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ヤフオクにて中国製813(FU-13)シングルアンプ(中古)を衝動的に買ってしまいました。因みにCHORALEは日本の輸入代理店が別注しているモデルで100V仕様。そして購入したアンプは、多分この工房で改造をしてあるものです。中国製アンプの比較表7こちらによると、初段とドライバ段をCR結合にしてドライバ段Pから初段Kへの帰還を掛けて特性を大幅に改善したそうです。中国製真空管アンプは歪率の悪い物が多い印象ですね。アリエクを見ると「2023アップデート」みたいな書き方をしているものも多いですが、元が酷い設計のまま各メーカーが回路を改善しないまま作っているだけでしょう。何がアップデートかわかりません。(笑)中国製はそういうものだと割り切るのがよいでしょう。このアンプを購入しレポートされている方が居られますので、こちらも参考になります。chorale社 813シングルアンプの音質813シングルアンプ 買う前の推測Chorale社 813シングルアンプ いざ、開腹!Chorale社 813シングルアンプ さあて、どこから手をつけるか?(笑)Chorale社 813シングルアンプ 一発目はこれだ! 適正化 1Chorale社 813シングルアンプ レギュレーションを改善 適正化 2813 ケミコンChorale社 813シングルアンプ インプットラインをリプレイス 適正化 3Chorale社 813シングルアンプ 高圧(高電圧)ラインをリプレイス 適正化 4Chorale社 813シングルアンプ 高圧(高電圧)ラインをリプレイス 適正化 5Chorale社 813シングルアンプ カソードパスコンをリプレイス 適正化 6記事は10年以上前ですから、結構なロングランモデルですね。良くも悪くも。真空管そのものの特性については、過去に書いた813(4B13、GU13、FU13)という真空管もご覧下さい。このアンプの一番の良くないところは幾つかあります。奥行きが46cmくらいあって、どちらの方向でもオーディオラックに収まりません。これは参りました。ラックの前に新たにラックを置いて使うしかないです。あと、真空管の、向きですよね。この向きが好きになれません。あと電源トランスがそこそこ熱くなるということもありますね。別電源でフィラメントを点火すれば、少なくとも10V5A×2のぶんはトランスの負担がなくなるので、発熱は抑えられるかなと。一応、簡易的なDC点火になっていて、整流平滑後に取りきれない脈流をハムバランサーで調整するっぽいです。それでも高能率なスピーカーではハム音が気になります。中国人は、そのあたりを「そういうものだ」と割り切っているのでしょうか。私のリファレンス機のサウンドパーツ製300Bプッシュプルアンプのノイズは皆無に近いので、そういうアンプに慣れている人にはチョット苦痛ですね。改善の余地があります。色々と文句はありますが、所詮は中国製アンプです。回路そのものはその道のプロが改良して特性が改善されているので、これでよしとしましょう。813(FU-13)は10V5Aのフィラメントですので真空管は煌々と光りますが、シールドが電極奥まで入っているのでフィラメントそのものは殆ど見えません。送信管ですから、当然のことです。なかなか良いアンプですが、この季節は部屋が暑くなるので、秋深まるまでお預けかな...。アンプのために冷房をガンガン使うのは避けたいので、夏は専ら石のアンプですね。真夏はデジタルアンプですし。季節に合わせてアンプを換えることは、それはそれで楽しいです。冬にじっくり聞き込んでみます。
Jun 9, 2024
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802という真空管を紹介します。規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベース「RCA802規格表」が参考になります。手持ちのRAYTHEONのRK-25(RK25)と同じです。シールドに覆われています。下もしっかりシールドされています。ヒーターを点灯すると、ダブルヒーター(ダブルカソード)であることがわかります。暗くするとヒーターの灯りがシールドの隙間から見えます。魅力的ですね。etracerで三結特性を測定してみます。【1本目】Eh=6.3V, Ih=0.87AEp=250VEg1=20.5VIp+Ig2=29.99mAIg2=6.74mArp=2505Ωgm=2867μSμ=7.2V/V【2本目】Eh=6.3V, Ih=0.88AEp=250VEg1=20.0VIp+Ig2=30.02mAIg2=6.11mArp=2541Ωgm=2795μSμ=7.1V/V7~10kΩの負荷すから、バイアスを調整すれば6F6用の回路には使えそうな印象です。
May 21, 2024
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RCAの1608という真空管を紹介します。B級用の球らしいです2A3のように2枚プレートの構造です。フィラメントは2点吊り。コイルバネで吊ってあります。因みに、点灯しても暗すぎて殆ど見えません。シンプルな造りです。規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベース「RCA 1608」規格表が参考になります。etracerで特性を測定ましょう。400Vで30mAほど流れるところで見ます。【1本目】Ef=2.5V, If=2.23AIp=400VEg=11.4VIp=30.08mArp=3286Ωgm=5644μSμ=18.5V/V【2本目】Ef=2.5V, If=2.28AIp=400VEg=12.7Ip=30.43mArp=3072Ωgm=6006μSμ=18.5V/V【3本目】Ef=2.5V, If=2.26AIp=400VEg=10.6Ip=30.32mArp=3418Ωgm=5462μSμ=18.7V/V規格ではPd=20Wですが、B級ではなく常にアイドリング電流が流れるA級動作では、もう少し低めの15Wそこそこと思った方が良いかもしれません。測定結果から、・rpは10族に似て3kΩ台・gmは10族の倍以上・μは10族の倍以上ということがわかりました。400V、-11V、30mA、14kΩ負荷で1Wというところですが、グリッドをプラス側まで振ればもう少し出ます。「直流的には10族のように振る舞うが交流的には大変高感度な球」と結論づけてよいかと思います。バイアス抵抗調整のみで10族と差し替えは出来ますが、フィラメント電圧が2.5Vなので要注意です。
May 19, 2024
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ヤフオクで面白そうなアンプが出ていたので購入してみました。GU-17(ГУ-17)は、6360(CV2798やQQE03/12の互換と云われるビーム四極菅です。アンプの回路は、下記の構成です。(回路図も前オーナーから頂きました)・12AX7の1/2が初段・12AX7の2/2がPK分割・6360が終段で内部2ユニットをプッシュプル (G2共通なのでビーム管接続です)カソードは共通なので、自己バイアスの場合は2ユニットの電流バランスはとれません。ユニットにバラツキが多いと厳しそうですが、そこまで気を遣わなくても大丈夫そう。ヒーターを灯すとこんな感じ。良いですね!1本だけetracerで特性を測定してみました。カソードやスクリーングリッドが共通のものは片ユニット限定での測定が難しいのでパラレルでの測定とします。Eh=6.3V, Ih=0.75A三極管接続Ep=230VEg1=-20.0VIp+Ig2=45.15mAIg2=5.23mArp=1300Ωgm=5965μSμ=7.8V/Vビーム管接続Ep=230VEg2=150VEg1=-9.3VIP=44.96mAIg2=2.93mArp=42013Ωgm=6711μSμ=281.9V/Vサンプルは1本だけですが大体の傾向はわかった気がします。さて肝心のアンプですが、使用中に突然左チャンネルだけが音出ずになってしまい。何かの部品が外れかけている感じなので後日修理します。
May 12, 2024
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RAYTHEONのVT94(10E/108, CV1094)という真空管を紹介します。ずっとオークションで売れ残っていて、可愛そうなので落札しました。売れ残っている要因としては・有名ではない・ベースがDA100などと同じで、ソケットが入手困難・ポジティブバイアス(+バイアス)で動作する・英国規格の球でありながらアメリカRAYTHEONの製造という謎球・バルブがベースから傾いて取り付けられていて見た目が悪いこんなところでしょう。転売屋にとっては、こういうのは「売れない球」なのです。売れ残りには福があるのか、さてどうでしょうか....。規格は、The Valve Museumの「VT94」規格が参考になります。Ef=5.8V, If=1.43Aというフィラメント規格です。印字は、RAYTHEONVT9456-40MADE IN USA10E/108と書かれています。裏には王冠マーク。AMは英国航空省のことらしいです。もう1本は印字が殆ど見えません。送信管としては珍しい4点吊りです。なかなか良いですね。点灯するとこのような感じ。etracerで特性を測定しましょう。Pdのラインは規格通り40Wとしましたが、A級動作なら30Wと見た方がよいです。【1本目】Ef=5.8V, If=1.35AEp=400VEg=+42VIp=60.35mAIg=7.51mArp=25473Ωgm=1887μSμ=48.1V/V【2本目】Ef=5.8V, If=1.37AEp=400VEg=+40VIp=60.55mAIg=6.65mArp=27563Ωgm=2160μSμ=59.5V/V実際はもう少し電流控えめのほうが良いかもしれません。特性的には普通に良い送信管の特性でした。見た目は良くないですが良く出来た真空管だと思います。
May 9, 2024
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先日作った12JZ8/17JZ8パワーアンプですが、結構お気に入りです。ところで私の手持ちに12JZ8/17JZ8と同じピン配置の21LU8と16LU8があります。左から東芝の17JZ8、NECの21LU8、東芝の16LU8です。二回りほど大きなバルブですね。真空管(Electron tube) 規格表データベース「6LU8」規格が参考になります。12JZ8/17JZ8のPd7Wに対して14Wあり、倍ほどですね。もしヒーター電圧を調整してバイアスが正常範囲内であれば音が出ると思います。ヒーターは、21LU8が21V0.45A、16LU8が15.8V0.6Aです。まずは東芝16LU8。ヒーター電圧を16.3Vに設定して試してみます終段の動作としては9.5W位の損失ですので十分余裕がありますが、少し軽すぎる気もします。前段のバイアスも0.3V程しか違いが無いのでまぁ大丈夫。とりあえず動いていますが、何故かノイズが目立ちます。NECの21LU8。ヒーター電圧を21.0Vに設定して試してみます。やはりノイズが気になります。「とりあえず動く」ことは確認できましたが、12JZ8/17JZ8で全く出ないノイズが出るという現象がありました。そもそもピン配置が同じというだけで規格が全く異な球なので、設計や配線を見直して追い込んでゆけば何とかなりそうです。結論としては「別物の球なので専用設計が必要」といったところでしょうか。
Apr 30, 2024
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以前紹介した12JZ8 , 17JZ8 という真空管を使ったアンプを作りました。回路はごろピカ工房「キューブくん」を参考にしました。電源はDC12V入力にアレンジしてあります。入力側にCR型LPFを追加し、NFB抵抗に150pFを抱かせてあります。シャーシの上には真空管のみが乗っているデザインとしました。ホコリがたまったとき、拭きやすいですよ。因みにシャーシはタカチのMB19-9-30です。(幅190mm×奥行き300mm×高さ85mm)この中にDCDCコンバータや出力トランスが入っています。電源端子はラジコン用で使われるXT60というタイプのものです。2.1mm標準dcジャックでは電流的に厳しいからです。スイッチで12JZ8、17JZ8を切替えられます。12.6Vと16.8Vそれぞれに調整されたDC/DCコンバータが内蔵されています。12JZ8のモードは12.6Vなので13JZ8(12.7V管)も使えます。手持ちの球です。上段左から、TEN 17JZ8、NEC 17JZ8、東芝 17JZ8、日立 17JZ8下段左から、GE 24JZ8、SYLVANIA 24JZ8、ELEVAM 12JZ824V管は17V管との共用は難しいです。アンプ内部のDC/DCコンバータのVRを回して調整ですかね。あと一番の問題は、このコンパクトロンの12ピンソケットです。抜き差しが大変です。挿すにもミチミチと....抜くにもミチミチと....。(ピンが曲がりそうで怖いです)日替わりで挿し換えするのには向いていませんね。ソケット側をあまり広げてしまうとピントの接触が悪くなりますし。出来上がったアンプが正常に動くか確認です。高域側にリンギングのようなクセがあったので、NFB抵抗に150pF(手持ちにあったやつ)を追加しました。1kHzの矩形波はこんな感じです。電源を入れると、なかなか良い色味のヒーターが灯ります。良い感じですね。部屋の照明を消すと、こんな感じ。音楽を聴いてみると....低域は出ているものの若干緩く痩せ気味で、高域は少し雑味のある音ですが..慣れれば大丈夫です。(笑)出力トランス(中国製の安物)の鳴きが結構あり、それが音の雑味になっているのかもしれません。私のリファレンス機がサウンドパーツ製300BプッシュプルアンプやバクーンプロダクツのSCA-7511MK4ですので、それと比べるのは酷な話です。まぁ、何だかんだ言って、テレビ球、最高!! \(^o^)/
Apr 27, 2024
