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さて、本日は、CCCとCICCの具体的な手順について、お話いたします。<1つめのC=法廷証言は正しい>・前提として、弾劾したい事項について、「本当ですか?」「間違いないですか?」「本当は違うのではないですか?」と何度か念押しをして、「間違いありません」と何度も言わせる。※CICCの場合は、ここで、欠落している部分について、それがいかに重要な事実であるかを語る必要があります。これについて、後日といたします。<2つめのC=調書を作った時も正しい>・あなたは、事件から○日後の(記憶が新鮮であることを暗に示します。)、○年○月○日、××警察署(検察庁)で、警察官(検察官)から事情を聞かれましたね。(ここで「取り調べ」というと反発を買うので注意されたいということでした。)・あなたは、△△(弾劾したい事項)について聞かれましたね。・あなたは、その日も△△について覚えていましたね。・あなたは、記憶のとおりに答えましたね。(ここで、「あなたは△△について、今日と同じように答えましたね」と聞くのはNGです。「いや、どうだったか分かりません」とか言われてしまうからです。)・あなたの話を聞いて警察官(検察官)は、あなたの話したとおり、調書にまとめてくれましたね。・警察官(検察官)は、調書を読んでくれましたね。・あなたも、調書を手にとって確認しましたね。・警察官(検察官)は、「あなたが話したとおりでないところがあったら、訂正を申し立てて下さい」と言われましたね。(ここで「内容に間違いがあったら」……という形にすると、「いや、そんなことは言われていない」とか、「内容は正しいか分かりません」など流れを阻害する発言を許容してしまうので注意してください。)・あなたは、訂正を申し立てませんでしたね。・あなたは、話した内容が書かれていることを確認して、名前を書きましたね。・ハンコも捺しましたね。<3つめのC=自己矛盾供述とご対面>・(同一性確認のため)平成○年○月○日付証人の調書末尾署名押印部分を示します。・末尾の名前は、あなたが書いたものですね。・ハンコも、あなたのものですね。(ハンコの尋問後、CCCの場合)・では、同じ書面の○ページ○行目(△△に関わるところ)を証人に示します。ここから、私が読み上げますので、書かれているとおりに読み上げたか、確認してください(「正しく読んだか」などと聞くと、言い訳を招くので注意してください)。・「~△△~」書かれているとおりに読みましたね。(読み上げは尋問者がやるべきです。証人が素直に読んでくれるとは限らないからです。)・引き上げます。(ハンコの尋問後、CICCの場合)・では、この書面を渡しますので、「△△」という記載があるかどうか確認して下さい。・「……」ありませんね。(ここで、証人が言い訳をしても放っておいてください。遮る必要はありません。)応援していただける方は、下記のバナーをクリックしてください。
2013年07月18日
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今日は、最終弁論の中身ではなく、やり方について、お話しします。まず、話すときにもメリハリは必要です。抑揚をつけ、重要なところでは、話す速度を落とすのが良いでしょう。適宜、間を取るのも有効です。裁判官・裁判員の注意を喚起したり、集中力の回復に繋がります。また、臨場感のある言葉で話した方が良いです、淡々と進みすぎると、裁判官・裁判員を飽きさせます。証拠の議論をするということで、裁判員に考えさせるという手法は有効です。その際、「あなたならどう思いますか」と言いたくなりますが、丁寧に「皆様はどう思いますか」というか、より客観的に、「私たちならどうするでしょうか」とした方が良いとのことです。たとえ話を使うのも有効ですが、その際は、論理のすり替えと受け取られないようにする注意が必要です。極端なたとえ話を示して、本件に当てはめようとすると、これも反発を食らいます。そうならないようにするためには、丁寧に定義を説明し、本件とほぼ同じような例を、たとえ話に用いた方が良いということです。また、ジェスチャーも有効です。最終弁論だと、つい、喋ることに集中してしまいますが、ジェスチャーを用いるべきだということです。ただし、その際は、何となく使うのではなく、意識的に、裁判官・裁判員がこちらを見ていることを確認したうえで、丁寧にやるべきであるということでした。あと、最終弁論をメモなしで行う場合、出だしの言葉だけは、一字一句暗記しておくと、後の内容もすんなり出てくることが多いということでした。でも、どうしても詰まってしまった場合には、間を取るふりをして、メモをチラ見することもやむなしということです。応援していただける方は、下記のバナーをクリックしてください。
