inti-solのブログ

inti-solのブログ

2016.12.14
XML
テーマ: 戦争反対(1197)
カテゴリ: 戦争と平和
オスプレイ機体大破 不時着水、名護の海岸数十メートル
13日夜、米軍の垂直離着陸機オスプレイが不時着水したと米軍嘉手納基地から第11管区海上保安本部に連絡があった。11管や防衛省などによると、不時着水は午後9時半ごろ、沖縄県名護市安部の海岸近くの浅瀬。機体は大破し、乗員5人は救助されたが、2人はけがをしているという。
11管によると、乗員は米軍の別のヘリがつり上げて救助したという。現場は海岸から数十メートルの岩礁上で、集落から約300メートル。機体は大きく破損しており、14日午前現在、満ち潮でほとんど水没している。
米海兵隊の広報担当者によると、このオスプレイは、米軍普天間飛行場を飛び立ち、訓練した後に普天間に戻る予定だった。
防衛省によると、オスプレイの不時着事故は国内で初めて。稲田朋美防衛相は14日未明、「コントロールを失った状況ではなく、パイロットの意思で着水したと聞いている」と話した。

---

この事故について記事を書こうと思った瞬間、別のニュースも飛び込んできました。

普天間飛行場に胴体着陸=事故機と別オスプレイ―米海兵隊
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の米海兵隊の新型輸送機オスプレイが不時着した事故で、事故機とは別のオスプレイが13日夜に普天間飛行場に胴体着陸していたことが14日、在日米軍への取材で分かった。~
在日米軍によると、機体の不具合で前輪が出ず、胴体着陸のような状態になったという。在沖米軍が詳しい原因を調べている。

---

ほぼ同時に2機のオスプレイが事故を起こしたわけです。2つ目の事故は、「機体の不具合で前輪が出ず」ということで、設計上や構造上な問題か整備上のミスかは分かりませんが、ともかく機体のトラブルであることは明確です。
最初の事故の方はどうでしょうか。「パイロットの意思で着水した」ということは、操縦ミスでもないのに自分の意思で陸上機を海の上に着水させるパイロットはいないわけで、やはり機体に何かしらの不具合が生じた、ということでしょう。 別報道 によると、沖縄本島の30km沖合で空中給油機とオスプレイなどの給油訓練を行っていた際、給油ホースが切れたため、オスプレイの機体に不具合が発生した、とのことです。
どういう不具合か分かりませんが、給油ホースがちぎれたことで生じる不具合といえば

漏れ出した燃料に火がつく
漏れた燃料を重要部品に浴びて(たとえば吸気口からエンジン内とか)不具合を起こす


といったあたりが想像できます。果たして、事故の詳細な経緯が公表される日が来るのかどうかは知りませんけどね。

追記:その後の報道では、事故原因は3番目だったようです。暴れる給油ホースがプロペラにぶつかって損傷したとのこと。

ともかく、日本には24機のオスプレイがある中で、そのうちの2機が1日のうちに事故というのは、大変な高確率です。オスプレイの配備は4年前ですから、1年につき、48機に1機が事故を起こしている、という計算になります。
ちなみに、日本にあるヘリコプターは、2015年現在、自衛隊以外の官公庁を含む民間ヘリが現在801機、自衛隊が491機となっています。(民間ヘリは 国交省の統計情報 から、自衛隊のヘリは 防衛白書 から)

さて、その日本のヘリコプターは、1年にどれだけの事故を起こしているでしょうか。自衛隊以外のヘリの事故に関しては、 運輸安全委員会のホームページに統計 があります。
それによると、今年2016年のヘリコプターの事故は2件です。2015年は3件、2014年1件、2013年3件。この4年間で合計9件、1年当たり2.25件ということになります。800機前後のヘリに対して事故が年平均2.25件ということは、1年当たり350機に1機が事故を起こすという計算になります。※
自衛隊のヘリの事故に関しては、統計情報が発見できなかったので、こちらは事故発生率が計算できません。ただ、Wikipediaの記事に 軍用機事故の一覧 というものがあり、ここには死者なしの事故も含めて、同じ期間中に3件の事故が記載されています。これがすべてだとすると、491機につき年間0.75件の事故、ほぼ民間ヘリと大同小異程度の事故発生率ということになります。


オスプレイ礼賛派の中には、オスプレイは従来のヘリより安全だと主張する向きもあります。実際のところ、米軍機の中でオスプレイと従来のヘリを比較してどうなのかは、私には分かりません。しかし、確実にいえるのは、日本のヘリコプターと比較して、オスプレイはとんでもなく事故の多い航空機だ、ということです。それが「オスプレイだから」なのか「米軍機だから」なのかは検討の余地があるにしても、です。

※ちなみに、運輸安全委員会の統計にある事故を詳細に見ていくと、怪我人が出たものは「これが『航空』事故?」というようなものも対象にしているようです。
ホバリングで荷吊作業中に、地上作業員が荷物から転落して打撲
台風で被災者を吊り上げ救助する際に、要救助者がカラビナに指を挟んで怪我
このレベルの事故は、表に出ないだけで、オスプレイには(まあ、他の米軍機や自衛隊もですが)、もっとあるんじゃないの?という気もします。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016.12.14 22:36:40
コメント(5) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: