したところ、実際には高い食事などしていなかった総理は、これを悪意を含んだ質問と勘違いしてキレた、ということのようです。って言うか、事情が分かると余計に馬鹿馬鹿しく感じられんですけど。まあ質問した記者は総理大臣がホテルで何を食べてるか知るわけないから、単に不用意に質問しただけなのかも知れないし、公衆の面前でいきなり怒鳴られれば報復したい気持にかられるのも理解できなくはないですが… 冷静に誤解を解く道を選ぶべきだったんじゃないでしょうかね。しかし、さらに馬鹿馬鹿しいのは騒ぎの尻馬に乗って、他党の議員が真面目にコメントしてたことです。まあ聞かれたから答えているだけなのかもしれませんが、もっと他にやることあるんじゃないですか?って言うかレベルが低過ぎません?「円レートが切り上がると新興国の債務がどうなるか?」とか、他に物凄く重要な問題が山積しています。
2008年10月23日
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総理大臣とマスコミ記者の夜の会合がホテルのバーで行われていることについて、例によってどうでもいいことをほじくり返すのが好きな方々が喧伝しておられる。総理大臣が公費を使っているなら怪しからんことでしょうが、自分のお金をどこで使おうと自由だと思います。ただ、もし記者の方々が『会社からの取材費が下りない』というなら気の毒な気もしますが、それなら正直に「私、これ以上出費がかさむと生活がキツいんです。」と言えばいいのではないでしょうか?しかしそもそもこういう夜の会合って必要なんですか?私には良く分かりませんが、本来官邸の風通しを良くしようとしてやっていることが、ゴシップ報道のネタ探しのインタビュアーに答えるようなミーティングになってしまっているなら、いっそ止めてしまった方が互いのメリットになるように思いますけど… まあどうでもいいことですが…
2008年10月23日
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お金があるところから無いところに流れるのは良いことなんじゃないの?特に景気が悪くなっていく時に資産家が財布の紐を緩めてくれるのは歓迎すべきことだと思うけど?私ら貧乏人では自分の財布で景気の下支えなんかできませんし…ところで米国ではオバマが「庶民の味方」と言いながら史上最高額の政治ショーをやってますけど、彼がテレビ映りを良くする為にスタイリストやら何やら雇って、最高品質のスーツを着て演説しているのは庶民感覚なんでしょうかね?ちなみに小沢一郎も同じことをしてますけど?
2008年10月23日
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欧州・米国の企業業績悪化を受けて外国為替相場の円高に拍車がかかっている。世界的な景気後退が続くため、今後も各国金融当局が金融緩和に動かざるを得ないという思惑から、利下げ余地が少なく、かつ相対的にファンダメンタルが『まだマシ』な円に資金が集まってしまっているようだ。特にユーロの下げがきつく、こうなると思い出されるのは97年のアジア通貨危機の時のような新興国通貨がドミノ倒しになる事態だ。あの時は沢山の華僑の人達が殺された。あんなことが繰り返されないと良いのだが…。ところで、マスコミの方々もあまりにも格差を強調しすぎると、社会の怨嗟感情が制御不能になって、混乱に乗じて暴走する可能性があることを意識すべきだと思います。ご本人達は正論を唱えている心算でも、『その発言がきっかけになって、無関係の人が犯罪に巻き込まれることもあるのだ』ということを分かっていただきたいのです。経済が深刻な状況になった時は、特に。
2008年10月23日
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It's just you. Kim! Kim! Kim Impossible!!
