inti-solのブログ

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2009.07.01
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テーマ: ニュース(95880)
http://www.asahi.com/international/update/0629/TKY200906290091.html



中米ホンジュラスからの報道によると、ホンジュラス国会は28日、同日朝に軍によって拘束され国外追放されたセラヤ大統領を解任し、ロベルト・ミチェレッティ国会議長を暫定大統領に任命した。
国会で同日、セラヤ氏が書いたとされる辞表が読み上げられ、ミチェレッティ氏が大統領の就任宣誓を行った。ミチェレッティ氏は記者会見で29日までの2日間について夜間外出禁止令を発したことを明らかにした。一方、セラヤ氏は追放先のコスタリカで28日、「辞表は偽物だ。今も自分が大統領だ」と述べた。
AP通信によると、首都テグシガルパの大統領官邸周辺にはセラヤ氏の復帰を求めて約100人の市民が集まり、兵士に向かって「裏切り者」と叫ぶなどしている。
ホンジュラス最高裁は28日、「今日の出来事は、裁判所の命令に沿ったものだ」と述べ、セラヤ氏排除を最高裁が命令していたことを明らかにした。
任期満了に伴う大統領選を11月に控えたセラヤ大統領は、再選を禁じた憲法を改正しようと、制憲議会招集の是非を国民にはかる国民投票を計画。憲法には「大統領の任期に関する規定は改正できない」との決まりがあり、最高裁は国民投票は違憲と判断したが、セラヤ氏は強行する考えを変えず、28日が投票日だった。最高裁は憲法違反の行動を起こさせないため非常手段を取ったことになる。
セラヤ氏は06年1月の就任以来、反米左派を掲げるベネズエラのチャベス大統領ら左派勢力と関係を深めてきた。チャベス大統領も今年2月、3選禁止を撤廃する憲法改正を国民投票で通しており、ホンジュラス国民の多くは、セラヤ大統領の動きを「チャビスモ」(チャベス流)と呼んで嫌っていた。軍にも、違法な国民投票を阻止するための武力行使なら国民の理解が得られるという計算があったとみられる。

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http://www.asahi.com/international/update/0701/TKY200907010264.html


追放のホンジュラス大統領に逮捕状 2日に帰国の意向


首都テグシガルパや第2の都市サンペドロスラでは30日、セラヤ氏追放を支持する市民が国旗を手にデモ行進した。ホンジュラスの新聞は、セラヤ派の市民との間で小競り合いが起きたと伝えている。
同日、記者会見した検事総長によると、逮捕容疑は国家反逆や権力乱用など。憲法が禁止している大統領任期の延長を画策したことが容疑事実に含まれているとみられる。有罪になれば最短で20年の禁固刑に相当するという。「新大統領」を名乗るミチェレッティ氏も「帰国すれば逮捕状を持って迎える」と警告した。
一方のセラヤ氏は、帰国強行の意思を変えていない。30日にはニューヨークの国連総会に現職大統領として出席、「私はパジャマ姿のまま自宅で銃を突きつけられ、車に押し込まれ、飛行機でそのまま国外に連れ出された。これは許されない違法行為だ」などと力説した。セラヤ氏に近いニカラグアが議長国を務める国連総会は「セラヤ政権を唯一のホンジュラス政府と認める」とする決議を採択し、セラヤ氏を後押しした。
「新政権」は国際社会の批判をかわすのに懸命だ。ミチェレッティ氏に「新外相」に任命されたオルテス氏はCNNスペイン語放送で「セラヤ氏はコロンビアから米国へのコカイン密輸に関与していた」と主張。中南米からの麻薬流入に神経質になっている米国にセラヤ氏追放の正当性を訴える狙いなのは明らかだ。
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クーデターで追放されたセラヤ大統領は、ホンジュラスのに大政党の一つ、自由党の出身で、2006年1月に大統領に就任しています。もともとは右派の政治家でしたが、大統領に当選以降急激に左傾化し、従来の支持者や与党内で反発を呼んでいたようです。
なぜそうなったのか。もともとホンジュラスはラテンアメリカでも随一の親米国でした。ニカラグアがサンディニスタ政権対コントラ(親米右翼ゲリラ)の激しい内戦に揺れていた頃、コントラはホンジュラスに拠点をもっていて、そこからニカラグアに出撃していたのです。
ところが、東西冷戦が終わり、一時期ラテンアメリカ中が新自由主義に染められ、各国が「親米競争」に狂奔し始めると、相対的にホンジュラスの米国にとっての重要性が低下しました。ホンジュラスにとって、「親米である」ことのメリットが減少したのです。その後、新自由主義の破綻からラテンアメリカに左翼政権が増えてくると、むしろ左翼政権の国々と親密になった方がメリットが大きくなってきたのです。
何しろ、ラテンアメリカ左翼の新たなリーダー、ウーゴ・チャベスのベネズエラには豊富な石油があります。
一方で、東西冷戦の終結は、ラテンアメリカの右翼・左翼の区別を曖昧なものにしました。ニカラグアでは、サンディニスタのダニエル・オルテガが16年ぶりに政権に返り咲きましたが、副大統領に据えたのは、元コントラの司令官の一人ハイメ・モラレスでした。ニカラグアの左翼が、政権奪還のためならそこまで節を曲げるくらいですから、ホンジュラスの右翼が、自国の生き残りのために左旋回を遂げたって不思議でも何でもないわけです。

そういう意味で、セラヤ大統領の左旋回は、政治的信念というより、自国の生き残りを賭けて「勝ち馬に付いた」結果なのかも知れません。ただ、従来の支持者や与党からは裏切り者とみなされて孤立していたようです。その挙げ句、軍、議会多数派、最高裁判所などがグルになってクーデターを起こして追放した、というわけです。





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最終更新日  2009.07.01 22:53:17
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無礼な書き込み申し訳ございませんでした。  
ミント畑  さん
私の無礼な発言に丁寧に御答頂き感謝です。実は重武装を容認する書き込みをした事を激しく後悔しております。お恥ずかしい話なのですが・・・最近右派な男性と知り合いまして、その男性が大変ロジカルに右派主張をするので影響されてしまっておりました。しかしその後その男性が詐欺を生業にしている者だと発覚(自称WEB製作業者で、料金を分割払いにさせて前金を振り込ませたら、後はわざとトラブルを起こして作成を中止、お金は返さないという詐欺です、怖っ)、影響を受けてしまっていた自分が恥ずかしいです。今になってその者の右派主張を振り返ってみると、犯罪行為をロジカルに正当化して黒を白に変えてしまうという物だったと気づきました。私はバルトローメ・デ・ラスカサスを尊敬しており、フワン・ヒネース・デ・セプールベダのような悪を正当化する者を嫌っていた筈なのに・・・本当に未熟でした。自分の発言には責任を持つべきですが、過去の重武装容認発言は削除して頂けたら幸いなのです・・・色々愚かな発言申し訳ございませんでした(泣)。 (2009.07.30 01:26:22)

Re:無礼な書き込み申し訳ございませんでした。(07/01)  
inti-sol  さん
ミント畑さん

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