2013年07月27日
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最後に、3つめのC、つまり「C(confront=自己矛盾供述とご対面)」」についてお話しします。基本的には、以前お示ししたとおりです。ただ、裁判官・裁判員の方に分かりやすく伝わるよう、読み上げるときは、まず一拍おきます。そして、丁寧に読むのです。特に重要な点は、速度を落として読む必要があるでしょう。このとき、読むべき部分が長いからといって、ちょっと読んで「ここまでは正しく読みましたね」とやり、またさらに読んで「ここまでは正しく読みましたね」と分断して読むのは良くないということです。意図を察知され、言い訳をされてしまう可能性があるからです。ちなみに、あまり長い場合には、一つ目のCのところで、調書を引用して「本当は『~~』じゃないんですか」と言ってしまうのも一つの手だそうです。あと、調書を読み上げるときは、不利な部分も読み上げる必要があります。都合の良い部分だけ読み上げると、アンフェアな印象与え、弁護人に対する信用性が失われます。CICCで黙読させる場合には、どの部分の有無をチェックしてほしいのか指示をすること。指示なしに「とりあえず調書を読んで下さい」では、証人をコントロール出来なくなるからです。また、出来れば、調書は弁護人が手に持って居た方が無難です。証人が調書を握って手放さなくなる恐れもあるからです。なお、調書を読む場合、あえて法廷での証言と一致する部分から読み、異なる部分と対比させることも一つのテクニックとして有効であるということです。ただし、長すぎると、ぼやけるので、異なる部分を際立たせる程度にとどめる必要はあります。黙読部分が長すぎる場合、段落ごとに読ませるのは有効ということです。たとえば、「第1段落を読んで下さい。」→「ありませんね。」→「次に第2段落を読んで下さい。」→「ありませんね。」……という具合です。なお、調書を示す際に、刑訴規則199条の11違反として異議を出されることがあります。その際は、「自己矛盾供述の確認であり、刑訴法328条の趣旨からすると、刑訴規則199条の10として許容される」と反論してください。すなわち、刑訴法328条は、自己矛盾供述の呈示確認は、当事者の権利として定めているといえます。しかも、自己矛盾供述であることは、厳格な証明が必要という判例もあります。したがって、刑訴規則199の10が適用され、権利として裁判所の許可なく呈示が可能となります。ここで、異議が棄却されれば、堂々と調書を見せましょう。異議が認容されてしまった場合、「調書には、△△と書かれていますね」と聞きます。これに対して「覚えていません」「違うと思います」と言われた場合、改めて「同一性確認のため、刑訴規則199条の10に基づいて調書を示します」といいます。ここまで来て異議を出されることは、無いはずです。ここまで来ると、裁判員は「本当はどうなんだろう?」と気になりますし、異議を認容してしまうと、証拠提出の許容性を認めざるを得なくなってしまうので、「証拠申請の手間をかけるよりは、ここで呈示を認めた方が簡便である」と裁判官も考えてくれるはずです。応援していただける方は、下記のバナーをクリックしてください。
2013年07月21日
