inti-solのブログ

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2023.10.11
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テーマ: ニュース(95884)
カテゴリ: 戦争と平和
イスラエル「総攻撃」宣言 双方死者、計2100人超に


ハマスは10日、レバノン南部からイスラエル側にロケット弾攻撃を行ったと明らかにした。イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラは同日、両国国境付近で誘導ミサイル弾などにより交戦した。両者の衝突は3日連続で、国境で緊張が続いている。

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イスラム原理主義勢力「ハマス」による数千発のロケット弾と戦闘員による襲撃によって、イスラエル側だけで1000人以上の死者を出し、人質として連行された人も100人以上に及ぶということです。
もとより、このような蛮行が許されるはずありません。イスラエル側の反応も例によって強烈で、10倍返し、百倍返しの勢いで報復攻撃を行っています。

ただ、ハマスという狂信的イスラム原理主義勢力の行動に賛同するところは一切ありませんが、そのような勢力がなぜ多くの支持を得て、戦闘力を維持できるのか、ということは考える必要があります。
今回、乳幼児を含む無辜の一般市民が数多く殺され、拉致されました。それはもちろん恐るべきことです。しかし、これまで長きにわたり、パレスチナ側でも乳幼児を含む多くの無辜の市民が殺されてきたこともまた事実なのです。

ガザ地区とレバノン川西岸地区には、オスロ合意によってパレスチナ自治政府が設立され、現在では独立国となっています。しかし、そのパレスチナの領域であるヨルダン川西岸では、ユダヤ人の入植地が次々と作られています。
レバノン川西岸は、すべてがパレスチナ政府の実効支配のもとにあるわけではなく、パレスチナ側が行政権を持つA地区(警察権もパレスチナ側)とB地区(警察権はイスラエル側)合わせて4割程度の面積しかなく、残りの6割はイスラエル側が行政権、警察権を持つC地区です。そのC地区に入植地が拡大しているわけです。
いくらイスラエル側が行政権と警察権を持っていると言っても、そこには先祖代々パレスチナ人が生活を営んできたわけです。そこにある日突然ユダヤ人の入植者がやってきて、武器で威嚇してパレスチナ人を追い払って入植地を作るのです。
紛争が起こらないわけがありません。
報告されています。 しかも、それらの襲撃はほとんど処罰されることがありません。
もちろん、パレスチナ側も完全に無実というわけではなく、報復でユダヤ人側を殺害する例もあります。報復への報復、報復への報復への報復、報復への報復への・・・・・、もはや暴力の連鎖です。
ただ、土地強奪の経緯から言って、そのような事態の主因はイスラエル側にあるというしかありません。

ただし、今回ハマスによる攻撃の拠点になったガザ地区は、すべてパレスチナ側が行政権を握っており、ユダヤ人の入植地もありません。その代わり、360平方キロの面積に200万人以上の人口のひしめく土地で、イスラエル軍が何度も侵攻しており、当然、多くの死傷者が出ています。
何度も激しい攻撃を受け、多くの建物が瓦礫と化しており、水や電気のライフラインも頻繁に止まり、すさまじい貧困が広がっている、それがガザ地区の現状です。

要するに、イスラエルはパレスチナ人を人間扱いしてこなかったわけです。もちろん、すべてのイスラエルのユダヤ人がそうではありません。が、今世紀に入って以降、対立の激化の影響もあって、イスラエルの政治情勢は極右勢力の伸長が著しく、あえてイスラム教徒を冒涜したシャロンのように、パレスチナ人を人間扱いしない風潮が急拡大しているのが現状です。

もちろん、だからといって狂信的イスラム原理主義勢力のハマスのやったことが正当化できるわけではありません。が、このような状況下でハマスのような過激な反イスラエル勢力を支持するパレスチナ人の存在(これも、もちろんパレスチナ人みんながみんなハマスを支持しているわけでは決してありませんが)は不可避なのです。
今回の衝撃的な事態への報復によって、イスラエルはハマスを壊滅させるかもしれません。が、ハマスを壊滅させても、パレスチナ人の恨みは残ります。結局、別の新しい武力組織が作られ、そこに多くの支持が集まり、何年か後に再び・・・・・ということにしかならないでしょう。

イスラエル軍は強力な武器と豊富な戦闘経験で世界最強と言われます。そして攻撃を受けたら10倍返し、百倍返しの報復を行い、時には報復どころか先制攻撃をいとわないという、ネトウヨや軍国手記愚者が理想と考えそうな国策を実行し続けている国です。
しかし、そのような強面の対外政策で、この国は平和を得たでしょうか、安全を得たでしょうか。
絶え間ない紛争、暴力の応酬、その挙句に今回の激しいテロ攻撃、とうてい平和が維持できているとは言えませんし、その先に平和で明るい未来が舞っているとは、とうてい思えません。


とりあえずイスラエルとパレスチナの将来は当事者に決めてもらうしかありませんが、重要なことは、日本がイスラエルと同じ轍を踏んだりしないことです。ネトウヨ連中や軍国主義者には、強力なイスラエル軍、強面なイスラエルの安全保障策を礼賛する向きがありますが、冗談ではないのです。
非武装国であれ、などというつもりはありませんけど、強力すぎる軍備と、強硬過ぎる安全保障策を振りかざした挙句に、周辺の憎悪を一身に浴びてテロの集中砲火を浴びるような国になることが、国民にとって幸せなことですか?と言いたいです。私には到底そうは思えませんがね。





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最終更新日  2023.10.13 06:42:48
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