inti-solのブログ

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2017.01.19
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ジャンパーに生活保護「なめんな」、市職員訪問

職員が自費で作ったとみられ、市は16日、不適切だとして使用を中止させた。専門家は「生活困窮者を支えようという感覚が欠如している」と批判している。
市によると、ジャンパーを着ていたのは、生活保護受給世帯を訪問して相談に応じるなどする市生活支援課のケースワーカー。在籍する25人の大半が同じジャンパーを持っていた。
ジャンパーの背面には「我々は正義だ」「不当な利益を得るために我々をだまそうとするならば、あえて言おう。クズである」などの文章が英語で書かれている。

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どうやら、このジャンパー、だいぶ以前から使われていたらしいのですが、日本語だったらただちに大問題になったでしょうが、ローマ字だから気づく人が少なくて、発覚までこんなに時間がかかった、ということでしょうか。それにしても、ケースワーカーの大半が持っている、ということは明らかに組織的です。誰もこの間に「これはまずいんじゃないか」と言わなかったのでしょうか。表沙汰になったとき、どういうことになるか、想像力が働かなかったのかな、と思います。
知り合いの福祉事務所関係者によれば、受給者の中には、訪問時に「福祉事務所の××です」と言うだけで嫌がる人も少なくないのです。自分が生活保護を受けていることを人に知られたくないからです。だから、訪問時には自分の名前しか言わない。それで相手がわからないときは、「××市役所の××です」という、そのくらい訪問時には気を使うものだそうです。そこからすると、これはあまりに無神経と言わざるを得ないように思います。
確かに、不正受給はけしからんものです。しかし、不正を行っているわけでもない受給者に対してまで「保護なめんな」は、妥当な表現とはいえません。だいたい、そんなジャンパーを着ると不正受給を行っているものが態度を変える、などということがあるはずもなく、ただ意味もなく一般の受給者を威圧するだけの結果になっているのではないでしょうか。そのように受け止められることは、ケースワーカーという仕事を行ううえで、ただただマイナスの効果しかないのではないでしょうか。

生活保護を受けると、ケースワーカーが定期的に自宅を訪問し、収入申告、資産申告を提出しなければならないのだそうです。逆に言うと、それはケースワーカーが必ずやらなければならない仕事のひとつ、ということです。
法律上は、これらは受給者の義務です。でも、いくら法律上の義務と言っても、人間には感情というものがあります。威圧的、喧嘩腰に言われれば、つむじを曲げる人も出てくる。その結果、相手が協力を拒めば、仕事はただただ厄介で面倒なものになるのでしょう。もちろん、強いことを言わなければならない時、強権を振りかざすしかない時もあるでしょうが、それは伝家の宝刀であり、最後の手段なのです。

わざわざ訪問調査にまでああいうジャンパーを着ていくというのは、相手を不快な思いにさせる、人権上問題があるということももちろんですが、それによってわざわざ自分の仕事をやりにくくしている、としか思えないのです。





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最終更新日  2018.06.09 08:13:22
コメント(11) | コメントを書く
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Re:自ら仕事をやりにくくしてどうする(01/19)  
maki5417  さん
このジャンパーは、職員に対する切り付け事件を契機に作られたそうですね。
不正受給者はあとを絶たず、現場の苦労のあらわれでしょう。
通常の保護部門とは別に、摘発部門を作って対処したらよいと思います。

生活保護受給者はクズというのは、福祉担当者の本音でしょう。
ひら謝りではなく、反論してほしかったですね。

(2017.01.20 16:15:47)

Re[1]:自ら仕事をやりにくくしてどうする(01/19)  
inti-sol  さん
maki5417さん
>このジャンパーは、職員に対する切り付け事件を契機に作られたそうですね。

そういう事件を引き起こしたロクデナシには、いくら怒ってもよいですが、だからと言ってそのような事件と何の関係もない大半の受給者に対して挑発的な文面を見せ付けることで、益になることは何もなかろう、と申し上げています。

>生活保護受給者はクズというのは、福祉担当者の本音でしょう。

おいおい、いくら何でも「生活保護受給者はクズ」はない。報道の限りでは、問題のジャンパーに記載されていたのは「不正受給はクズ」。「生活保護受給者はクズ」なんて、そこまでトンデモな文面だったら、騒ぎはこんなものではすまない、多分懲戒処分が出るだろうね(減給、停職など)

かつて、知る人ぞ知る「福祉川柳事件」という騒ぎがありまして、知人に言わせれば「あれはケースワーカーの偽らざる本音だ」ということですけどね、今回の事件と似ているけれど、少し違うのは「公的扶助研究会」という福祉事務所関係者の団体の会報にこっそり掲載された(受給者を含めて外部一般に公開する意思なし)川柳がすっぱ抜かれて大騒動になったこと。最初から受給者に見せつけていた今回の件とは違うけれど、それでも騒動の後、退職に追い込まれた(さすがに懲戒免職ではないけれど)関係者もいた、と聞きます。 (2017.01.20 21:39:56)

