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2025.01.26
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カテゴリ: 識別について
昨日、筑波山でハギマシコを観察をしてきた旨を報告しました。
鳥友からハギマシコの越冬環境と後頭から後頚が白い点について質問をもらいました。
(越冬環境について)
私がハギマシコとはじめて遭遇したのは、1978年冬の千葉県銚子市愛宕山の跡地の斜面で種子をついはんでいた群れでした。(その後は公園、地球の丸く見える丘展望館)
現在では姿は見られなくなりましたかが懐かしい思い出です。
さて、ハギマシコが越冬する環境については、バードリサーチ(2020)が、2006年から寄せられている観察情報を整理し報告しています。
それによると、ハギマシコが観察さけた環境では、森林(樹林・植林・雑木林)が31%、水田・畑が20%、岩場が16%、牧草地が11%、海岸が8%、その他が14%と述べています。
注目されるのは、大きな群れは水田・畑、岩場で目撃されることが多かったとしながらも樹林にいて地面で採餌していたという点です。
観察した13羽のうち、2羽は 後頭から後頚が白く、頭部は灰黒色でした。
ただし、前頚から胸の色は白くは見えませんでした。
叶内(2011)は、石川県輪島市で撮影した成鳥夏羽雄、成鳥夏羽雌の写真を掲載し、
雄については「後頭から後頚、頚側は白っぽく、前頚から胸の斑は亜種ハギマシコより白っぽい」、雌については「全体に淡黒褐色で各羽の羽縁は白っぽい。後頚は亜種ハギマシコより白っぽい」と報告しています。
さらに、亜種について「ハギマシコは北アメリカでほぼ9亜種が繁殖し、ユーラシア大陸には亜種5種が繁殖している」と述べています。
しかし、亜種の外観上の違いなどについては記述がなく、その違いは不明です。
ハギマシコの後頭から後頚の白い点については、松岡・阿部(1972)が1970年8月に大雪山系で観察した個体について「この時期のハギマシコの成長雄の嘴は、基部がわずかに肉色であるのを除き大部分は黒色で後頸の白色部が非常に顕著」と報告しています。
北アメリカのハギマシコは、National Geographic(1986)がハイガシラハギマシコ(Leucosticte tephrocotis)の前頚から後頚が白い個体を掲載しています。
ハギマシコ(Leucosticte arctoa)と比べると背の色がこげ茶、前頭がより黒く、前頚から後頚の色は似ているものの、違う羽色に見えます。
いくつかの文献に目をとおしてみた結果では、松岡・阿部(1972)が成鳥個体と報告している個体に近似しているという結果でした。
(引用)
松岡 茂・阿部 卓.1972.大雪山系でハギマシコ繁殖か.
山階鳥類研究所報告.第6巻.5-6号 p.569-571.
National Geographic Society.1985.Second printing.p438-439.
叶内拓哉.2011.日本の野鳥.p594-595.山と渓谷社.
(写真)















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最終更新日  2025.01.26 19:04:17
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