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軽井沢 最終日ローカル線に乗った。 たった一駅。何だかのんびりした駅だった。 二日前凍てつくような闇に包まれたこの街のイメージはもうなかった。かばんの中に、とある「箱」を確認して駅前の商店街へと歩く。それは、軽井沢に来て初日のこと。その夜、僕は軽井沢の中心街から、この街までレンタサイクルを飛ばした。「一番近い電器屋さんはどこですか?」「中軽井沢の駅前の商店街だね。自転車? 十分くらいかな・・」ペダルをこぎ始めると、すぐに灯りが無くなった。レンタサイクルのダイナモを足で入れると、ヘッドライトはほとんど真下を照らす。「ペダルが重くなるだけだな」と元に戻すと本当に真っ暗な世界になった。僕がペダルをこぐ音時々車道を通る車の音雨上がりの空気はとても冷たい。交差点にさしかかるたびに、舗道のコンクリートの深い段差が前かごに入った食料品と僕の尻を跳ね上げる。自転車が壊れるのではないかと心配になるほどの音。どれくらいこぎ続けただろう。おそらく、コンビニのおじさんが教えてくれた倍以上の時間。不安がピークに達したころこの駅前に出た。『で、駅前を右に曲がったらすぐに二軒あるよ。でも、この時間開いてるかなぁ・・このあたり、店、閉まるの早いのよ』おじさんの言葉を思い出しながらもうすっかり灯りの少なくなった商店街に進む。一軒目--だめだ、閉まってる。二件目--灯りが点いている!自転車を降りると、僕は、駆け込むように小さな街の電器屋さんの戸を開けた。「いらっしゃいませ」黒く細いフレームの眼鏡をかけたお姉さん。(そう、お姉さんと呼ばせていただこう。たとえ何歳でも(笑))「すみませんっ、SDカードリーダーって置いてますか?」「あぁぁ。うちは置いてないんですよぉ」僕は言葉を失った。「・・そうですか」「あっ、でも貸してあげます。うちで使ってる古いのならあるから」お姉さんはそう言って、棚の奥を探る。僕は、「絶望」の方に下がりかけていたレバーが急に「期待」の方向に上がって目眩がした。自分がどんな顔をしていたか分からない。きっと余裕の無い顔だった。人間、突然の幸運に出会った瞬間はきっと余裕がない。「はい。ちょっと古いから使えるかどうか分からないけど」お姉さんは、黒い箱を差し出した。間違いなくSDカードリーダーだ。「いいんですか? そんな・・甘えちゃって」「いいですよ。うちは明日も明後日も開いてるから、二三日使ってもらって大丈夫ですよ」僕はお姉さんに名刺を渡しながら何度もお礼を言った。そう。あの時お姉さんがカードリーダーを貸してくれなかったら・・僕はブログを更新できなかったのだ。(そんな理由かよっ)お姉さんにカードリーダーを返した。途中で買ったお菓子を添えて。不思議なものでお姉さんに返した瞬間今回の旅が終わった気がした。カードリーダーは返したけど稚拙な表現ながら何だかあったかいものがやっぱり身体に残ったのです。
2007.04.30
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バスに乗った。バスに乗るのも、山道を走るのも久しぶり。滝を観て古いホテルを観たあと 次のバスがあと一時間以上ないと分かった。針葉樹と点々と、古びた別荘の道。「何で歩かないといけないの」「パパのせいだ」長い道に小五の長女はふてくされる。しばらく放っておいたあと話しかけた。「色んな別荘があるよ」 あっちのは、かわった煙突-- こっちの石垣はすごいね--麓に着くころには曲がったヘソも真っ直ぐに。仕上げに・・チョコバナナクレープでご満足の様子。・・やれやれ。 古いホテルの日だまり。曲がったヘソは困るけど曲がったガラスは綺麗でした(笑)
2007.04.29
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海の向こうに 第五話 「むこ」をアップしました。クリックいただくと、掲載ページに飛びます。 ↓ ↓http://kirin74.blog87.fc2.com/--------昨日から始めた一周年企画。今日は、去年夏に使っていたトップ画像をどうぞ(^^)
2007.04.28