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第1章 売買契約の要件事実2 要件事実と抗弁前回は要件事実と認否についてお話しました。今回は抗弁です。認否のうちの否認と,抗弁とでは,大雑把に言って原告の請求を棄却に追い込むという点では同じです。しかし,様々な違いがあります。否認は原告の主張した請求原因を認めず争うことであり,請求原因とは両立しません。しかし,抗弁は請求原因以外の事実を主張することなので,請求原因とは両立します。請求原因と両立すると言うことから想像できるように,抗弁には,請求原因から一旦発生した法律効果を妨げる効果(障害・消滅・阻止)を持ちます。そして,抗弁は請求原因以外の事実の主張ですから,被告に立証責任があります。前回申し上げましたとおり,否認は,一言「争う」だけで十分であり,否認の内容を立証する必要はありませんでした。しかし,抗弁は「抗弁を提出する」と言うだけでは不十分であり,抗弁の内容まで立証する必要があります。ちょっと難しいですよね。もう少し,詳しくお話します。まず「請求原因とは両立しません」と言うところです。これは,あくまで各要件事実と両立しないと言う意味です。法律効果とは両立しないと言う意味ではありません。例えば,契約解除の法律効果は,売買契約が遡及的に無効ですから,原告の主張する契約成立の主張とは両立しないように見えます。しかし,要件事実ごとに両立するかどうか見るのです。そして,解除は,一旦は契約が成立しないと出来ません(もし成立していなかったら,契約不存在であって,解除するまでもありません)。このように,解除の主張は,契約の成立と両立するので,抗弁となるのです。次に,「請求原因から一旦発生した法律効果を妨げる効果(障害・消滅・阻止)を持ちます」と言う部分ですね。上記の解除の例で,「法律効果を妨げる効果」と言うのはご理解いただけたと思いますが,さりげなく書いた「障害・消滅・阻止」の部分が何のこっちゃですよね。これらは,抗弁の種類であって,抗弁を障害・消滅・阻止に分類すると少し分かりやすくなるのです。まず,「障害」とは法律効果が発生した当初から問題があって,実は法律効果が発生していない場合を言います。例えば,錯誤無効などです。売買契約においては,当事者・目的物・代金額の確定と,財産権の移転の合意(「売った」)が必要と申し上げました。このように,「錯誤が無いこと」とか「意思表示が有効であること」と言うのは,要件事実には入っていません。ですが,錯誤があるということは,契約成立時,つまり法律効果が発生した当初から問題がある場合を言います。このように,法律効果が発生した当初から問題がある事実を指摘する抗弁を障害の抗弁と言います。余談ですが,このように錯誤は抗弁ですから,錯誤である旨を主張しなければなりません。民法上は,錯誤の意思表示など不要なのですが,実際抗弁としては主張しなければなりません。ですから,実質的に見ると,第三者が登場しない限り,意思表示が必要な取消とあまり変わらないのです。ということで,当初から私のブログではあまり錯誤と取消をはっきりさせていません。これをご理解していただけず,「錯誤と取消をごっちゃにするな」と言う批判も頂きますが,どうかご了承ください。次に「消滅」とは法律効果が発生した当初には問題なく法律効果は発生したものの,途中で何かあって消滅した場合を言います。例えば,解除です。さっき申し上げましたとおり,解除は契約が成立していないと出来ませんので,当初には問題なく法律効果は発生しています。しかし,解除されれば契約はその時点から遡及的に無効となり,代金請求権は消滅します。ですから,解除は消滅の抗弁なのです。最後に「阻止」とは,権利は問題なく発生し,現在もなお権利は消滅していないものの,何か理由があって権利行使が出来ない事実を指摘する抗弁を言います。例えば,同時履行の抗弁権です。同時履行の抗弁権が認められたとしても,契約が当初から問題があるわけではありませんし,権利が消滅したわけでもありません。権利を行使できないだけです。イメージで言うと,契約当初に問題があるのが「障害」,契約当初~現在のどこかに問題があるのが「消滅」,現在問題があるのが「阻止」というように捉えてもいいかも知れません。「抗弁の内容まで立証する必要があります」というのは,そのままです。もし,錯誤を主張したければ,一言「錯誤だった」と言うのでは不十分であり,どのような錯誤があったのかを被告が主張立証しなければなりません。今日は大変難しいところでした。お疲れ様でした。応援していただける方は、下記のバナーをクリックしてください。【参考本】ゼミナール要件事実(2)
