inti-solのブログ

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2019.09.14
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テーマ: ニュース(95873)
カテゴリ: 災害
気象当局にハリケーン予想変えさせる=商務長官「トランプ氏主張と矛盾」-米紙


同紙によると、NOAAを所管する商務省のロス長官は6日、出張先のギリシャからジェイコブズNOAA長官代行に電話をかけ、大統領の説明との矛盾の解消を指示。ジェイコブズ氏が異議を唱えたところ、状況が変わらなければ同氏を含む政治任用の幹部らを更迭すると告げたという。

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すげーな、米大統領は。台風の進路を変えるほどの力があるのか!
って、まあ、バカみたな話としか言いようがありません。何世紀も前、いや十数世紀も前の中国の皇帝は、太陽すら自在に操れると思ったらしいけど、21世紀の今にこんな馬鹿げたことを言い出す人間が、世界一の大国のトップとは、そして、そのような人物がいまだに大きな支持を得ているとは、ほとんどコメディのような世界ですが、現実の悪影響たるや、空恐ろしいものがあります。

もっとも、この話は果たしてトランプというトンデモな大統領個人だけの特異的な現象か、というとそうとも言い切れないような気がします。
ことが台風(ハリケーン)の進路であれば、そうかもしれません。熱帯性低気圧は毎年何十個も発生し、世界の気象予報機関はその発達経過や進路について豊富なデータを持っています。気象衛星という目によっても、熱帯性低気圧自体も、その周囲の気圧配置や雲の動きも手に取るようにわかります。それに基づく進路予報は、枝葉末節の部分では外れる部分はあっても、大筋では外れることはまずありません。
だから、こんなトンデモ大統領でなければこんな阿呆な戯言は言わないし、予報機関も唯々諾々とそれに従うはずもありません。従って予報を変えたりしたら、それこそ予報機関の側が世紀のスキャンダルです。
だけど、ことがもし、もっと予測の信頼性の低い、予測機関としても絶対の自信は持てないような予測類だったらどうでしょうか。例えば地震予知、火山噴火。あるいは、自然現象ではありませんが、経済成長予測とか、インフレ率予測とか、年金財政の将来予測とかだったらどうでしょうか。この種の政治的都合優先の予測の恣意的操作、あるいはそれを要求する政権からの圧迫が、トランプだけのものであると果たして言い切れるでしょうか。否、むしろどこの国でも程度の差はあっても、ありそうな話です。

例を日本の地震予知に取ると、予知のための観測が行われるようになってから、まだ巨大地震は起きていません(観測態勢の範囲内では、です。阪神淡路大震災も東日本大震災も、観測態勢の範囲外)。そして、巨大地震の切迫を示すデータが測定されたことも、これまで報じられている限りでは、ない。
つまり、予知の精度は皆目分からないのが現実です。戦時中の昭和東南海地震の際に確認された(後からそれと分かった)前兆現象一つしか、確認された前例はない中での見込みでの予知ですから、当たるか当たらないか、絶対の自信なんか地質学者にも、多分ない。


そうすると、本当は巨大地震が切迫していることを示唆するデータがあっても、外れた場合の影響をおそれて握り潰す、あるいは逆に、さほど地震が切迫しているとは思えないときに、危機を煽ることで何らかの政治目的を達成しようと「巨大地震の可能性がある」と公表する。そういった事態は、十分に起こり得るだろう、とわたしは思います。

とはいえ、やっぱり「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の世界で予測に介入するのと、ほとんど外れることはない予測に口出しして無理矢理変えさせようとすることでは、悪質さは似たようなものでも、バカさ加減のレベルは違いますけどね。





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最終更新日  2019.09.15 04:57:14
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