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次世代育成支援対策推進法が改正されます。と言ってもなかなかピンとくる人はいないかもしれません。従業員が301人以上の企業では、これまでも仕事と家庭を両立するために、行動計画を策定して、届出をすることが義務付けられていたのですが、それを従業員に周知したり、一般に公表したりする規定はありませんでした。そのせいか、この法律の認知度はいまひとつという面もありました。 平成21年4月1日に施行される今度の法改正では、従業員301人以上の企業については行動計画を公表し、従業員に周知することが義務付けられることになります。さらに、これまで行動計画の策定は従業員が301人以上の企業だけに義務付けられていたのですが、これも今回の改正で従業員101人以上の企業まで拡大され、従業員101人以上301人以下の企業での行動計画の公表と従業員への周知についても平成23年4月1日以降から義務となります。 例によって、これらの法規制は罰則を伴うものではないので、実効性という点からは疑問もありますし、形式的に行動計画を策定してカタチだけを整えるという動きも出てくるのではないかと思います。しかし、子育てに直結する法律だけに、市民への周知が進んでくるに従って、関心も高くなってくる要因を孕んでいます。企業では、自社の取り組みをよく検討して、実行可能で効率の高い行動計画を策定しなければなりません。
March 18, 2009
急激に景気が悪化していることの影響で、育児休業中の社員を解雇したり、「戻っても仕事がない」と社員に伝えて退職を促したりする事例が増えています。育児介護休業法を見てみると、第10条で、「事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と規定されていて、解雇したり、減給したり、降格したりといった不利益な取り扱いを禁じています。もちろん、これは介護のための休業でも同じです。 ですが、この法律には罰則がないため、当初からその実効性が疑問視されていました。今回の景気後退で、心配されていたとおり「育休切り」が多く発生しているということのようです。 争うにしても、裁判では、時間がかかり、その上解雇と育児休業との因果関係を立証することは非常に困難ですし、仮に解雇を回避できたとしても、育児や介護のために、労働をセーブしなければならない社員にとっては、職場が「針のムシロ」状態にもなりかねませんから、実際には泣き寝入りすることが多くなります。 以前、ある企業の経営者の方が、「こういった取り組みは剰余金などの内部留保の範囲内でしか実行できないし、業績の悪化傾向が顕著になれば、当然見直しせざるを得ない。」と発言していたのを思い出しました。企業の本音としてはそうだろうなと、理解できます。しかし、罰則がなかったとしても「育休切り」は明らかに法令違反です。何かのきっかけで、企業価値を損なう大きなコンプライアンスリスクがあるのです。
March 17, 2009
土曜日に神奈川県教育委員会が主催する、ファミリーチャレンジ小田原に行って、お手伝いをしてきました。交通費から昼食代まで一切自腹で、渡されたマニュアルを見ると、一日中ぎっちりと仕事をさせられる内容になっています。ちょっと腹立たしくもなりましたが、始まってしまえば、結構楽しいイベントです。 会場の川東タウンセンターマロニエ 企業や学校、団体などがブースや教室などに出展しています。忙しい雑用の合間に、色々な企業を見て回ったのですが、多くは出前授業などの実績がかなりある会社で、会場の設営から実際の運用までとてもスムーズな印象を受けました。 全体的には、教育イベントというよりもお祭りのような感じが強かったように思いますが、参加された子どもたちや家族が楽しければいいのかもしれません。 会場のようす
March 16, 2009
学校を出てすぐの頃なので、もう20年くらい前ですが、仕事で医学雑誌に携わっていたことがありました。その雑誌には、単に病気などを治療していくのではなく、その後の生活の質をどのように高めていくかを考えるというクォリティ・オブ・ライフ(QOL)という考え方についての論文が多く掲載されていました。 当時は、医療用語の一つで乳がんの乳房温存手術や、ホスピスなどの終末期医療について語る時に用いられていたQOLですが、今では人々の生活全般について、QOLという概念が用いられるようになってきました。 多くの社会環境がストレスフルになってきて、心身の健康が日々の暮らしの中で維持しにくい時代の中では、医療の世界と同じように生活全般についてしっかりとクォリティ・オブ・ライフ(QOL)を考えていくことが大切です。
March 8, 2009
村上春樹さんの「エルサレム賞」授賞式での講演の全文が毎日新聞社のサイトに掲載されていたので、読んでみました。やはり、日本でも大きく報道されていた「私は卵の側に立つ」という部分がとても印象に残ったのですが、特に「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立ちます。何が正しく何が誤りかという判断は、誰か別の人にやってもらいましょう。時間や歴史が決めてくれるかもしれません。」正しいか間違っているかではないのだという、この部分がとても強烈でした。 村上春樹さんの作品は、まだ学生だった頃、当時ベストセラーになっていた「ノルウェイの森」を友人に薦められて読んだのが最初です。実は、学生運動の時代から遠く離れていた私には、当時の活気があって一面では退廃的なところもある学生達の雰囲気がいまひとつ理解できないし、あっけなく死を選んでいく人のことも「なぜ?」という感じでよくわかりませんでした。むしろ、社会人になって読み返した時に、はじめて作品の中の「生と死の狭間」を感じることができたような気がします。 振り返って、自分自身を眺めてみた時に、さて自分がどのポジションに立っているのか良く考えてみないといけません。私たちの仕事では、日常的に、行政という圧倒的に強い「システム」と接しているのですが、もしかすると自分もいつの間にか「システム」側の視点に立って仕事をしているかもしれません。
March 4, 2009
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