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Taylorの203Zという真空管を紹介します。印字はこんな感じ。Taylor tubeCUSTOM BUILT203ZMade inUnited Statesof Americaトップ側から見ると、しっかりした構造ですが、プレートはカーボン系ではなく金属板ですね。プレートはトップ側になるので、ベース側には配線されていません。ゲッターは円盤状。規格はTaylor TubeS CATALOG and MANUAL 1939が参考になります。規格表によると、Ef=10VIf=3.8APd=65Wrp=16700Ωgm=5900μSμ=85V/Vですが、A級動作を前提とした動作中心付近を調べるとこの値と大きく異なります。Taylorの真空管は番号にZがつくとゼロバイアス管で、Eg=0ですとIpは僅かしか流れません。オーディオ用のA級として使うならプラスのバイアスが必要です。フィラメントが10V3.8Aでプレート損失65Wなので効率は悪そうですね。さっそくetracerで特性を測定しましょう。フィラメントは外部電源からとってます。【1本目】Ef=10V, If=3.27AEp=600VEg=+50VIp=70.23mArp=13969Ωgm=1205μSμ=16.8V/V【2本目】Ef=10V, If=3.32AEp=600VEg=+58VIp=69.43mArp=16905Ωgm=1068μSμ=18.0V/Vすみません、Igの測定し忘れました。Egは相当掛けてあげないとIpが流れません。前回紹介したAmperexのCEP-120に似通った特性ですが、Igは結構流れますね。低目の動作であれば、5kΩのトランスを負荷に550Vで55~65Vほど掛け70mAほど流して使う感じでしょうか。高rpの球なのでNFBは大前提となります。
Apr 20, 2024
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AmperexのJAN-CEP-120という真空管を紹介します。これは知人から譲って頂いたものです。写真右の211と比べてみると、細身でプレートも小柄ですね。しかし、小柄ながら、しっかりした構造です。フィラメントは2点吊りのM型。実測で10V2.6Aですので211系よりフィラメント電力が低目です。さて、この120という真空管の規格が不明です。前述の写真のようにプレートの大きさからみて、75Wに満たない気がします。50~60Wと見ておけば安全かと。211系は、バイアスやrpの違いなどで沢山種類がありますよね。803だとか284Dだとか、オーディオ用で人気な845とか。今まで測定した211や845タイプの大型管は、フェデラルのF123ASTCの4242A中国製の845PSVANE Acme 845Fullmusic 211東芝UV-211Aなどなど。この120が何者か、実測すれば見えてくると思います。もちろん中古なので本来の性能が出ていなくて正確な比較にはなりません。etracerで特性を測定しましょう。とりあえずPd=60Wと仮定します。(もう少し低くてもよかったかも)【1本目】Ef=10.0V, If=2.61AEp=600VEg=+54VIp=70.34mAIg=8.21mArp=17472Ωgm=1179μSμ=20.6V/V【2本目】Ef=10.0V, If=2.60AEp=600VEg=+52VIp=69.92mAIg=7.74mArp=17635Ωgm=1201μSμ=21.2V/Vかなりプラス側にバイアス電圧を掛けて使うようです。感度は低めの印象ですが直線性は良いと思います。オークションで211互換のように書かれているのを見ましたが、特性が全然違いますのでご注意を。
Apr 10, 2024
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英国製のVT25という真空管を紹介します。足(バナナピン)が外れ掛かっているものを安く入手しました。(あとでハンダで適当に直しました)「VT25」...とはいえ、見た目からわかりますように10族のVT25ではありません。プレート損失は36Wで、10族とは構造も特性も全く異なる真空管です。ゆえに10族と区別するため「DET25」と言われる人も多いです。フィラメントは2点吊り。しっかりした造りです。フィラメントはオキサイドコートで、トリタンではありません。仄暗く光ります。規格はThe Valeve Museum「CV1025」が参考になります。ピン配置はRadiomuseumの「DET25」が参考になりますが、規格表にはIpカーブなどの情報が全くありませんね。プレート損失36Wで、rpは高い、最大1200V迄ということはわかりました。ここから何となく見えてくるのは「大きな10族っぽい何か」...でしょうか。雑すぎる表現ですが(笑)とりあえずetracerで特性を測定しましょう。600Vかけて40mAほど流れるところで測定します。※グラフの名前が10/E7312となっていますが10E/7312が正解です【1本目】Ef=7.5V, If=1.43AEp=600VEg=-22.6VIp=39.96mArp=4952Ωgm=2344μSμ=11.6V/VEf=7.0V, If=1.36AEp=600VEg=-22.6VIp=39.87mArp=5055Ωgm=2261μSμ=11.4V/V【2本目】Ef=7.5V, If=1.40AEp=600VEg=-23.7VIp=40.16mArp=4717Ωgm=2475μSμ=11.7V/VEf=7.0V, If=1.32AEp=600VEg=-23.7VIp=40.00mArp=4806Ωgm=2397μSμ=11.5V/Vまず気がついたのは、フィラメントに関しては規格表と全然異なるということです。1.4Aですね。誤差ではありません。こういう仕様としか考えられません。皆さんのお手持ちは如何でしょうか?rpは高いですね。14kΩを負荷にする感じです。感度も高くない球なので、Epを高くしてあげないと1Wを出すのさえ苦しいという難物です。RV218よりは感度が良いのでまだマシです。こういう球は「0.3Wも出ればいいや」と割り切って使った方がよいかもしれません。
Mar 30, 2024
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デンマークELEKTROMEKANOのM7という真空管を紹介します。譲って頂いた方の情報によりますと「U4ABとほぼ差し替え可能」のようです。Radiomuseumによると、U4F同等と書かれています。Frankさんの資料室の「M.P.Pedersen真空管規格表」が参考になります。どうなんでしょうね。U4Fを持っていないので何ともいえません。ELEKTROMEKANO社についてですが...デンマークのコペンハーゲンに本社を置く小さな会社で、船舶用受信機と送信機と数種類の真空管を製造していたようです。しかしこの社名での活動は長くは続かず、後にM.P.Pedersen社に吸収合併されたとのこと。プリントや刻印ではなく銘板なのです!!ちょっと有り難みがあります。フィラメントはオーソドックスな2点吊り。フィラメントを点灯するとこんな感じです。なかなか良い造りです。ゲッターが個性的。規格はRadiomuseumに情報がありますが、殆ど書かれていません。あとPauls Rohrenの記事が参考になりそう。Ef=4.0V, If=1.0A, Ep=500V, Ip=35mA, Eg=+10Vプレートの大きさからするとプレート損失は10~12W程度かと思われます。500V35mAは17.5Wで結構オーバー気味に感じまするのでB級やC級での動作の平均値かと。常に電流を流すA級音声増幅ではザックリと3分の2以下が妥当でしょう。そうなると見た目通りの10~12Wであるのかなと。etracerで特性を測定してみましょう。【1本目】Ef=4.0V, If=0.95AEp=280VEg=+9VIp=30.91mAIg=4.70mArp=16860Ωgm=3847μSμ=64.9V/V【2本目】Ef=4.0V, If=0.96AEp=280VEg=+10VIp=29.77mAIg=4.61mArp=18638Ωgm=3926μSμ=73.2V/Vでは、U4ABに比べたとき、どうなのでしょう。見た目はU4ABは横に広くM7は縦に長く、面積的には大体同じです。電気的には、若干ですがM7のほうが感度が高いですがほぼ互換です。U4ABがバイアス電圧+12V中心に動作するとなるとこちらのM7はバイアス電圧+10V中心くらいです。大体似たようなIpカーブですので、バイアス電圧を少し調整すればすぐに使える印象ですね!手持ちで初めてのELEKTROMEKANO社製品です。(というか、この球がきっかけで知った会社名です)こういう真空管は銘球と異なりリセールには不利ですので、私たち謎球好きの独壇場です。(笑)謎球、大好き! \(^o^)/
Mar 23, 2024
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工房「智」という小さな工房から、ホンジュラスローズウッドのバール(瘤杢)を使ったボールペンを購入しました。今回も柾目ではなく瘤です。全体的なシルエットは標準的なやや太めで短めのデザインで、後ろ重心になりにくく持ちやすいと思います。今までは不動産屋さんや保険屋さん、あるいはイベントで貰ったボールペン(安物なのですぐに擦れる)を使っていたので、今回はチョット思い切って木軸のもので個人工房のもので色や模様が好みのものを探し、このホンジュラスローズウッドの瘤材が目にとまって購入しました。深い色合いと複雑な瘤材の模様は魅力的です。ホンジュラスローズウッドは硬めの木材ですし更にギュッと締まった瘤材はどっしりした貫禄があります。しかも希少な木材です。こういうと部分に関しては大手メーカーでは出せない魅力かなと思います。ボールペンの芯はシュミット製とのことなのでG2規格でしょうか。試し書きしてみました。持ちやすいですし、木の手触りも良いです。ボールペン杢目を見ながら文を書き心安らぎはっぱふみふみうむ、これだね!
Mar 22, 2024
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PHILCOの48という真空管を紹介します。こんな真空管があったのですね....。PHILCOの刻印良い状態の元箱。黄色と青が綺麗ですね。ほぼ完全な状態かと思われます。48はどれくらい生産されたのでしょうか。私の大好きなダブルヒーター(ダブルカソード)です。48は四極菅でサプレッサーグリッドやビーム電極がありません。では、どうやって効率良くカソードの電子を受けるかというと....これです。以前、HY69やHY1269と同様にキャビトラップ(プレート内側に設けられた衝立形状の部品)が設けられています。写真が薄暗いですが見えますでしょうか。キャビトラップ(Cavi-trap)については、tube designの「真空管 解体新書」や、The valve museum「Mullard Line Output Pentode Type PL500」が参考になります。CavityとTrapを組み合わせた言葉でしょう。熱電子を効率良く捕らえる構造です。この構造は水平偏向管にもよく採用されているとか。(私はバラしたことはないのでわかりませんが)規格は真空管(Electron tube) 規格表データベース「RCA 48」規格表が参考になります。ピン配置は42と同じです。ヒーターは30Vの0.4Aなので6.3V換算ですと1.9Aもあります。プレート損失の情報はありませんが、少な目に見積もって9Wというところでしょうか。とにかくヒーター電力が高いので、プレート電流まで多くするのは少々厳しいものがあります。規格表にも書いてありますが、コントロールグリッドからグランドに落とす抵抗値は10kΩ以下を指定しています。これは超絶使いづらいですね。ヒーターを点灯すると、こんな感じです。いかにも馬力がありそうな感じですね。船の中の殆どがボイラーの駆逐艦のようで、私は好きです。etracerで特性を測定します。四極管接続はEg2=96Vとします。【1本目】Eh=30V, Ih=0.4A三極管接続Ep=125VEg1=-33.5VIp+Ig2=51.78mAIg2=10.53mArp=618Ωgm=3998μSμ=2.5V/V四極管接続実用的ではないのでグラフのみです。(真面目に測定する気にもなりませんでした)【2本目】Eh=30V, Ih=0.4A三極管接続Ep=125VEg1=-35.4VIp+Ig2=52.04mAIg2=11.05mArp=602Ωgm=3882μSμ=2.3V/V四極管接続グラフのみです。三極管接続ではEp=125V、Ip+Ig2=52mA時、2kΩの負荷で1W近く出ます。rpが低くバイアスは34~35Vと深目です。歪率は良くありませんが、なかなか綺麗な特性だと私は思います。十二分に実用的な特性が出ています。四極管接続はいかにも古典的な四極管という感じです。それでもIp特性がベッコリと凹まないのは優秀なほうかなと思います。ただ、近代のオーディオ用途を考えるなら三極管接続が良いでしょうね...。ところで、この48は前述のようにヒーター電力がとても高いです。そこまで高くなくてもよいのでは?とも思えますよね...。そこで、どれくらいヒーター電圧を下げても使えるか試してみました。27V0.38A(6.3V換算で1.6A位)24V0.35A(6.3V換算で1.3A位)Ipカーブからは27V点火でも十分実用になることがわかりました。一般にエミッションを下げすぎると寿命が縮まると云われますが、Ipカーブが倒れない24VまでOKかなと。24V以下は測定していませんが、さすがに低すぎると思います。今回、48は「珍しい」という理由だけで購入しましたが、三結であれば十二分に実用的なオーディオアンプになることがわかりました。
Mar 20, 2024
