再出発日記

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2011年01月24日
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カテゴリ: 韓国旅行(09~)
2010.11.7(金海)

P1010120亀龍.JPG
国立金海博物館に行きました。三度目の訪問です。できるだけ写真も撮ったのですが、照明が暗くて鮮明なものがありません。ショックだったのが、私のブログのプロフィールに使っている「龍と亀の合体した神様」の模型(私は韓国のガメラだと呼んでいる)が撤去されていたということです。韓国では伝説上の動物ですが、悪者ではないんですよ。

1211鈴.JPG
……ということを確かめに来たわけではないのです。国立博物館だったら、教えてくれるでしょ、ということでやってきたのです。でもそれは後回し。とりあえず展示を楽しみます。国立博物館は、古いということあって、デジタル機器はほとんどないですが、伽耶地域の各地域の代表的な遺物が展示されていて、贅沢です。これは侠川玉古墳群田出土の馬鈴。

1229文字壷.JPG
ちょっと見難いけど、文字や絵の描かれている土器はちゃんと出土している。慶尚大学の先生、 話がちょっとちがうやん。

1239歳文土器.JPG
ちなみにこれは 普州大坪里遺跡 から出てきた彩文土器です。青銅器時代の遺跡からは良く出てきます。

1245勒島.JPG
これは 勒島遺跡 から出てきた板状鉄斧と鹿角製柄部刀である。

よく覚えていないけど、この博物館で40分ほど瞑想して(寝て?)、小説の構想を練ったのを覚えている。よく覚えていないけど、主人公はこの金海の町で大事なことを学ぶことだけは外すことはできない。よく覚えていないけど、時代はやっぱり二世紀の初めしかないかな……ということになる。と、いうことはキムスロは100歳近いおじいちゃんか……。

1213鉄鉱石と製鉄のためのふいごの写真.JPG
そんな瞑想?をしに来たのではなく、聞きたいことがあってきたのでした。

「鉄の産地はムルグムにあるらしいが、果たして尋ねることはできますか?」
さすがに国立博物館、日本語ができる学芸員がいるだけでなく、質問に対してもインターネットを駆使しながらもなんとか答えてもらえた。
「確かに鉄鉱石は梁山にもあるが、洛東河を渡って金海方面にも鉱山は延びているそうです。つい10数年前ぐらいまで鉱山があって、今は閉めています。」
前人未到の山みたいで、どうやら訪ねるのは無理みたいです。諦める。(ムルグムはしかし、鉱山の観光資源化は検討されているらしい)下の写真は製鉄過程です。
1212製鉄過程.JPG

ここから行ける青銅器時代の遺跡ということで、茶戸里(タホリ)遺跡の行き方を詳しく聞いた。明日の午前中はそこに行く。

「韓国の博物館は大きくて、最新のデジタル技術を使い、分かりやすく金を掛けたものが多いですね」と大坪里博物館のことなどを思いながら褒めてみると、この学芸員(女性)は、大成洞の学芸員と違いどうも高学歴なのを鼻に掛けているのが見え見えで「可愛くない」のです。
「国の方針として民族の歴史を知らせ無くてはならないということになっていて、予算は出るのです。でも今の若者はただ展示しているだけならば通り過ぎるだけになってしまう。昔は博物館でメモをしている学生は多かったのに、今はほとんど見ない。今はどんどん馬鹿になっています」彼女は今の若者にそうとう批判的である。それはそのとおりだろうと思うのだけど、言外にデジタル技術を導入していない国立博物館を擁護しているだけとも思えなくありません。でもまあ、いくら民族主義が強いと言っても、この文化政策には賛成です。

「(朱蒙なんかは)テレビの時代劇だということで笑いながら見ている。彼等はまるで朝鮮時代のような服装をしている。中学生とかが見学に来て解説するときには、テレビの時代劇を見て学習する人がいるけど、あれをそのまま信用しないでください、とは言っている。」私も建物が青銅器時代も朝鮮時代も同じなので、それはないだろうとは思っていた。

1293隣接施設.JPG
国立博物館の隣には子供用の体験施設を作っていた。確かに文化施設には金を掛けている。民族主義の表れであろうとも、文化の発展にはリアルに自らの歴史を知る必要があるというのは真理である。これはぜひとも某政党も真似をして欲しい。

1295喫茶店.JPG
すっかり暗くなった。歩いて宿方面に帰る途中、お洒落な喫茶店があったので入ってみる。韓国では押しなべて本格的なコーヒーは高い。ここで一番安いコーヒーはエスプレッソ。4000W。ちょっとした食事と同じ値段である。韓国の食堂の値段が安すぎるのか。何故このような値段体系になるのだろうか。

1296ストーブ.JPG
これはインテリアではない。暖房機である。上の傘から輻射熱が来て、けっこう暖かい。韓国には珍しいデザインが時々ある。

1297夕食.JPG




歩数 22,505歩


これでしばらく韓国旅行レポートを一休みします。この連載の間に見た映画や企画、本がたまったせいです。これまでの連載で、旅の約三分の一がすみました。遺跡探訪は旅の前半でほぼ終わって、そのあとは気楽な韓国探訪になって行きます。早いうちに連載を再開したいと思います。






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最終更新日  2011年01月24日 09時39分45秒
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