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軽井沢に、きた。ホテルで借りたレンタサイクルでログハウス風の店にふらりと入る。その店は、ちょっと特徴的な店だった。天井と壁を埋め尽くす古い切符と 定期券僕と似たようなルートの通勤定期印刷された「60」の文字は昭和六十年のこと。僕が高校生くらいに今の僕の道を通った人「この店は時間の流れ方が違うんだ」ショウガ焼き定食をいただいている途中スコールのような雨が借りたばかりの自転車を濡らし始め慌てる家族に「そうだね。どうしよっか・・」と考えた末コーヒーとチョコレートパフェを追加注文。落書き帳があった。昭和五十五年のノート「来月結婚します--」その文字の上から書かれた×マークが気になってストーリーを想像していたら雨が上がってた。あと二日このペースでいこう。
2007.04.28
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金曜が終わった。明日は一日寝ていたいくらいだけど朝から遠くに行ってきます。結構キツイ。。ところで、このブログってスタートは去年の5月6日だった。というわけで今日から、ちょっと当時を振り返ってみようかと。一番最初のきぢのしゃしん ↓当時はタイトルも違った。それから途中半年近く更新しなかったこともあったなぁ。とはいえ。もうすぐ一周年ということで何かリニューアルでも考えようかと思うのだが。このままでもいいかな、とも思うし。もう少し考えます。
2007.04.27
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GWは・・とある場所に旅行の計画を立てている。そこからブログを更新できたらいいなぁなんて思っている。 ところで、わが愛しのMacBookちゃんは周囲のワイヤレスLANを勝手に探してくれるようだ。この前、都内のとある公園でSafari(ブラウザ)を立ち上げたらネットにつながってびっくりした。パスワードを設定していないLANなのかなぁ。というわけで、もしそんな親切な環境が旅先にあれば無事更新できるという訳だが・・。あーあとにかく忙しくって、ペースが乱れる今日この頃。詩もしばらく書いてないなぁ。決してその星にたどり着くことのない衛星のように核心の周りを一定の半径を保ちながらぐるぐると回り続けている毎日、そんな感じどんなGWになるのだろう。とにかく、もうすぐだ。でも、その前に・・「わたしたちの教科書」みよっと(笑)
2007.04.26
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久しぶりに 朝から晴れた。 保育園まで かたぐるました。
2007.04.25
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業務改善を図ろうと 書類の棚を新調した。 阪神君が調達した棚に 庶務の女性が 「おぎやはぎ」の写真を デコレート。 外回りから帰社した先輩に 僕は説明した。 「今後、その日の見積りは、 あの『おぎやはぎや』の棚ってことで‥」 「あはははっ!」 阪神君は大爆笑。 「あははは‥はぁはぁ。‥ 『おぎやはぎや』て、 “おはぎ屋“みたいやないですかぁ!」 鬼の首をとったように 喜んだ。 チクショーっ 帰り際。 「見積りチェックしたら、あっちに回しとけよ」 そう言ったら・・ あの、 『おぎやはぎや』のヤツですよね―― 「じゃかましわっ」 戸を閉めながら見た 阪神君の顔は 東京に来てからの 彼の一番のスマイルだった チクショーっ(再)(笑)
2007.04.23
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今週、一日だけの休日は風が強かった花は揺れるだろうから雑踏を写してみよう 気がつけば殺伐としたものばかり追いかけている殺伐としているのは街それとも僕パラグアイの誘拐事件無事解放された日本人は「自由の身のありがたさを実感している」その言葉にドキリとした投げやりな休日
2007.04.22
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海の向こうに 第五話 「こどもでいること」をアップしました。 ↓ ↓http://kirin74.blog87.fc2.com/-----あぁ。今週はぐったり疲れてしまった。そんな時は・・・なぜか、カレーが食べたくなるのだった。