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PX25オジサン 2024アップデート(アリエク風)ということで、CV1040という真空管を紹介します。「PX25オジサンだ!」と言われそうですが...この真空管はCV1040と印字されていてPX25とは印字されていないからセーフです!7万円台でしたので、手を出しました。この値段でしたらPX25オジサンとは言わせません。むしろPSVANE製やLINLAI製300Bの上位グレードはペア10円万以上します。だからいいんです。許されます。(無理矢理感が)箱には...「SERVISABLE No.CV40 4.FEB.1954 DOCKYARD RADIO CENTRE BISLEY」と書かれています。保守用の真空管ということでしょうか。ビズリーはロンドン南西に位置する場所ですね。箱の横には「VALVE ELECTRONIC CV1040 AM.REF.NO.10CV1040 Z↑」この矢印マークはブロードアローといって「イギリス政府官給品」の印だそうです。ミリタリーウォッチでもたまにこのマークを見かけますね。フィラメントはコイルバネで吊られています。近代的な構造ですね。ゲッターはカップ型が2箇所。管面下側にたっぷりとゲッターを飛ばしてあります。電極はよく見えませんがプレートすぐ内側に4本の柱が立っています。ここにスクリーングリッドの線が張ってあります。それがプレートと接続されています。ご存じの通り新型PX25は四極菅を三極管接続した物です。これにより耐圧や高周波特性等の性能向上ができるそうです。以前紹介したRS282という真空管も、スクリーングリッドがプレートにしっかり接続されていることが確認できます。余談ですが、6B4Gの傍熱型は水平偏向管を三結にしたような構造で、速攻で捨てたくなるほど直線性が悪いです。私はブログに発表する前に手放しました。載せる価値もありません。なんかこう、真空管好きの逆鱗に触れるほどの直線性の悪さです。しかし、6B4Gは電源のレギュレーターに使われていたようなので、直線性はさほど求められませんので動作の真ん中当たりで電流値がやgmが近ければ電源回路としてはOKなわけです。その用途としては正しいわけです。つまり、そういう真空管をオーディオ用に見立てている我々が間違っているわけです。(笑)規格はFrankさんの資料室の「CV1040」規格表が参考になりますが、あまり多く載ってませんね。etracerで特性を測定しましょう。今回は400Vで見ます。【1本目】Ef=4.0V, If=2.00AEp=400VEg=-32.9VIp=50.54mArp=1221Ωgm=7157μSμ=8.7V/VEf=3.8V, If=1.88AEp=400VEg=-32.9VIp=50.27mArp=1229Ωgm=7055μSμ=8.7V/V【2本目】Ef=4.0V, If=2.00AEp=400VEg=-31.7VIp=50.63mArp=1356Ωgm=6439μSμ=8.7V/VEf=3.8V, If=1.89AEp=400VEg=-31.4VIp=49.83mArp=1400Ωgm=6311μSμ=8.8V/V2本目はIpが少し浮いた感じですね。これはカーブトレーサーでないとわかりにくい現象です。真空管を使用していれば少しは落ち着いてくるのでしょうか...。Efを少し落とすと落ち着くことは他の真空管のIpカーブでも見られますので、エミッションが落ちすぎない3.7~3.8Vあたりの点火が良いかもしれません。いずれにせよ、カットオフ側のクセですので、実際の聴感には然程影響しないかと思われます。このCV1040(新型PX25)は、旧型のPX25とほぼ同じ特性であることが確認できました。
Mar 9, 2024
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MAZDAの6P28という真空管を紹介します。床屋さんの窓ガラスに書いてあるような印字。コンパクトながら造りの良い放熱器。下部にも放熱器があります。プレート両サイドに大きな穴があって、そこから電極が見えます。規格は、Frankさんの資料室の「EDISWAN BROADCAST RADIO AND TELEVISION VALVES, TRANSISITORS & PICTURE TUBES 1960 Data Booklet」が参考になります。プレート損失15W、スクリーングリッド損失4.5Wあるので、扱いやすいと思います。規格表には「Line output tetrode」と書かれています。この「Line」が水平偏向管の意味なのか不明ですが、何となくそういう感じかな。ヒーター点灯。規格では6.3V1.1Aですが、実測では6.3V1A程です。etracerで三極管接続とビーム管接続の特性を見ましょう。Ep280Vで40mA流れるところを見ます。【1本目】Eh=6.3V, Ih=1.00AEp=280VEg1=16.9VIp+Ig2=40.00mAIg2=6.90mArp=1500Ωgm=8201μSμ=12.3V/V【2本目】Eh=6.3V, Ih=1.00AEp=280VEg1=17.8VIp+Ig2=39.56mAIg2=6.66mArp=1478Ωgm=7922μSμ=11.7V/V高圧になるほどIpカーブが倒れていますが、直線性は悪くないと思います。280Vの40mA、7kΩ負荷(少し高め)のフルパワー2Wで4.3%以下ですので十分に直線性が良いです。三結のIpカーブはIg2の分も含まれるので、45mA流しても大丈夫かと思います。電流を多く流した方が直線性が良い領域を使えますし。因みにビーム管接続でEg2=135Vですとこのような特性です。肩がカチッとしていて上から下までしっかり使えるビーム管のお手本のような高能率設計ですね。特に50mA以上の低圧側の整ったIpカーブは、歪みねぇなという感じです。アダプタは12E1のアダプタが使えます。12E1については、今度気が向いたら紹介しますね。余談ですが、全ての英国製真空管ではありませんが、バルブの中の電極の向きが揃っていないものが多いですよね。(両方そっぽを向いていると、とても悲しい気持になります)
Feb 28, 2024
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英国MAZDAの6P26という真空管を紹介します。これも6V6系といわれています。印字が綺麗に残っています。元箱の中に品質証明書。上部は放熱器兼シールド。下部にも放熱器が付いています。規格は、Frankさんの資料室の「EDISWAN BROADCAST RADIO AND TELEVISION VALVES, TRANSISITORS & PICTURE TUBES 1960 Data Booklet」が参考になります。ヒーターは6.3V0.6Aで、0.45Aの6V6より高いですが、MAZDA 6P1の0.8Aよりは低電力です。プレート損失は10Wで前回紹介したMAZDA 6P1や6V6より2Wほど小さいです。etracerで三極管接続とビーム管接続の特性を見ましょう。Ep250Vで30mA流れるところを見ます。【1本目】Eh=6.3V, Ih=0.57AEp=250VEg1=8.8VIp+Ig2=30.21mAIg2=5.80mArp=2114Ωgm=8981μSμ=19.0V/V【2本目】Eh=6.3V, Ih=0.57AEp=250VEg1=9.7VIp+Ig2=29.63mAIg2=5.60mArp=2015Ωgm=8821μSμ=17.8V/V6V6よりもずっと綺麗なカーブを描きますが、MAZDA 6P1よりは直線性は悪い印象です。因みにビーム管接続ではこのようなカーブです。手持ちの6V6系で最も直線性が良いのはMAZDA 6P1ですね。ただし、直線性がその真空管の音質の全てではありません。前段に使う真空管の特性、或いは回路でも特性が変わります。そして明らかに直線性が悪いTV用の偏向管の音を愛する人は一定数居ます。(真空管の直線性の悪さは動作の急激な頭打ちではなく緩やかに振幅の抑圧が掛かる歪み方ですので、さほど気になるものではないと思っています)結論としては、みんな違って、みんないいということなのです。オーディオなんて理屈じゃありません。正しい再生信号以外を否定せず、それぞれの違いを楽しむのがオーディオだと思っています。
Feb 26, 2024
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英国MAZDAの6P1という真空管を紹介します。6V6クラスの真空管で、ロシアの6P1P(9ピンMT管)とは全く別物です。製造はMAZDAのようですが、HALTRON(商社ブランド)が印字されています。コンパクトなバルブ上部一杯まで電極が来ています。窓からビーム電極やグリッド電極が見えます。丁寧な造りです。規格は、Frankさんの資料室の「EDISWAN BROADCAST RADIO AND TELEVISION VALVES, TRANSISITORS & PICTURE TUBES 1960 Data Booklet」が参考になります。ヒーターは6.3V0.8Aで、6V6より大飯喰らいですね。プレート損失は以前紹介した6V6同様に12Wです。etracerで三極管接続とビーム管接続の特性を見ましょう。Ep250Vで30mA流れるところを見ます。【1本目】Eh=6.3V, Ih=0.79AEp=250VEg1=-9.0VIp+Ig2=35.25mAIg2=5.38mArp=1980Ωgm=9328μSμ=18.5V/V【2本目】Eh=6.3V, Ih=0.79AEp=250VEg1=-9.9VIp+Ig2=35.06mAIg2=5.32mArp=1833Ωgm=9309μSμ=17.1V/Vいや、これ...直線性が良すぎる!大アタリです。こんな綺麗な特性とは思いませんでした。しかも±10V以内でフルスイング状態になる高感度。参考までにビーム管接続の特性を。肩の形といい、伸びるIpカーブといい、美しいです。こういう美しい真空管に出会ってしまうと、また謎球探しをしたくなりますね。
Feb 25, 2024
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Bendixの5992という真空管を紹介します。6V6系ではありますが、軍用ということで耐震性などが高められているようです。リブの入ったボックスプレートです。6V6とは随分と形状が異なります。低く身構えた姿は、耐震性を向上するためでしょう。かなりしっかりした造りですね。規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベース「5992」規格表が参考になります。6V6同様にプレート損失12Wです。ヒーターは6V6の0.45Aに対して0.6Aと余裕を持たせてあるようです。耐震性を上げるためにカソードは分厚く出来ており、暖まるまで1分近く掛かります。試聴レポートはオッカイポの旅「真空管小研究 Bendix5992」も興味深いですね。etracerで三結特性を測定しましょう。6V6と同じ条件でいきます。【1本目】Eh=6.3, Ih=V0.61AEp=250VEg1=-14.5VIp+Ig2=35.09mAIg2=2.57mArp=2370Ωgm=3894μSμ=9.2V/V【2本目】Eh=6.3, Ih=V0.61AEp=250VEg1=-13.5VIp+Ig2=35.08mAIg2=2.66mArp=2434Ωgm=3796μSμ=9.2V/V【3本目】Eh=6.3, Ih=V0.61AEp=250VEg1=-13.7VIp+Ig2=35.12mAIg2=2.63mArp=2368Ωgm=4059μSμ=9.6V/V【4本目】Eh=6.3, Ih=V0.61AEp=250VEg1=-15.3VIp+Ig2=35.11mAIg2=2.27mArp=2267Ωgm=3953μSμ=9.0V/V三結特性においては、6V6とほぼ相違ないかなと思います。ところで、ビーム管接続の特性を見てください。この1本が特に酷いのですが、他の3本も大体似たような傾向があり、170V前後のところに段付きが出ます。5992のビーム管接続は左肩下がりが酷く、途中の段付もあるのでオーディオ向けとしては推奨できません。(あくまで私個人の意見です)「耐震性のある球だから音も良いだろう」とか、それは幻想ですので。と、私の心の中の「創〇の館」先生が仰っています(笑)因みに日立の6V6のビーム管接続はこちら。全然違いますよね。三結で使うなら全く問題なく使えますが、市場で異常に高騰した価格でわざわざ購入するのは...。(もちろん「希少球だから欲しい」ということで買うなら構いません)etracerはIpカーブを描ける便利さはあるものの、真空管の素性の悪さも見せてしまうので、それはそれで悩ましいですね。悪い特性を目にしてしまうと「ああ、これは見なければよかった..」と思うこともしばしばあります。(笑)
Feb 24, 2024
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7C5という真空管を紹介します。手持ちはSYLVANIA製です。手持ちのは薄いカーボンスートの掛かった管内面ですが、SYLVANIAの6V6のような楕円と長方形の電極が見えます。製作記事もネットで幾つか見られます。例えば木工房ろくたる「ロクタル管・7C5シングル パワーアンプ その2」など。これはカソードNFに加えてオーバーオールNFBも深く掛けられていているようです。Frankさんの資料室の「7C5」規格表が参考になると思います。品番の頭が"7"とついていますが、規格表のとおり6.3V管です。そしてベースがロクタル8ピンである以外は6V6同等管です。アダプタは数年前にebayで購入しました。etracerで三結特性を測定しましょう。設定は6V6と同じです。Eh=6.3V, Ih=0.46AEp=250VEg1=14.6VIp+Ig2=34.89mAIg2=2.17mArp=2256Ωgm=4271μSμ=9.6V/V6V6そのものであることがわかります。本当は、「7C5も6V6と同じなので、オススメですよ」と言いたかったのですが、最近は7C5まで価格が高騰していますね。安いのは使い古しのようなやつばかりです。なので、よほど良さそうなものが安く売っているとか以外は敢えて7C5を選択する必要は無さそうに思えます。確かに7C5は見た目も個性的で魅力的なのですで、安いものがあれば是非是非!!