2008年10月21日
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本日のサンデープロジェクトで若手スポーツ選手育成の問題が取り上げられていました。番組の論調は概ね以下の様なものでした。『国のスポーツ関連予算の大半が大規模な施設建設に当てられ、利用料で運営費を賄えず、収支赤字となっている。利用料金も下がらず、選手育成に直接携わる指導者に対しても補助が無いため、人材確保が危機的な状況になっている。競技人口の少ないマイナースポーツだけでなく、体操・スケートなどの日本が強いスポーツですら地方においての状況は非常に厳しい。ハコモノの建設にとらわれる行政の縦割りを廃して、予算の配分を見直すか、いっその事スポーツ省を作って、スポーツ立国を目指すために本当に必要な行政予算の決定と運営を一本化した方が良いのではないか?』----------------------------------------------------------------------------番組は現状の問題点をきちんと捕らえていると思います。また、国際大会の招致を当て込んだ豪華な会場施設などは無闇やたらと作るべきではなかったでしょう。ただし、最後の責任を国に持って行ってしまった点について、私には少々引っかかるものがありました。私自身ボランティア同然でアスリートを支えている身なので、各テレビ局がマイナースポーツの支援に尽力されていることを大変よく承知しております。また品行方正なトップアスリートは国の外交大使にも匹敵しますから、そういう人達を国が直接経済的に支援することの意義をも十分理解しています。しかしそもそも公金を使って『公平性・透明性を確保』しつつ、『マイナースポーツの底上げ』、『国民の健康の保持増進』が両立するのでしょうか?指導者の確保にお金を回すにしても、どのスポーツにいくら回すのかという選別の問題がまず出てきてしまいます。予算配分を国際大会での実績に比例させれば、簡単に実績の残せない競技の指導者はどんなに優れた人であっても苦労せざるを得なくなるし、下手をすれば税金泥棒呼ばわりされかねません。そうかと言って人為的に予算配分を行えば、これはもうどういう結果になるか誰でも予想がつくと思います。さらに『指導者の質』ということになれば、「競技レベルの指導者を支援するのか、健康維持を目的とする地域振興レベルの指導者までを含めるのか?」という問題が出てきます。両者の境目のつかないようなところで頑張っている人は沢山います。また不心得者も沢山います。----------------------------------------------------------------------------私は(間違っているかもしれませんが…)、現場にとっての『本当に必要な支援』とは、『指導者が自力で指導を続けられるようにすること』、つまり『子供や潜在的にスポーツをしたいと思っている人達が、自発的に指導を受けに来たくなるような状況を作ること』ではないかと思うのです。個人的な経験を引用して恐縮ですが、例えば子供が水泳をやめる時、理由は大きく2つあります。1つは「面白くなくなった」というモティベーションの低下で、もう1つは「水泳では食っていけない」という経済的理由です。1つ目の要因については、メディア(敢えて自分も含めて言います)が各スポーツのことをもっとしっかり勉強して、「メダルの色や数」、または「どん底から這い上がろうとする勝敗のドラマ」以上のものを高いレベルで多くの人々に伝えていくことで状況は改善できると思います。トップアスリート達がなぜ途中で「面白くなくならない」のかというと、彼らは勝つことができるからです。ではなぜ勝てるのかというと、試行錯誤の中で、常に従来の常識を打ち破る新しい発見をしているからです。こういうトップアスリート達が見つけた新技術や方法論などは、実はノーベル賞ものの『人類全体に対する貢献』かも知れないのですが、そうした「スポーツ科学」、「生体力学」などの分野に属することを、メディアはまだ十分伝える努力をしていないと思います。スポーツに対するアプローチの仕方を変えることで、勝負とは別の視点からスポーツに関わろうとする人はまだまだ出てくると思います(これはテレビ局などで働いておられる方々に対する批判ではなく、自分自身の力量不足に対する反省として申し上げております)。