世界の片隅で小さな声で申し訳なさそうに「スティール!」と叫ぶ!

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Aug 5, 2023
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カテゴリ: 真空管
RAYTHEONのER52という真空管を紹介します。

カーラジオの出力管として使われていたようです。

Radiomuseumの「ER52」 で紹介されています。
Frankさんの規格表書庫にはありませんでした。

とにかく情報がありません。4極菅のようです、
謎球です。

譲って頂いた方から規格を聞いたところ、
6.3V 0.3A
Ep=110V

Ip43mA
RL=2kΩ
Po=1.4W
μ=5.2V/V
とのこと。A2級(※)動作です。
1.4Wは規格上そうであって、実際は1W以下かな。

プレート損失は不明ですが、110Vで43mA動作が出来るということは、最大5Wと考えても良さそうです。とりあえずそう仮定します。(三結でIg2の損失も足されますので大丈夫かと)

226や227程度の小さなバルブに電極がキッチリ入っていますので、プレートが大きく感じますが、実際はそれほど大きくないです。。



フィラメントは2点吊り。

6.3V0.3Aなので、12Aや71Aよりフィラメント電力が大きいですね。



etracerで三結特性を測定します。


少し無理を掛けた150Vで28mAあたりを見てみましょう。

【1本目】

Ef=5.8V, If=0.28A
Ep=150V
Eg1=-12.3

Ig2=3.62mA
rp=1757Ω
gm=2810Ω
μ=4.9V/V

【2本目】

Ef=5.8V, If=0.28A
Ep=150V
Eg1=-11.3
Ip+Ig2=28.01A
Ig2=3.58mA
rp=1998Ω
gm=2540Ω
μ=5.1V/V

マイナス領域だけで使うなら0.2W以下です。
一寸危ない考えですが、
そもそも構造的に180Vはいけそうという前提で考えれば、そういう動作をさせると0.3Wは余裕で出ます。
寿命的に問題ありかもしれませんが、誰もこの球のそういう使い方での寿命測定(Ipとgmの経時変化ロギング)をしているわけでもなく。

因みにEp150Vで少しだけポジティブ領域にはみ出るくらいなら0.5Wが容易に得られます。
ただ、そこまで複雑に作るだけの価値があるかといえば...微妙です。



※A2級という呼称について、「A2級という呼称は存在しない」と書かれているブログを発見しました。(その文体から大変気難しい印象でしたのでリンクは貼りません)
確かに最近になっての事かもしれませんが、海外でもClass-A2という呼称は使われているようですので、私たちオーディオ素人は動作がイメージしやすい「A2級」という呼称を使ってよい気もしますが、如何でしょうか...。





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Last updated  Aug 5, 2023 12:26:16 PM
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Re:ER52という真空管(08/05)  
D404F203 さん
A2級動作という表現は正しいように思います。

以下は私がこれまで学んだことです。
基本的な級の種類
A級 プレート電流が動作時にカットオフしない
AB級 プレート電流が動作時に一時的にカットオフする
B級 プレート電流が動作時にほぼ半サイクルカットオフする
C級 プレート電流が動作時に半サイクル以上カットオフする
アルファベットの次の1と2の数字(A級及びAB級に適用)
1 グリッドをプラス領域までスイングしない
2 グリッドをプラス領域までスイングする (Sep 12, 2023 02:13:10 PM)

Re[1]:ER52という真空管(08/05)  
D404F203さん

A2級の呼称は動作がわかりやすいですよね。
ちょっと安心しました。 (^^; (Sep 12, 2023 07:07:36 PM)

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真空管の達人 @ Re:KELLOGGの401という真空管(01/01) 久しぶりに来たのですが、真空管博物館の…
D404F203@ Re[2]:RAYTHEONの38110Aという真空管(12/08) イィヴィ平野さんへ Radiomuseumは誤りが…
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