inti-solのブログ

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2016.08.08
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カテゴリ: 政治
天皇陛下お気持ち 退位の意向、強くにじむ ビデオで思い


お気持ちの題は「象徴としてのお務めについての天皇陛下お言葉」。陛下は「天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、これまでに考えて来たことを話したい」と述べ、象徴天皇としてのあり方を模索しながら過ごされてきたことを振り返った。(以下略)

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世間的には、このビデオメッセージは、好意的に受け取られているようです。私もおおむね同様です。
かなり驚いたのは、メッセージ中の

天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。更にこれまでの皇室のしきたりとして、天皇の終焉に当たっては、重い殯(もがり)の行事が連日ほぼ二ヶ月にわたって続き、その後喪儀(そうぎ)に関連する行事が、一年間続きます。その様々な行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが、胸に去来することもあります。

という一節です。
昭和天皇が亡くなる前後には、「自粛」騒動や、その強要が問題になったりもしました。1980年代末という時代においてすらそうだったのですから、社会全体が保守化している現在はなおさらその傾向が強まるでしょう。そういう状況を、当の天皇自身は快く思っていないことを示唆しているのだと思います。
それに加えて、天皇の死と新しい天皇の即位に関する行事が、「行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません」と書いています。天皇自身がそこまで言うくらいだから、それらの行事の連続はよほど大変なのでしょう。28年近く経っても対外的に言及せざるを得ないほど、この2つの点は天皇にとって重いものなのでしょう。

全体として、ビデオメッセージは配慮が行き届いて抑制的な内容だと思います。生前退位を第三者から強要されたり、政治的な策略の手段に使われないような担保は必要ですが、今回そういった可能性はないし、80歳を過ぎた人間に現役でバリバリ働き続けよ、というのはどう考えたって無理のある話です。おそらく、このメッセージを受けて、天皇の生前退位を認める方向で法改正などが行われていくのでしょうし、私もそれには賛成です。
ただ、それはそれとして、法に定められた国事行為はともかく、いわゆる「公務」の全てが絶対必要なものなのか、「重い殯の行事が連日ほぼ二ヶ月にわたって続き、その後喪儀に関連する行事が、一年間続きます。」という中に、簡素化できるものがないのか、という検討は必要なんじゃないかな、と思いますけどね。

それはともかくとして、一部には「生前退位には憲法改正が必要」みたいなことを言う人がいるようです。産経新聞などは、「生前退位が可能になるよう憲法を改正してもいい」とする回答が84・7%だという アンケート結果を発表
日本国憲法には、天皇の即位と退位については

第二条  皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

という規定しかありません。生前退位を認めるかどうかは、憲法の問題ではなく、皇室典範という法律の問題です。それを改正するか、または今回限りの特別立法というやり方もあるようですが、いずれにしても、憲法を変える必要はありません。





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最終更新日  2016.08.09 00:00:59
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