inti-solのブログ

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2015.09.02
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ライチョウに新たな天敵…ニホンザルがヒナ捕食


中村さんによると、ニホンザルによる捕食の可能性は以前から指摘されていたが、研究者レベルで確認されたのは初めて。
中村さんは8月25日、北アルプス・東天井岳の山頂付近(標高約2800m)でライチョウの生息数や巣の分布を調査中、20匹以上のニホンザルの群れを発見。そのうち1匹が、近くにいたライチョウのヒナを捕まえ、食べるのを目撃した。

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十数年前から、高山帯におけるニホンジカの食害が問題になってきました。本来高山帯を住処にしていなかったニホンジカが、近年高山帯に頻繁に姿を現すようになり、高山植物を食い荒らすようになってきているのです。そのため、シカが好まないマルハダケブキとか、有毒のトリカブトなどを除いて、高山植物のお花畑が壊滅する例が、特に南アルプスで顕著になっています。いや、高山帯に限らず、神奈川県の丹沢(最高峰蛭ヶ岳でも1600mあまりに過ぎない)でも、シカの食害はかなり目立ってきています。丹沢では、樹木の皮を剥いでしまうことによる枯死、実生を食べてしまうことによって、跡継ぎの木が育たない、といった問題が生じています。紀伊半島の大台ケ原とか、北海道など各所で同様の問題が生じています。そのため、今は多くの山で鹿の侵入を防ぐフェンスが設置されています。
そうなった直接的な原因は、シカの数が増えすぎていることにあると思われます。シカがなぜ増えすぎたかというと、ニホンオオカミの絶滅による捕食圧の減少と、ハンターの減少による狩猟圧の減少が原因ではないかと思います。

で、サルの場合はどうなのでしょうか。ニホンザルによる様々な被害(主に人間との軋轢)は近年増えているように報じられています。やはり個体数が増加しているのでしょうか。そうかも知れません。そういえば、上高地(海抜1500m)にはサルがいますが、気のせいか以前より最近のほうが上高地でサルに遭遇頻度は増えたように感じます。
サルの場合は、頭が良いだけに、「そこにおいしい食べ物がある」と知ってしまうと、排除するのはシカより大変そうです。鹿避けのフェンスは、おそらく相手がサルではほとんど効果を発揮できないでしょう。そうすると、あとは駆除しかありませんが、高山帯(たいていの場合は国立公園であり、また登山者も多い)でサルでもシカでも、駆除(つまり射殺)というのは、法的にも安全面でも、また後始末の面(1頭2頭ならともかく、何十頭もの射殺体を放置しておくわけにも行かない)、そもそもハンターが減っている現状などから、どうもあまり実現性はなさそうです。

もっとも、客観的に考えると、高山帯はサルにとって、あまりおいしい場所ではなさそうに思うのですが、それでも来るのは、やはり数が増えて居場所がなくなってきたから、ということなのかもしれません。





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最終更新日  2015.09.02 22:46:46
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