inti-solのブログ

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2009.05.23
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テーマ: 戦争反対(1197)
カテゴリ: 戦争と平和
何となくヤフーニュースのコメント欄を見ていたら、 こんな記事 が目に入ってきました。

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米国人の友人と食事をした際、一つの質問を受けた。
「中国人はずっと、日本人は南京大虐殺で中国人を大量に殺害したと言っている。この大虐殺は2―3カ月もの間続いたと言っているが、その間中国の軍人はどこにいたのか?2カ月も続いていたとすれば、どこにいても駆けつけることができたはずだ。日本軍人はわずかに5000人だったそうだが、中国軍はなぜ南京の市民を守らなかったのか?」
以上が、米国人の友人から受けた質問だ。私はこの質問を聞いて唖然としてしまった。私はこれまでこのような問題について考えたことが無かったし、私の周りの人間も考えたことが無かっただろう。
米国人の友人は私に「当時、共産党や国民党は一体何をしていたのか?」と尋ねてきたが、外国人たちは、これについて、「彼らは旨いものを食っていたに違いない」と言っていた。私はこれに対して、それはあまりにも誇張された考え方だと反論したが、確かに良い質問だと感じ、帰って調べ、後でメールすると答えた。
資料を調べて分かったのは、当時南京に侵攻した日本軍は5000人ではなく6万人であったことと、南京にいたのは多くの売国奴であったということだった。友人からの質問は私を大いに混乱させることとなった。また、私はGoogleで検索したのだが、何の資料も見つけることができなかった。当時、中国軍が何処で何をしていたのか、一切の記述が無いのである。私は友人に対してどのように答えれば良いのだろうか?
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そういう意味で、ほんとうにみっともないのは、この記事にコメントを付けているネットウヨクの馬鹿連中です。南京大虐殺の事実を「知らない」のではなく、「知ろうとしない」のですから。まあ、「新風」あたりのシンパ連中が組織的にコメントしたり「そう思う」をクリックしたりしているのでしょう。

私のホームページに南京大虐殺の経過をまとめています が、ごく簡単に、この中国人の疑問に答えるとすれば、
中国軍(国民党軍)はその時南京にいた。そして、侵攻してくる日本軍と戦い、敗北して、一部は脱出に成功したが、大部分は包囲されて殲滅、捕虜となった兵士のほとんどが虐殺された、というのが真相です。南京に(中国側にとっての)「売国奴」が一人もいなかったとは断定できませんが、「南京にいたのは多くの売国奴であった」というこの中国人の表現は、まったく妥当性を欠くと思われます。
ちなみに、南京防衛戦に参加した中国軍は
首都保衛軍 第88師・第36師・首都衛戍軍教導総隊(憲兵2個団)
増援部隊 第41師・第48師・第159師・第160師・第87師・第51師・第58師・第154師・第156師・第103師・第112師
合計13個師と憲兵2個団という大兵力です。中国軍の「師」「旅」「連」は、日本語の「師団」「旅団」「連隊」に対応しますが、当時の中国軍の師は、日本の師団より小規模で、兵力8000人程度でした。それでも13個師の総兵力は10万人を下回ることはなかったと思われます。
ただし、中国軍の大部分は、南京戦に先立つ第二次上海事変で日本軍と激戦を戦い、大きな損害を受けて南京まで後退してきた部隊です。その間、補充といえば進路上の農村から農民をかり集めてきて、銃を持たせて数日間訓練をしただけ。つまり実際の戦闘力は第二次上海事変とは比較にならないくらい低下していました。
共産党軍(第八路軍と新四軍)は、南京にはいませんでした。第二次国共合作が成立したのは、この年の初めのことであり、それまで国民党と敵対していた共産党は、国民党の首都南京には近づけなかったからです。

一方、侵攻した日本軍はというと、
上海派遣軍 第9師団・第16師団・第13師団※・第3師団※・第11師団※※・第101師団※※

合計10個師団の大兵力です。当時の日本軍の1個師団は定数2万2千人、実数はもっと多かったと言われているので、総兵力は少なくとも20万人以上に達することは確実です。ただし、※印の師団は各1個連隊しか南京市街地攻略には参加しておらず、※※印の部隊は後方警備のため南京市街地には入っていません。それを差し引いても、4個師団+3個連隊、10万人以上が南京市街地に攻め込んでいます。(記事の中国人が言う「6万人」は少なすぎます)
兵力の頭数では、中国軍と互角か、ひょっとすると中国軍の方が多かったかも知れませんが、実際の戦闘力では、中国軍より遙かに強力だったことはいうまでもありません。

で、こんな歴然たる事実にたいして、「南京に日本軍が6万人も攻め込むなんてあり得ない」みたいな(確かに6万人はあり得ないです、事実は10万人以上だから)コメントを付けて、しかもそれに「そう思う」をクリックするバカが何百人もいるんだから、驚きです。

南京城内だけで30万人が虐殺された、という中国側の公式見解は、いささか過大なものがあると思いますが、日本軍が南京攻略戦の途上および南京占領後に、捕虜や一般市民の大量虐殺を行ったという事実そのものは、疑いの余地などまったくない、明白な事実です。(犠牲者の数は、諸説ありますが、私の推測ではおおむね10万人±5万人くらいではないかと思います)
明白な事実を、こじつけで否定するほどみっともない話はありません。





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最終更新日  2009.05.23 11:27:59
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