盲目の天才ピアニスト辻井伸行さんは、「心の目で見ているからでしょうか。相手の気持ちがよくわかるのです。」と。
盲目であることがこれほど人を有利にさせている例を知りません。
その感性はずば抜けていて、盲目でなければならないと思わせるほどです。
全身で音を感じ、心で空気を読み取ってしまう。
今日の風は何色ですか?と母親に聞く感受性。それを育てたのは母親のいつ子さんの感性のお陰でもあるでしょう。
概念がないものを教えるほど難しい事はありません。見たこともないものを説明しようとしても、言葉だけでは伝わりません。
実際の形に触れて覚えていくしかありませんが、色というものの存在を彼女はどうやって教えたんでしょうか。
これを伝える事が出来た彼女もまたある種の才能を持った人だと思えます。
環境が人を育てると言います。
心地よい風が通り、燦々と陽が射し、水はけがいい良く肥えた畑にしか美味しい野菜は育たない。
天才は育てられたんですね。
彼の弾くピアノの音はあくまでも澄んでいて、絹糸のように強い粘りと光沢をもっています。
全霊で吸収して全身で演奏するというのが彼のスタイル。
外連味のないその演奏は新しい音楽の可能性を感じさせてくれます。
指揮者の佐渡裕ら「辻井ファン」の音楽家たちは言う。
研ぎ澄まされた聴覚が耳で聞いて覚えることで、楽譜に表し切れない繊細な間合いまで感じ取り、独特の響きを生んでいると。
彼はショパンが何よりも好きだということが、ショパン好きの私にはたまりません。
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