世間には色んな人がいるもんで、たまに見かける人の中には、相手もいないのに一人でしゃべりながら歩いている人がいます。
そんな人に同じ日に二度も遇った。
一人はオバサンで、自転車で通り過ぎたのですが、何んと口汚く「バカヤロウ~」と叫んでいる。他にも何か言っているようだったが、「バカヤロー」の印象が強くて何を言っていたのか聞きもらした。何度も叫んで通り過ぎたが、余程腹を立てているらしく、顔も険しく近寄りがたい空気を発散していた。
もう一人は、作業服を着てマスクをした中年のちょこ肥りの男。
前を歩きながら携帯電話をしているのかと思ったが、電話を持っている様子がない。架空の相手と電話しているらしい。
「ふんふん」「そうか」「まあなぁ」とか相槌を打っていて、いかにも誰かの話しに耳を傾けている風だ。自分の意見を言うことはなく聞き役に徹していて、優しくソフトな口調はいかにも人柄を表しているようだった。
多分、これらの人の脳の中には小人が棲んでいるんだ。
そいつが時々小さな問題を起こしたり、怒らせるような悪さをしたりしているんだろう。
こういう脳の状況になるにはいろいろあるのだろうが、一つには「孤独」が原因になっているのではないだろうか。
多重人格は虐待が要因になる場合が多いと聞いた事が有る。その苦痛から逃れるために、別の人格を登場させる事でその苦痛から回避しようとするらしい。五重人格という驚くべき事例もあるらしい。
人間の脳は極限を迎えると、実際には無いものを作り上げて、あたかも存在しているかのような虚像を作り上げてしまうのだ。
孤独もまた、人によっては耐え難い一種の極限状態なのでしょう。独り言をいったりするようになり、それがいつしか独り言ではなくなっていく。そうなると、いつの間にか誰かが棲みついたごとくにその第二者が常時顔を出すようになっていく・・・・・。
これは飽くまでも私の想像の域を出ません。
大人の独り住まいの人に見られる、「孤独」を抱えながら寂しい生活をしている人に、こういう人が多いんじゃないかということからの私の推測です。
いわゆる知恵遅れなどとは違う、正常な人の中にいる脆くて弱い部分を持った人達。
孤独は人を変えてしまう。
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