Re[2]:自ら仕事をやりにくくしてどうする(01/19)  
inti-sol  さん
福祉川柳事件

訪問日 ケース元気で 留守がいい
休み明け 死んだと知って ほくそ笑む
聞こえるよ そんなに近くに 来なくても
親身顔 本気じゃ私の 身がもたない
救急車 自分で呼べよ 馬鹿野郎
うろ覚えなので、細部違うかもですが、こういった川柳が「公的扶助研究会」の会報に掲載されたことが表沙汰になった事件です。
知人に言わせれば全部「あるある」「思う思う」だそうです。この川柳そのものを非難する気にはならないと。
ただ、だからと言って、そういう言葉を受給者に直接浴びせるか、といえばもちろんそんなことはしない。そんなことをして、仕事上の益になることはひとつもないからです。 (2017.01.20 21:51:42)

Re:自ら仕事をやりにくくしてどうする(01/19)  
Bill McCreary さん
>誰もこの間に「これはまずいんじゃないか」と言わなかったのでしょうか。表沙汰になったとき、どういうことになるか、想像力が働かなかったのかな、と思います。

歴代の課長職あたりがみな知らなかったというのも考えにくいですね。「気持ちはわかる」みたいなところがあったんですかね。

ところで全然話の次元は違いますが、産経新聞のデマ記事なども、こんなデマすぐばれるというレベルの幼稚なデマが堂々と書かれたりしますよね。案外人間、

>表沙汰になったとき、どういうことになるか、想像力が働かなかったのかな、と思います。

というのは共通のところがあるのかもですね。

>こういった川柳が「公的扶助研究会」の会報に掲載されたことが表沙汰になった事件です。

こういうものを読むと私も笑っちゃいますが、でも笑っちゃいかんという気は(当然)します。ただこれもまさに生活保護受給者とか住民税の滞納者などの中には極めてモラルが低く社会常識も通用しない人間、精神を病んでいる人間が多くいるという事実と不可分な部分があり、きわめて重層な問題が山積していると思います。極論すれば、死刑犯罪を犯す人間は、家庭環境が悪く頭が悪く、精神を病んでいる人間が多いということと問題の根源は重なります。
(2017.01.21 19:00:25)

Re[1]:自ら仕事をやりにくくしてどうする(01/19)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん

>歴代の課長職あたりがみな知らなかったというのも考えにくいですね。

当然、知らないはずがありません。だって、日常的にそれを着て執務し、訪問にも行っていたというではありませんか。

>>表沙汰になったとき、どういうことになるか、想像力が働かなかったのかな、と思います。

>というのは共通のところがあるのかもですね。

そうですね。更に、そもそも隠そうという意思もない、最初から誇示することを半ば目的にしているところも、「表沙汰にならないわけがないじゃん」と思うわけです。そのあたりが、福祉川柳事件(ひそかに出回っていたものがすっぱ抜かれた)とは違うところです。

>こういうものを読むと私も笑っちゃいますが、でも笑っちゃいかんという気は(当然)します。

知り合いによると、笑っちゃうというよりは、そのとおり過ぎて笑えない、らしいですけど。

>ただこれもまさに生活保護受給者とか住民税の滞納者などの中には極めてモラルが低く社会常識も通用しない人間、精神を病んでいる人間が多くいるという事実と不可分な部分があり

そのとおりといわざるを得ないでしょう。ただし、生活保護受給者がみんなそうだ、ということではない。世間一般よりは残念ながら割合が多いとしても、受給者の大半がそう、というわけではありません。 (2017.01.22 08:01:16)

Re:自ら仕事をやりにくくしてどうする(01/19)  
maki5417  さん
生活保護費不正、最悪に 15年度受給分、4万3900件
2017/1/21  日本経済新聞 夕刊
 厚生労働省は21日までに、2015年度の生活保護費の不正受給数が4万3938件となり、過去最多を更新したとの集計結果を公表した。前年度から917件(2.1%)増加した。一方、金額は4億8495万円減の169億9408万円だった。
 1件当たりの金額は1万9千円減の38万7千円で、厚労省が把握する1997年度以降で最低。厚労省は「収入調査が徹底され、早期の段階で発見されるようになった」と分析している。

4万件とはひどいですね。
大半が福祉事務所の調査による発覚ですが、通報や投書によるものが5%あります。
マイナンバーは活用されているのでしょうか。
(2017.01.22 21:07:09)

Re[1]:自ら仕事をやりにくくしてどうする(01/19)  
inti-sol  さん
maki5417さん
>生活保護費不正、最悪に 15年度受給分、4万3900件
>4万件とはひどいですね。

