inti-solのブログ

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2016.12.17
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カテゴリ: 政治
共同経済活動「プーチン氏の外交的勝利」…英紙


「共同経済活動」については、「ロシアのいかなる主権も認めてこなかった東京にとっては大きな一歩だが、モスクワ側から目立った譲歩はなかった」と分析。「プーチン氏の大きな外交的勝利とみられる」と結論付けている。

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事前に、新アプローチなどと、北方領土問題が今にも解決に動きそうな報道が盛んにされましたが、ふたを開ければ、領土問題に関しては進展は一切ゼロ、何一つ動きがありませんでした。私も、以前より北方領土問題は、二島(歯舞・色丹)返還しか現実性がない、国後・択捉はあきらめるしかない、と書いてきましたが、どうやらプーチン政権は1956年の日ソ共同宣言(平和条約締結後に歯舞・色丹を日本に引き渡す、という内容)すら遵守する意思がないことが明らかになってきました。

もっとも、日本側の対応にも問題がありました。谷内正太郎・国家安全保障局長がにパトルシェフ安全保障会議書記に対して、北方領土が返還されればそこに米軍基地をおく可能性を認めたこと、日米安保の適用除外地域にもしないことが事前に明らかになっていました。
現実的な問題として、歯舞・色丹が返還されたとして、そこに米軍基地が設置される可能性は、極めて低いと思います。しかし、たとえ可能性が低くとも、日本に引き渡された北方領土に基地を設置するか否かは、完全に日本(と米国)側の胸先三寸となってしまいます。それなのに、ロシアが北方領土を快く日本に引き渡すはずがありません。
日米安保条約は、第6条で「アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。」と規定はしはていますけれど、いくら米国でも、日本側が基地を提供しないのに、勝手に基地を設置して居座ることはできません。つまり、「日本は北方領土が引き渡されても、そこに軍事(防衛)施設を設置する考えはない」と言い切ってしまえばよかったのに、そうしなかったのは米国に配慮したためでしょうか。

結局は、日米安保体制と日本の米国への従属状態が北方領土返還の障害になった、ということに尽きます。あるいは、もし先の国家安全保障局長のやり取りが、「北方領土が返還されたら米軍基地を設置させろ」という米側の要求に基づく回答だとしたら、米国が意図的に北方領土返還を妨害した、とも言えます。

ところで、話は変わりますが、引用記事は読売新聞のものですが、日露首脳会談前には
日露首脳会談 北方領土元島民も注視
鈴木宗男氏「何かしら動く」…日露首脳会談

などと、散々煽っておきながら、首脳会談で何も進展がなかったとなると、一切だんまりで、「実質的に進展なし」ということについて何も触れません。紙面では違うのでしょうか?ネット上の記事では、「モスクワ側から目立った譲歩はなかった」というフィナンシャル・タイムズからの引用が唯一のものです。さすがは安倍の御用新聞だけあって、安倍の失敗には一切触れたくない、ということでしょうか。むしろ、もう一つの御用新聞である産経の方が、こちらは元々「新しいアプローチ」を快く思っていなかったからか、その失敗についての論評もある程度しています。もっとも、産経の言い分の4島返還は、どう考えたって実現性ゼロなのですが。

返す返すも、旧ソ連崩壊の際に二島返還で手を打つことができなかったこと(25年前であれば、その実現性はきわめて高かったでしょう)が悔やまれます。死んだ子の年を数えても仕方のないことではありますが。今となっては、二島返還すら極めて困難になりつつあるのが現実です。





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最終更新日  2016.12.18 09:02:18
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Re:大山鳴動して、ネズミの一匹も動かなかった(12/17)  
Bill McCreary さん
>事前に、新アプローチなどと、北方領土問題が今にも解決に動きそうな報道が盛んにされましたが、ふたを開ければ、領土問題に関しては進展は一切ゼロ、何一つ動きがありませんでした。

最初の頃は、北方領土返還を実現し、総選挙に打って出て、さらなる大勝利を目指すみたいな話でしたけどね。なんとも無様な光景です。

>北方領土が返還されればそこに米軍基地をおく可能性を認めたこと、日米安保の適用除外地域にもしないことが事前に明らかになっていました。

それじゃあ話し合いなんか成立しませんよね(笑)。

>返す返すも、旧ソ連崩壊の際に二島返還で手を打つことができなかったこと(25年前であれば、その実現性はきわめて高かったでしょう)が悔やまれます。

事実上北方領土返還は不可能ということになったんじゃないんですかね。かつてのソ連崩壊のような事態にロシアがなって、新ロシアにでもなるくらいに追い込まれないと、ロシア側が譲歩する可能性はなさそうです。
(2016.12.20 22:28:48)

Re:大山鳴動して、ネズミの一匹も動かなかった(12/17)  
Bill McCreary さん
>事前に、新アプローチなどと、北方領土問題が今にも解決に動きそうな報道が盛んにされましたが、ふたを開ければ、領土問題に関しては進展は一切ゼロ、何一つ動きがありませんでした。

最初の頃は、北方領土返還を実現し、総選挙に打って出て、さらなる大勝利を目指すみたいな話でしたけどね。なんとも無様な光景です。

>北方領土が返還されればそこに米軍基地をおく可能性を認めたこと、日米安保の適用除外地域にもしないことが事前に明らかになっていました。

それじゃあ話し合いなんか成立しませんよね(笑)。

>返す返すも、旧ソ連崩壊の際に二島返還で手を打つことができなかったこと(25年前であれば、その実現性はきわめて高かったでしょう)が悔やまれます。

事実上北方領土返還は不可能ということになったんじゃないんですかね。かつてのソ連崩壊のような事態にロシアがなって、新ロシアにでもなるくらいに追い込まれないと、ロシア側が譲歩する可能性はなさそうです。
(2016.12.20 22:31:37)

Re[1]:大山鳴動して、ネズミの一匹も動かなかった(12/17)  
Bill McCrearyさん

>最初の頃は、北方領土返還を実現し、総選挙に打って出て、さらなる大勝利を目指すみたいな話でしたけどね。なんとも無様な光景です。

年明けの解散は、まだあり得るとは思いますけれど、だいぶ可能性は下がったでしょうね。

>>北方領土が返還されればそこに米軍基地をおく可能性を認めたこと、日米安保の適用除外地域にもしないことが事前に明らかになっていました。

>それじゃあ話し合いなんか成立しませんよね(笑)。

そのとおりです。何故そこで、認めちゃったのかなと思います。

>事実上北方領土返還は不可能ということになったんじゃないんですかね。

二島返還は、まったく不可能ではないと思いますけれどね。相当困難になったことは事実です。

>かつてのソ連崩壊のような事態にロシアがなって

そういうことなのですが、ロシアが崩壊するより日本が崩壊して北方領土どころではなくなる可能性のほうが高いんじゃないかと思えます。 (2016.12.21 07:47:46)

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