2つ目の経済的理由については、これはもうプロスポーツとアマチュアスポーツの定義を見直して垣根を無くしていくしかないと思います。団体スポーツでは難しいかもしれませんが、プロ野球やJリーグなどの大掛かりな仕組みを作らなくとも、スポンサーシップに対するルールを変更するだけで、個人競技の選手には自活の道が開ける可能性があります。やはり水泳からの引用になってしまうのですが、例えば公式大会での選手の持ち物のルールとして、『マーキングしてもよい企業・団体などについての規制』がありますが、これを無くすとどうなるでしょうか?『小さな会社にいる社会人スイマーでも、強ければライバルの大手企業のロゴマークをつけて試合に出られる』ということになると、職場の同僚も「そんなことをされたらたまらん」とばかりに真剣に選手の応援をせざるを得なくなります。しかし『所属する団体のロゴしか認めない』現状では社会人の選手は「同僚達が稼いでくれているおかげで自分が練習できるのだ」という精神的な負い目を常に感じながら活動せざるを得ないのです。こういう気持ちは、時に選手の力になる事もありますが、状況によっては選手の肉体と精神を再起不能になるほどに蝕んでしまいます。『規制を無くすと反社会的団体の宣伝に利用される』などの心配が残るかもしれませんが、審査制程度に留めて「個人の企業宣伝活動」を原則的に認めてしまった方が、少なくとも水泳の世界では業界にとってはプラス効果の方が大きいように思います。私は水泳以外がどうなっているのかよく分かりません。しかし過去に作られたルールが今の時代にそぐわなくなっている例はいくらでもあると思います。勿論ルールの変更というのは単に国内問題にとどまらず、『国際ルールとの整合性をどうつけていくのか?』など簡単ではありません。しかし現行ルールに問題があるかもしれないということは、誰しも口に出せないでいるだけで実は薄々感じていることだと思います。そうした問題を洗い出す努力をまずすべきです。純粋にスポーツを愛して心底頭の下がるような努力をしている方々がおられる一方で、どんな業界にも過去の栄光にアグラをかいたり、権力欲の奴隷となったり、子供や保護者の信頼を裏切ったりする人間がいます。『社会とアスリートとの健全な関係を保つのに公金の分配システムが必要なのか』、『必要だとすれば具体的にどういう形にすればよいのか』ということをもう少ししっかり詰めてからでないと、良いとも悪いとも言えません。単に国の予算配分を付け替えるというだけなら、建設業界で起こった利権争いが形を変えて別の業界で起こるだけではないでしょうか?
2008年10月19日
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今回の金融危機で最も得をしたのは誰か?多分、北朝鮮だろう。NYダウが2003年の安値を切れば市場は完全にパニックに陥っただろう。確かにあのタイミングで「核実験カード」を切られたら金融恐慌になっていたかもしれない。そして金正日はまんまとアメリカからテロ支援国家指定解除を取り付けてしまった。これは偶然ではないだろう。米国金融株に大規模な売り仕掛けを行ったのも彼らかもしれない。口座を凍結しようにも、どうせ自分達にまで被害が及ばないようにダミーを使っているに違いないし、そもそもテロ支援国家指定という口実が無くなれば簡単には行かない。民主党が勝てば、核放棄プロセスに向けたシナリオなど虚構に過ぎないと分かっていても、軍事費を削減したいオバマはこれに乗っかってしまうだろう。後から失敗だったと分かっても「全てはブッシュの責任」で片付けてしまうだろう。敵ながら見事と言うべきか…
2008年10月15日
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13日のNYダウは936ドル高。G7・G20は世界の金融危機を何とか回避できたようだ。三菱UFJファイナンシャルグループもモルガン・スタンレーへの増資を条件変更する形で完了。M・Sの株価は8割高(個別企業としては出来高トップ)した。ショート・カバーが入ったので、ここからは戻りを試す展開と見ても良いと思う。経済統計でよほどのサプライズとなる悪い数字が出なければ、多少は気を揉まずに過ごせるかもしれない。ただ気がかりなのはこれだけ大規模な金融緩和を行ったことによるミニ・バブルが、関係者の期待とは異なる場所に発生することだ。円相場の上昇トレンドは終わっていない。また商品相場に逆流されると国際協調の足並みが乱れかねない。いずれも実体経済に対して再度打撃を与えかねない事態を招くことになるので、十分注意していく必要があるだろう。※当ブログコメントは管理者の推測を記したもので、閲覧者に投資判断を提供するものではありません。管理者は当ブログの記載内容が事実であることを一切保証いたしません。管理者は閲覧者の投資に伴う損失に対しいかなる責任も負いかねます。
