まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2026.09.04
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カテゴリ: NHK大河ドラマ
NHK「豊臣兄弟」の脚本では、

1.中川清秀が豊臣方を裏切って、
2.柴田方を裏切った前田利家にすぐ殺され、
3.その首が秀吉に届けられたものの、
4.秀吉は清秀の裏切りの事実を隠蔽した

…という内容になってます。


もちろん、
これはドラマの創作だと思いますが、
かりにそれが史実だった場合、
現存する史料はどう読めるのか考えてみます。



A:
B: 「佐久間軍記」近藤無一が清秀を討ち、佐久間盛政が首を取って柴田勝家へ献上。
C: 「中川家譜」近藤無一が討ったのは清秀の弟・淵之助。清秀は本丸で自害。

Aは豊臣側の史料だし、
豊臣家としては中川の裏切りを隠蔽すれば十分なので、


Bは、
江戸時代に書かれた佐久間側の史料ですが、
江戸初期の「甫庵太閤記」 (1628) の内容を継承してるっぽい。
その作者の小瀬甫庵は織田・豊臣に仕えた医者だから、
これももとは豊臣側の史料といえます。

つまり、
この件にかんする歴史記述が一致してるのだから、
豊臣家と佐久間家には利害の差がないのでしょうね。

ドラマにおいて秀吉は、
裏切った清秀の息子の秀政を取り込みますが、


敵陣の生き残りを可能なかぎり取り込んでて、
佐久間盛政のことも、
やはり豊臣方へ取り込もうとしたようです。

盛政はこれを拒否して処刑されたけど、
残りの佐久間家の人々は豊臣方に寝返り、


豊臣家と佐久間家の歴史記述に違いがないのは、
佐久間家が豊臣方に寝返った結果といえるわけです。

さらには近藤無一も、
なぜか柴田を裏切った前田利家に仕えており、
その子孫は中川家に仕えたらしい。
これもちょっと不可解な感じがします。

ドラマの内容が史実だとすれば、
利家は豊臣方として清秀を殺した事実を隠し、
無一が柴田方として清秀を討ったことにすべく、
あえて無一を召し抱えたようにも見えるし、
中川家もまた一族の裏切りの歴史を消すために、
近藤家の者たちを召し抱えたように見えてくる。



Cは中川側の史料で成立年不詳だけど、
おそらくBよりも後に書かれた可能性が高いし、
Bを修正する目的で書かれてるかもしれません。

ドラマにおける中川家も、
清秀の裏切りを隠蔽したい点では、
豊臣・佐久間の立場と一致するはずだけど、

ドラマの内容が史実か否かにかかわらず、
さすがに大将が討たれたのでは体裁が悪いので、
討たれたのは弟で、大将は本丸で自害した、
…という話に修正して面目を保ったのかもしれない。



そう考えれば、
かりにドラマの内容が史実だとした場合も、
A・B・Cの史料が後世に残ることに矛盾はありません。

一部の自治体は、
今回の脚本が中川家の不名誉だと抗議してますが、

おそらくNHKの時代考証担当者としては、
その物語を明確に否定できるだけの根拠もない、
…ということなのでしょうね。



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最終更新日  2026.09.04 13:23:28


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