2007.04.22
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子どもは素直。やりたいことに素直。たまには、そうありたいものと思い買い物に。電車を乗り継ぎ、錦糸町へ。楽器屋の若い女性の店員さん。 --何に使うの --どうして買いたいのうまく説明できないから適当に答えるとなあんか、ちょいワルですね、とからかわれた。ピッチの感覚が分からない。眼じゃなく 口で 音を探る。目標は「コーリング・ユー」の奏破。いつか観たバグダッドカフェの音のように?「やりたいことに素直であれ」そうしてみた僕は・・・ちょいワル? 子ども?どっちだろう。
2007.04.18
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「いや、僕は二枚目路線で行きますよ。・・・織田裕二路線かな」 関西弁。小太りに眼鏡。織田裕二を希望にも関わらずオール阪神君と命名された。4月に転勤してきた後輩(25)のことだ。午前0時。銀座。歓迎会のあとの路上で「何かのどが渇いたなぁ」と先輩。阪神君は、突然ダッシュ。三十分間行方不明となったあと僕、どこにいるんでしょうか、と電話が入る。日比谷で捕獲。ポカリ探してたんですけど、とかいた頭を先輩にポカリとやられ別の先輩からは「CTを撮ってこい。アイツのは後で来る。もうあれで5人殺してるんだ」と、脅された。初めて東京で暮らす阪神君。「僕の太陽のような笑顔があれば」命名した先輩が想定する「オール巨人君」は仕事でコンビを組む僕、らしい。
2007.04.17
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先日、女性の古い友達にメールを送った。久しぶりだった。 吉本ばななの「キッチン」を何度も読み返す人。話しかけなければいつも黙っている人。悲しい時は・・大粒の涙をぽろぽろと落とす人。「ヤツとは、何とかやってます」。返ってきた文の中には笑顔の顔文字が三つ咲いていた。友達って、面倒くさくて、面白い--何かのキャンペーンのフレーズを思い出した。「 季節は春。 お互い凹んだぶん、 今の平和を感じよう 」僕は、うれしくてあわてて打った青臭い文章を夜の電車から発信した。
2007.04.16
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連載中の「海の向こうに 第四話 公衆電話」をアップしました。↑ ↑クリックしていただくと、掲載ページに飛びます。----先日、新宿のルミネでごはんを食べた。 和食ダイニングの店「ろいす」。コースは前菜やメーンを選べるのだが、僕は写真のようなものを選んだ。煮カボチャが絶妙だった。少し固めで、カボチャをかじっている感じがちゃんとする。カボチャの味がする。その味が煮汁の味で支えられている。そんな感じだった。おいしい料理。それは、映画を観に行ったり、旅行をしたりするのと同じように生活の中にくっきりとした像を残す。うーん。どう言えばいいのかなぁ。そういうことを「思い出に残る」と言ったりするのだろう。何が思い出に残るかは、後にならないと分からないが、少なくともその種にはなるのかも。今日は日曜日。何かおいしいものでも食べに行きたいなぁ。
2007.04.15
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元気がない時は、何をしてもうまくいかない。 汐留のCDショップに立ち寄った。平日の夕方で空いていた。分からない。平積みしてあるジャケットを見ても、どんなアーティストなのか、どんな音楽なのか。色々試聴してみる。ヒップホップはあまり好きじゃない。いい思い出がない。初めてのアンジェラ・アキの声もささらなかった。男女二人組の新人ユニットの歌詞は、異世代の世界を描いていて僕は取り残された。インストゥルメンタル系もリサーチ不足で手を出せなかった。気がつくと、懐かしい馴染みの音楽を探している自分がいて、危険のシグナルが鳴る。「僕は一体何が聴きたいのだろう」通勤の音楽がマンネリ化していた。それを何とかしたいと思っているのに。CDに刻まれた、無機質な溝のイメージが心を占めていた。再生機がなければ機能しない溝。その溝から何かを読み取ろうと、懸命に眼を凝らしている僕。 翌日。