inti-solのブログ

inti-solのブログ

2016.06.18
XML
カテゴリ: 政治
ネット引用し蓮舫氏中傷 自民菅原氏が発言撤回

蓮舫氏はツイッターで「会員制交流サイト(SNS)で拡散したデマで捏造」と内容を全面的に否定し「国会議員がこのレベルの書き込みを真剣に受け取るとは」と記述した。
菅原氏は自身のブログで「ネット記事を引用したことは軽率だったと反省している。帰化した人が知事になったり、立候補してはならないという趣旨ではない」とした。菅原氏は自民党のネットメディア局長を務めている。
蓮舫氏は東京都出身。台湾人の父と日本人の母との間に生まれた。

---

国会議員ともあろう人間が、無根拠のネット・デマを、何の検証もせずに鵜呑みにしている時点で話になりません。
このネットデマの元ネタは、どうも1997年10月1日の朝日新聞の天声人語ではないかと言われています。その記述は

台湾人を父にもつタレントの蓮舫さんは、19歳のとき日本の国籍をとった。日本名は日本人の母の姓と、本名の「蓮舫」で申請した。すると、「本当にいいんですか、日本人じゃないことが名前でわかりますよ」と言われた。「何が悪いのですか」と言い返したが、一生忘れない言葉だ、と語っている。

というものです。趣旨が全然違いますよね。日本国籍をとるときに自分の名前について誰かにケチをつけられた(この記述には、誰に言われたのかはありませんが、役所の担当者でしょうか)ことを「一生忘れない」という話(ただし、この話自体も、後述のように疑問があります)が、なぜか「日本に帰化したことが悔しくて悲しかった」という話にすりかえられています。

ところで、上記天声人語の「蓮舫さんは、19歳のとき日本の国籍をとった。」という記述自体が、間違いとはいえないものの非常に誤解を招きやすいものです。

蓮舫議員は、帰化なんかしていません 。その必要がないからです。

引用記事にもありますが、蓮舫議員は父親が台湾人、母親が日本人です( 蓮舫議員のホームページに、そのように記述されています )。現在の国籍法では、父母両血統主義なので、当然に日本国籍を持っています。ただ、これは1984年の国籍法改正によるもので、それ以前は父親が日本人である場合のみ日本国籍を与える、という制度になっていました。今考えればとんでもない話ですが、母親が日本人でも父親が外国人である蓮舫議員は、この国籍法改正までは、確かに日本国籍ではありませんでした。しかし、改正国籍法の施行日である1985年1月1日(1967年生まれの蓮舫議員が17歳のとき)を以って、彼女は自動的に日本国籍を付与されています。ですから、すでに日本国籍を持っている19歳のときに日本に帰化というのはあり得ないことです。

では、「蓮舫さんは、19歳のとき日本の国籍をとった。」という記述はデマなのか?
国籍の選択を行う義務 が生じました。
「19歳のとき日本の国籍をとった」という記述は、おそらく、この国籍選択のことを指しているのだと思われます。ただ、そのあたりについて誤解を招きやすい記述ではあるでしょう。
加えて、国籍選択は純粋に国籍を選択するだけなので、帰化のように氏名を新たに作ることはありません。そのあたり、上記天声人語のエピソードにも、何らかの勘違いが混入していそうな気がします。その勘違いが天声人語執筆者なのか、蓮舫議員本人なのか、はたまた、「本当にいいんですか」という言葉を放った人なのかは分かりませんけど。

菅原議員は、謝罪は行ったものの、「帰化した人が知事になったり、立候補してはならないという趣旨ではない」という言い訳からは、依然として蓮舫議員が帰化によって日本国籍をとったという勘違いをしたままである疑いが濃厚です。一度擦り込まれた思い込みは、容易には消えないようです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016.06.19 10:30:44
コメント(0) | コメントを書く
[政治] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: