まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2025.11.24
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息白し銀盤包む祈りの手 殻牡蠣や剥けばこぼるる母の声 お重ねに何を祈るや小さな手 秋刀魚よりバズの豆腐をまた注文 冬銀河憧れ映す首飾り 冴ゆる夜や塩せんべいの咀嚼音 わたされた軟膏肌荒れの背中 枕頭のハンドクリーム虎落笛
11月20日のプレバト俳句。
お題は「繰り返し買ってしまうモノ」。




清水アナ。
枕頭 ちんとう のハンドクリーム 虎落笛 もがりぶえ
五代目のハンドクリーム 虎落笛
(添削後)

今回はこの句がいちばんよかったです。
これなら兼題にも適ってると思います。

季語の近さも欠点ではなく、
屋内と屋外を対比して臨場感を与えてる。

ただ、

個人的には 「枕辺 まくらべ のほうがいいかな。

一方、
添削句は誤読の余地がありすぎる。
《五代目主人の私物》とも読めるし、
《商品のversion5》とも誤読できます。
わたしなら原句のほうを才能アリにする。




高橋成美。
息白し 銀盤包む祈りの手
幾度目の祈りスケート場包む
(添削後)

季語は「息白し」で冬。
なお「スケート場」は冬の季語だけど、


原句は「手」と「包む」の組み合わせが悪い。

一般に、
《会場が祈りに包まれる》
みたいな慣用的な言い方はあるけど、
《会場が祈りの手に包まれる》

かえって分かりにくい表現になります。

単純に「手」を省けば、
銀盤を包む祈りや 息白し

のように出来る。

一方、
兼題に寄せてるか否かでいえば…

添削句も、
《フィギュアの観覧チケットをリピート買いしてる》

とは読めませんよね。
ほとんどの読み手は、
《演技のなかに幾度かのジャンプの瞬間がある》

と解釈するはずです。

なので、
添削しても兼題に寄ったとは言いがたい。



梅沢富美男。
冴ゆる夜や 塩せんべいの咀嚼音
霜夜また 塩せんべいの咀嚼音
(添削後)

たんに「塩せんべいの音」と書けば、
あえて「咀嚼」と書かなくてもよいのでは?

一方、添削句のほうは、
副詞「また」を加えて、
兼題に寄せたつもりらしいのだけど…

この副詞がどこに掛かるか分からないので、
3通りの解釈が生まれてしまいます。
(1)また霜夜である
(2)また咀嚼音が聞こえる
(3)また塩せんべいを買った

通常なら初句切れで (1) の解釈になる。

冒頭の3音で切って、
霜夜 / また塩せんべいの咀嚼音

と読む人はいないでしょうが、
かりにいたとしても、
(2) と解釈するはずであって、
(3) と解釈する人は皆無でしょうね。
なので、これも兼題に寄せたとは言いがたい。

むしろ、
冴ゆる夜にいつもの塩煎餅の音

とするほうが兼題には寄ります。





小山慶一郎。
冬銀河 憧れ映す首飾り
憧れや 冬の銀河と首飾り
(添削後)
キムタクや 冬の銀河と首飾り (添削後)

原句の中七「憧れ映す」は、
具体性に乏しくて意味不明ですね。

かたや添削句は、
(以前も「失恋や」「傷心や」などの例があったけど)

上五で季語でないものを詠嘆するのが違和感。
冬銀河 我がアイドルの首飾り

と書けばよいのでは??

まあ、どっちにしても、
兼題にはまったく寄りませんが。



コットン西村。
殻牡蠣や 剥けばこぼるる母の声
母恋うや 殻牡蠣をまた取り寄せて
(添削後)

凡人ワードの「母」の句ですが、
何故これが才能アリ1位なのか疑問。

作者の話によると、
母が声を出したのではなく、
《記憶のなかの母の声が聞こえてきた》
…みたいな意味らしいけど、
それを字面からは読み取れない。

かたや添削句は倒置法なのでしょうか?

一句一章で、
殻牡蠣をまた取り寄せて母を恋ふ
とも出来ますが、
いずれにせよ「母恋ふ」がベタすぎる。



石黒賢。
お重ねに何を祈るや 小さな手
御鏡に何を祈るや 小さな手
(添削後)

歳時記には載ってないようですが、
「お重ね餅」は「鏡餅」と同義なので、
たぶん新年の季語になると思います。
※ちなみに「餅」は冬の季語です。

ただし原句は、
不用意に「お重ね」と省略したせいで、
意味不明な無季の句になってしまった。

なお、
二句一章にする必然性は感じないので、
御鏡に何をか祈る小さな手
とするほうがいいと思います。



村重杏奈。
秋刀魚よりバズの豆腐をまた注文
秋刀魚買うか バズの豆腐をまた買うか


じつは兼題にいちばん忠実な句ですが、
季語をないがしろにしたために最下位。

かりに「新豆腐」なら秋の季語だけど、
この句はネット注文の場面なので、
それすらも画面上にしか存在してません。

なお、
(先生は現代語と思い込んだのでしょうが)

中七「バズの」は現代語ともいえないし、
英語「buzz」だとしても意味が不明瞭です。

あえて「秋刀魚」にこだわらず、
暮の秋 バズる豆腐を再注文

とかでいいと思います。



蓮見翔。
わたされた軟膏 肌荒れの背中


季語は「肌荒れ」で冬。

これでワンランク昇格だって?
いつもながら蓮見への評価が甘すぎますね。
わたしなら平場でも才能アリにはしない。

二句一章にする必然性を感じないし、
自分の背中か相手の背中か分からないし、
医者から軟膏を渡された場面とも読める。

一句一章で、
肌荒れの君の背中に塗る薬

と書くほうが明瞭です。


▽過去の記事はこちら
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12



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最終更新日  2025.11.27 02:27:51


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