最悪というのは、発覚したものが最悪ということで、逆に言うと福祉事務所が不正の調査に力を入れるようになったから、ということです。
4万件と言っても、受給者は200万人以上なので、発生率で言うと2%くらいです。
日本全国における犯罪の発生率は、2013年時点で1.5%程度なので、それと比べれば多いとはいえません。もっとも、不正受給の大半は、犯罪として立件されません。暴力団員であることを隠しての受給とか、被害額100万を超えるような収入隠しは逮捕されることがあるようですが、10万や20万の不正受給だと警察は相手にもしないようです。でも、それは犯罪一般も同じですよね。会社の金を横領すれば懲戒免職にはなるけれど、被害額があまり多くなかったり、弁済によって話がついている場合は、まず立件されません。喧嘩とか万引きなど比較的軽微な犯罪については、少なからず同様の例があります。つまり、犯罪として立件されない不正行為としての比較なら、世間一般の方が生活保護の不正受給よりはるかに高率である可能性だってあるのです。 (2017.01.23 00:55:51)

Re[2]:自ら仕事をやりにくくしてどうする(01/19)  
maki5417  さん
inti-solさん
>maki5417さん
>>生活保護費不正、最悪に 15年度受給分、4万3900件
>>4万件とはひどいですね。

>最悪というのは、発覚したものが最悪ということで、逆に言うと福祉事務所が不正の調査に力を入れるようになったから、ということです。
>4万件と言っても、受給者は200万人以上なので、発生率で言うと2%くらいです。
>日本全国における犯罪の発生率は、2013年時点で1.5%程度なので、それと比べれば多いとはいえません。もっとも、不正受給の大半は、犯罪として立件されません。暴力団員であることを隠しての受給とか、被害額100万を超えるような収入隠しは逮捕されることがあるようですが、10万や20万の不正受給だと警察は相手にもしないようです。でも、それは犯罪一般も同じですよね。会社の金を横領すれば懲戒免職にはなるけれど、被害額があまり多くなかったり、弁済によって話がついている場合は、まず立件されません。喧嘩とか万引きなど比較的軽微な犯罪については、少なからず同様の例があります。つまり、犯罪として立件されない不正行為としての比較なら、世間一般の方が生活保護の不正受給よりはるかに高率である可能性だってあるのです。
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犯罪の発生率と比較する意味が分かりません。
不正受給者は、やはりクズだと思います。 (2017.01.23 18:45:18)

Re:自ら仕事をやりにくくしてどうする(01/19)  
なおなお さん
十数年前まで生活保護の担当部署におりました。
確かに、ただ中にいる時は、精神的にキツイ業務&残業続きで体力的にもキツイ状態でした。
精神的に余裕がなくなるのは分かります。
ふざけた生活保護受給者の方も少ないですがいました。
しかし、やはりケースワーカーと受給者の間には信頼関係が必要です。
バカにする態度の人に相談できませんしね。
「保護費の支給してやってる」という上から目線のワーカーが多いのでしょう残念ながら。

お互いに支え合って社会が成り立っているという自覚を福祉の業務に携わる方は、心しなければいけません。
生存権を保障するセーフティーネットの最前線にいるという自覚も併せて持っていただきたいです。
ワーカーがネトウヨレベルでどうしますか。
(2017.01.24 19:49:07)

Re[1]:自ら仕事をやりにくくしてどうする(01/19)  
inti-sol  さん
なおなおさん

>十数年前まで生活保護の担当部署におりました。
>確かに、ただ中にいる時は、精神的にキツイ業務&残業続きで体力的にもキツイ状態でした。

分かります。私の知人もそうだったようです。かのリーマンショックのときに死ぬ思いをしたようです。最近は慣れてしまったらしいですが。

>しかし、やはりケースワーカーと受給者の間には信頼関係が必要です。

そのとおりでしょう。結局、それが仕事のしやすさ、効率にも直結するようです。だから、信頼関係が築けないような態度だと、結局自分で自分の首を絞めて、仕事を大変にするだけ、ということになります。 (2017.01.24 21:02:21)

Re[3]:自ら仕事をやりにくくしてどうする(01/19)  
inti-sol  さん
maki5417さん

>犯罪の発生率と比較する意味が分かりません。

どちらも、法に触れるということに関しては同じだからです。生活保護法に反する行為が不正受給、そのほかあらゆる法律に反する行為(の中でも、比較的悪質性が高いものに限られる)が犯罪です。
生活保護を受けていない人は、基本的には不正受給はできないので、4万件の不正受給が「ひどい」かどうか、それ以外の何らかの指標と比較しなければ分かりません。なので犯罪と比較しました。不正受給の中で犯罪と認定され得るものはごく一部なので、公平な比較とはいえませんが、目安程度にはなります。

>不正受給者は、やはりクズだと思います。

そのこと自体には異論ありませんが、本人の理解不足にその原因がある例もあるようです。典型的な例は、漫画「健康で文化的な最低限度の生活」第3巻に出ています。もちろん、犯罪に関しても同様の傾向はありますが。 (2017.01.25 00:37:33)

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