突然ぽっかりと空いた一時間を埋めようと、僕は中央区の図書館に立ち寄った。古びた図書館のロビーに小さなCDのコーナーがあった。五枚まで無料で貸し出すと書いている。棚のタグは「クラシック」から始まり、映画音楽やポピュラー・・一通りのジャンルを揃えている。僕は、大好きなインストゥルメンタル系をパスして日本のポピュラーを探した。それは「流行歌・演歌」の棚に収まっていた。少し可笑しかった。十分くらいあれこれ眺めた後--。僕は「あ」の行の、一番端から五枚のCDを抜き取り貸し出しカウンターに差し出した。今、僕はそんな風にでたらめに選んだCDを聴きながら、この日記を書いている。イヤフォンから耳新しい音が流れてくる。そうしているうちに、気がついた。この三日間。僕はただ、気分を変えたかったのだ。
2007.04.14
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お昼サンドイッチを食べようと訪れた公園は八重桜が最後の季節で一番大きな樹の下にシートを敷いて会社員の男女サンドイッチを食べ終わり一行が去ったあとに桜が五つあの人たちの空気と一緒に並んでいた
2007.04.12
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耳をすましてみよう電車の扉が開く音革靴の群の、馬蹄音若い足がカツカツと地面を蹴る音年老いた足がずるずるとひきずる音耳をすましてみよう空調機が空気を吹き出す音エレベーターのモーターの回る音どこかで聞こえる赤ちゃんの泣き声大きな口を開けて小さな声帯をめいっぱい振るわせてここにいる僕まで届く音音無しい人たちよ音を、立てよう音こそが活動の証音こそが今ある命の証
2007.04.09
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山田洋次監督と言えば・・・寅さんシリーズなど、日本の娯楽映画の巨匠だ。先日、山田監督の著書「映画をつくる」を読んだ。1978年に書かれた古い本だが、学ぶところは多い。とある映画談義が紹介されていた。ある男性が「映画たるものこうあらねばならない」と高慢な議論を展開するので、山田監督が聞いてみた。「それで、最近はどんな映画をご覧になりましたか?」すると男性は少し考えて「植木ひとしの『無責任時代』。いやぁ疲れた時は難しい映画は、どうもね」と言ったそうだ。そんなものなのだ。僕たちは、つい難しい理屈をつけてしまうのだけど人の心にスッと入っていくものを目指したいものだ。それは人を喜ばせるギャグであったりひと目で美を感じる映像であったりドキリとさせる詩であったり。「娯楽」という言葉をあなどってはならない。それでは・・いわゆる「難しいこと」はどんな風に位置づければいいのだろうか。「難しいこと」であればこそ得られる深い共感を、僕は様々な本からいただいている。うーん。モノを書いて発表するということは思うよりずっと奥が深いのだろう。
2007.04.08
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海の向こうに 第三話 「橋をわたる」アップしました。 ↑↑クリックしてもらうと掲載ページにジャンプします。-------昨日は新宿・都庁に初めて行ってきた。夜景を観るため最上階に上がると、結構な込みよう。外国人のおじちゃんおばちゃんと肩を並べて東京の空中散歩を楽しんだ。**それにしても、行き帰りの電車は混んでいたのに、ほぼ座れた。小さな子を抱えて立っていると「どうぞ」といって席を譲ってくれる人がいたのだ。「いいですよ、いいですよ」「いえいえ、どうぞ」うれしくて座らせてもらう。一人目はお兄さん、二人目はお姉さんだったのだが、このお姉さんは、すんごい高い(8センチはあった)、かっこいいヒールを履いていた。しかも、その後も長い間電車に乗っていたので気の毒になってしまった。早く彼女のための席が空かないかなぁと思っていた。彼女も多分しんどいのだろう、手にした小説もそこそこに駅で人が乗り降りするたびに席をチラ見するのだが、なかなか椅子取りゲームに勝利できない。僕が替わってあげようかと思ったけど、きっと断られる。僕は何だか、気の毒と同時に、ほほえましい気持ちになった。「いいんです。どうぞ」と言ってゆずってくれた彼女の笑顔を思い出しながら、僕はしばらく、彼女の苦闘の様子を目を細めて眺めていた。
