inti-solのブログ

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2016.04.30
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カテゴリ: 戦争と平和
オスプレイの被災地支援にバッシングを浴びせる左派系メディアの「的外れ」をぶった斬る!


陸上自衛隊幹部は「固定翼機並みのスピードで目的地に急行し、滑走路のない山間地のような場所に着陸することもできる。有事や大規模災害時の際に有効なオペレーションを展開できる」と指摘する。
東日本大震災の際、在沖米海兵隊は「トモダチ作戦」を展開したが、オスプレイはまだ配備されていなかった。当時の主力だったCH46ヘリが出動したが、飛行距離が短いため途中給油を余儀なくされ、現地に到着するまで3日もかかった。もしオスプレイが日本に配備されていたら、3時間程度で展開できたといわれる。
陸自もオスプレイ17機を順次配備し、離島防衛や大規模災害支援に活用する計画だ。
ただ、オスプレイは開発段階や訓練中に事故を起こしたことから、日本国内の一部でいまもアレルギーが残る。すでに技術的な問題点はクリアされているものの、在日米軍や国内配備に不満を持つ反対派は聞く耳を持たず「日米同盟の政治的象徴のように扱われしまっている」(防衛省幹部)のが実情だ。
そんな米海兵隊のオスプレイが、熊本地震で日本国内初となる災害支援任務に就いた。安倍晋三首相は非常災害対策本部の会合で「米国が示してくれた友情に対し、日本国を代表して感謝したい」と述べ、謝意を示した。
ところが、朝日新聞など一部のメディアは米国の厚意やオスプレイの実績に対し、感謝どころか「政治利用」「実績作り」といった批判を浴びせている。
一部メディアが指摘するように、今回の輸送支援はオスプレイの強みの1つでもある航続距離を特に必要とする任務ではなかったかもしれない。ただ、米海兵隊が現在の主力輸送機であり、災害支援に威力を発揮するオスプレイを投入することに違和感はなく、批判の対象とする理由にはならない。
また、日米両国は日頃から大規模災害時の防災訓練を共同で行い、そこにはオスプレイも参加している。訓練通りに実任務を遂行するのは軍事組織として自然なことで「政治利用」や「実績作り」という指摘も当たらない。仮に日米両政府にそうした思惑があったとしても、多くの被災者が救われている事実に変わりはない。
海上自衛隊幹部は「オスプレイへの批判はイデオロギーや感情論の域を出ていない。支援に当たってくれた米軍に申し訳ない気持ちだ」と閉口する。
緊急時に手を差し伸べてくれた相手に唾するような報道が、正当な批判といえるのだろうか。根拠のない“オスプレイ叩き”に躍起になる姿が、支援を受けた被災地や国際社会の目にどう映るのか、左派系メディアは冷静に見つめ直してはどうか。

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オスプレイの問題点は、以前に取り上げたことがあります。

オスプレイはそんなにすごいか

確かに、地震という災害に際して、使えるものは何でも使う、ということ自体は間違いではないと私も思いますが、その限りでは、オスプレイだろうがなんだろうが、役に立つなら使えば良い。ただし、実際のところオスプレイが本当に役に立ったのかは、きわめて疑わしいところです。
自衛隊は、引用記事もオスプレイより積載量が多いと認めているCH47ヘリを70機も保有しています(陸自55機と空自15機)。しかし、今回の地震では、自衛隊からは60機以上のヘリが動員されているにもかかわらず、CH47は数機程度が動員されているに過ぎないようです。なぜか。

ヒントは、オスプレイが運んだ荷物の量に隠れているような気がします。
引用記事は長いので省略しましたが、元記事によると、オスプレイは6日間で36トンの支援物資を輸送したそうです。この間動員された機体は2機から4機でした。オスプレイの最大搭載量は約9t(今回の輸送距離は近距離なので、スペックどおりの荷物を搭載することは充分可能)ですから、36tという荷物は、4機なら1回飛べば運べてしまう量に過ぎません。それを6日間かけたということは、毎回の搭載量はかなり少なかった、ということになります。
つまり、少量の荷物をあちこちに運ぶ任務が中心なので、より小型のヘリのほうが使い勝手がよかった、ということでしょう。大きすぎるCH47は、そしてもちろんオスプレイも、オーバースペックだった、ということではないでしょうか。
このことから考えて、オスプレイの派遣は必要性に基づくものというより、政治的都合に基づくものであったと評されても仕方がないだろうと私は思います。

