inti-solのブログ

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2011.04.15
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カテゴリ: 災害
「原発推進は決して間違いではない」 与謝野経財相

与謝野氏は日本原子力発電出身で、通産相などとして原発を推進してきた。原発の安全性について「言い訳がましいことは言いたくないが、最良の知見、最善の知識、最良の技術でベストなものをその当時は作ったと確信をしていた」と説明。「原発を推進してきた立場として今回の事故に謝罪をするつもりはないか」という記者の質問に対し、「ないです」と述べた。
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「最良の知見、最善の知識、最良の技術でベストなものをその当時は作ったと確信をしていた」という言葉にウソはないとは思いますが、しょせん人間の知見、知識、技術は限られたものであり、大自然の猛威に対抗できるようなものではありません。何度も書いていますが、人間のつくるものに「絶対壊れないもの」なんてありません。そうである以上、「絶対に壊れてはならないもの」など作ってはいけないと私は思うのです。

こう書くと、必ずこのような反論をする者がいます。「飛行機だって墜落すれば死ぬ、車だって事故で死ぬ、では飛行機や車は追放すべきなのか」と。
このような主張は、いくつかの意味で詭弁があります。
一番大きな違いは、事故が起きた場合の被害規模が桁違いである、という点です。昨日の記事に書いたように、今回の事故による東電の賠償額は、10兆円とも言われています。これまで最悪の飛行機事故( テネリフェ空港ジャンボ衝突事故 、単機では日航機御巣鷹山墜落事故)でも、賠償額がそんなその1/100の規模にすらなったことはないでしょう。
また、事故によって原発周辺の地域が数十年にわたり人の住めない地域になる、そまり故郷を追われる人が相当数出てくるという点も飛行機や車の事故とは違います。一つの地域の人間の営みが、丸ごと消去されてしまうというのは、ある意味では死ぬこと以上の恐怖かも知れません。


「日本経済にとって、電力供給にとって、原子力発電は大事だ」なのだそうですが、折も折、今日は以下のような記事も出ています。

東電、7月までに5200万kw確保へ 節電目標縮小も
東京電力は15日、東日本大震災で落ち込んだ電力供給力を7月末までに最大5200万キロワットまで増やせるとの見通しを発表した。これで東電が見込む夏場の電力不足は、従来の850万キロワットから300万キロワットに減り、海江田万里経済産業相は同日、今夏に企業や家庭に求める節電目標幅の縮小を検討することを明らかにした。(中略)
これを受け、海江田氏は「来週末に東電が供給力のさらなる積み増しの精査をする。出てきた数字を見て、抑制幅の見直しを考えたい」と表明。政府は最大消費電力の削減目標を大口需要家は前年比25%減、小口需要家が20%減などとする方針を示してきたが、4月末にまとめる総合的な電力需給策では、より少ない削減目標を盛り込む可能性を示したものだ。
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今の段階で節電目標幅を縮小するのはどうかと思います。計画停電は不便です。停電回避のために最大限の努力をするのは当然のことですが、節電はそれほど不便とは思いません。地下鉄駅の構内が暗かったりスーパーの店内や陳列ケースが暗いと、具体的に実害が何かあるかというと、特にないですから。我が家も相当に節電しています。今後の供給力がどうあれ、この節電は続けていこうと思っています。(電気代が安くなるという恩恵もありますからね)

それはともかく、地震で、あるいはそれ以前から停止している原発で、震災後に運転を再開したものは一つもありません。しかし東電の電気の供給力はどんどん回復しており、必至と見られていた夏場の計画停電も、原則的に実施しないことを目指すという方針が東電から発表されています。
つまり、現在稼働中の柏崎原発の4基を除き、原発なしでも何とか電力供給が出来そうだ、ということです。実のところ、東京電力の管内で夏場にすべての原発が止まったことだってあったのです。2003年のことです。そのときは、計画停電は行われていません。もちろん、その当時は地震の被害があったわけではないので、火力発電所はすべて動いていた点が現在とは違いますけれど、逆に言えば火力発電所を復旧させれば、電気の供給は何とかなるということです。





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最終更新日  2011.04.16 00:40:13
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