inti-solのブログ

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2012.07.21
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カテゴリ: 災害
線量計に鉛板、東電下請けが指示 原発作業で被曝偽装
東京電力が発注した福島第一原発の復旧工事で、下請け会社の役員が昨年12月、厚さ数ミリの鉛のカバーで放射線の線量計を覆うよう作業員に指示していたことがわかった。法令で上限が決まっている作業員の被曝(ひばく)線量を少なく見せかける偽装工作とみられる。朝日新聞の取材に、複数の作業員が鉛カバーを装着して作業したことを認めた。役員は指示したことも装着したことも否定している。厚生労働省は、労働安全衛生法に違反する疑いがあるとして調査を始めた。
朝日新聞は、福島県の中堅建設会社である下請け会社「ビルドアップ」の役員(54)が偽装工作したことを示す録音記録を入手した。昨年12月2日夜、作業員の宿舎だった福島県いわき市の旅館で、役員とのやりとりを作業員が携帯電話で録音していた。
役員はその前日、作業チーム約10人に対し、胸ポケットに入るほどの大きさの線量計「APD」を鉛カバーで覆うよう指示した。だが3人が拒んだため、2日夜に会社側3人と話し合いがもたれた。役員は録音内容を否定するが、この場にいた複数の作業員が事実関係を認めている。

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これが、この下請け会社だけの問題なのか、他にも同様の例があるのかは、私には分かりません。しかし、鉛板という面倒な手段ではなく、もっと単純に線量計を付けないで作業するというやり方がまかり通っていることは歴然たる事実です。しかも、驚くべきことに、昨年7月には、当時の経産大臣海江田万里が、「線量計を付けずに作業するのは日本人の誇りだ」などと公言しているのです。大臣がが率先して「作業員の被曝量をごまかせ」と言ったにも等しいのですから、そりゃこういうことをやろうとする会社が出てくるのも当然の話です。

「私も、被ばくした」――蓮池透が語る、原発労働の実態
私は福島第1原発に、計7年ほどいた。そして、被ばくもした。通算で90~100ミリシーベルトほど、あびている。もう私の命もあまり長くはないかもしれない。
現場では放射線量をたくさんあびた人間は「女の子しか生まれない」という噂がある。私も子どもが3人いるが、全員女の子。もちろん噂話のレベルだが、このほかこんな実話がある。作業員は放射線の異常を知らせるアラームメーターが鳴ると仕事ができなくなる。なのでアラームメーターを外に置いて作業していた。昔は頻繁に、こうしたことが行われていた。


つまり、原発の現場で働いている作業員の被曝量として発表されている数値は、まったく信憑性がない、ということです。
先日の記事に書いた、将来のエネルギー政策に関する意見聴取会で、中部電力の課長氏は福島第一原発事故で「放射能でなくなった人はいない」と発言したそうです。報道されている限りでは、原発事故の復旧作業現場ではすでに6人の死者が出ていますが、確かに、いずれも被曝が原因の死亡ではない、ということになっています。しかし、発表されている被曝線量に信憑性がないのでは、本当に死因が被曝ではないのかどうかは分からないというしかありません。
さらに言えば、被曝による確率的影響(長期的影響)は、1年程度の短い期間では出ない可能性が高いので、「現時点までに」放射能で亡くなった人がいないのが仮に事実だとしても、将来にわたって放射能で亡くなる人がいないと断定することなど不可能なのです。
さらに言えば、直接の被曝による死者はいなくても、被曝の影響から逃れる過程での死者(避難所での死亡)は大勢出ています。

事故から1年3ヶ月経った先月の時点でも、原子炉建屋内の最高放射線量は毎時10シーベルト以上に達しているたと報道されています。20分弱で半数死亡、40分あまりで全員が死亡する放射線量です。建屋内とはいえ原子炉格納容器の外側に、それほどの高濃度の放射能がまだ残っているのです。そしてそれほどの放射能と隣り合わせで作業しているにもかかわらず、線量計を外したり、鉛板で覆ったりという不正を行っているのでは、今後作業員からどれだけの死者が出るか分かったものではありません。





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最終更新日  2012.07.21 10:41:35
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