inti-solのブログ

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2016.12.06
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カテゴリ: 政治
<カジノ法案>採決、不満残し 「与党内不一致」露呈


◇公明、賛成22人反対11人
公明党は自主投票で臨んだ。漆原良夫中央幹事会会長や北側一雄副代表らが賛成したのに対し、井上義久幹事長、大口善徳国対委員長らは起立せずに反対の意思を表示。普段は結束を身上とする同党で、幹部の対応が分かれる異例の光景になった。
公明党は2009年に改正臓器移植法の採決で賛否を個々の議員に委ねたことがある。しかし、死生観に関わる同法と違い、今回の自主投票は見切り発車の意味合いが強い。

◇民進、採決後に「反対」決定
民進党は6日、合同部門会議などでカジノ法案反対を党議決定したが、これに先立つ衆院本会議では採決に加わらずに退席。対応が後手に回った。
民進党が衆院の採決前に反対で意見集約できなかったのは、党内の賛成派を説得できなかったためだ。衆院での退席は、自民党の強引な国会運営に抗議するという意味で賛成派も乗れるぎりぎりの選択だった。(要旨・以下略)

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公明党は、元々カジノ法案には反対であり、政権内での止め役とみなされてきたわけですが、いざ法案が提出されてしまったら、2/3の議員が賛成というていたらくです。そのうち、何割が本心から賛成で、何割が自民党との関係を壊したくないため心ならずの賛成だったのかは知りませんが、今後、自公で主張の相反する問題について、「押し切ってしまえば半分以上の議員は追認する」と足元を見られても仕方がないでしょう。
そして、問題は民進党です。民進党にはカジノ推進に賛成の議員がいる。民進党が衆院で退席という中途半端な手段をとったのは、その推進派の連中を説得できなかったからなのだそうです。
民進党内のカジノ賛成派とは、民進党IR推進議員連盟。その会長は、またしても長島昭久そして、顧問が前原誠司。言っていることが自民党(の中でも保守強硬派)と何も変わらない面々です。カジノの件まで自民党と同じだったようです。
もっとも、更に言えば、旧民主党は、政権与党時代、その前原が国交大臣のときにカジノ法案推の検討を始めています。もちろん、そのまま民主党政権が続いていたとしても、党内には反対派の方が多いので、カジノ法案が実現することはなかったでしょうけれど、またしても党内の不一致を露呈することになってしまいました。
民進党だけではなく、自民党にもカジノ反対派がいるし、ある程度以上の規模の政党で、党内がすべての問題で一枚岩、なんてことはありえないのですが、それにしても、旧民主党・民進党は、いざというときの党内不一致があまりに多すぎます。
自民党と変わらない政策を掲げるなら、自民党と別の政党である必要性はないのに、と私などは思ってしまいます。

ところで、カジノ推進の問題点を、読売新聞が分かりやすくまとめています。普段は安倍政権べったりの読売ですが、この問題に関しては断固反対の姿勢です。


「巨大カジノ」で日本経済は本当に良くなるのか?


長いので引用はしませんが、ポイントとして、カジノの成功例はシンガポールくらいで、他の国ではいずれも問題点が露呈している。米国では、一時はカジノで繁栄した地域が、いずれも破綻の背手際に追い込まれているのが現状。

しかし、日本(に限らないでしょうが)では、海外からの集客だけでカジノの採算を取ることは不可能。海外からもっともアクセスの良い東京・大阪でさえ客の7割、地方都市ではほとんどが日本人と見込まれる。しかも、外国資本がカジノに参入した場合は、単なる国内での貨幣の移転では済まず、資金が国外に流出していくことも考えられる

ということです。なお、先の投稿のコメント欄でシンガポールは自国民のカジノ利用を禁じているという話があって、私もそれを安易に信じてしまったのですが、この記事によればそれは嘘。シンガポールは確かに自国民のカジノ利用に強い規制をかけてはいるけれど、禁止はしていません。低所得者など32万人(外国人労働者を含む)がカジノ入場禁止だそうで、他に、明示はされていないけれど未成年者も当然カジノ禁止でしょうから、確かに結構な人数がカジノ利用を禁じられてはいるけれど、シンガポールの人口500の万人であることから考えれば、大半の国民は利用可能です。
いずれにしても、シンガポールやマカオといった都市国家と、ある程度以上の規模の国土・人口を持つ国家では、経済規模も経済構造も異なります。シンガポールなら、町の外からの来場者=外国人ということになるけれど、日本ではそうではありません。シンガポールではうまく行ったがそれ以外の国ではうまく行かない、とすれば、日本は99%シンガポールのようにはなれません。

繰り返しますが、このような、経済的にも益のないカジノ法案には、断固として反対です。





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最終更新日  2016.12.07 07:37:14
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Re:またしても民進党が(12/06)  
maki5417  さん
民進党も公明党みたいに退席でなく、採決に応じればよかったと思います。
提案者に名を連ねている役員室長の柿沢は、どうするか見てみたかったです。

