inti-solのブログ

inti-solのブログ

2012.11.18
XML
カテゴリ: 環境問題
クジラの肉、もっと食べて! 在庫ありすぎ、学校給食にも売り込む


■調査捕鯨の赤字解消めざす
調査捕鯨の鯨肉は現在、年間の消費量に匹敵する約4000トンの在庫を抱え、鯨研は累積赤字の解消を求められている。国内の鯨肉は調査捕鯨のほか、日本沿岸で小規模に捕獲される「小型沿岸捕鯨」と呼ばれる商業捕鯨の鯨肉が一部地域で流通しているが、居酒屋や学校給食のメニューとしては一般的ではない。水産庁と鯨研は、鯨肉を個人や居酒屋、学校給食に売り込むことで在庫を減らし、安定財源を得ることで調査捕鯨を継続する考えだ。今後、一般向けに鯨肉を売り込むPR活動などが始まるという。
水産庁が鯨研に委託する調査捕鯨は、鯨研が調査後に解体した鯨肉を販売し、翌年の調査経費に充てることになっている。ところが鯨研の調査捕鯨は、鯨肉の販売不振で2005年度以降、赤字傾向が続いている。鯨研は鯨肉の販路拡大で3年後の2014年度に2011年度比5%(1億4800万円)の増収を目指すほか、老朽化した調査船の省エネ化や鯨肉生産の機械化などで10億円のコスト削減も行い、3か年で3億円の黒字達成を目指す。

■販路の縮小で販売不振
日本はかつて資源調査の調査捕鯨でなく、クジラを販売目的の商業捕鯨として捕獲していた。ところが1982年、国際捕鯨委員会(IWC)が、シロナガスクジラなど絶滅が懸念される13種の大型鯨類の商業捕鯨を禁止。日本は1987年、商業捕鯨から撤退したが、鯨研が同年から南極海などで資源調査を目的に調査捕鯨を行っている。IWCは調査捕鯨を加盟国の権利として認めているほか、解体後の鯨肉の販売も認めているからだ。
鯨研の調査捕鯨の経費は年間45億~50億円かかり、鯨研が解体後の鯨肉を販売し、翌年の調査費に充てている。鯨研の鯨肉販売額は、かつて50億~60億円あったが、近年は販路の縮小に伴う販売不振で2011年度は28億円に半減。2010年度に反捕鯨団体「シーシェパード」の妨害で調査捕鯨を中断した影響で、11億3306万円の赤字に転落した。農林水産省が赤字補填と妨害対策のため、東日本大震災の2011年度復興予算に約23億円を計上し、批判を浴びたのは記憶に新しい。

■環境保護団体は「調査捕鯨」を批判
このため、鯨研は鯨肉の流通経路の縮小で入手が困難となっている居酒屋など飲食店向けに鯨肉を直販し、潜在需要を掘り起こす収支改善策をまとめた。かつて学校給食などで鯨肉を食べた一般消費者向けに高級商品を開発し、カタログ通販も行う。これまで調査捕鯨の鯨肉は流通が限られ、「和牛の中級クラス並み」と高価になったこともあり、居酒屋などでは一般的ではなかった。年間100トン程度の消費にとどまる学校給食では値下げなどで200トン程度と倍増を目指す。
水産庁と鯨研は、2012年12月にも始まる今冬の調査捕鯨から3カ年で収支を抜本的に改善することを目指す。IWCに加盟国の権利として認められている調査捕鯨だが、実際に行っているのは世界で日本だけで、環境保護団体は「擬似商業捕鯨だ」と批判している。これに対して、商業捕鯨再開を目指す日本捕鯨協会は「世界の鯨類が食べる海洋生物の量は世界の漁業生産量の3~5倍に上る。クジラを間引くことで人間が魚を利用することができる」などと反論している。