2007.04.08
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先週の休日 千鳥ヶ淵にて 靖国神社の脇、九段坂を上り、桜に会いに行く。 何となく、寄り道しながら。 東京の桜は---満開だった。 ふるさとの桜も ちょうど今週 満開になるだろう。
2007.04.07
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4月の始めはやはり忙しく先週の桜の画像をようやくPCに収めた次第夜桜の写真なのでこれがまたブレブレでがっくり。
2007.04.07
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蔦の壁がきれいな中学校国旗がかかっていることに気がついたどうやら今日が入学式いろいろな物語の始まりの日なのでしょう
2007.04.06
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ペッタリ感が好きたれパンダ的なここ5年くらい愛用のギターネックが太いところニスのないボディがお気に入り偶然みかけた親子のひとコマ
2007.04.05
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家で過ごす時間。 トドみたいに 寝ていたり 子どもに インスタントラーメンを食べさせたり 雑多なモノたちを 撮影してみたり カエルに 花見をさせてみたり パパはただ 路頭に迷ったように うろつくのです。
2007.04.03
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昔むかし。 松任谷由実の歌詞。 ♪ 次の夜から 欠ける満月より 14番目の月が 一番好き ・・分かる。 桜が満開になると、散ってしまうのがもったいなくなる。 ひらひらと舞う花びらを見ると、「風よ吹くな」とまじで思う。 桜満開の日は、「誕生日」に似ている。 あぁ、また一年が経ってしまった-- 美しい花を愛でながらも 心穏やかにはいられない。 あぁ、また一年が経ってしまった-- 美しい花の向こうに これまでと これからを見る。 いつか-- 桜満開の日に 心から 笑顔でいられるだろうか。
2007.04.02
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ねぇ、早く遊ぼうよ・・・ほら、あの淡いピンク色の花がポンポン音を立てるみたいに開いてるよ。僕は身体が黒いから、ああいう淡い色、弱いんだ。何だか気が焦るっていうか、何か、今大切な思い出を作りたい感じなんだよね。だから。・・・昔さ、僕が小さい頃だけど。ちょうど今みたいな季節にね、お花見に来ていた小さな女の子がいたんだ。その子がさ、お母さんの作ってくれたお弁当ひっくり返しちゃったの。そん中に、僕の大好物の鰆の味噌焼きが入っててさ。僕はサッとそれをかっさらったのさ。ねぇ、聞いてる?・・・あぅそれで、僕は逃げようとしたんだけど、あわててたもんで。桜の根っこにひっかかちゃって・・。コロンよ。そしたらさ、女の子が近づいてくるもんで「ああ、ぶたれる~」って思ったのよ。ところがさ、その女の子、どうしたと思う?・・・その子は僕に近づいてこう言ったんだ。「あたしが無駄にしてしまったお魚を、無駄にしないでくれてありがとう」って。赤と白のチェックのワンピースに、小さな麦わらの帽子をかぶってたよ。それで、その子は小さな手で僕をなでなでしてくれたんだけど。その時にね、ぷーんって石鹸のにおいがしたの。あれ、いいにおいだね。石鹸。そのいいにおいと、あの子がなでてくれた感触が忘れられなくってね。ああ、話が長くなったね。とにかく、この花を見ていたら、そういういいことが待ってそうな気がしちゃうんだよね。だから。早く遊びに行こうよ。ねぇ、早く、早く。・・・・・・・・・ZZZZZZ何だよ寝てんのか。ったくしょーがねーなぁ。ん? 花見とは、桜の下で食べたり寝たりすることだって?そういや、あの子の父さんも酒飲んで寝てたなぁ。ちょうどキミみたいな格好して。
2007.04.01
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