Feb 23, 2024
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6V6という真空管(その1:手持ちの日本製)につづき、今回は6V6の海外製ということで手持ちのものを紹介したいと思います。右から、Vissaux(と思われる細管)、Vissaux(太管)、RT、Westinghouse(カナダMarconi)、PHILCO(Ford傘下)、SYLVANIA(コインベース)、HYTRON、HYTRON(CBS傘下)、RCA(メタル) です。すみません、今回は右から紹介します。Vissaux細管は印字が無いですが、買うときにVissauxと書かれていたので取り敢えずそうしておきます。規格については、真空管(Electron tube) 規格表データベース「GE 6V6」規格表は三結データも書かれており、参考になります。では、前回と同様にetracerで三結特性を測定しましょう。【Vissaux(?)細管】プレートは黒色の円状です。内壁はグラファイト系の塗装がされていて殆ど見えません。Eh=6.3V, Ih=0.49AEp=250VEg1=15.0VIp+Ig2=35.00mAIg2=3.87mArp=2372Ωgm=3876μSμ=9.2V/V【Vissaux太管】プレートは灰色の楕円状です。(少し緑がかっている?)Eh=6.3V, Ih=0.46AEp=250VEg1=16.2VIp+Ig2=34.9m4AIg2=3.68mArp=2161Ωgm=4071μSμ=8.8V/V【RT】プレートは灰色の楕円状です。Eh=6.3V, Ih=0.45AEp=250VEg1=16.7VIp+Ig2=35.25mAIg2=2.25mArp=2153Ωgm=4095μSμ=8.8V/V【MAZDA】プレートは黒色の楕円状です。Eh=6.3V, Ih=0.45AEp=250VEg1=13.6VIp+Ig2=35.14mAIg2=3.79mArp=2427Ωgm=4175μSμ=10.1V/V【Westinghouse】(カナダMarconi)プレートは黒色の楕円状です。Eh=6.3V, Ih=0.45AEp=250VEg1=16.2VIp+Ig2=35.16mAIg2=1.86mArp=2210Ωgm=4147μSμ=9.2V/V【PHILCO】(Ford傘下時代)この箱が好き。プレートは黒色の楕円+長方形です。Eh=6.3V, Ih=0.44AEp=250VEg1=14.5VIp+Ig2=34.99mAIg2=1.80mArp=2241Ωgm=4290μSμ=9.6V/V【SYLVANIA】コインベースプレートは黒色の楕円+長方形です。Eh=6.3V, Ih=0.44AEp=250VEg1=17.3VIp+Ig2=34.94mAIg2=1.40mArp=2147Ωgm=3976μSμ=8.5V/V【HYTRON】プレートは黒色の楕円状です。Eh=6.3V, Ih=0.45AEp=250VEg1=13.9VIp+Ig2=35.06mAIg2=5.06mArp=2419Ωgm=4026μSμ=9.7V/V【HYTRON】CBS傘下時代プレートは黒色の楕円状です。Eh=6.3V, Ih=0.43AEp=250VEg1=13.9VIp+Ig2=35.08mAIg2=1.88mArp=2357Ωgm=4348μSμ=10.2V/V【RCA】メタル管です。中身はどうなんってるんでしょうね..。Eh=6.3V, Ih=0.45AEp=250VEg1=13.7VIp+Ig2=35.29mAIg2=2.05mArp=2252Ωgm=4288μSμ=9.7V/V製品はバラツキもありますし中古のものもあるので今回の測定結果が全てではありませんが、それぞれの個性や良さ(魅力)があると思います。結局のところみんな違ってみんないいのです。
Feb 20, 2024
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今更ながら6V6という真空管を紹介します。でも、さすがにこれの全部は紹介出来ませんので、幾つか選んで紹介します。とりあえず今回は日本製のもの7本選んで紹介します。左から、 日立、TEN、ナショナル、マツダ、東芝、ホリゾン、NEC です。当然ながら製造上のバラツキもありますので、この測定結果が全てではありませんし、「6V6として造られている」ので、それほど異なるとは考えられません。また、中古も含まれているので、何ともいえないところです。ただ、電極を上から見て円形なのか楕円なのかで多少異なってくるような気もしています。規格については、真空管(Electron tube) 規格表データベース「GE 6V6」規格表は三結データも書かれており、参考になります。なんと、グリッドはプラス領域まで使えます。余談ですが...最近の6V6の価格を見ると、異常なほど高価ですね。どうしてしまったのでしょう....??etracerで三結特性を測定しましょう。250Vで35mA流れるところを見ます。【日立】プレートは黒色の円状です。Eh=6.3V, Ih=0.45AEp=250VEg1=15.7VIp+Ig2=34.97mAIg2=1.38mArp=2156Ωgm=4412μSμ=9.5V/V【TEN】プレートは黒色の楕円状です。Eh=6.3V, Ih=0.45AEp=250VEg1=13.5VIp+Ig2=34.88mAIg2=1.79mArp=2476Ωgm=3858μSμ=9.6V/V【ナショナル】プレートは黒色の楕円状です。Eh=6.3V, Ih=0.45AEp=250VEg1=14.0VIp+Ig2=35.21mAIg2=2.68mArp=2370Ωgm=4103μSμ=9.7V/V【マツダ】プレートは灰色の楕円状です。Eh=6.3V, Ih=0.47AEp=250VEg1=16.4VIp+Ig2=34.83mAIg2=1.96mArp=2157Ωgm=4334μSμ=9.3V/V【東芝】プレートは灰色の楕円状です。Eh=6.3V, Ih=0.45AEp=250VEg1=15.3VIp+Ig2=34.98mAIg2=1.94mArp=2272Ωgm=4151μSμ=9.4V/V【HORIZON】プレートは灰色の円状で、プレートは2枚合わせではなく4枚合わせのように見えます。Eh=6.3V, Ih=0.44AEp=250VEg1=13.9VIp+Ig2=35.22mAIg2=2.59mArp=2323Ωgm=4302μSμ=10.0V/V【NEC】プレートは灰色の円状です。円、灰Eh=6.3V, Ih=0.46AEp=250VEg1=13.1VIp+Ig2=35.25mAIg2=1.84mArp=2423Ωgm=4243μSμ=10.3V/Vどのカーブを見ましても直線性は悪いです。高電圧小電流のカットオフあたりの直線性は悪くなるので、真空管(Electron tube) 規格表データベース「GE 6V6」規格表のように、プラス領域まで使って小音量のところだけが美味しいのかもしれません。6V6には、欧州のEL3Nなどのような直線性を求めず、ワイルドで良い感じと思うのが良いのかもしれませんね。。パワーに関しては、250vに35mA流して7kΩで1Wそこそこですね。各メーカでの大きな違いではありませんが、なんというか「Ipカーブの表情が微妙に異なる」印象です。もしかしたらそれが「音の違い」に出てくるのかもしれませんね。ただ、楕円だから円だからという差異は無さそうに思えます。以前紹介したArcturusの42と普通の42の差は全然別の品番かというくらい違っていましたが。(笑)
Feb 19, 2024
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英国COSSORの2Pという真空管を紹介します。フィラメント電圧2Vの三極管です。箱はこんな感じです。丁寧な造りです。2V管の需要ってどれくらいなんでしょうね...。フィラメントは4点吊りですが...端~端で点灯ではなく、フィラメントを4本を並列にしているように見えます。フィラメント点灯。じんわりと仄暗く灯ります。規格ですが、ネット上にはThe Valve museum「2P」とRadiomuseum「2P」くらいしかありません。The Valve museumのEf4V,If=0.7Aは誤りで、規格は2Aです。(実測ではもう少し低い)etracerで特性を測定しましょう。Ep250VでIp32mA流れるところを見ます。【1本目】Ef=2.0V, If=1.79AEp=250VEg=-21.6VIp=32.62mArp=1432Ωgm=5601μSμ=7.9V/V【2本目】Ef=2.0V, If=1.81AEp=250VEg=-19.9VIp=32.87mArp=1494Ωgm=5938μSμ=8.9V/VPX4と比較してrpが高いです。40Vp-pでフルスイングできますが、トランスは3.5kΩではなく5kΩが最適です。Ep=250Vでグリッドバイアスが-22V、Ip=35mAで5kΩの負荷で1.4W程度です。B電圧270Vでカソードバイアス抵抗620Ω~680Ωくらいが良さそうです。PX4類似の2V管と云われていますが、今回の測定で電気特性は別物ということがわかりました。バイアスは浅いので、2Vのフィラメント電圧さえ確保出来ればドライブは比較的楽な使いやすい真空管ともいえそうですね。
Feb 17, 2024
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MARCONIのMKT4という真空管を紹介します。私のはB5ピンでベース横にSG端子ですが、B7ピンのものもあるようです。うっすらしたカーボンスートの内側に見えるプレートは、41或いは42クラスの大きさです。欧州球ではAC/PENが近いでしょうか...。なので、プレート損失はAC/Pen同様に8~9W程度かと。規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベース「MKT4」規格表が参考になります。etracerで三結特性と五結特性を測定しましょう。Ep250Vで25mAのところを見ます。五結ではSg電圧を200Vにしました。【1本目】Eh=4.0V, Ih=1.12A三結Ep=250VEg1=23.8VIp+Ig2=24.98mAIg2=3.43mArp=2858Ωgm=2277μSμ=6.5V/V五結Ep=250VEg2=200VEg1=14.9VIp=24.99mAIg2=3.86mArp=76516gm=2235μSμ=171.0V/V【2本目】Eh=4.0V, Ih=1.13A三結Ep=250VEg1=24.7VIp+Ig2=24.93mAIg2=3.72mArp=2800Ωgm=2269μSμ=6.4V/V五結Ep=250VEg2=200VEg1=15.5VIp=25.04mAIg2=4.25mArp=84163Ωgm=2284μSμ=192.2V/VAC/PENよりrpが低いですね。似ているといえばにていますので、乱暴な言い方をすれば、どちらも240~250Vを掛ける6F6や6V6のアンプのカソードバイアス抵抗を調整すれば使えそうという印象です。
Feb 15, 2024
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今回はPHILIPSのAD1という真空管について紹介したいと思います。上に明るい銀色のゲッター(マグネシウム?)、下側は薄暗い色のゲッター(バリウム?)が飛んでいて、いかにもPHILIPSという印象です。PHILIPSのF704も複数のゲッターを使用しているのがわかります。この理由はわかりませんが、製造時と長期間使用での異なるタイミングでのガス吸着、或いは異なる種類のガス吸着を考慮しての事でしょうか....。PHILIPS独自のノウハウがあるようです。そして管内面にグラファイト系の塗装がされています。これが人気の無い理由のひとつですが、とあるショップでは「音質的にはPHILIPSが一番良い」とのこと。見た目で選ぶか音で選ぶか...。同じAD1でもメーカによって管の形が異なります。左がVALVO、右がPHILIPSです。VALVOのAD1とは随分異なる佇まいですね。よくこの細いバルブにAD1の電極ユニットを差し込んだなと感心します。etracerで特性を測定しましょう。380Vで50mAあたりを見ます。【1本目】Ef=4.0V, If=0.87AEp=230VEg=-37.3VIp=50.05mArp=820Ωgm=5243μSμ=4.3V/VEf=3.8V, If=0.83AEp=230VEg=-37.3VIp=49.77mArp=843Ωgm=5177μSμ=4.4V/V【2本目】Ef=4.0V, If=0.84AEp=230VEg=-38.3VIp=49.91mArp=757Ωgm=5751μSμ=4.4V/VEf=3.8V, If=0.81AEp=230VEg=-37.3VIp=49.84mArp=768Ωgm=5714μSμ=4.4V/VMintコンディションであるのにフィラメント電流が低目です。電気特性をみるからに使い込んでフィラメントが痩せたとは思えませんので、製造時から低電力で十分なエミッションを得られる製造となっているのかもしれません。そしてバイアスも浅めです。同じAD1でもVALVOのAD1と結構異なる印象です。こういう微妙な違いに気付いてしまうと、様々なメーカの球が欲しくなってしまうわけですよ。
Feb 13, 2024
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デンマークM.P.PEDERSENのU4Hという真空管を紹介します。製造時期が異なるためか、プレートが管に収まる位置が異なります。電極構造そのものは同じです。オーソドックスな2点吊りフィラメント。フィラメント点灯。箱はこんな感じです。M.P.PEDERSENに関しては、U4E8という真空管を参照ください。U4ABと見比べてみます。左がU4AB。プレートはU4Hが若干大きめかな。LK4110と見比べてみます。プレートほぼ同じ大きさかな。さて、このU4H、規格が見当たりません。EU Valve「RE604の各種同等管他」と4tubesの「TELEFUNKEN TUBE DATA + Equivalent types List」が参考になりそうです。U4Hは、Pd=12W, Ef=4V, If=0.9A, Ep=400V, Eg=-30V, Ip=26mA, Ra=4.0kΩ, gm=2.0mA/V, μ8.0V/VRE 614は、Pd=12W, Ef=4V, If=1.0A, Ep=400V, Eg=-36V, Ip=30mA ra=2.5kΩ, gm=2.7mA/V, μ=8.0V/V上記の記事を見ますと、LK4110よりもrpが高そうですね。etracerで特性を測定しましょう。380Vで25mA流れるところを見ます。【1本目】(プレートが上の方に付いているほう)Ef=4.0V, If=1.10AEp=380VEg=17.9VIp=25.01mArp=3908Ωgm=3152μSμ=12.3V/VEf=3.8V, If=1.06AEp=380VEg=17.9VIp=24.96mArp=3918Ωgm=3152μSμ=12.3V/V【2本目】(プレートが下の方に付いているほう)Ef=4.0V, If=1.11AEp=380VEg=17.9VIp=25.10mArp=3940Ωgm=3061μSμ=12.1V/VEf=3.8V, If=1.07AEp=380VEg=17.9VIp=25.00mArp=3991Ωgm=3032μSμ=12.1V/V測定結果から、やはりLK4110よりもrpが高い真空管であるということがわかりました。380Vの25mAで14kΩのトランスを使うとして約1Wですが、0.5Wも出れば十分でしょう。寿命を考えるとIpはもう少し低い方が良いかもしれません。