---

捕鯨に関する問題は過去に何回か取り上げたことがありますが、私は基本的に調査捕鯨反対論には与しませんし、シーシェパードなど過激な捕鯨反対派の行動も常軌を逸していると思っています。
商業捕鯨が禁止になった大きな理由は、過剰捕獲による絶滅の危険ですが、少なくとも捕鯨の対象となるミンククジラに関しては、かなり個体数が回復して、絶滅の危険があるような状態ではないと言われます。(シロナガスクジラなどは依然として絶滅の危機にあるようですが)
父が鯨肉を好きだったので、父の生前は年に1~2回程度は実家で鯨肉を食べる機会がありました。私も、鯨肉は嫌いじゃない。しかし、父の死後は、1回も鯨肉は食べていません。嫌いじゃないけど、そこいらのスーパーでは売っておらず、わざわざ探してきてというほどまで好きではないからです。

私は、タッチの差で給食に鯨肉が出た経験のない世代です。出たのに覚えていないだけかも知れませんが。相棒は、私より1学年上ですが、給食で鯨肉を食べた世代です。改めて聞いたところ、鯨肉が給食に出たのは「小学校1年まで」とのことなので、1学年下の私が給食で鯨肉を食べた記憶がないのは、時系列的に辻褄が合います。もっとも、私は東京出身ですが、相棒は他県出身です。
私の相棒は、給食の鯨肉はそんなに嫌いじゃなかったそうですが、学校給食で食べた鯨肉っていうのは「おいしくはなかった」と言う人が多いです。だからでしょうか、日本で商業捕鯨が打ち切られたのは1988年のことですが、学校給食から鯨肉が消えたのは、相棒と私の記憶が正しければそれより15年も前のことになります。
私も、給食はともかく、鯨ベーコンや鯨の大和煮缶詰などは、子どもの頃どこでも売っていたし、ごく当たり前に食べていました(「大和煮」という名称も、いまや死語かもね)。しかし、正直言って鯨ベーコンをおいしいと思った記憶はありません。どう考えたって、豚肉の本物のベーコンの方がおいしい。大和煮の缶詰なんてのは、癖が強くておいしくない肉を濃い味で誤魔化すために考案されたようなものですから、どんな肉を使ったって味は同じでしょう。
そう考えると、鯨肉が珍重されたのは日本人一般に動物性タンパク質が手に入らなかった時代に、やむを得ずという側面が強かったのではないかと思います。

もっとも、どんな肉でもおいしさには個体差があり、同じ個体でも部位による差があります。近年に食べた鯨肉を、そこそこおいしいと思ったのは、それが比較的高級肉だったからでしょうし(自分で買ったわけじゃないから、値段は知らないですけど)、学校給食の鯨肉を多くの人があまりおいしいと思わなかったのは、何でもありの安物肉だったからでしょう。


結局のところ、今の時代に鯨肉は日本人にとっての必需品ではまったくなくなっており、極小の存在意義しかなくなっている、ということです。この現実は動かしがたい。たとえば米や小麦とは重さがまるっきり違います。
であるなら、それを公費を使ってどこまで維持するのか、ということは問われるべきじゃないのかと思いますね。引用記事にもありますが、震災復興予算を調査捕鯨に流用なんて酷い話もありました。こういうのこそ、事業仕分けの対象にすればよかったのに、と思います。

なお、上記引用文の「世界の鯨類が食べる海洋生物の量は世界の漁業生産量の3~5倍に上る。クジラを間引くことで人間が魚を利用することができる」という日本捕鯨協会の「反論」は噴飯ものでしかありません。鯨類が地球上に姿を現したのは、4000万年以上前のことです。それ以来、鯨はずっと海洋の食物連鎖の中で繁栄してきたのです。人間が大規模な捕鯨を始めたのは、たかだか数百年前の話で、鯨の歴史はそれより10万倍くらい長い。「世界の鯨類が食べる海洋生物の量は世界の漁業生産量の3~5倍」というのが事実かどうかは私には分かりませんが、事実とするなら、それこそが現在の海洋における自然な生態系のあり方でしょう。それを人間が手を加えて「こうすべき」なんてのは、全知全能の神でもあるまいし、傲慢にもほどがある。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.11.18 18:27:34
コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: