inti-solのブログ

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2018.08.19
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カテゴリ: 音楽
「アンデスの家ボリビア」の店主であり、日本のフォルクローレ音楽の先駆者とであった福岡稔さんが亡くなったことは、以前に記事を書きました。

日本におけるアンデス音楽の先駆者

当然、「アンデスの家ボリビア」も閉店・・・・・・と、思いきや、このお盆中、娘さんの手によって臨時営業する、という話を聞いて、昨日行ってきました。
神奈川県の寄、東京の吉祥寺、そして小平、福岡さんのお店は何回か移転をしていますが、私自身は吉祥寺にあったお店にしか行ったことがありませんでした。その後移転した小平のお店には、今回初めて足を運びました。

本当は、今一番ほしいのはサンポーニャ(マルタサイズ)なのですが、残念ながらサンポーニャは半辞意準備が整っていない、とのことで、売っていませんでした。なので、ケーナを買うことにしました。


アドリアン(アドリアン・ビジャヌエバ)、ルーチョ・カブール、アハユ、マルセロ・ペーニャなどの製作者の(他にもあったかな?)ケーナがずらりと並んでいます。


一般的なG調のケーナのほか、F調とD調のケナーチョ(いずれもメーカーはアハユのみ)、それから調は確認し忘れましたが、超低音用の大型ケナーチョもありました。

本当は、ルーチョ・カブールの超極太・肉厚ケーナに心が動いたのですが、齢50歳にして、こんなものに手を出しても、息の力はこれから衰えることはあっても伸びることはないだろう、と考えると、結局手が出ませんでした。


チャランゴ。いつの間にか、福岡さんのお店でもカルカス・モデルのチャランゴが増えました。わたしはチャランゴは非常に下手なので、今もっている1台(26年前に福岡さんのお店で購入)だけで充分です。


ロンロコ(低音用大型チャランゴ)



ボリビアは、CDのプレス工場が国内になかったため、海外で活躍するアーティスト以外は、なかなかCDを出すことができず、LPレコードがずいぶん長いこと生き残っていたのです。もっともそれと平行して、90年代にはカセットテープがずいぶん普及しましたが。
ところが、そのLPレコードの品質が怪しくて、レコード板が波打っているのは序の口で、中心の穴が中心に来ていないとか、途中で針が先に進まなくなるとか、レコードの曲あるいは曲順とジャケットに印刷されているものが違うとか(これは、CDやカセットでもよくありました)、ひどいのになると、裏面に溝が切ってなかった、なんて話もありました。
それでも、その頃は今と違ってボリビア音楽の情報も音源も乏しかったから、みんな買ったのですよ。わたしは、それより若干後の時代にフォルクローレを始めたので、LPレコードはあまり持っていませんが。特にボリビアの音楽はLPぬで買ったものはほとんどありません(LPを借りてカセットにダビングしたものは沢山あります)が、チリとアルゼンチンのLPは合わせて十数枚、まだ持っています。多分、そこに入っている音源の8割はYouTubeで検索すれば聞くことができると思いますが・・・・・・。


ケーナの上に展示してあるのは、非売品、福岡さんがボリビアで購入した、チャランゴ(系)を中心とする弦楽器の数々です。右端近くにバイオリンもあります。その右下はマンドリン、バイオリンの左下(胴体が白っぽくて、厚みがある楽器)はコンコータというボリビア・北ポトシ地方特有の楽器(チャランゴの原型となった楽器群のひとつ)です。一方、写真右のほうにはアルマジロの甲羅を張った楽器がいくつかあります。


アルマジロ、そのうちの小型種をボリビアでは「キルキンチョ」と呼びます。これが、チャランゴのボディに使われることがくよありました。実は、アルマジロは現地では食用にされており、甲羅をチャランゴにするのはある種の廃物利用のようですが。
見た目は非常にインパクトがありますが、音量、耐久性など楽器としての性能は、一般的にはキルキンチョ製より木製のほうが上です。それに、ワシントン条約によってアルマジロの甲羅を使った楽器の輸出が難しくなった(アルマジロの中でも絶滅危惧種は一部であり、全部が輸入禁止ではないと思いますが)こともあり、近年はキルキンチョ製のチャランゴの新品は、日本ではほとんど見かけなくなりました。
なお、一番でかい楽器は、チャランゴではないようです。この写真ではネックの上の方が写っていませんが、前の写真を見ると、6コースであることが分かります。つまり、これはアルマジロの甲羅を使ったギター(!)のようです。サイズ的に標準のギターではなくレキントギターかも知れませんが。


CDもありました。LP全盛期が長かったとはいえ、ボリビアでも90年代中ごろにはCDが主流になりました。ただ、最近はボリビアの主要レーベルでも、CDをCD-Rに切り替えてしまったところ、さらには、CDの生産をやめてしまったところもあるようです。

で、結局わたしが買ったのは


こちらのケーナです。アドリアンの木製ケーナ。太さ、肉厚とも標準的で、3オクターブが非常に出しやすかったので、これにしました。すでに30本以上ケーナがあるのに、また買ってしまった・・・・・・。

それにしても、福岡さんの娘さん、お通夜のときもちょっと思ったのですが、目の辺りが福岡さんにそっくり。そして、今更ながら気が付いたのは、福岡さんって、結構ハンサムだったかも。





ただ、管楽器ケースがもういっぱいで、入らないのです。どうしたものか。

なお、「アンデスの家ボリビア」の8月中の営業は今日8月19日までのようですが、9月以降も随時臨時営業をするとのことです。 新たな仕入れは行わず、在庫を売り切ったら閉店、とのことですが。

2022年6月追記、その後福岡さんの娘さんがお店を引き継ぎ、継続的に営業を行っています。

次はサンポーニャを狙いに行きます。





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最終更新日  2022.06.29 06:26:40
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Re:アンデスの家ボリビア(08/19)  
Bill McCreary さん
>9月以降も随時臨時営業をするとのことです。新たな仕入れは行わず、在庫を売り切ったら閉店、とのことですが。

言葉は悪いですが、在庫整理ということですかね。たしかにかなりの量がありますね。

それですみません、こんなことは私的なメールでご相談することでしょうが、ちょっとinti-solさんのご意見をお聞かせください。楽器は、最初のものは、多少高めのものと安めのもの、どちらをすすめますか。ベースを買おうと思うのですが、参考までに。

>すでに30本以上ケーナがあるのに、また買ってしまった・・・・・・。

すごいですね。やはりそれくらいはまってしまうものでしょうか? (2018.08.20 23:36:19)

Re[1]:アンデスの家ボリビア(08/19)  
Bill McCrearyさん

>在庫整理ということですかね。

そのとおりです。しかも、店頭に出ている分がすべてではありません。少なくとも、サンポーニャはまだ店頭に出していないそうなので。

ベースについては門外漢ですが、笛一般やギター(クラシックギター)などに準じて言えば、私だったら、最初は、楽器としての基本性能を充分に満たした中で一番安いものを買うし、お勧めします。いきなり高価な楽器は、いろいろと敷居が高いです。
が、一方で楽器としての基本性能が満たされていない、「楽器の形をしたおもちゃ」を掴んでしまうと、習得自体が困難です。ケーナやサンポーニャと違って、ベースは新品の状態で極度の不良品は少なそうな気がしますけど、ネット通販の激安楽器などは、果たしてどうでしょう。それと、中古品は状態の見極めが必要でしょう。
というわけで、最初に手にする楽器に関しては、できる限りネット通販ではなく楽器屋で店員と相談しながら選ぶべき、と思います。

ケーナ30本と言っても、私のと相棒のもの、購入したもの、もらったもの、自分で作ったものが入り混じっての30本です。しかも、ケーナを手にして32年ですから。
30本と書いたけど、相棒のものと合わせるともう少し多いかも。数えたことがないので正確には分かりませんが。
前述の「楽器の形をしたおもちゃ」に近いものも何本か含まれていますし。値段も、1万円を大きく超えるものはない(定価はともかく、購入価格では)ですから。そのあたりは、西洋楽器との違いが大きいです。フルートやギターは、1万円では「楽器の形をしたおもちゃ」系しか買えません。 (2018.08.21 00:07:54)

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