Feb 12, 2024
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ネットで偶然Stradi TUBESという真空管ブランドを見つけました。韓国で新たに出来た真空管製造会社です。韓国の会社が企画して中国で作らせているのではなく、韓国の自社で製造・検査しているようです。日本で云うところの高槻電器工業の真空管部門のようなものでしょう。製品一覧を見ると、なんとEbなど、極々一部のマニアしか興味無いだろという真空管まで製造しています。(思わず二度見してしまいました)About usには大体こう書かれています。【製造会社について】Stradhiブランドの真空管を製造するゼロマウンテン社は2018年12月に韓国で設立されたそうです。2023年頃から真空管を製造販売しているようですね。【ブランド名について】ブランド名のStradi(ストラディ)は、イタリアのアントニオ・ストラディバリ(楽器製作家)にインスパイアされ名付けたとのこと。【特長】☆ラダー型フレームグリッド。 より振動に強い構造にしたそうです。☆フィラメントのエンドロスを極小に抑える構造 フィラメントを吊った端の部分(赤熱していない部分)を電極の外側に出しているようです。☆フィラメントを電気泳動でコーティング 均一なコーティングになるそうです。☆トリプルマイカ 振動に強い構造にすることが目的だそうです。☆デュアルゲッター よりゲッター面積を大きくするためらしいです。☆超高真空 -10E-9パスカルの超高真空まで引いて製造しいているとのこと。☆厳選 20時間のエージングと特性テストを行っているそうです。☆環境に優しい包装 包装は気泡のある紙などを使用してシンプルにしているとのこと。十分に練った設計思想と構造は期待出来そうです。そういえば、東欧の「V」がつくブランドが初期に生産した真空管は、新品であるにも関わらず結構な確率でエミッション低下しています。あれは保管中に真空度が悪化したのではないかと思っています。(オークションでよく出回っていますが、動作するか怪しいですね...)Stradi TUBEは超高真空引きで製造していますので、性能は期待出来そうですね。ただ、トリウムやアジ化バリウム等の使用はRoHS規定に準拠させるために使っていないでしょうから、当時の真空管の強いエミッションを得ることは困難と思われます。
Feb 11, 2024
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TESLAのRD27Aという真空管を紹介します。プリントが黄色でなく赤色です。以前、RD27ASを紹介しましたが、あれは形状が寸胴で、今回のは茄子型です。RD27AとRD27ASは、PX25の類似(ほぼ同等)管です。なんで素直にPX25を買わないのか?...といいますと...私が中学時代、PX25やDA30(或いは300B)といえば、「お金のある50代後半~70代の爺さんが立派なオーディオ装置のアンプに使用している」という印象(偏見?)が強く、今でもこれらの有名な銘球に対して抵抗があります。しかし今年の夏に私は60歳を迎えるので、気がつけば自分がそういう爺さん達の年齢になってしまった...という、とても複雑な気持になっています。(笑)さて本題...今回紹介するRD27Aと以前紹介したRD27ASですが、造りは似ています。プレートの色が違いますね。右のAは黒、左のASは灰色です。フィラメントの吊り方は同じです。この吊り方、綺麗な造りですね。規格に関しては、真空管(Electron tube) 規格表データベース「RD27AS」規格表が参考になります。RD27ASの規格表に茄子型の絵があるのですが、どうなんでしょう??AとASの違いは茄子か寸胴かと思ってましたが...。フィラメント点灯の様子。etracerで特性を測定しましょう。400Vで50mA流れるところを見ます。【1本目】Ef=4.0V, If=1.86AEp=400VEg=-31.3VIp=50.40mArp=1297Ωgm=70171μSμ=9.1V/VEf=3.8V, If=1.80AEp=400VEg=-31.3VIp=50.11mArp=1311Ωgm=6957μSμ=9.1V/V【2本目】Ef=4.0V, If=1.89AEp=400VEg=-30.4VIp=49.79mArp=1283Ωgm=7393μSμ=9.5V/VEf=3.8V, If=1.83AEp=400VEg=-30.4VIp=49.45mArp=1295Ωgm=7327μSμ=9.5V/VEfを0.2V下げてもびくともしません。とても優秀です。実際の動作はIp=45mAくらいが良いかもしれませんね。良い状態のRD27Aに出会えてとても幸運です。PX25系の球は、程よいrpと程よい感度と程よいバイアスで使いやすいと云えます。高感度な球ならではの魅力ですが、その高感度ゆえに発振対策は大切なように思えます。
Feb 10, 2024
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SIEMENSのF2aとF2a11という真空管を紹介します。先日紹介したRS1003という真空管よりはプレート損失はずっと低いですが、堂々とした風格のある真空管です。箱はこんな感じ。本物かは不明。F2aとF2a11との違いはベース(ピン)です。電気特性に関しては、ほぼ同じです。規格に関しては、真空管(Electron tube) 規格表データベース「F2a」規格表と真空管(Electron tube) 規格表データベース「F2a11」規格表が参考になります。etracerで三結特性を測定しましょう。280V40mAと350V60mAで。【F2a:1本目】Ep=280VEh=6.3V, Ih=2.05AEg1=-13.3VIp+Ig2=39.83mAIg2=5.07mArp=1331Ωgm=11640μSμ=15.5V/VEp=350VEg1=-16.2VIp+Ig2=59.67mAIg2=7.40mArp=1137Ωgm=14136μSμ=16.1V/V【F2a:2本目】Eh=6.3V, Ih=2.03AEp=280VEg1=-11.8VIp+Ig2=39.20mAIg2=4.73mArp=1313Ωgm=13141μSμ=17.3V/VEp=350VEg1=-14.4VIp+Ig2=60.31mAIg2=7.11mArp=1119Ωgm=15439μSμ=17.3V/V【F2a11:1本目】Eh=6.3V, Ih=2.03AEp=280VEg1=-13.3VIp+Ig2=40.24mAIg2=5.31mArp=1375Ωgm=11174μSμ=15.4V/VEp=350VEg1=-16.2VIp+Ig2=59.88AIg2=7.64mArp=1180Ωgm=13392μSμ=15.8V/V【F2a11:2本目】Eh=6.3V, Ih=2.02AEp=280VEg1=-14.0VIp+Ig2=40.79mAIg2=5.01mArp=1372Ωgm=10428μSμ=14.3V/VEp=350VEg1=-17.1VIp+Ig2=59.87mAIg2=7.21mArp=1189Ωgm=12124μSμ=14.4V/Vなかなか高感度な球ですね。三結でのrpが低いのも良いです。ebayで買ったアダプタを使ってTU-8200R(魔改造品)に挿しました。4Aクラスのスイッチング電源を左右chに用意しているので、2Aくらいのヒーターなら全然余裕で灯せます。最近はF2aもあまり見かけなくなっていますね....。やはりアジアの富裕層コレクターの倉庫行きなのでしょうか。
Feb 8, 2024
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SIEMENSのRS1003という真空管を紹介します。漆黒のプレートがかっこいいです。規格は真空管(Electron tube) 規格表データベース「RS1003」規格表が参考になります。6L6用アダプタを作りました。g1結線には3.6kΩの抵抗を挟んであります。(発振防止として)etracerで三結特性を測定しましょう。TU-8200R(魔改造品)での使用を前提に、280V40mAで測定します。(毎度のことです)400V100mA付近も調べました。【1本目】Eh=6.3V, Ih=2.31AEp=280VEg1=-9.8VIp+Ig2=40.03mAIg2=3.88mArp=1404Ωgm=13989μSμ=19.6V/VEp=400VEg1=-12.3VIp+Ig2=100.45mAIg2=9.58mArp=968Ωgm=21298μSμ=20.6V/V【2本目】Eh=6.3V, Ih=2.37AEp=280VEg1=-9.8VIp+Ig2=40.19mAIg2=4.50mArp=1357Ωgm=1357μSμ=19.3V/VEp=400VEg1=-12.3VIp+Ig2=101.45mAIg2=11.00mArp=947Ωgm=22045μSμ=20.9V/Vgmが高い超高感度管です。扱いにくそうですが、発振さえささなければ良い球です。TU-8200R(魔改造品)に挿してみました。6V4Aのスイッチング電源が両チャンネルに使われていますので2.4Aクラスの球も余裕で灯せます。とにかく、動けばヨシ!!
Feb 6, 2024
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ロシアの6P23Sという真空管を紹介します。随分前に買って放置した状態でしたが、先日棚から引っ張り出して素性を調べることにしました。見た目が5516という真空管に類似していることに気付きました。なんか似てますよね。6P21S規格を見ると、5516という真空管の6.3V版のようにも見えてきます。ピン配置も5516と同じですので、自作したアダプタも使えます。良い感じ。ただし、6P21Sのフィラメント電圧は6.3Vです。(5516は6.0V)まぁ、6Vでも動くでしょう。etracerで三結特性を測定しましょう。280Vで40mAになるところで。【1本目】Ef=6.3V, If=0.72AEp=280VEg1=-18.2VIp+Ig2=40.15mAIg2=3.04mArp=1810Ωgm=4630μSμ=8.4V/V【2本目】Ef=6.3V, If=0.71AEp=280VEg1=-19.0VIp+Ig2=40.14mAIg2=3.00mArp=1780Ωgm=4681μSμ=8.3V/V5516とは全くの互換ではないですが、全く非互換というほど電気特性に大きな違いはありません。私の中では「類似」という位置づけです。TU-8200R(魔改造品)に挿してみました。私のTU-8200Rは各真空管に6.0V4Aのスイッチング電源で供給しており、直熱管にも対応しています。
Feb 5, 2024
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RAYTHEONのRK59という真空管を紹介します。2つのユニットが入っている双三極管です。2点でフィラメントを吊っています。これは他に互換・類似の球はちょっと無さそうですね。規格はtubebooks.orgの「RAYTHEON TUBE CHARACTERISTIC」に簡単な仕様が載っています。Ef=6.3V,If=1.0A,Ep=500V, Pd=15W(*2unit)直熱の双三極管で、フィラメントは共通です。Igに電流が流せるのでプラス領域まで振れます。というかプラスまで振らないと十分な出力を得られません。フィラメントは点灯しても覗き込まないと見えません。etracerで特性を測定しましょう。400Vで片ユニット14mAほど流れるところを測定。プレート損失は片ユニット7Wとしました。【1本目】Ef=6.3V, If=0.99AEp (unit1,unit2)=400VEg (unit1,unit2)=-7.2VIp (unit1)=14.00mA, (unit2)=13.49mArp (unit1)=8645Ω, (unit2)=8819Ωgm (unit1)=2446μS, (unit2)=2368μSμ (unit1)=21.1V/V, (unit2)20.9V/V【2本目】Ef=6.3V, If=1.03AEp (unit1,unit2)=400VEg (unit1,unit2)=-8.2VIp (unit1)=14.01mA, (unit2)=14.07mArp (unit1)=8833Ω, (unit2)=8591Ωgm (unit1)=2348μS, (unit2)=2509μSμ (unit1)=20.7V/V, (unit2)21.6V/V実際はプラス領域にもあと5Vと少しくらいは有りそうですが測定しませんでした。rpが高いのでゼネラルトランスのPMF-18P-14Kあたりを使うしかないです。しかもグリッドをプラス領域まで振るのでカソードフォロワにする必要もあり...。大した出力も得られないアンプに大がかりな回路となってしまいます。更にバイアスを深くしてAB級2のような動作にすれば出力はとれそうですね。
Jan 27, 2024
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ヤフオクで真空管アンプを購入しました。あの悪名高いS△T〇 AUDI〇 L△B謹製です。名前は伏せます。(笑)2ndオーナーと思しき人(真空管に詳しくない方)から安く譲ってもらったのですが、これがくせ者で...。いきなりですが、音が出ませんでした。原因はハンダ不良でB電圧が掛かっていなかっただけでした。輸送中に外れたのでしょう。回路図が残っていたのが救いです。これは修理しやすい。そして妙に前段のヒーターが明るかったのです...。前オーナーによると、12AT7のところに最初から6AQ8が付いていたとのこと。真空管の事は詳しくない人のようで、12AT7である場所に6AQ8が付いていたらどうなるか知らないまま使っていたようです。テスターを当てたら、やはり12Vが来ていました...。6AQ8を測定したら見事にIpカーブが寝ていました。完全なエミ減です。たぶんギリギリ動いていたのだと...。手持ちの12AT7に交換し、6146のIpが50mA程度になるよう中のVRで調整。S△T〇 AUDI〇 L△B独自仕様のRCA端子の位置が左右逆も普通の配置にしました。端子も接触が悪かったので、ついでに新しい端子に交換。世に出回っているS△T〇 AUDI〇 L△Bのアンプは多分全部がリアのRCAの左右が逆になっています。勿論、赤白を間違えず挿せばいいんですが、S△T〇 AUDI〇 L△Bの仕様は好きになれません。外に出る配線は保護が必要です。これも「S△T〇 AUDI〇 L△Bらしさ」ですね。これはいずれやりましょう...。ようやく正常動作しました。なかなかです。悪い音はしません。因みにVRはガリが出ますので、VRは外して代わりに初段バイアス調整の多回転を取り付けようかと思っています。ヤフオクでたまに流通しているS△T〇 AUDI〇 L△Bのアンプは本当に手が掛かります。まともに動く個体が少ないのではないかと。電力食うカソード抵抗に他の配線を結束バンドで束ねたりしているし。結構雑です。「趣味で作りました」ならいいのですが「ラボラトリー」を名乗るなら、もう少し何とか...。そして手持ちに、入手してすぐ修理しているS△T〇 AUDI〇 L△Bの2E26シングルアンプもあります。(はやく修理しなくては...)当然ながらハンダ不良がありました。でも、そういうところが好きなんですよね。どんだけS△T〇さんが好きなんだよ(笑)2~3万円台で買えるアンプなので、つい買っちゃうんですよね。こういうジャンクの寄せ集め的なアンプ、嫌いじゃないです。
