inti-solのブログ

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2018.10.02
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カテゴリ: 政治
ネット右翼に足を引っ張られた佐喜眞候補【沖縄県知事選挙 現地レポ~敗北の分析】


彼らは、東京のCS放送局やネットニュース番組等を行き来し、保守系論壇誌、沖縄のコミュニティFM等を活用して、「善意」で以て佐喜眞氏を応援した。~
私が確認しただけで都合50回以上に及ぶ小集会や、ビラ配布、那覇市内等に於ける街宣行動を頻繁に繰り返した。
彼らは勝手連的に佐喜眞氏への投票を訴え~「玉城はパヨク」「玉城は売国奴」「玉城は中国の工作員」等というレッテルと共に、恒常的にそれらのリツイートは毎回500~1,000近くになる勢いとなったのである。 ~
8月中旬以降、ネット右翼は沖縄でも、本土でも、CS放送や保守系論壇誌の中でも、「デニーが知事になると沖縄は中国にのっとられる」などと主張するようになった。
その対として彼らは佐喜眞氏支持を鮮明にし、デニー氏に対し徹底的な誹謗中傷やデマの流布を行なった。
彼らは口々にこう絶叫した。
「玉城デニーが知事になったら、沖縄は中国にのっとられます」
「玉城デニーが知事になったら、中国の工作員が沖縄を破壊します」
このような、トンデモ陰謀論とも思える連呼とセットに佐喜眞氏を応援することで、常識的な感覚を持った有権者の多くは、むしろ佐喜眞氏へのネガティブイメージを持つに至ったかもしれない。
「親方思いの主倒し」という言葉がある。親方を思ってよかれと思ってやった行為が、結果として親方の迷惑になる、という意味だ。 ~
しかし、全般的には、デニー氏の圧倒的強さには勝てなかった。故翁長氏に対する県民の想いと、辺野古移設への拒絶感は、中央が想像するよりも遙かに大きかったと判決するしか無い。
ことことに至って、沖縄県民の民意ははっきりとデニー氏の言う「辺野古移設反対」に決定した。民主的選挙で「辺野古移設にNO」が突きつけられたのだから、中央政府は沖縄県民の民主的決定に従い、アメリカに対し「普天間基地の無条件返還」を突きつけるべきだ。~
私は或る佐喜眞陣営選対関係者に詰問した。
「どうして、在沖縄のネット右翼活動家らを放っておいたのですか。却って佐喜眞さんの足を引っ張っただけじゃ無いですか」
関係者は、「それは彼らの政治活動の自由であり、私達が強権的に制止することは出来ない」と苦渋の表情で前置きした上で、
「連中、星条旗と日章旗を一緒に掲げて中国の侵略がどうのこうのと・・・。正直、やめて欲しかった。勘弁して欲しかった。冗談じゃないよ」
佐喜眞氏敗北が確定したことも重なってか、関係者の瞳の奥には、ネット右翼への敵愾心とも取れる静かな憤怒を感じた。(要旨)

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なるほどね。
筆者の古谷経衛自身、かつてはネトウヨ陣営に身を置いていた方(田母神の都知事選出馬の際、応援を強要されたことで、以降袂を分かった)だけに、ネット右翼の行動に対する分析は、なかなか鋭いと思います。

かつて、竹下元首相が首相になる前、皇民党という右翼団体が、自民党本部前などで、執拗に「竹下は素晴らしい」などと「賞賛」する街宣を行い、これをやめさせようと、盟友の金丸信が裏で暴力団幹部と話をつける、という騒動がありました(皇民党事件)。巷間言われる「褒め殺し」です。これは、皇民党自身が「嫌がらせ」という自覚と意図を持って行ったことです。悪事ですが狡知に長けている。ところが、時代が変わって、今のネット右翼は、それが本当に「応援」になると思って、相手陣営に対する罵倒、誹謗中傷を行っているわけです。主観的(独善的)「愛国心」に基づいて、結果的な利敵行為、というわけです。
構図としては、従軍慰安婦問題における、米国下院の121号決議と同じだなと思います。決議案に対して、日本の極右陣営は「ザ・ファクツ」なる、自己満足的な新聞広告をワシントン・ポスト紙に出して反論を試みました。しかし、その内容は、日本のネトウヨ空間に充満している自己正当化論を英語にしただけのもので、ネトウヨ空間以外、まして米国では何の説得性もありませんでした。むしろ、その言い分があまりにひどいため、むしろ決議の賛同者を増やす結果となりました。
それと同じことです。

ネトウヨの本質は、自らの主張(ザ・ファクトと同じく、ネトウヨ層の中でしか受け入れられない言説)を叫ぶことで自尊心を満たすことにあり、それが相手にどう受け取られるかは考慮の範囲外なのでしょう。選挙でより多くの支持を得ることには無関心であり、それよりはむしろ標的とした相手に対して誹謗中傷、暴力的な言動弄することで、相手を威嚇し、戦意を失わせる方が、連中の常套手段と言えます。
それは、民主主義制度にとって、まさしく古谷が言うように、害毒でしかないものです。

しかし、こういうネトウヨ連中に精神的支柱が安倍であり、稲田朋美、杉田水脈、和田政宗らその取り巻き連中が、ネトウヨ層そのもののメンタリティしか持っていないのが現実です。こんな「害毒」が日本の舵取りをしていると考えると、本当に日本は危機的状態です。





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最終更新日  2018.10.02 19:00:13
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