inti-solのブログ

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2018.01.03
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カテゴリ: 政治
明治150年 「独立自尊」を想起したい 国難乗り越えた先人に学ぼう


開国を求めて横浜沖に船を泊めた米国のペリー艦隊は、母国の記念日に100発以上の祝砲を放った。砲艦外交にほかならない。攘夷の機運が高まり、薩摩藩と英国艦隊の薩英戦争などが起こって外国の砲弾が国土を撃った。
現代、中国の公船が尖閣諸島周辺に押し寄せている。北朝鮮のミサイルがわが国の上空を飛び、あるいは日本海に落下している。
今年も北朝鮮と中国の脅威は増すことになろう。日本にかかる、あからさまな外圧には、幕末と現代に共通するところがある。国難に向き合い、明治人は何を目指したかを改めて学ぶべきだ。~
富国強兵策は、このような文脈で理解されるべきである。国の独立を保つために、ひた走った先人の姿を思い浮かべたい。
国力は増し、日本は植民地にならずにすんだ。日清、日露という2つの戦争を明治人は戦った。2つとも、日本の国防にとって要衝の地となる朝鮮半島の安定化を目指すものだった。戦ってでも、日本の独立を守ろうとした。~
占領下、連合国軍総司令部のスタッフが大急ぎで草案を作った憲法は、国権の発動である戦争を放棄し、交戦権を認めていない。国家の権利の制限である。
日本人は平和を誠実に希求しており、およそ戦争を求める日本人はいまい。だが、権利を制限される形で制定された憲法をいつまでも頂くことが、独立国といえるだろうか。
国の守りについて、手足をしばっているのは専守防衛という考え方だ。抑止力の一環である敵基地攻撃能力の保有について、正面から継続的に語り合う姿を見ることはない。拉致被害者を自力で救出する手段はないのに、ならばどうするという議論は起きない。(以下略)

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例によってネトウヨの機関紙の社説です。
近現代史の肝心なところから目を閉ざした、実に都合のよい言い分としか思えません。「攘夷の機運が高まり、薩摩藩と英国艦隊の薩英戦争などが起こって外国の砲弾が国土を撃った。」その結果は、いうまでもなく日本側の敗北でした。それを受けて、尊皇攘夷派は、攘夷から開国へ、あっという間に主張を変えました。別の言い方をすれば、「あからさまな外圧」に屈したのです。変わり身の早さは驚異的でしたが、攘夷を強行し続けたら、歴史はより悲惨な方向に変わっていたでしょうから、その判断は間違いではなかったと思います。
産経は、その事実を是とするのか非とするのか、是とするのであれば、悲惨な事態を回避するために中国や北朝鮮との間にも、「攘夷」ではなく「開国」の方向を選択することも必要である、という結論になると思いますが。

で、攘夷から開国に舵を切った判断も、その後の西洋化近代化の選択も、大筋では間違っていなかったと思いますが、残念ながら日本自身も少し国力がついた途端に、朝鮮半島に対して「露骨な砲艦外交」を行い、最後には植民地にしてしまいました。「西洋の脅威」と同じことを自国より弱い立場の国に対して行ってしまった。否、現実には西欧諸国は日本を植民地にまではしなかったのですから、それよりひどいことをやってしまったことは否定できません。

そして、更に「手足をしばっているのは専守防衛という考え方」とまで言いはじめています。要するに、自国を防衛すめためではなく、他国を先制攻撃するための軍備を持ちたい、ということです。私も、自衛隊が憲法違反であるとか、自衛隊は解散して日本が非武装国になるべきだ、などとは考えていませんが、自衛隊が他国に攻め込む組織ではなく自国を防衛するための組織(まさしく専守防衛)であるべきだ、とは考えています。
問題なのは、その敵基地攻撃能力が、どのように使われるのか、ということです。日本が持ちうる「敵基地攻撃能力」が、日本単独の判断で使われる、なんてことは現状ではありえないからです。
日本は日米安保体制にがんじがらめに組み込まれており、軍事・外交的には米国の実質的属国であって、独立国とはとても言えない現状です。その現状で敵基地攻撃能力を持てば、それは米国の世界戦略の一環として使われるだけのことです。
過去に何度も指摘したことですが、産経をはじめとする、「日本の誇り」を強調したがる人たちは、中国や韓国に対してはやたらと勇ましいことを言いたがるのに、もっとも本質的な、日米の対等ではない立場、米国の言いなりの日本の外交政策に関しては何も言いません。日本の主権がもっとも踏みにじられている地域である沖縄に対しては、ひたすら冷たく、米軍の肩を持つようなことしか言わないのです。それで独立とか自尊とか、よくそんなことが言えるな、と思ってしまいます。






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最終更新日  2018.04.22 17:29:31
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