inti-solのブログ

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2016.02.07
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カテゴリ: 災害
※2018年2月追記 先日の台湾での地震で、この記事へのアクセスが激増しているようなので、タイトルに加筆しました。

台湾地震 死者14人、100人以上連絡取れず


ビルは築20年以上。台湾中央通信によると、子供47人を含む149人と連絡がとれていない。ただ、本人が病院に搬送されたことや外出していたのを家族が知らない可能性もあるとみられる。
ビルは周辺の建物と比べ被害が突出している。コンクリートに複数の料理油の缶が埋め込まれているのも見つかっており、台湾メディアによると、施工不良を疑う専門家もいる。陳威仁・内政部長(内相)は手抜き工事などの疑いもあるとして調査する方針を示した。
揺れは台湾のほぼ全土で観測され、雲林県で震度6(日本の震度6に相当)、台南市で震度5を記録した。台湾当局によると、台南市内で計9棟が倒壊、5棟が傾く被害が出ているが、永康区のビル以外の捜索は終了した。台南市の気温は10度近くまで下がっており、夜を徹した救助活動が続いている。

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M6.4というから、かなり大きな地震ではありますが、巨大地震というわけでもありません。奇しくも、3.11の4日後に発生した、富士山の下を震源とする静岡県東部地震と同じマグニチュードです。このときの最大震度は富士宮市の6強ですから、揺れの大きさも似たり寄ったり、というところです。しかし、静岡県東部地震では全壊家屋0(一部損壊は327棟)、死者も0でした。
日本では、1981年の建築基準法改正によって耐震基準が大幅に見直され、おおむね震度6以上の地震に耐えられるようになっています。1995年の阪神淡路大震災の際、神戸では最大震度7を記録し、多くの建物が倒壊しましたが、鉄筋・鉄骨の建物で倒壊したものは、ほとんどが1981年以前の旧耐震基準の建築だったようです。

今回の台湾の地震で倒壊したビルは、築20年以上とあるので、1990年代前半につくられたものでしょう。日本の耐震基準からすれば、震度5や6で16階建てという高層建築が倒壊するなんてことはまずありえないことです。「周辺の建物に比べて被害が突出している」という話(つまり、他の建物は倒壊していないのに、この建物だけ倒壊した)から考えても、手抜き工事の可能性が高そうに思われます。台湾だって地震の多い土地なので、建築基準法(に相当する法律)で耐震基準はしっかり定められているはずだし、その基準はそんなに大甘ではないはずです。ただ、建築業者がその耐震基準を守る姿勢が、日本より低いのかもしれません。

と、思ったのですが、よく考えてみると、日本だってよその国のことはそんなに言えないかも知れません。日本でも高度経済成長期には、(耐震基準自体が緩かった、ということはあるにしても)かなり無茶苦茶な工事があったようです。山陽新幹線が、コンクリートに洗浄不十分な海砂を使ったことで各所が劣化していることは一時かなり報道されていました。そういえば、阪神淡路大震災で派手に倒壊した高速道路も高度経済成長期の建築じゃなかったかと思います。
そして、近年でもヒューザーの耐震偽装というのがありました。現在進行形の問題としては、くい打ちデータ偽造問題というのがありました。あれが発覚したのは、何もないのに建物が傾く、という騒動が起きたからです。何もないのに傾いてしまうような建物が、もし震度6の地震に遭遇していたら、果たしてどうなっていたでしょうか。とても無事に済んだとは思えません。

ともかく、行方不明の人たちが救助されるように願っています。





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最終更新日  2018.02.09 08:22:01
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