inti-solのブログ

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2012.02.13
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カテゴリ: 災害
原発5基、予測超す劣化…運転延長基準に影響も

炉が予測より早く脆くなっている可能性がある。予測値のズレは圧力容器の劣化の正確な把握が困難であることを意味するだけに、古い炉の運転延長に向けた国の基準作りなどに影響を与えそうだ。
原発を持つ電力会社10社に関連温度などをアンケートで尋ね、取材で補足した。
鋼鉄製の圧力容器は、原発の最重要機器だが、中性子を浴びて次第に脆くなる。関連温度が高いほど、衝撃に対する強度は低い。関連温度は対象に衝撃を与えて破壊する実験で推定するため、圧力容器本体での測定はできない。電力各社は容器と同じ材質の試験片を炉内に置き、数年~十数年おきに取り出し実験している。

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鋼鉄は、通常は強い圧力をかけても変形するだけで、割れることはありません。しかし、ある温度以下になると強度が低下し、簡単に割れてしまいます。この、強度が低下して割れやすくなる温度が「脆性遷移温度」です。その温度は、通常はマイナス何十度という数字です。それが、脆くなってくると、だんだんこの温度が上昇してくる。
比較的著名な例はタイタニック号の沈没です。タイタニック号の舷側は、あまり質のよくない鋼鉄が使われており、脆性遷移温度が27度だったと言われています。そのため、冷たい海水の中で強度が著しく低下しており、氷山との衝突で舷側が簡単に破れてしまったのです。

もちろん、脆性遷移温度が上がったからといって、通常の稼働で直ちに原子炉がぶっ壊れる危険があるわけではありません。問題になるのは緊急時です。緊急冷却の際に、原子炉内の温度が急に下がると、圧力容器がぶっ壊れる可能性がある。
たとえて言えば、非常ブレーキをかけるとモーターが爆発するかもしれない新幹線のようなものです。通常の運転では、非常ブレーキなどかけることはないから、確かに直ちに危険ではありません。非常ブレーキさえかけなければ問題ないんです。
と、言われて、そのような新幹線に問題がないと、そのまま運行し続けて差し支えないと言えるでしょうか。私は言えないと思いますね。少なくとも鉄道や飛行機で緊急用の保安装置がぶっ壊れています、でも通常使用には差し支えありませんのでこのまま運行します、なんとことはあり得ないでしょう。

この記事には、予測を超す劣化が進んでいる5基の原発の具体名は記載されていませんが、そのうちの1基は九州電力の玄海原発1号機であることは、以前から報じられていますし、私も 記事に書いた ことがあります。
他の4基はどこでしょうか。おそらく、比較的老朽化した原発だと思われます。玄海原発1号機は、運転開始から36年経過しています。






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最終更新日  2012.02.14 00:40:24
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