inti-solのブログ

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2012.03.18
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テーマ: 戦争反対(1197)
カテゴリ: 戦争と平和
北ミサイル飛来なら、MD迎撃発令へ…政府検討

ただ、発射の可能性は高いと見ており、日本に向けて飛来した場合はミサイル防衛(MD)システムで迎撃するため、自衛隊法に基づく「破壊措置命令」を自衛隊に発令する方向で検討に入った。
玄葉外相は16日夕、外務省で記者団に米国、韓国、中国と協議を行ったことを明らかにし、「(自制を求める)基本的な認識を共有している」と強調した。
日本政府では、北朝鮮が米国とウラン濃縮活動や長距離ミサイル発射の停止などで2月に合意したことから、当面挑発的な行動はないとの見方が強かったため、「このタイミングはサプライズだった」(政府関係者)との声が出ている。

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相変わらず北朝鮮は無謀なことばかりやっているようです。北朝鮮自身は「人工衛星」だと主張しているようですが(過去の例もすべて同じ)、実際のところミサイルとロケットには技術的な差はなにもありません。米国も旧ソ連も、初期の衛星打ち上げロケットはみんな大陸間弾道ミサイルの転用です。従って、弾頭に殺傷兵器が装着されていればミサイルですが、そうでない場合は、発射国がそれを「衛星打ち上げロケット」だと言えばロケットであり、「ミサイルだ」と言えばミサイルだということになります。
北朝鮮の場合は、「衛星打ち上げロケットだ」と主張しているけど、各国はミサイルだと見なしています。中国とロシアも、実質的にはそうだと考えているのでしょう。
実際のところ、成功するかどうか分からない発射実験に、殺傷力のある実弾を装備するはずはありません。
成功するかどうか分からない打ち上げでは、どこにロケットが落ちてくるか分からないという問題がありますが、確率の問題として言えば、人間に危害が及ぶようなところに落下してくる可能性はかなり低いと思います。もちろん、ゼロではないけど。

それに対して、日本政府はミサイル防衛システムで迎撃態勢を整えるそうです。前回2009年の発射の時もそうでした。しかし、対空ミサイルの展開は、実効的な意味はほとんどありません。パトリオットミサイルの防御範囲は、半径35kmほどとされていますから、ロケットが通過するかも知れない範囲の、ごく一部しかカバーすることはできませんし、MDシステムの能力にはかなりの疑問符があります。米国が行ったミサイル迎撃実験は、当初は失敗ばかりで、最近はある程度成功率が上がっているものの、その内実はかなりの「やらせ実験」です。

もっとも、日本上空を飛びすぎていくロケットをわざわざ迎撃して、日本に墜落させるようなことはしない方がいいでしょう。ま、いくら何でも政府も自衛隊もそんな馬鹿なことはしないと思いますが。

それにしても、打ち上げるのがミサイルにしてもロケットにしても、国民に少なくない部分が飢餓線上にあるといわれる国で、そんなことにお金をつぎ込んで体制の体面を維持するというのは、何とも言いようがありません。

ミサイル迎撃の難しさについては、前回2009年4月に北朝鮮がロケット(あるいはミサイル)発射実験を行った際に、記事を書いたことがあります。
北朝鮮の人工衛星撃墜問題





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最終更新日  2012.03.18 23:47:08
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