Jan 21, 2024
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以前紹介しましたWestern Electricの271Aを無謀にもTU-8200Rに挿してみようと思います。オークションを通じて比較的安価に譲っていただいたもので、コンディションは大変良いです。刻印ではない1960年頃の製造で、この頃は保守用で製造されていたのでしょうね。まずはアダプタを作りから...。完成するとこんな感じです。準備としてはUY5ピンソケット、オクタルのピンプラグ、降圧DC/DCコンバータ、あとスペーサや線材等です。前回紹介したPEN46のアダプタ同様の作り方をします。UY5ピンソケットはアンフェノールにしました。中国製はソケットの向きと取り付け穴位置が45度ずれているので、271Aを挿したときに見栄えがよくありません。また、グリッドの3番ピンを後ろに向けてしまうとWestern Electricの印字が見えないため、前後向きを逆にします。配線がクロスしてしまうことになりますが我慢です。見た目優先です。DC/DCコンバータの電圧調整VRを回して5Vに設定します。とりあえずetracerに挿してみましょう。良い感じですね。ヒーター電圧も安定しています。では、TU-8200R(魔改造品)に挿してみましょう。(以前も書きましたが、私のTU-8200Rは左右独立6.0V4Aのスイッチング電源を内臓していますのでDC点火です。)(アダプタのDC/DCコンバータでDC5Vに落としているわけです)271Aはrpが高いので、TU-8200R裏のスピーカーインピーダンス切り替えを4Ωにして出力トランスを見かけ上7kΩ程度にします。それでも整合が完全に取れているわけではなく、以前紹介した4624シングルアンプのようにインピーダンスが合っていないトランスを見かけ上合わせる方法は特に低域がスカスカになります。(インダクタンスが全然足りてないので)しかし、ここでは、音質や最適動作が重要ではなく、「動くかどうか」が重要です。(笑)リュートなどの低音成分があまり入っていないものであれば遜色なく聴くことができます。プレート電圧280Vで電流は40mA程度ですので、この球の動作の場合は0.3Wも出ればよいほうだと思います。私のスピーカーは励磁式の30cmフルレンジで能率93~95dB程あるので、0.3Wもあれば十分です。聴く音楽もリュート音楽やルネサンス時代の宗教曲で静かにかけているので..。ただ、注意点として、古典管は基本的にグリッドリーク抵抗の値は高くするとグリッド電流によってIpが増える方にバイアスが変動するので危険度が高いです。TU-8200Rは100kΩです。271Aの規格表には特に指定は無いですが100kΩは結構高い数値であると思います。今回はテスト運用ですし-30Vまではオートバイアスが効きますし、あくまで自己責任でやるお遊びとお考え頂ければと思います。専用のアンプを作ろうとすると時間と労力とお金が掛かります。人間の寿命は限られていますので、「とりあえず」「手っ取り早い」使い方も真空管の楽しみ方のひとつかなと思います。真空管の正しい使い方に拘って真空管を使わずに人生を終えてしまうのは少々勿体ない気もしますよね..。銘球を玩具のように扱うのが良いか悪いかは何ともいえませんが、使う権利は所有者にあると私は考えています。
Jan 6, 2024
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PEN46という真空管を紹介します。知人から譲っていただいたものです。あれ?なんか既視感のあるプレート...と思い、HYTRONの807と並べてみてみました。似てますね。規格はFrankさんの資料室の「PEN46」規格表が参考になりそうです。あまり詳細は載ってませんね....。ヒーターはは4.0V1.7Aなので、6.3V換算ですと1.07Aなので807よりヒーター電力は高いです。プレート損失は20Wなので807の30Wよりは低いです。PEN46は何者でしょうか...。アダプタを作りました。私のTU-8200R(魔改造品)は左右独立の6.0Vスイッチング電源を搭載しています。(6V管対応のために6.3Vではなく6.0Vに設定してあります。6.3V管を挿しても-5%の範囲ないとなります。)基板には2番にプラス、7番にマイナス。そして7番8番をショートしてあります。アダプタはPEN46のヒーター用にDC/DCコンバータを使って4Vに落します。電圧は多回転VRで調整します。因みにPEN46のオクタルピンは特殊で、オクタルソケットの中心の鍵穴と端子穴を広げてあげる必要があります。etracerで特性を測定しましょう。三結とビーム管接続で280V50mAのところを見ます。【1本目】三結Ep=280VEg1=-16.3VIp+Ig2=50.13mAIg2=7.53mArp=1520Ωgm=7412μSμ=11.3V/VビームEp=280V, Eg2=180VEg1=-7.0VIp=50.00mAIg2=7.26mArp=36005Ωgm=8269μSμ=297.7V/V【2本目】三結Ep=280VEg1=-18.8VIp+Ig2=50.25mAIg2=7.01mArp=1589Ωgm=5791μSμ=9.2V/VビームEp=280V, Eg2=180VEg1=-8.2VIp=49.12mAIg2=6.61mArp=36842Ωgm=7591μSμ=279.7V/V参考までに807の三結特性を見てください。【807】(参考)三結Ep=280VEg1=-21.3VIp+Ig2=50.23AIg2=2.59mArp=1583Ωgm=4691μSμ=7.9V/VPEN46は807と似たようなプレート形状ですが、全く別物であることが、この測定でわかりました。PEN46のほうが感度が高い印象です。ただ、807や6L6のような左肩がカチッと張った特性ですね。ここは似ていると思います。アダプタを実際に使用するため、ブラブラしているDC/DCコンバータを固定。ミニ四駆のパーツを使いました。良い感じに出来上がりました。TU-8200R(魔改造品)に挿しました。良い感じです!!(私は音の差はよくわかりませんし、音が出るだけで満足です)
Jan 4, 2024
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HYTRONの5516という真空管を紹介します。昔、訳もわからずオークションで買って放置したままでした。大きさは12GB7より小さいかもってくらい小柄です。箱はCBS-HYTRONです。(CBS傘下に入った頃ですね)送信感らしいシールド。下側もよく見えないですね。規格はFrankさんの資料室の「5516」規格表が参考になります。フィラメントは6.0V指定です。6.3Vではありません。そしてプレート損失は15W。規格表ではオーディオ用途の情報も書いてあります。製作記事も見つけました。kagatadahabamara「5516差動プッシュプルアンプの製作」というのがあります。6146に近いピンアサインですが...私のようにDC点火で7番8番1番をショートしている(フィラメント片側とカソードを共有し、かつ6L6も6CA7のどちらでも使える)回路ですと6146用アダプタを使った場合はフィラメント片側に6Vが掛かってしまいます。というわけで専用アダプタを作りました。この場合、ビーム電極の電位が+3Vになりますが、Ep、Eg2に比べて限りなく0Vに近いので問題ないと思われます。さっそくetracerで三結特性を測定しましょう。(ビーム管ですが、私が三結が好きなので省略します)私のアンプに合わせて、280Vで40mAになるところを探っていきます。(Eg2が規格オーバーですが自己責任で。多分Eg2はEp以下なのでG2損失的には大丈夫かと思われます。)【1本目】Ef=6.0V, If=0.69AEp=280VEg1=-14.9VIp+Ig2=39.72mAIg2=2.48mArp=2628Ωgm=3571μSμ=9.4V/V【2本目】Ef=6.0V, If=0.69AEp=280VEg1=-19.6VIp+Ig2=40.00mAIg2=1.74mArp=1809Ωgm=4585μSμ=8.3V/V【3本目】Ef=6.0V, If=0.69AEp=280VEg1=-17.8VIp+Ig2=40.00mAIg2=2.06mArp=1878Ωgm=4476μSμ=8.4V/V【4本目】Ef=6.0V, If=0.69AEp=280VEg1=-15.9VIp+Ig2=29.78mAIg2=1.75mArp=3221Ωgm=1824μSμ=9.1V/V結構バラつきの多い真空管という印象です。(新品ではない可能性もありますが)2本目と3本目、1本目と4本目が似ているのでこれがペアになりそうです。TU-8200R(魔改造品)に挿します。私のTU-8200は電流検出抵抗を変更してIpを40mAにしていますのでプレート損失12Wくらいの球がギリギリ使えます。rpが高目の真空管なのでロードラインは結構立ちます。なので後ろのスピーカーインピーダンス切り替えを4Ωにして、1次側を仮想的に7kΩ以上にするのが良いかと。それから、高rpな球でEg1=0VのIpカーブは相当寝ています。ということは280VのEpでの動作では出力が殆どとれません。でも高能率のスピーカーで静かに音楽を聴くなら十分だと思います。以前も書きましたが、私のTU-8200Rは6V4Aスイッチング電源を2基内蔵しており、オクタルソケットの2番にDC+6.0V、7番にDC0Vの直流を供給し、7番と8番は接続しています。(TU-8200Rの仕様として8番と1番もショートしてあります)普通のTU-8200Rは左右のヒーターが共通ですので直熱管は絶対挿さないで下さい。そういう改造が出来る人向けです。6.3Vではなく6.0Vにするのは、6.0V指定の真空管のためです。6.3V管を挿しても-5%の範囲に入ります。上側のシールドの隙間からフィラメントが見えます。う、うん、いい音で鳴っていますよ。とてもいいです!!(実は違いがわからない)
Jan 2, 2024
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TUNGSRAMのPP4101という真空管を紹介します。ebayで偶然見つけて訳もわからず購入しました。どうやらE443HやRES964同等とか。規格はFrankさんの「E443H」規格が参考になります。フィラメントは独特の吊り方で、両側から吊っているのでしょうか...。この構造は初めて見ました。etracerで三結特性を特性をみましょう。Ep250Vで27mAになるところで測定します。【1本目】Ef=4.0V, If=1.01AEp=250VEg1=17.1VIp+Ig2=27.00mAIg2=4.12mArp=2738Ωgm=2966μSμ=8.1V/V【2本目】Ef=4.0V, If=1.04AEp=250VEg1=16.6VIp+Ig2=27.11mAIg2=4.74mArp=2919Ωgm=2707μSμ=7.9V/Vどちらも良好な特性です。以前、酷いエミ減で泣いたRES964より全然良いですね。(笑)アメリカの球でいう47に近い感じでしょうか...。RES964やE443Hより47のほうが安いので、これから買う人は悩みますよね...。
Dec 31, 2023
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PHILIPSのPC05/15という真空管を紹介します。表側はメーカー名、型番、製造番号が印字され、裏側はイタリア税関シールが貼ってあります。【1本目】PHILIPSPC05/15X14751(頭がXかどうかは読み取れません)MINISTERO DELLE FINANZE8709014 APR 1941ESONERO TASSA RADIO【2本目】PHILIPSPC05/15X17663(頭がXかどうかは読み取れません)MINISTERO DELLE FINANZE9269728 NOV 1941ESONERO TASSA RADIO1941年にイタリアのミラノ税関を通ったということでしょうか...。同じ年代でもシールの色が異なるので、もしかしたら月或いは期ごとに色を変えているのかもしれませんね。PC05/15は送信用途の五極菅です。フィラメントは2点吊り。下側は見えにくいですね。規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベース「PC05/15」規格が参考になります。プレート損失15W、スクリーングリッド損失5Wコントロールグリッドはプラス領域まで振ることができます。ピン配置は、プレートがトップ、スクリーングリッドとサプレッサーグリッドが追加される以外は、コントロールグリッドとフィラメントはAD1と共通で8番はNCですので、配線次第ではAD1と共有可能です。フィラメントを点灯。欧州らしい仄暗い光りかたです。etracerで特性を測定しましょう。230Vで45mAたっぷり流す感じでみてゆきます。サプレッサーグリッドをGND電位にした通常の三結と、サプレッサーグリッドも積極的に振って使う三結の2種類を試してみます。G2電圧230Vで五結特性も見ます。【1本目】Ef=4.0V, If=1.02A三結(P+G2)Ep=230VEg1=-37.1VIp+Ig2=45.01mAIg2=2.58mArp=1737Ωgm=1752μSμ=3.0V/V三結(P+G2+G3)Ep=230VEg1=-58.3VIp+Ig2+Ig3=45.20mAIg2+Ig3=5.31mArp=1374Ωgm=1743μSμ=2.4V/V五結(Eg2=230V)Ep=230VEg1=-35.5VIp=45.11mAIg2=2.89mArp=19720Ωgm=1623μSμ=32.0V/V【2本目】Ef=4.0V, If=1.06A三結(P+G2)Ep=230VEg1=-41.9VIp+Ig2=45.13mAIg2=2.02mArp=1646Ωgm=1750μSμ=2.9V/V三結(P+G2+G3)Ep=230VEg1=-60.6VIp+Ig2+Ig3=45.17mAIg2+Ig3=5.57mArp=1347Ωgm=1738μSμ=2.3V/V五結(Eg2=230V)Ep=230VEg1=-40.7VIp=45.17mAIg2=2.14mArp=23349Ωgm=1662μSμ=38.8V/V一目見て直線性が良いと感じました。三結では勿論のこと、五結でEp=230V,Eg2=230Vの45mAで1.1Wほど出したとして2%台、フルスイング3W以上でも4%少々です。これはあまり感度(gm)が高くないのと関係しそうな気もしています。(そういう気がするだけですが...)G3も使用した三結は大きな効果があり、rpが低くなり使いやすくなります。出力も1Wは出ます。AD1用アンプでの共有化は、この接続が最適かもしれません。それでもVALVO AD1やLOEWE OPTA AD1のrp800Ωの倍近いので、全く同じとはいきませんが、バイアス抵抗とトランスのタップで3.5kΩ,5kΩあたりが切替えられるアンプなら、うまくいきそうですね。ただ、サイドコンタクトソケットは抜き差しが困難なのが一番の難点です。中国製のソケットはピンがタッチするところを加工しないとキツイと思います。中部音響研究所「中国製サイド・コンタクト・ソケットの改造」を参考にすると良いかもしれませんん。もしくは、あらかじめサイドコンタクトからB4(UF4)ピンに変換する専用アダプタを作って、挿したままにするとか..。開発当時は抜けにくさを重視したと思われるサイドコンタクトソケットですが、球ころがし全盛の現代ではそれが仇となるわけです。(笑)
Dec 30, 2023