2008年10月14日
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NY10日、米国株式市場では前日総崩れの様相をなした金融株の大半が反発した。しかしモルガン・スタンレーの株価は引き続き下落し、新安値9.68ドルをつけた。三菱UFJファイナンシャルグループが90億ドルの出資を引き受けた条件よりも株価が6~7割下落してしまった計算だ。三菱の出資の条件はM・S株式21%のうち9.9%を1株25.25ドルで普通株で取得し、残りは配当利回り10%・転換価格31.25ドルの転換優先株で取得するというもの。出資の完了は14日。三菱側が合意の撤回をした場合の違約金の支払い条項は無いらしく、この点がM・S売りの一つの根拠となっているようだ。しかし例によって全く当てにならない私個人の感想ではあるが、三菱という会社は恐らく仮に90億ドルを全額吹っ飛ばしたとしても会社の信用のためなら高くないと考えると思う。足元の市況如何で経営判断をひっくり返すとは、私には思えないが、先のドイツの中堅銀行の例があるので市場は疑心暗鬼になっているのかもしれない。M・S売りが、「まさかの事態を想定して作られただけのショート・ポジション」ならば、将来M・Sは買戻しのシンボル・ストックになるかもしれない。ただし三菱側がM・Sの資産内容を完全に掌握しているかどうかは、傍の人間では分からないので、14日に出資が無事完了したとしてもM・Sの資産内容をめぐって「売り方」からの心理的な駆け引きは、簡単には収まらないかもしれない。今後は三菱も巻き込んだ株価攻防戦がより激しくなるのだろうか?※当ブログコメントは管理者の推測を記したもので、閲覧者に投資判断を提供するものではありません。管理者は当ブログの記載内容が事実であることを一切保証いたしません。管理者は閲覧者の投資に伴う損失に対しいかなる責任も負いかねます。
2008年10月11日
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9日NY株式市場値下がり率上位は軒並み金融株が占めた。いずれも目を疑うような下げ方だ。狙ってやっているのかも知れないが、こうなると欧州も大変だろう。各国政府がいくら金融緩和に動いても信用が回復しない。G7は大型デフォルトの発生をくい止められるか?それとも市場の杞憂で終わるか?ところで日本の株式市場はこの先信用の期日が目白押し。日経平均も1万円がフシになってしまうかもしれない。※当ブログコメントは管理者の推測を記したもので、閲覧者に投資判断を提供するものではありません。管理者は閲覧者の投資に伴う損失に対しいかなる責任も負いかねます。
2008年10月10日
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小泉改革の抵抗勢力の一翼を担った亀井静香氏が、与党を追われた恨みつらみを延々と国会の席で述べていた。この人の話し方のスタイルなんだろうが、言ってる事の中身があまりに乏しく、論理的な精査がまるで無いので聞いていて何とも苦痛だった。私は小泉改革が失敗だとは思っていない。郵政民営化は民間の代替サービスが十分育っていることを確認した上で断行された。失敗しても国民生活への影響を民間で吸収しうる状況で行ったことだ。また歴代首相が誰も成し得なかった「バブル経済後遺症からの脱却」を強引に成し遂げ、日本経済を世界の表舞台に再び押し上げた。北朝鮮の非道な民間人拉致の事実を世界中に知らしめ、日本が無法者の恫喝には譲歩しないことを示した。国民の間に所得の格差が広がったことが改革の負の側面と言われるが、「人生の成功を目指して人一倍努力しようとする人に、その機会を与えるべき」という考えは正しかったと思う。ただし人としてのやり方を踏み外した大馬鹿者達を、もっと迅速に取り締まれなかった点や、地方経済の建て直しがずっと後回しにされてしまった点は反省すべきことだと思う。