シンガポール以外にマカオやラスベガスもIRとして成功していると思いますがどうでしょうか。

日本人はNG、立地の制限などの厳しい規制を課して認めてやらせてみてもいいと思います。
成功失敗のリスクを負うのは民間企業です。
(2016.12.07 15:31:37)

Re:またしても民進党が(12/06)  
Bill McCreary さん
読売の記事にもありますように、マカオなどと比べても日本は段違いに立地条件が悪いし、またマカオなどと比べてもそんなにカジノを林立させるわけにはいかないですから、ショーとかも充実させなければいけないし(だから「IR]」なんですが)、まあ日本でカジノを経営しても、黒字になるかすら疑わしいし、なってもその他のコストが高すぎて、とても割は合わんでしょうね。つまりはこの間の記事でのコメントと同じですが、考えて見れば、マカオの隣の香港が、競馬以外のギャンブルを基本的に禁止しているのは、非常に興味深いですね(笑)。英国植民地時代から中国に返還された今日まで、マカオはポルトガル領のあと中国に返還されたわけですが、カジノはマカオに任せる、香港ではカジノ不可というのは、やはり香港でカジノをしてしまうといろいろ不都合が生じる、経済的に弱いマカオはともかく、香港にカジノは不要である、という考えが、植民地時代から今日まであるのでしょうね。

あ、それはそうと、マカオは、ギャンブル抜きでもいいところですよ。inti-solさんもぜひどうぞ。マカオ料理はうまい。 (2016.12.07 20:50:49)

Re[1]:またしても民進党が(12/06)  
inti-sol  さん
maki5417さん
>民進党も公明党みたいに退席でなく、採決に応じればよかったと思います。

これは、まあそのとおりではありますね。

>シンガポール以外にマカオやラスベガスもIRとして成功していると思いますがどうでしょうか。

マカオもシンガポールと同様の都市国家(国家ではないけれど)です。日本とは条件が違う。カジノの周囲30平方キロだけが、その外側から掛け金を集めて繁栄しても、マカオならともかく、37万平方キロの日本では、国全体として何の得にもなりません。
米国でも、ラスベガス以外の多くのカジノ街が破綻に瀕しているのが現実です。


>日本人はNG、立地の制限などの厳しい規制を課して認めてやらせてみてもいいと思います。

だから、客の少なくとも7割以上が日本人という前提なのに日本人をNGにしたら、ハナから経営なんぞ成り立つわけがありません。

>成功失敗のリスクを負うのは民間企業です。

リスクを負うのは日本全体です。 (2016.12.07 21:23:45)

Re[1]:またしても民進党が(12/06)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん

>読売の記事にもありますように、マカオなどと比べても日本は段違いに立地条件が悪いし、またマカオなどと比べてもそんなにカジノを林立させるわけにはいかないですから、ショーとかも充実させなければいけないし(だから「IR]」なんですが)

そのとおりですね。でも、ショーを充実させるという意味での「総合リゾート」に特別な法律なんか必要ないはずで、つまり結局は言葉をつくろっているだけで、「カジノリゾート」なわけです。

>日本でカジノを経営しても、黒字になるかすら疑わしいし、なってもその他のコストが高すぎて、とても割は合わんでしょうね。

そのとおりだと思います。赤字になればそのツケがおそらく国民に回されるし、黒字になっても、それによる害悪は国民に降りかかってくる、どちらに転んでもいいことはありません。

maki5417さんは、成功失敗のリスクを負うのは民間企業と書いていますが、結局開発のための費用は公費から出す(全部ではないにしても)のでしょう。少なくとも、推進などと言っている連中の大半は、それを当て込んでいるのは確実です。それで失敗すれば、開発費用の回収もできなくなります。

>カジノはマカオに任せる、香港ではカジノ不可というのは、やはり香港でカジノをしてしまうといろいろ不都合が生じる、経済的に弱いマカオはともかく、香港にカジノは不要である、という考えが、植民地時代から今日まであるのでしょうね。

おそらく、役割分担とでもいうものもあるのではないでしょうか。

>あ、それはそうと、マカオは、ギャンブル抜きでもいいところですよ。inti-solさんもぜひどうぞ。マカオ料理はうまい。

なるほどね。でも、海外に行くなら、スペイン語が通じるところか、高い山のあるところか北の方がいいなあ、と思うのです。なかなか機会がないけれど、サハリンやカムチャッカなんか行ってみたいし、大きな声では言えないけれど、北方領土・・・・・・、いや、何でもありません。
どうせ、しばらくは海外旅行に行く時間が取れそうにありません。2泊3日がやっとですから。 (2016.12.08 00:21:42)

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