inti-solのブログ

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2012.03.06
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テーマ: 戦争反対(1197)
カテゴリ: 戦争と平和
河村氏、発言撤回を否定…政府見解「僕と同じ」
南京事件に関する発言を巡り、名古屋市の河村たかし市長は5日、2月議会の本会議で、「非戦闘員の殺害や略奪行為があったことは否定できない」とする政府見解について、「僕の言っていることとほとんど同じだ」との見解を示した。
その上で、改めて発言の撤回を否定した。共産党市議の質問に答えた。
さらに市議が「政府見解に同意するか」と質問すると、「政府見解には30万人虐殺のところは入っていない。同じ趣旨ではないかと思うが分からない」とした。
政府は「被害者の具体的な人数については諸説あり、正しい数を認定するのは困難」としている。

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はっきり言って、政府見解と河村発言は、まったく違います。
南京大虐殺に関する政府見解は、 外務省ホームページに掲載 されています。

「南京大虐殺」に対して、日本政府はどのように考えていますか。
1.日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、多くの非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。
2.しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています。
3.日本は、過去の一時期、植民地支配と侵略により、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたことを率直に認識し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを常に心に刻みつつ、戦争を二度と繰り返さず、平和国家としての道を歩んでいく決意です。


一方、河村発言はこうです。

「通常の戦闘行為はあって残念だが、南京事件というのはなかったのではないか」旧日本兵だった父親が南京で45年の終戦を迎え「温かいもてなしを受けた」「8年の間にもしそんなことがあったら、南京の人がなんでそんなに日本の軍隊に優しくしてくれたのか理解できない」( 毎日新聞 )

「通常の戦闘行為はあったが、南京事件はなかったのではないか」終戦時に父親が南京市にいたことを挙げて「事件から8年しかたってないのに、南京の人は日本の軍隊に優しくしていたのはなぜか」( 共同通信 )

「戦闘行為があって多くの方は亡くなったが、いわゆる虐殺はなかった」「亡くなった父が1945年の終戦時に南京にいた時、地元住人にやさしくしてもらった。虐殺のようなことがあれば、対応が違っていたはず」( 読売新聞 )

「通常の戦闘行為はあったが、南京事件はなかったと思っている」終戦時に父親が南京市にいたことを挙げて「事件から8年しかたってないのに、南京の人は父に優しくしていただいた」( 産経新聞 )


各紙微妙に表現は違いますが、大筋は同じです。この河村発言と、前述の政府見解を見比べて、「ほとんど同じ」って、どういう神経でそういう台詞が吐けるのかと私は思います。確かに、政府見解の言うとおり、南京事件の犠牲者数については諸説ある。一方、河村は人数がどうこうなんてことは、この段階では言っていないのです。単に「南京事件はなかった」(読売のみ「虐殺はなかった」と表記)としか言っていないのですから、人数の大小という問題ではなく、虐殺はまったくなかったのだという主張にしか見えません。それが、火が燃え上がった今になって、取って付けたように「30万人ではない」と、人数の問題にすり替えようとしているのです。でも、おかしいですよね。30万人が1万人だったとしたら、「亡くなった父が1945年の終戦時に南京にいた時、地元住人にやさしくしてもらった」のが不自然ではなくなるのですか?

それに、「人数は分からないが虐殺があったことは事実でお詫びします」というのと、「人数は分からないが中国の言っていることは水増しだ、でたらめだ」というのは、話の内容として「ほとんど同じ」ではないことは明らかでしょう。
たとえば、東日本大震災について、「2万人もの犠牲者を出した」と言うのと、「2万人しか犠牲者がでなかった」というのは、決して同じではありません。政治家が、後者のような発言をしたら(もちろん文脈にもよりますが)批判を浴びるでしょう。その差が分からないとしたら、政治家として、言葉というものに対する感覚が摩滅しきっていると言うしかありません。まあ、実際は分からないフリをして言い逃れようとしているだけでしょうが。





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最終更新日  2012.03.07 00:10:07
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