inti-solのブログ

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2019.01.25
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テーマ: ニュース(95873)
カテゴリ: 政治
厚労省統計不正、アベノミクスで景気回復していなかった可能性…政策の大幅見直しも

「毎月勤労統計調査」は国の基幹統計のひとつ。従業員500人以上の事業所については全てを調査対象とし、賃金や労働時間の実勢を把握する。その結果は、雇用保険や労災保険の給付額の算定基準となる。
しかし、東京都分では2004年から15年間にわたり調査対象となる約1400のうち、3分の1しか調べていなかった。その際、賃金の高い大企業を除外し、中小企業を調査対象としたため、統計では賃金が実際より低く算定され雇用保険と労災保険の過少給付が生じている。特に、2018年分からは勝手に統計を「修正」するという杜撰な実態が明らかになっている。過少給付の総額は約540億円にのぼり、影響は延べ約1970万人に及ぶと見られている。
不正はこれだけではない。昨年、「毎月勤労統計調査」で発表される2018年1月以降の賃金伸び率が急激に上昇し、それまでの統計データとの明らかな乖離が問題になった。同月からの統計で、従業員に支払われる「現金給与総額」(名目賃金)の前年比増加率が昨年の平均0.4%を大きく上回り、8月に発表された6月の同調査では、労働者1人当たりの現金給与総額(名目賃金)の平均が、速報で前年同月比3.6%増を記録(確報では3.3%)となった。
「毎月勤労統計調査」では、調査対象事業所のうち30人以上の事業所については2~3年ごとに無作為抽出した事業所に総入れ替えしていたが、2018年1月分の調査から約半数を入れ替える方式に変更。この際、賃金の高い企業を中心に入れ替えたため、“いかにも賃金が上昇しているかのような”結果となった。通常、統計のベースとなる取得データを変更した場合には、変更に合わせて過去の統計を修正・改訂するのが当たり前。厚労省は、それすら怠っていた。

ーーー

統計的には、全数調査でもサンプル数を3分の1にしても、大差のない数値がでるはずです。だから、大したことはない、問題ないという主張が、一部のネトウヨ層から出ているようですが、とんでもない話です。
第一の問題は、サンプルの抽出が無作為ではなく、給料の高そうな企業だけを外すという恣意的抽出であったことです。ために、この調査に基づく雇用保険の額が不当に安く留められています。
第二の問題は、この不正が厚労省の内部的に発覚した際、それを発表せず、それまでのデータの補正も行わず、黙ってデータの「復元」(全数調査に戻した訳ではなく、恣意的な抽出による3分の1データを単に3倍しただけ)なる行為を行ったため、統計上は、まるで賃金が急上昇したかのように見えたこと。それがアベノミクスの成果であるかのように宣伝されました。

この操作による賃金伸び率の誤りは、1ポイントにも満たないわずかなものだといいますが、そもそもこの間の賃金伸び率が非常に低いので、公表された賃金伸び率の数値に占める不正の割合は、かなり大きなものです。
不正が始まったのは2004年ですから小泉政権の時代ですが、不正に気がついてもそれを隠蔽して、それどころか賃金上昇の統計を作り出す材料としたのは、まさしく安倍政権下のことです。それによって「アベノミクスの成果」を誇ったのだから政治的責任は免れ得ません。責任云々を措くとしても、アベノミクスの成果なるものは、データのねつ造で得られたら根拠のないものであって、実際には成果などなかった、ということです。

それにしても、ことは賃金統計だけに止まらず、名目GDPの信憑性にも関わってくるそうです。少し前に、中国の経済成長が顕著になり始めた頃、中国の経済統計の信憑性を疑う人もいました。しかし、何のことはない、日本も変わらない、ということになってしまいました。統計の信憑性は知りませんが、今や中国の経済力が日本をはるかに越えている(国民一人当たりでは、また異なりますが)ことを疑う人は少ないでしょう。一方の日本は、「正確さ」という美徳すら怪しくなってきた現状です。





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最終更新日  2019.01.26 07:21:23
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