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前回紹介したリンク6CW4という真空管を2個使って12AT7のピン配置にしてみました。2つのソケットを並べるのにミニ四駆のパーツを使いました。4つを揃えてヤスリで削ります。ebayで入手した9pinベースを用意。配線してゆきます。並べて取り付け。こんな感じになります。etracerで特性を測定しましょう。20本から選別したものなので特性は揃っているはずです。揃った綺麗なカーブを描きました。普通の12AT7でこんなに2ユニットが揃っている物は滅多に存在しません。TU-8200R(魔改造品)に挿してみました。カソードの1kΩに約2.6V掛かっていましたので2.6mA。プレートには約149V掛かっていましたので、最大定格135Vから15Vオーバーしています。(因みに12AU7の場合は、カソードの1kΩに約3.7V掛かっていましたので3.7mA。プレートには約111.5V掛かっていました)プレートの負荷抵抗も大きくして動作電圧を安全なところまで下げたほうが良いのですが、短時間の「お遊び」ですから、どうか笑って見逃してください。回路の各部品の数値がこの真空管に全く合っていないため、音は低域が薄く全体的に硬く荒っぽいような音がします。12AT7に適した回路であれば、もっとうまく動くかもしれません。
Dec 21, 2023
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6CW4という真空管を紹介します。ニュービスタ(Nuvistor)管です。とても小さく可愛らしいメタルキャンパッケージです。オーディオ界隈では小柄なほうな5654(6AK5)と比べてみると...更に小さいですね。規格に関しては真空管(Electron tube) 規格表データベース「6CW4」規格表が参考になります。日立の技報「日立評論1962年5月号 ニュービスタ 2B-H5 6CW4」も興味深いです。また、ニュービスタ全体の情報に関してはケンさんのホームページ「真空管ニュービスタ物語」が参考になります。ここに書かれているように、製造の困難さゆえに不良率が高かったようです。実際に私は20個買って2~3個の不良(とりあえず通電するが、全然性能が出ていない)がありました。そこから更に選別するのですが、本当に特性がバラけています。同じ品番の球とは思えないくらい。20個買って3ペア取れたらいいほうで、完璧なマッチドペアは1ペア採れるか採れないかです。ただし、双三極管(12AU7、12AT7、12AX7とかね)も双極マッチは殆どありませんので、ある程度合っていれば合格かなと思います。そして特性のバラツキに加えて問題となるのは、そう、特殊なピンアサインです。これが泣き所。私は運良くソケットを入手できました。アダプタを作ってみました。因みにベース部はebayで買った7ピン真空管セーバーの下側(ピン側)を流用しています。「基板連結用端子オス/メス シングルライン 1P」で代用出来ると言いましたが、すみません、ピン間が近すぎて代用できませんでした。etracerで特性を測定しましょう。ちょっと高すぎますが、130Vで3.5~4mA流れるところを探ります。(一般的な回路に組まれたときの状態はこれくらいかと思います)なお、プレート損失のラインは1.5Wとしました。耐圧的に100V以下で測定するのが良かったかもしれません。【1本目】Eh=6.3V, Ih=0.14AEp=130VEg=-1.9VIp=3.88mArp=9832Ωgm=5653μSμ=55.6【2本目】Eh=6.3V, Ih=0.15AEp=130VEg=-2.0VIp=3.98mArp=9586Ωgm=5627μSμ=53.9とても素直なIpカーブを描いています。実際の動作電圧・電流を想定した測定結果ではμが55前後です。規格より低目に出ます。rpは10kΩ。高μ管としては十分に低いrpと思います。6AK5の三結よりrpが高くμも高いですが、「まぁ動くかな」という範囲には入っているかと思います。TUBE-01Jに挿してみましたが、とりあえず動きます。動作点とか音質とかどうでもいいんです。動けば。動かすことが目的です。(煤けた6BQ5も動いているからOKです)真空管は枯渇する一方ですので、このような使われない球も視野に入れて遊ぶのも良いかと思います。というのは冗談です。(笑)「当たり外れの多いニュービスタを大量に買って選別して更にアダプタまで作らなないとオーディオを楽しめない」なんて時代が来るとは、とうてい思えません。普通に現行の定番真空管で遊んだ方が安上がりです。皆さん、どうか道から外れませんよう....。
Dec 17, 2023
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TELEFUNKENのEL152という真空管を紹介します。4本は手持ち、2本は知人から譲ってもらいました。規格に関しては、Frankさんの資料室の「EL152」規格表が参考になります。しっかりした構造です。わくわくしますね!ただ、見ての通りの特殊なピン配置です。そこで、これに使えるソケットとオクタルピンの袴を買ってきて、アダプタを自作することにしました。因みにソケットはシャーシネジ止めの耳が付いていますので、グラインダーにセラミック用の刃を取り付けてカットしました。白いセラミック(?)の袴は直径が大きいのでピッタリです。あとで「失敗した!」と思ったのはシールドのピンをカソードに接続しなかったことです。まぁいいか、今回は測定で発振しなければ。ダメなら作り直せば良いし...。さっそくソケットアダプタに真空管を挿してみました。ヒーターを点灯するとこのような感じ。真空管の向きからすると横から見る感じ。では、etracerで三結特性を測定してみましょう。280Vで70mAたっぷり流れるところを見ます。【1本目】0093Eh=6.3V, Ih=1.47AEp=280VEg1=-42.1VIp+Ig2=70.24mAIg2=1.86mArp=941Ωgm=4875μSμ=4.6V/V【2本目】0446Eh=6.3V, Ih=1.47AEp=280VEg1=-41.9VIp+Ig2=70.46mAIg2=1.77mArp=929Ωgm=4909μSμ=4.6V/V【3本目】0449Eh=6.3V, Ih=1.49AEp=280VEg1=-42.5VIp+Ig2=70.14mAIg2=1.78mArp=939Ωgm=4847μSμ=4.6V/V【4本目】0451Eh=6.3V, Ih=1.49AEp=280VEg1=-41.9VIp+Ig2=70.25mAIg2=1.92mArp=952Ωgm=4804μSμ=4.6V/V【5本目】0454Eh=6.3V, Ih=1.49AEp=280VEg1=-38.7VIp+Ig2=70.35mAIg2=1.88mArp=982Ωgm=5017μSμ=4.9V/V【6本目】2825Eh=6.3V, Ih=1.42AEp=280VEg1=-38.3VIp+Ig2=70.05mAIg2=1.77mArp=999Ωgm=4798μSμ=4.8V/Vハイgm管であることがわかります。バラツキはありますが、3ペア揃う感じです。そして三結ではrpが低くなります。きっと力強い音が...。直線性もそれほど悪いと感じません。これはいい音がしそうですね!三結では-40V以上のバイアス電圧を必要としますので、TU-8200Rでは厳しいですね。プレート損失は30Wで6L6クラスですが、6L6互換のような動作はしません。ここは何か工夫が要りそうです。
Dec 15, 2023
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TELEFUNKENのRS242 SPEZという真空管を紹介します。知人から譲っていただきました。SPEZなので通常バージョンではないです。何か違うかというと、見ての通り脚が短いです。しかもも101DなどのスモールUVとはピンの太さが違う気がします。ちょうどUXの脚の短いバージョンのようです。特殊ですね。規格はFrankさんの資料室の「TELEFUNKEN規格表」85~86ページが参考になります。フィラメント3.8V0.72Aの送信管で、プレート損失は12W。規格のグラフから、半分はプラス領域で使う球だということがわかります。小型の送信管といったところでしょうか。規格によると、RS242SPEZのピン配置はUXによくある配置です。右回りで、F(太)-P(細)-G(細)-F(太)ですね。実物を見ると太いピンがフィラメントで、ガイドピンはP~Gの間にあります。さてピン配置はわかりましたが、物理的に挿さらない問題はどうしましょう。アリエクでバヨネットUXソケットを見つけました。バヨネットのタイプはこの端子の金具の下にワッシャを目一杯咬ますことで1mmほどタッチできそうです。早速試してみます。うまくいきました。使えそうなUXソケットも見つけました。普通のUXソケットと異なり上の方まで端子の穴があるので、挿せます。(すぐ抜けますが)電極そのものはオーソドックスな造りです。フィラメント点灯。3.8Vで約0.6Aで、規格(0.72A)とは若干異なるようです。Ipカーブはグリッドがマイナス領域のところだけにします。300Vで24mA【1本目】Ef=3.8V, If=0.57AEp=300VEg=-9.4VIp=24.14mArp=3919Ωgm=3701μ=14.5【2本目】Ef=3.8V, If=0.60AEp=300VEg=-7.3VIp=24.14mArp=4410Ωgm=3835μ=16.9Ipカーブが若干浮き気味。270V 28mA 7kΩでプラスまで振って1.8Wは出ますが、300V 24mA 10kΩで0.3~0.4W出ますので、そういう使い方も良いでしょうプラスに振るかどうかで作る面倒くささが全く異なってきますので、ここは注意しないと。
Dec 10, 2023
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ドイツVALVOのL491Dという真空管を紹介します。真空管が入っている箱。本物かどうかは不明です。プレートが水平に取り付けられています。五極菅で、さらに横倒しで両側から電極を支えていますので細かな構造になっています。フィラメントは -→〇 I ←- I ←- I -→ I〇←-という感じで折り返されています。点灯してみるとその様子がわかります。めっちゃカッコいいです!!ただ、水平にフィラメントを張ってあるということは...これってフィラメントが垂れる傾向にあるわけで、複雑な気持になります。でもカッコいいは正義です!L491Dの規格表は見当たりませんでしたが、同等管のE443Nの規格表はありました。真空管(Electron tube) 規格表データベース「E443N」規格表です。プレート損失12Wは本当でしょうか??怖いので「10Wそこそこ」と仮定しておきます。それと、「同等管というものが全く同等であるか」は...どうなんでしょう。微妙に作りが違う物であれば電気当然特性が変わりますので。とにかくetracerで三結特性を測定してみましょう。240VでIp+Ig2が30mA流れるところ、そしてEfは4.0Vと3.8Vで確認します。Eg2は規格より40V程高いですが、Ep以下なので損失としては大丈夫なはずで、そこまで高圧ではないので放電の危険もなさそうです。【1本目】Ef=4.0V, If=1.11AEp=240VEg1=-50.3VIp+Ig2=30.14mAIg2=4.70mArp=1926Ωgm=1613μSμ=3.1V/VEf=3.8V, If=1.06AEp=240VEg1=-49.9VIp+Ig2=30.19mAIg2=4.70mArp=1963Ωgm=1590μSμ=3.1V/V【2本目】Ef=4.0V, If=1.11AEp=240VEg1=-54.0VIp+Ig2=30.23mAIg2=4.16mArp=1805Ωgm=1630μSμ=2.9V/VEf=3.8V, If=1.06AEp=240VEg1=-53.7VIp+Ig2=29.92mAIg2=4.12mArp=1866Ωgm=1595μSμ=3.0V/VEfを0.2V下げてもIpカーブがが倒れない、良好なエミッションです。そしてバイアスが深いですね。gmはそれほど高くないのでバイアスが深い割にはrpは低くないというか...。手持ちのTP4100に似ていますが、TP4100のほうが感度がずっと高いです。TP4100もE443N類似管と云われていますが、今回のL491Dと全然違いますね。全く互換性はありません。私はE443Nを持っていないので、何をリファレンスとして「同等」「類似」「似て非なるもの」とするかはわかりませんが...。とにかく、エミッションも大変良好なミントコンディションです。譲って頂いた方には感謝です。
Dec 6, 2023
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6DZ7という真空管を紹介します。数年前、訳もわからず買ってしまって放置していました。INTERNATIONAL COMPONETNTSという商社ブランドです。多分、GEかどこかで作られたものでしょう。五極菅ユニットが2つ入っています。面白い形ですね。規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベース「6DZ7」規格表が参考になります。ヒーターは6.3V1.52Aで、結構大食いです。(6BQ5のユニットを使った物のようです)スクリーングリッドとカソードは共通で、五結プッシュプル増幅回路で使うために設計製造されたもののようです。ただ、私としては、TU-8200Rに挿すことが前提で話を進めます。つまり、2ユニットをパラレルで使うことです。パラレル接続して6L6とピンアサインを同じにするアダプタを作りました。アダプタの内部接続にあたっては各グリッドに1.8kΩの抵抗を入れています。ハイgmなので、何も入れずに直結でパラレル接続すると発振します。1 - 1.8kΩ → 52 → 23 → 34 → 45 - 1.8kΩ → 56 → 37 → 78 → 82本のユニットにヒーターが灯ります。これだけでもそこそこ発熱します。etracerで特性(パラレルで三結)を測定してみましょう。規格ではプレート損失は片側13.2Wですが、常時電流を流すA級動作を考えると2ユニットで20W(1ユニットあたり10W)そこそこと見立てました。(ユニットが隣接していますので、熱的に厳しいかなと)280Vで50mA流れるところを測ります。【1本目】Eh=6.3V, Ih=1.59AEp=280VEg1=10.9VIp+Ig2=49.61mAIg2=5.81mArp=1201Ωgm=15892μSμ=19.1V/V【2本目】Eh=6.3V, Ih=1.59AEp=280VEg1=11.9VIp+Ig2=50.50mAIg2=5.75mArp=1183Ωgm=14926μSμ=17.7V/V高感度な球ですが直線性はそれほど悪くありません。高圧側の立ち上がりが緩やかなので、あまり低電流動作ですと歪率が高くなります。そして高感度ゆえか、2本のバラツキは少し気になります。(でも気にしないでおきます)TU-8200R(魔改造品)に挿してみました。私のやつはIp40mAくらいに改造してあるので、ちょっと少なめです。いい音で鳴ってくれています。これで十分です。訳もわからず買ってしまった真空管ですが、これは買って正解でした。
Dec 3, 2023