しかしながら亀井氏の発言で傾聴に値する部分もあった。「経済の実情に合わせて、苦しいところには資金を回すべきで、そこで予算がどうのこうのなどと言うべきではない」というような趣旨の発言には少なからず同意見だ。また亀井氏に限らず、「予算配分や中身を精査しろ」と言う声には、与党は当然きちんと答えていく必要がある。しかしそれならば、なぜ野党の先生方は今後何十年にもわたって恒常的に収入を減らして支出を莫大に拡大するという訳の判らないインチキ・マニュフェストを掲げる民主党側につく事を示唆しているのか?鳩山氏は民主党は財源を示したなどとウソをついているが、「高速道路の無料化」や、「中学生までの子育て支援」などは、単年度や、2~3年の話ではない。彼らは制度を作ると言っている。当たり前のことだが高速道路は劣化するので毎年莫大な補修費用がかかる。道路を作るのが簡単な米国と比較してどうするというのだろう。また年金・外為特別会計の埋蔵金なども、毎年5兆円も引き出されたらいずれ底を尽いてしまう。さらに国有財産売却も、景気のよい時にするならまだ話は分かるが、世界的に金融が枯渇して買い手が少なくなっている時に、何でわざわざ国が市況を押し下げるようなことをしなければならないのか?不動産以外で言えば国立美術館や博物館があるが、これらを民営化して、貴重な所蔵品をブラックマーケットで売り捌けば確かに金にはなるだろう。先人達が人生を賭けて後世の私達のために残してくれたものを、目先の金に換えることが問題と思わないほど心が麻痺している小沢氏のような人間ならやるかもしれないが…もし民主党が掲げたような人気取り政策を本当に実施された日には、仮に国の財政が2~3年は見かけ上は良くなったとしても、日本の国益は確実に損なわれると思う。政策は破綻することが目に見えているから、4年後にせよ8年後にせよ、いずれ彼らは追放されるだろうが、その間に日本はヤクザやテロリスト達に散々食い物にされる。鳩山由紀夫氏もこんな愚かな政策を擁護しなければならないとは… 名門も落ちたものだ。
2008年10月07日
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NYダウは200日移動平均の25%下方乖離で目先9千ドル近辺まで下ブレするかもしれない。ショートカバーからリバウンド相場入りする可能性もあるが、本当に怖いのはやはり年末から3月くらいにかけてだと思う。選挙後の米国の金融監督当局の動きが重要でしょう。ところで私の見通しはよく外れますから株式投資する人は自己責任でやって下さいよ(当たればこんなビンボーしてません)。後で「お前のブログのせいで損した。」などと言われても私は一切責任持ちません。
2008年10月07日
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「あーあ」って感じです。何も無ければ、今週は週末まで滅茶苦茶になるかもしれません。下げが加速しているから、どこかでショートカバーが入るんでしょうが心理的な節である1万ドルを切ってしまったことでリバウンド局面を経て、再度下落に転じた場合2002年10月の安値を守れるかどうかは微妙になってきたと思います。
2008年10月06日
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民主党の批判をするとIQ2以下のエロサイト案内スパムコメントが届く。やはり敵国支持の裏社会は民主党支持ということですかね…
2008年10月06日
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国政を預かる政治家に必要なビジョンとは何か?それは国家の危機に際して、国民の知恵と努力を結集し、今日明日が苦しくとも国家存続のために難局を乗り越えて勝利をつかむのだという強い意思を国民一人一人に持たせることができるものでなければならない。本2008年は米国だけでなく世界中で選挙が行われる年だ。昨年からの商品価格の上昇によって非資源国はいずれも物価上昇に見舞われ国民の不満が沸騰している。各国の当局がインフレ抑制に動いても、途上国の多くが自国通貨をドルに連動させているから、米国が金融緩和すると自国通貨の金利も下がってインフレが加速してしまう。