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2010年09月27日
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カテゴリ: 作品

「ふわぁ・・・」

風呂からあがって麦茶を飲んで一息つくと少し眠くなってきた。

久々部活したせいだろうか?

運動部じゃないから余計に体力の衰えを感じる。

さてと・・・

「そろそろ寝る、かなぁ」

特に明日用があるわけでもないが疲れたら寝るに限る。

「おやすみ~」

そう思い俺は自分の部屋に戻ろうとするのだが・・・。

「なんでついてくるの?」

なぜか天音が後ろからぴょこぴょこと追いかけてきた。

「忘れたの?マッサージ」

天音はちょっと頬を膨らませてそう言った。

「そういえばそんなこと言ってたなぁ」

それを引き換えにゆっくり風呂につかる権利を勝ち取ったんだっけ?

どう考えても勝ち取る権利ではないが・・・。

「ちゃんと受けてもらうんだからね」

「はいはい・・・」

言い逃れもできそうにないしやってくれるというならやってもらった方がいいだろう。

俺は天音を部屋に招き入れた。

自分で言うのもなんだが部屋は綺麗な方だと思う。

あくまで男子の中では・・・だが。

家族だしそこまで気にする必要もないか。

「じゃあとりあえず横になろっか?」

「あいよ」

天音にそう言われて俺はベットに仰向けになる。

「・・・普通うつ伏せじゃないの?」

「・・・そうだな・・・」

もうちょっと突っ込みを期待したのだがスルーされてしょぼんとしながらうつ伏せになる。

「気持ちよかったらそのまま寝ていいからね?」

と言いながら俺の腰辺りにまたがる。

一瞬卑猥な想像をしてそれに気がついてあわててかき消す。

「力加減はどうですか?」

天音はゆっくりと肩甲骨辺りを押してくる。

「ちょうどいいよ」

力加減も絶妙だしつぼをとらえている・・・気がする。

いつの間に練習したのだろう?

「前からちょっとずつ練習してたんだー」

「え?」

俺が聞こうとする前に天音がなぜか答えてしまった。

しかも完璧に話がつながってる。

「なんか聞きたそうな感じだったから答えてみました」

「よくわかったな」

わけがわからず俺は感心するしかなかった。

「孝介のことなら何でもわかるんだ」

そういう天音の声は少しだけ自信ありげだった。

「俺専属のエスパー的な?」

「そうそう、そんな感じ」

俺と雑談しながらマッサージの方は手を抜かない。

趣味にしては出来すぎな、普通に店でも出せるんじゃないかというくらいのスキルだ。

「それにしてもうまいな」

よく家事を勉強の合間にここまでうまくなったもんだと感心する。

「そう?頑張った甲斐あったなぁ」

やっぱりどんなことでも褒められるとうれしいものか。

天音もうれしそうな声を出していた。

「店でも出したらどうだ?」

本気でそう思えるほどうまい。

「ん~お金に困ったら・・・考えるかも」

俯いているのでどういう顔をしているか分からないけど

少し困ったような顔をしているに違いない。

何となくそう思った。

「なんか眠くなってきた・・・」

気持ちいいせいか力が抜けてきてうとうととしてくる。

「眠かったら寝ていいよ?添い寝してあげるから」

「それはやめてくれ」

というか問題があるだろう。

家族なんだし・・・。

「冗談だって。寝顔見るだけにする」

妥協したように言う天音。

それもやめてほしい・・・なんて言葉は心の奥にしまっておくことにした。

まぁそれくらいならと・・・。

「でも、まじで眠いかも・・・」

とか思ってる間に俺は眠りに落ちてしまった。

包丁をもった男がこっちに歩いてきてる。

俺は逃げようとしたが天音がすぐ後ろにいることに気がついて

逃げることができなくなってしまった。

俺は・・・どうすればいいのだろうか?

「はっ!!」

俺は何とかしようと覚悟を決めたところで目が覚めた。

「ただの夢かよ・・・」

というには少しリアル過ぎた。

「正夢・・・ってことはないよな?」

実際あんなことになることはないだろう。

天音は好かれはしても嫌われはしない。

女子に対しても裏表なく接するらしく性別関係なく人気らしい。

女子は女子でファンクラブを作ってるとか作ってないとか・・・。

どこまで本当か分からないけどあり得そうだから怖い。

「まず夢のは男だったしな」

だからなおさらあり得ない。

「くだらない。忘れよう」

あれはただの夢だったと・・・。

「時間はっと・・・3時か」

天音にマッサージをしてもらい始めたのが10時くらいだったから

まぁ5時間くらい寝てた計算になる。

「後4時間・・・寝るか」

起きなきゃいけない時間までまだ4時間近くある。

そのまま起きててもいいが寝てしまった方がいいだろう。

特にやりたいこともないし。

「ふわあぁ・・・」

寝なおそうと思って横になるとすぐに眠気が襲ってきた。

この感じならすぐにでも・・・

トントン

眠れそうだと思っていたところにノック。

この家には俺以外にいるとすれば・・・。

「起きてる?」

天音しかいない。

「起きてるぞ」

そう返事をしてドアを開けてやる。

「ごめんね。物音がしたから起きてるかなぁって」

「悪い、起しちゃったか?」

そうだとしたら悪い事をした。

そんなに物音をたてたつもりはなかったんだが・・・。

「ううん、起きてたら音が聞こえただけだから、大丈夫」

大丈夫というには元気のない声。

「何か、あったか?」

天音に元気がないってのは珍しい。

よっぽどのことがない限り笑い飛ばしてしまうのに。

「怖い夢を見たの・・・」

「気が付いたら孝介と一緒にいて、そしたら前に包丁を持った男の人がいて、

そしたら・・・そしたら・・・」

そこまで言って天音は急に泣き出してしまった。

「もういいから・・・」

そう言って俺は天音を抱きしめて頭をなでてやる。

これじゃどっちが年上なんだか分からないがそんなことは言ってられない。

「孝介が・・・刺されちゃった」

「そんなのただの夢だから」

そう言った瞬間、さっき見た自分の夢が重なる。

これは・・・同じ夢?

俺がそういう夢を見て、天音も同じような夢を見た。

しかも天音は俺の少し先まで見ている。

これは偶然なんだろうか?

だけど今はそんなことを考えてる場合じゃない。

「大丈夫だから、な?」

俺は天音の頭をぽんぽんと叩いてやる。

「うん・・・ごめんね。ごめんね・・・」

天音はなんとか泣きやもうと目をこすっている。

俺はただ抱きしめることしかできなかった。

「一緒に寝ていい?」

天音も落ち着いて泣きやんだ頃、つぶやくようにそう言った。

「・・・いいぞ」

一瞬断ろうと思ったが、なんかいやな予感がしてOKした。

ここで無理やり部屋に帰してしまったら二度と会えないような・・・そんな気がしたのだ。

「ごめんね・・・」

そう言って天音は俺のベットに横になった。

「気にすんなよ。俺たち姉弟だろ?」

俺はなるべく天音に触れないようにベットに入る。

「ありがとね・・・孝介」

天音はせっかく俺が端の方に寄ったのにくっついてきた。

「おやすみ」

「あぁ・・・おやすみ」

そうは言ったものの・・・眠れるのだろうか?

一話から読みたい人へ

第1話






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最終更新日  2010年09月27日 20時14分14秒
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