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PHILIPSのQQE03/20という真空管を紹介します。実は何年か前に勢いで買ってしまって、そのまま棚にしまっていました...。規格は、真空管(Electron tube) 規格表データベース「QQE03/20」規格表が参考になります。プレート損失は片側10Wとなっていますが、どうなんでしょう。まぁ、送信管なので多少はタフだとは思いますが。ところで...Tetrodeつまり四極管として規格表には載っていますが....この写真を見ると、どうなのでしょう。プレートに挟まれたグリッドが板があって見えません。この板は下のお皿に接続されています。そしてこのお皿は、カソードのピンに接続されています。そうなんです。規格表では単にTetrode(四極管)とかいてありますが、Beam Tetrode(ビーム四極管あるいはビーム管)なのです。etracerで特性を測定してみましょう。内部ユニットをパラレル接続で三結特性を測ります。Ep280VのIp=40mAあたりで。【1本目】Eh=6.3V, Ih=1.29AEp=280VEg1=24.7VIp+Ig2=40.11mAIg2=2.91mArp=1325Ωgm=6145μSμ=8.1V/V【2本目】Eh=6.3V, Ih=1.29AEp=280VEg1=25.5VIp+Ig2=40.05mAIg2=2.99mArp=1349Ωgm=5861μSμ=7.9V/V綺麗なカーブを描いています。直線性もさほど悪くありません。TU-8200Rに挿してみました。因みに私のTU-8200RIpが40mA前後になるよう調整されています。ノーマルの状態で挿すとプレート損失をオーバーします。ebayで買った4D32用アダプタを829B用に改造しています。そして写真の様にプレートキャップは2B94など太めのものが入るように穴を大きくしています。良い感じです。照明をおとすと、すごく綺麗。真空管の灯りはよいですね。思った以上に楽しめる真空管だと思います。
Nov 28, 2023
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ご縁があって安価にUNITEDの6B4Gを4本入手しました。MADE IN ITALYは物凄く怪しいですね。このマイカの形状...以前紹介した6B4Gという真空管のLEWIS AND KAUFMANに似ており、ソヴィエト製(6S4S/6C4C)のようです。Zaerixもこのマイカ板ですね。イタリアで製造しているとは思えませんが..。どういうルートで回ってきた物をUNITEDで検査/印字しているのか不明です。この80年38週は製造ではなくUNITEDが検査した日付という可能性も高いですね。まぁ、私はいわゆる「銘球を追い求める真空管コレクター」ではない只の真空管ファンですので、出来が良ければどこの製造でも構いません。(そもそも古典管に至っては、著名なメーカーのものでも出来が悪かったり、見た目が良くても使い古しみたいなものも多くありますし...)etracerで特性をみましょう。250Vで50mA流れるところで測ります。【1本目】Ef=6.3V, If=1.02AEp=250VEg=-42.7VIp=50.3mArp=789Ωgm=5235μSμ=4.1V/V【2本目】Ef=6.3V, If=1.02AEp=250VEg=-41.8VIp=49.55mArp=828Ωgm=5058μSμ=4.2V/V【3本目】Ef=6.3V, If=1.02AEp=250VEg=-40.6VIp=50.22mArp=819Ωgm=5207μSμ=4.3V/V【4本目】Ef=6.3V, If=1.02AEp=250VEg=-43.7VIp=50.00mArp=798Ωgm=5083μSμ=4.1V/V多少のバラツキはありますが、全て良好です。格安で入手できてこの性能でしたら大満足です。
Nov 27, 2023
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CETRONの3D21WBという真空管を紹介します。この形状...先日紹介しました7403という真空管に似ています。製造元が同じ可能性も...。何のリブもない板金して終わりみたいな無骨なプレート。如何にも暖まるまで時間が掛かりそうなカソード。いいです。こういうの好きです!!これくらい電力を食うヒーターは魅力的です。規格はFrankさんの資料室の「3D21WB」規格が参考になります。3D21Aや3D21Bは、Frankさんの資料室の「3D21A、3D21B」規格表でわかるとおり、プレート損失が15Wしかありません。それに比べ3D21WBはプレート損失が40Wと大幅に増強され、使い勝手が良くなっています。もう、A~BとWBでは全然別物です。etracerで特性を測定してみましょう。三結とビームで。【1本目】Ef=6.3V, If=1.72A三結Ep=400VEg1=-40.9VIp+Ig2=75.21mAIg2=8.08mArp=1101Ωgm=6424μSμ=7.1V/VビームEp=400V, Eg2=140VEg1=-7.7VIp=75.00mAIg2=0.89mArp=30321Ωgm=11598μSμ=351.7V/V【2本目】Ef=6.3V, If=1.75A三結Ep=400VEg1=35.2-VIp+Ig2=75.53mAIg2=9.59mArp=1000Ωgm=8516μSμ=8.5V/VビームEp=400V, Eg2=140VEg1=-6.4VIp=74.56mAIg2=0.98mArp=29609Ωgm=12005μSμ=355.7V/V2本の性能にバラツキがありますが、使用感は無いので単なるバラツキでしょう。選別でハネられた球の可能性もあります。この球メインにする訳ではないので構いません。三結の直線性は良くないです。しかしこの球はオーディオ用途ではないので、それを期待してはいけません。Ep280VEg1-30Vで40~60mAといったところなので、TU-8200Rでも使えます。悪くないです。いや、むしろ良い!!ビーム管接続は...どうなんでしょうね。Ipカーブが撫で肩なので、三結より少しパワーが出るかな程度。普通に三結の方が良さそうに思えます。単純な測定結果のみでいえば、3D21WBは、7403という真空管の少し感度を良くした真空管というイメージです。(ピン配置は全く異なります)
Nov 26, 2023
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7403という真空管を紹介します。LEWIS AND KAUFMANブランドですが、どこで製造されているのでしょう...。84-04とは84年4週の製造でしょうか...。しっかりした造りですね。プレートは角張った感じです。規格はFrankさんの資料室の「7403」規格が参考になります。プレート損失40W、スクリーングリッド損失3.5Wです。三結動作も載っていますね。コントロールグリッドはプラスまで振れるようです。ヒーターは6.3V1.7Aもあります。たくましいですね。etracerで特性を測定してみましょう。【1本目】Eh=6.3V, Ih=1.78A三結Ep=400VEg1=-35.5VIp+Ig2=75.05mAIg2=7.82mArp=1026Ωgm=8020μSμ=8.2V/V四結Ep=400V, Eg2=160VEg1=-8.0VIp=74.89mAIg2=4.12mArp=31823Ωgm=10828μSμ=344.6V/V【2本目】Eh=6.3V, Ih=1.78A三結Ep=400VEg1=-31.5VIp+Ig2=75.06mAIg2=8.84mArp=1030Ωgm=8973μSμ=9.2V/V四結Ep=400V, Eg2=160VEg1=-6.7VIp=75.43mAIg2=2.5mArp=26413Ωgm=11270μSμ=297.6V/V三結ですと、Ep400V,Eg-35V,Ip75mAの5kΩ負荷で6W出ます。歪みは5.3%くらい。直線性はそれほど良くありません。もう少し低い電圧のほうが扱いやすいと思います。四極管接続ではダイナトロン特性の癖が強い独特なカーブです。癖の強いIpカーブを描く四極管ゆえに、150V以下は使えませんので得られるパワーも三結とそれほど変わりません。この場合は三結の方が良いと思います。アダプタを介してTU-8200R(魔改造品)に挿してみました。なかなか良い音です。
Nov 24, 2023
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E.150(E150)という真空管を紹介します。また謎球です。SFRはE.60Mという真空管と同じフランスのメーカです。どことなくPhilipsのTC1/75を思わせるセラミックの部材。プレートの支持フレームでも放熱を助けていそうな感じです。フィラメント点灯。結構ハッキリ見えます。暗くするとこんな感じです。規格ですが、Radiomuseumの「E150」くらいしか見当たりません。MELAUDIAフォーラムの情報によりますと、Ef=4V, If=2A, Ep=600V, Ip=110mA, gm=2.6mA/V, μ=9, Ri=3.45kΩ, Wa=40Wと書かれています。前オーナーの実測情報は下記の通り。Ef=AC4.08V, Ep=381V, Eg=-20.9V, Ip=42mA (Rk=499Ω)Ef=AC4.10V, Ep=395V, Eg=-22.8V, Ip=46mA (Rk=499Ω)これは400V以上で使う感じ...というのが予想されました。etracerで特性を測定しましょう。550V 50mA【1本目】Ef=4.0V, If=1.94AEp=550VEg=34.9VIp=50.05mArp=3086Ωgm=2793μSμ=8.6V/VEf=3.8V, If=1.89AEp=550VEg=34.9VIp=50.17mArp=3093Ωgm=2798μSμ=8.7V/V1本目はEfを0.2V下げたくらいではびくともしない、ほぼmintかなと。【2本目】(ピンが修復してある)Ef=4.0V, If=2.01AEp=550VEg=33.2VIp=50.25mArp=3293Ωgm=2678μSμ=8.8V/VEf=3.8V, If=1.94AEp=550VEg=32.8VIp=50.15mArp=3380Ωgm=2360μSμ=8.9V/V2本目は若干ですがエミ減の傾向にあります。(フィラメント電圧を少し下げたときのIpの変化量で何となくわかります。あくまで私個人の感覚です。)F410よりrpが高く、P28/500に近い気もします。Ep=550VのEg=-35Vを掛けIp50mA流して負荷10kΩで2.5Wです。多分、この球は送信用途ではないかと。普通にA級で負荷=rpの3倍以上で振るとこんなもんです。rpの高い球は特にそうですが、電流を上げるほど音声用途ではパワーが出しにくい動作になってしまいます。これは難物です。(笑)しかし1W以下を想定したものであれば、もう少しプレート電圧を抑えられますね。
Nov 22, 2023
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PM24Mという真空管を紹介します。「安く売っていたので、よくわからず何となく買った」というのが正直な話です。太管と細管でロットは揃っていません。トップはこんな感じ。マイカ板があってフィラメントが見にくいです。マイカ板はTUNGSRAMのような切れ目が入っていますね。斜め見ると3点吊りのフィラメントが見えます。フィラメント点灯。規格はThe Valve Museumの「PM24M」が参考になります。実はこの球、フィラメント4V1Aな割にプレート損失は7.5Wしかありません。スクリーングリッド損失も、まぁ多分1.5Wそこそこかと。etracerで特性を測定します。三結でパワーのとれそうにない球なので五結も測定しておきます。三結は250Vで23mA、五結は230V24mAで。五結特性のIpカーブをIp+Ig2にしていましたので訂正しました。【1本目】細管Ef=4.0V, 0.96A三結Ep=250VEg1=-17.3VIp+Ig2=23.99mAIg2=3.79mArp=2908Ωgm=2800μSμ=8.1V/V五結Ep=230V, Eg2=200VEg1=-11.3VIp=23.95mAIg2=3.67mArp=78385Ωgm=2868μSμ=224.8V/V【2本目】太管Ef=4.0V, 0.96A三結Ep=250VEg1=-16.9VIp+Ig2=24.10mAIg2=3.62mArp=2714Ωgm=3182μSμ=8.6V/V五結Ep=230V, Eg2=200VEg1=-11.2VIp=24.26mAIg2=3.55mArp=71367Ωgm=3323Sμ=237.1V/V三結はとても綺麗なカーブですが、このプレート損失とrpの高さではパワーが出ませんね。負荷10kΩで0.5Wそこそこでしょうか。0.3Wも出れば十分ですが。五結で1.7W近く出そうです。(最適動作が探し出せませんでした)三結時のrpとgmに関してはLK4110/E408Nに近いと思いますが、プレート損失が低いので、PM24Mの動作に合わせてあげる(低い出力で我慢する)なら1台のアンプで済みそうです。総じて、E443Hのプレート損失を少なくしたっぽい感じでしょうか。(E443Hを持っていないのでわかりませんが)何となく買った球ですが、悪くないどころかお買い得だったかなと思います。欲を言えばプレート損失10Wは欲しかったなと...。
Nov 20, 2023
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VT52という真空管(UNITED)とVT52という真空管ふたたび(NATIONAL UNIONとRAYTHEON)で、ようやく完結したと思ったVT52ですが....また買ってしまいました。87年21週の製造でしょうか。どういう番号付けかは私にはわかりません。もし本当に87年21週の製造であれば、明らかに保守用ですね。NATIONAL ELECTRONICSという米国イリノイ州ジェニーヴァにあるRicharson Electronics系列の商社です。創立は1947年ですが、現在は存在しません。Richarson Electronicsのほうは健在です。Radiomuseumの情報によると「一部の真空管の名称は、「National Labs」を意味するNLプレフィックスで始まる」とのこと。確かにNL-XXという型番に見覚えがありますね。さて、このVT52、どこかで見たことが....手持ちのUNITEDのVT52とそっくりです。下からの写真。左がNATIONAL、右がUNITED。上からの写真。左がNATIONAL、右がUNITED。印字を消したらどちらなのかわかりませんね。etracerで特性を測定してみましょう。270Vで33mA流れる数値をとります。電圧は7.0Vと6.3Vで測定します。【1本目】Ef=7.0V、If=1.08AEp=270VEg=-48.7VIp=33.04mArp=1624Ωgm=2358μSμ=3.8V/VEf=6.3V、If=0.99AEp=270VEg=-48.2VIp=33.05mArp=1660Ωgm=2305μSμ=3.8V/V【2本目】Ef=7.0V、If=1.10AEp=270VEg=-50.1VIp=33.06mArp=1677Ωgm=2216μSμ=3.7V/VEf=6.3V、If=1.00AEp=270VEg=-49.7VIp=33.07mArp=1709Ωgm=2180μSμ=3.7V/Vどちらも大変良好な結果でした。測定結果の数値がUNITEDのVT52に大変似通っております。構造といい測定結果といい、製造は同じと考えてよさそうです。そしてこの球はmintコンディションと言ってもよさそうです。
Nov 19, 2023
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