実際米国の国内経済は滅茶苦茶な状況なので今月中に利下げがあってもおかしくない。一時期に比べ原油価格は下がっているが、再度上昇に転じると世界中で生活が破綻する人が続出するだろう。こんな中でさらにドルの暴落が起こったらどんな恐ろしいことになるのか?恐らくまた悪意を持った一部の人間によって、世界中で民衆の暴動が扇動されて、何の知識も無い人達が何万人も犠牲になるだろう。イラン、北朝鮮をはじめとする世界中の反米武装勢力にとって、これは勢力拡大のまたとない機会だ。従って、ほぼ100%間違いなく国際金融市場を通して攻撃を仕掛けてくると見るべきだ。ドルの暴落は円相場の上昇を通して日本の景気にも深刻な打撃を与える。世界中に反自由主義政権が誕生し、米国が内政志向を強め、世界全体で景気が後退する。それこそテロリスト達の勝利に他ならない。これが現在我々が直面している危機であり、日本自身の国益にとっても百害あって一利無しである。私が民主党に対して非常に不満を感じるのは、こうした問題に対するコミットメントがゼロなことだ。むしろ反米武装勢力や北朝鮮を喜ばせるようなことばかりを言っており、彼らの支援でも受けているのではないかと真剣に疑いたくなるほどだ。「パンを要求する人々にパンを与えるな」などと、私は言わない。世の中には支援の手を差し伸べなければ立ち行かなくなってしまうほど苦境に立たされている人々がいる。その人達を支える仕組みを作ることに知恵を絞るのはむしろ大歓迎である。だが全ての人間に満遍なくパンと見世物を、しかも他人の金で提供して権力の座につこうなどという破廉恥な行為を黙って座視するほど日本の知識人は腐ってはいない。今日の生活がどれほど苦しかろうとも。
2008年10月05日
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衆院解散の時期が不透明化する中、永田町の先生方の多くは臨戦モード入りし、週末も休まず各地で自分達への支持を訴えている。そして例によって民主党の小沢代表が「生活必需品の物価上昇で国民生活が圧迫されている。何とかしたければ政権を交代させるしかない」というような事を力説していた。しかし民主党が政権をとったところで政府の力で原油価格を下げることなどできるわけがないので、具体的には『公共料金の引き下げと、減税と、生活費の補填』くらいしか選択肢はない。いずれも良い事なので税源が確保できるなら節度を越えない範囲で、できることはやったら良いと思う。だがそれをすることによって国民生活がもっと深刻な悲劇的状況に突入する可能性があるなら話は別だ。民主党は公平性をうたい文句にして国民に満遍なく金をバラ撒く公約を掲げている。そんなことをする位ならいっそのこと税金の徴収を一切止める方がいい。そうすれば国家は破綻するが、国民一人一人の自立心だけは残るだろう。国家が税金を徴収する目的は、個人の力ではどうしても実現できない社会的な安全を確保することにある。この点が機能しなくなると究極的には封建時代に戻ってしまう。民主党は国民の不満につけ込んで、「公共の福祉」の意味を摩り替えているようにしか私には見えない。「あなたは今まで十分努力をしてきたではありませんか?でも少しも生活は楽にはならなかったでしょう?それは庶民の生活など気にもとめない一部の資産家が、自分達の都合のいいように国の予算を流用していたからです。自分で努力しなくても投票用紙に'民主党'と書けば、あなたの口座にお金を振り込みます。」これが判りやすいと言われる民主党のロジックの根幹だ。そしてそのお金の出所は明かさない。彼らが社会の安全を維持するために絶対に必要な資金源に手をつけないという保障はどこにもない。政権を握れば小沢氏は「国民に選ばれたのだから」と全責任を「国民」になすり付けて滅茶苦茶なことをやりかねない。ヒトラーも、ムッソリーニも最初は選挙で選ばれた。最初は大人しく、優しげに、子供を抱いて頬にキスをしたりして悪魔の本性をひたすら隠し続けた。そして権力を握ってからどうなったかは衆人の知るところだ。
2008年10月04日
