昨夜、久しぶりにJAZZのライブハウスへ行って来た。名古屋覚王山の「STAR☆EYES」ライブハウスの老舗だ。
「出前JAZZ」で名を馳せたフリューゲルホーン奏者・故鈴木尚氏の13回忌記念ライブ。往年のメンバーによるクインテットで、往時を知るファンが70人ほど集まった。
私は全く知らない連中だ。ジャズを聴いていた時期がずれており、80年代の後半以降のジャズのライブはほとんど聴いていない。当時、活躍していた連中とは全く接点がないのです。
行くのが遅かったため良い席はすべて埋まり、どうにか座れたのがドラムスの横。ステージを真横から見るという厄介な席だった。
今回、驚いたことがあった。演奏が始まる前にサックス奏者の前歯がない事が判明。おまけに彼は3年ほど前に胃を切除したという。
そんな事を知ってからの演奏は、違った意味の緊張感が有った。
だって前歯がなくて上手くマウスピースが咥えられるのか? 胃を切除した人がサックスなんて吹けるのか? という思いが頭を占拠してしまった。
しかし演奏が始まると、最初の頃は少し違和感が有ったものの徐々に往年の力強さ、彼特有らしきフレージングと展開を随所随所に聴かせてくれた。
彼は、なかなかいいサックスを吹くんだと、鈴木尚と親交が有ったその往時を知っている同行の義兄から聞いていた。
その片鱗を聴かせてくれたが、やはりかなり無理があるらしく完璧という訳にはいかない。歯のない口に咥えたサックスでよくもまああんな音が出せるもんだと感心はするものの、先入観も邪魔をして心もとない感じも否めなかった。
ドラムスの真横の席ということもあって、その演奏状況がまさに手に取るように分かり、そのテクニックはなかなかのもの。30年以上やっているベテランですからね。
ピアノが向う側にあって、マイクがオフになっていた事もあってあま良く聞こえず残念だった。早いフレージングに指が付いていけなかったり、アドリブのフレーズが少し平凡であまり伝わってくるものがなかったのも残念だ。
ベースはまあまあ上手い方かな。伝えたいものはちゃんと持っていて、メンバー次第ではかなり良いものを出すんじゃないかな。
もう一人のサックスは、フレージングが平凡でスーッと流れてしまう感じが有り、上手さから言えばやはり歯のない彼の方が数段上だ。
でも、やっぱりライブはいいね。
コンサートホールやドームなんかで聴くのとは違って、目の前で展開する生の迫力と、その息使いや表情が直接伝わってくるのが何んとも心地いい。
ジャズはライブが一番と、改めてその楽しさを再認識した夜だった。
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