「オスプレイは、ヘリと固定翼機の“良いとこどり”をしたといえる。」


で、売上げのほうはと言うと、オスプレイは米空軍と海兵隊だけが現在装備し、日本の陸上自衛隊も購入予定です。それ以外には、購入予定の国はありません。イスラエルが購入すると言われていましたが、キャンセルしたようです。また、米軍の中でも陸軍は購入しません。
民間仕様のAW609も、他に類似の機体が存在しないにも関わらず、受注数は60機から70機程度にしか過ぎないようです。

だいたいにおいて、この種の「あいのこ」的な兵器や乗り物は、中途半端で使い勝手が悪く、失敗に終わる例が非常に多いものです。航空戦艦とか潜水空母とかが典型的です。オスプレイの場合も、おそらく同じではないでしょうか。

「すでに技術的な問題点はクリアされている」

ともありまが、果たしてそうでしょうか。そもそも、ティルトローター機というカテゴリの飛行機自体が、前述のとおりオスプレイとAW609以外に存在しません。そして、その両機種とも試験飛行段階で事故を起こしている。AW609は目下のところ1度だけですが、オスプレイは何度もです。結局、ティルトローター機というもの自体が、かなり無理があるのだろうと考えざるを得ません。
開発中のAW609も墜落事故を起こした、というところから考えると、ティルトローターという仕組み自体に無理があるのだと私は思います。具体的にどこに無理があるのか。容易に想像がつくのは、エンジンとローターの向きを飛行中に変更する間に不安定になるであろうこと、ローターが飛行機のプロペラよりは大きく、ヘリのローターよりは小さい、その中途半端さが大きな要因になっているのであろう、ということです。

他にも、きわめて高価であるという問題(オスプレイは、予備エンジン・予備部品と搭乗員の訓練費込とはいえ、CH47ヘリの4倍の値段)もありますが、これは以前の記事で指摘済みです。

「東日本大震災の際~CH46ヘリが出動したが現地に到着するまで3日もかかった。もしオスプレイが日本に配備されていたら、3時間程度で展開できたといわれる。」
というのも、以前にも指摘しましたが、沖縄から東北(仙台)までオスプレイが3時間で飛ぶことは、物理的に不可能です。那覇から仙台までの距離は1800kmで、オスプレイの巡航速度は50km弱なのだから、何をどうやったって4時間以上かかる。それも、離陸から着陸までの所要時間です。乗員の準備、荷物や燃料の積み下ろしなどがあるから、「展開時間」ということならそれよりはるかに時間がかかります。また、逆の現在のヘリ(自衛隊ならCH47、米海兵隊ならCH53)は、CH46より速度も航続距離も大きく、空中給油もできるので、那覇から仙台まで3日もかからないでしょう。

もう一つ、以前の記事の時点では気がつきませんでしたが、オスプレイは垂直離着陸時に真下に高熱の排気を噴出します。それが原因で、芝生が出火したこともあります。ヘリでは、そういうことは起こりません。オスプレイのエンジンはターボプロップ、ヘリのエンジンはターボシャフトで、どちらも広い意味ではジェットエンジンの一種で、本質的な原理は同じですが、実用上はいくつかの違いがあるためです。
ヘリコプターは、ローターは上向きですがエンジンは横向きなので、エンジンの排気は後方に吐き出されます。一方、オスプレイのエンジンは、垂直離着陸時には真下を向くので、排気が真下を直撃します。さらに、ヘリのターボシャフトエンジンは、排気は純然たる排気ですが、ターボプロップエンジンは、排気も推進力に使います。見た目はプロペラがついていますが、実際にはプロペラとジェット噴流のあわせ技で推進力を作るのです(推力の8割以上はプロペラが生み出すようですが)。


「オスプレイへの批判はイデオロギーや感情論の域を出ていない。」のだそうですが、どうも産経のオスプレイ愛のほうこそ、イデオロギーや感情論の域を出ておらず、ありていに言って気持ち悪さを感じます。





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最終更新日  2016.05.01 01:34:04
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