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国会中継で、田中康夫新党日本代表の与党への質問を傍聴していて思ったことがあります。やや過剰と思われる挑発やレトリックは全て聞き流しましたが、一方で傾聴すべき点もありました。財政、農政、国土、消費者保護、その他を取り上げた個々の質疑は、資料がないので私には成否を論じられません。しかし彼が長野県知事時代の個々の成功事例を引用して国会の席で訴えようとしていたことは以下のようになると思います。「国の予算が官僚機構の業務の枠組みに密着した東京に本社を置く一部の企業にしか流れないので、誠実さ・意欲・能力のある地方の人間達の就労意欲がどんどん失われている。早く手を打てば彼らは自力再生ができるのに与党は何もしてくれていない。このままでは国土の保全すら困難になる。必要な資金は従来型の景気対策予算よりずっと少ない金額で済む。行政の枠組みを見直せば国の事業として黒字化することも可能である。」---------------------------------------------------------------------------断っておきますが、これは田中氏の発言の要約ではなく私なりの同氏の主張の解釈です。従って全く正確なものではありません。しかし同氏が『中央に対する地方の不信感』を代弁していたと言う点では、あながち大きく隔たるものでは無いと思います。私も各論になれば意見の違いはありますが、地方の実情の認識や、官僚任せでない行政改革案を真摯に実行すべしという考え方には賛成です。しかしながら反発を受けることを承知の上で私が付け加えたいのは、「今はそれをやるべき時ではない」ということです。米国発の金融不安が恐慌に発展したら世界経済が麻痺してしまいます。どんなに短くとも今から来年の春先くらいまでは、景気の舵取りの最前線にいる人間たちの手足を縛るべきではない。地方の人の苦しみはまだ続くでしょう。自由業者である私も景気対策の恩恵を全く受けませんから現に苦しんでおり、これからもずっと苦しむでしょう。それでも大恐慌よりはマシです。地方の農家の方が、毎日何十時間も天候や作物、農地、農機具の管理などに腐心しておられるように、国際金融市場でも毎日3時間しか眠らずに投機資金を牽制している人達がいます。ろくな給料ももらわずに、自分の健康を犠牲にしながら私たちの生活を安定させるために働いているのです。90年代に政治家の先生方が「日本の株価は安すぎる」とか「円の水準は日本の景気実態を反映していない」などと、いくら繰り返し発言しても市場の流れを止めることはできませんでした。実弾を打たなければ通貨マフィアとは戦えないのです。裏社会、途上国の軍事政権、テロリスト達が投機によって先進国経済を麻痺させるチャンスを狙っています。今、日本が「イチかバチかの政治主導改革」を断行し、一時的にせよ現場が混乱することは、こうした反社会勢力に絶好の「つけ込む機会」を与えることになりかねません。彼らの勝利はまともな国の産業に致命的な打撃を与える可能性があり、回りまわって日本にも全治3年以上の深刻な不況をもたらすかもしれません。確かに小泉・竹中の改革によって地方に多くの皺寄せが行った点は問題で、今後きちんとした対応が必要になるでしょう。一方、一部の不心得者が詐欺まがいの行為によって巨額の利益を得て、社会の格差が広がったことも問題ですが、こういう輩に対しては保釈金の額を10億円単位に上げるなど経済事犯に対する懲罰を厳しくした上で、徹底的に取締りを強化すればいいんです。一部の人間に対する怨嗟の感情に流されて、危機管理能力に信用が置けず、有権者の関心を引くためなら何だろうと手段を選ばない政党に国政を任せるような拙速な考えは抑えるべきだと思います。今、私達は瀬戸際にいます。投機が一時的なもので収まり、実体経済への影響を限定できるかどうかの。「国民のための政治改革」が「世界中で罪の無い人を誘拐し、子供を殺戮の兵器に変えて、略奪、惨殺を繰り返しているテロリストのため側面支援」にならないことを私は望みます。
2008年10月03日
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民主党の菅直人氏が財務省資金管理室を視察し、党の政策財源として掲げる100兆円規模の外為特別会計積立金の調査を行ったそうです。日本がバブル後遺症に苦しんでいた1995年に国際通貨市場で円が投機対象にされ、1ドル80円を割り込む恐るべき円高に見舞われた時に、通貨防衛のために当局が必死に市場に円を供給し、ドルを買ったところ、10年経ってドルが値上がりしたので利益が出た。だからそれを使ってしまえということらしいです。