inti-solのブログ

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2012.05.22
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富士山頂で身動き取れず=金環食見たさのドイツ男性―静岡
21日午前10時ごろ、金環日食を見るため富士山に登ったドイツ人男性(40)が山頂で動けなくなったと、男性の妻から静岡県警富士宮署に通報があった。命に別条ないが、寒さと疲れで下山が困難という。
山岳救助隊員らが救出に向かったが、強風で8合目付近から上に進めず、同日は中断。22日早朝から救助活動を再開する。男性はテントの中におり、電話連絡も取れているという。
富士山は現在、冬季閉鎖中で5合目から上への登山は禁止されている。同署などは20日、5合目付近にいる観光客らに、日食観察の目的で入山しないよう呼びかけていた。

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日食見物のドイツ人男性、富士山頂で動けず
21日午前10時頃、金環日食を見ようと富士山に入った三重県四日市市のドイツ人男性(40)が山頂で動けなくなっていると、男性の妻から静岡県警富士宮署に連絡があった。
県警山岳遭難救助隊が救助に向かったが、強風などのため捜索を中断。22日早朝から再開する予定。
富士山は7月1日の山開きまで、5合目より上の登山が原則禁じられている。
発表によると、男性は19日午後2時頃に富士宮口5合目を出発し、テントで1泊して登頂。山頂で日食を待っていて、寒さと疲れで自力下山できなくなったという。21日午後4時半頃、妻に携帯電話で「元気、食べ物もある」と話したという。

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遭難自体については後述するとして、富士山の5合目から上の冬季登山が禁止と書かれていますが、私はまったく初耳なんですが、これって事実なのでしょうか。
冬の富士山といえば冬山としても難易度の高い山ではありますが、それでも登る人は少なからずいます。山岳部や山岳会の雪上訓練のメッカでもあります。滑落停止訓練をやっていて、止まりきれずに本物の滑落になってしまったような話も耳にしたことがあります。近年では元F1レーサーの片山右京が冬の富士山で遭難し、同行者2人が亡くなったことが記憶に新しいところです。
彼らはみんな登山禁止を破って富士山に登った、ということなのでしょうか。

まあ、そんなことはないと思います。
静岡県警の冬山情報のページ があります。
富士山については

冬の富士山は気象条件が厳しく、氷点下30度の気温、風速30mの強風も希ではありません。単独峰のため、突風による転倒事故が多く、厳寒期の8合目以上では青氷状態でアイゼンが効かないことがあります。毎年アイスバーンでの滑落事故が発生しており、ピッケルやアイゼンなどの冬山装備を使い確実な滑落停止や耐風姿勢の取ることができる高度な登山技術が必要です。
アクセス道路の「富士山スカイラインから富士宮5合目に至る区間」並びに「御殿場口登山区間」及び「須走口のあざみライン馬返しから須走口5合目まで」は、積雪する11月下旬から4月下旬まで通行止めとなります。通行止め期間は、気象条件等により変更となる場合があります。
スキーやスノーボードでの滑降は急傾斜面が多く、露出した岩場も多く見受けられることから、大変危険です。毎年転倒により生命にも危険が及ぶ大きな事故が発生しており、極めて危険です。
宝永第一火口内は、上部からの崩壊があり、落石を受ける可能性が高いので、奥へ立ち入らないようにしてください。
単独峰のために一定方向ではない強い突風が吹きます。平成21年12月には突風でテントが飛ばされ、2人が死亡しています。
※引用者注 これって片山右京の遭難のことを差しているようです



実際のところ、厳冬期の富士山は、気温はマイナス20度以下、「体が宙に浮く」とも言われる猛烈な風と、全面アイスバーンのカチンカチンの氷で、かなり困難な山ですが、今の時期はさすがに気温も上がり雪もゆるんでいるので、そこまで危険な状況ではないと思われます。(とはいえ、昨日の山頂は最高気温-4.7度、最低気温-10.3度で、まだまだ寒さは厳しい)厳冬期の富士山には私はとても登れませんが、今の時期なら、冬山装備なら登れないことはないだろうと思います。

遭難騒ぎになったドイツ人は、その後の報道によると、幸い無事救助されたようです。ただ、 別の報道による とアイゼンもピッケルも持っていなかったようで、それが誤報でないなら、いくら何でも無謀登山というものです。もっとも、逆に言えば今の時期ならアイゼン・ピッケルがなくても山頂までたどり着けるということでもあります。厳冬期だったら、登りとはいえ絶対途中で滑落している。しかし、下りのことを考えなかったのは、失敗ですねえ。せめてピッケルだけでもあれば、シリセードで下ることのできたでしょうが。

検索したら、YouTubeに富士山をシリセードで下る動画がありました。



私が穂高のザイテングラードを下りたときより、はるかにスピードが出ている感じです。斜度はザイテングラードの方がきつそうな気がするけど。もちろん、厳冬期にこんなことは不可能です。(雪の硬さが違うので、そのまま止まれずに滑落死する)





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最終更新日  2012.05.22 22:14:56
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