100兆円というといかにも大きな金額に聞こえますが、何京円という規模の国際通貨市場で円を安定させるという目的のためには、いざという時のためにこれくらいの金額が必要でしょう。市場で逆風に曝されたら、一時的にせよ10兆円単位のマイナスが出てしまう。その時に軍資金が底を尽きかけるような状況になれば投機筋の一斉攻撃を浴びてしまいます。輸出産業が日本の生命線である以上、為替の安定化のための資金は、それこそ民主党の小沢代表が事あるごとに繰り返す「国民生活のため」に使われている資金であり、それをまるで、「競馬で勝ったから配当金を使ってしまえ」とでも言わんばかりに、「恒久的な制度の財源に充てろ」などというのは如何なものでしょうか?景気の悪化を食い止めるために一時的に資金を回せというならまだ話は判りますが…
2008年10月02日
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本日、民主党小沢一郎代表が所信表明演説で披露した民主党のマニフェストの内容はあまりに荒唐無稽なものに見えます。全国の中学生までの子供がいる家庭に対して月額26000円を支給するそうです。子育て支援に社会の援助が必要なことは分かるものの、制度案の趣旨から見ても、母親が家を空けられない低年齢の児童については別として、中学生の親や、十分な所得のある家庭にまで支援する必要があるとは、私には思えません。民主党が選挙の票ほしさに国民にアメをちらつかせただけなら看過できますが、本気でこんなことを言っているのだとしたら、さすがに黙っていられません。正確な数字ではないですが0歳~14歳までの子供が日本の人口に占める割合は14%前後だったと思うので、単純に計算すれば、1億3千万人x14%=1820万人に、26000円x12ヶ月=312000円を支払う、つまり毎年 1820万人 x 312000円 = 5兆6784億円の国家予算を子供のいる家計に支給することになります。その財源は税金配分の見直しによって捻出可能と言い切っていました。しかし、いくら現在の政治機構に無駄が多いといっても国家予算に年間5兆円を超える無駄があるのでしょうか?恐らく民主党が外交問題で一貫して米国重視から、国連重視の姿勢を示していることから考えて、外交や防衛関係の予算が最初の削減対象になるでしょう。ところで、国連重視といえば聞こえは良いですが、これは『中国・ロシアの反対することは一切いたしません』と言っていることと同じです。つまり中国が毎年実質的に14兆円とも言われる軍事予算を投入しているその隣で、防衛予算をカットして米国との同盟関係にも距離を置こうとしているわけです。もし今誰もこのことを指摘しなかったら、将来日本が世界で孤立して、中国共産党軍首脳部の顔色を伺わなければ国民の生命と財産が守れない、そんな状況になってしまうかもしれません。日露戦争中、日本は敵国を弱体化するために、明石元二郎大佐らがレーニンなどの体制に不満を持つ人間の反政府活動を支援し続けました。ロシア革命は旧日本軍の政治工作資金によって起こされたと言っても過言ではありません。明石大佐は日本にとっては英雄でしょうが、その後のロシアで繰り返された数限りない悲劇の先導役となってしまった人間でもあります。私は貧しい小市民に過ぎませんが、『資本家の富を収奪して社会に満遍なく再配分する』などということが、国家を破産させ、国民から愛するものを奪い、人心を荒廃させて他人に対する怨嗟と疑心暗鬼しか生まない社会しか作らないことくらいは判っています。民主党が掲げた政策は、長期的に日本の国力を衰退させこそすれ、現在先進国首脳が必死で行っている世界景気の舵取りとは全く無関係なものです。日本が経済危機への関与を止めることで未曾有の世界的な不況が起こったらどうする心算なんでしょうか?それこそ世界中で何十万人もの人が職を失い、場合によっては命まで失うことになるでしょう。既に小沢氏は今年の4月、米国の金融不安が高まっているさなかに日銀総裁人事を迷走させた前科があります。彼が、現在日本の中にいる中国や北朝鮮の明石大佐に支援された『日本のレーニン』でない保証はどこにもありません。彼の所信表明演説のような「国民のため」と称しつつ国に対する何の責任も果たそうとしない扇動に対して、私は知識人に課された義務として異議を唱えます。
2008年10月01日
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