2008年03月04日
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4 無剰余取消※今回から試しに、法律に興味を持ってくださった方が、より深い勉強が出来るような本をご紹介することにしました。私は、アフィリエイトというだけで毛嫌いしていましたが、友人に「参考となる本を紹介するくらいはいいのでは?」という助言を受けたためです。ですから、私といたしましては、アフィリエイトの画像を参考に、店頭で中身をご確認の上、お買い上げいただくのがベストとは思います。あくまで皆様の便宜としてアフィリエイトリンクをご利用ください。前回までは,債権者つまり,お金を貸した人が1人の場合を想定して来ました。では,複数居る場合はどうでしょうか。答えは単純で,差し押さえた不動産の売却して,売却金額を債権者みんなで分け合います。(配当等を受けるべき債権者の範囲) 第八十七条 売却代金の配当等を受けるべき債権者は、次に掲げる者とする。 一 差押債権者(配当要求の終期までに強制競売又は一般の先取特権の実行としての競売の申立てをした差押債権者に限る。) 二 配当要求の終期までに配当要求をした債権者 三 差押え(最初の強制競売の開始決定に係る差押えをいう。次号において同じ。)の登記前に登記された仮差押えの債権者 四 差押えの登記前に登記(民事保全法第五十三条第二項 に規定する仮処分による仮登記を含む。)がされた先取特権(第一号又は第二号に掲げる債権者が有する一般の先取特権を除く。)、質権又は抵当権で売却により消滅するものを有する債権者(その抵当権に係る抵当証券の所持人を含む。) つまり,債権者のうち1人でも強制執行の手続をしたら,債権者みんなが強制執行手続に巻き込まれるというわけです。厳密に言うと,配当要求が必要な場合もありますが。(配当要求) 第五十一条 第二十五条の規定により強制執行を実施することができる債務名義の正本(以下「執行力のある債務名義の正本」という。)を有する債権者、強制競売の開始決定に係る差押えの登記後に登記された仮差押債権者及び第百八十一条第一項各号に掲げる文書により一般の先取特権を有することを証明した債権者は、配当要求をすることができる。 2 配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。 まあ,当たり前じゃないかと思われるでしょう。ですが,これだと一つ問題が出来ます。不動産の値段は変動しますので、不動産の価格が安く、今このタイミングでは強制執行したくないと考える債権者が居る場合がありえます。さてこの場合はどうすればいいでしょうか。まず,強制執行を申し立てた債権者にお金が入る場合には,強制執行を認めるべきでしょう。しかし,強制執行を申し立てた債権者にお金が入らない場合には,申し立てた債権者に何の利益も無く,ただの嫌がらせなので強制執行を認めるべきでないと言えます。これを無剰余取消といいます。ここまでご説明すると,「さっき『売却金額を債権者みんなで分け合います』って言ったのに,債権者にお金が入らない場合なんてあるの?」と疑問に思われるでしょう。これは,抵当権を持っている債権者と持っていない債権者が居る場合に起こりえます。抵当権というのは,優先的に借金を返してもらえる効果もあります。例えば,清水君の家は7千万円で,清水君に1億円を貸した三島さんは抵当権を持っていて,清水君に2億円を貸した草薙氏は抵当権を持っていないとします。この場合,三島さんは抵当権の効力で,草薙氏より優先的に売却金額を受け取れるので,家が7千万円で売れた場合,三島さんが7千万円全額を受け取り,草薙氏は1円も受け取れません。こうなると,三島さんは,本当は家が値上がりするまで待っていたいのに,7千万円を受け取っただけで抵当権を失ってしまいます(抵当権を失うだけで,残り3千万円の権利まで失うわけではありませんが,家を売られるような状況にある清水君が3千万円を支払える可能性は0に近いので三島さんは嫌がります。)なので,こういう場合,草薙氏は強制執行を申し立てることが認められないのです。(剰余を生ずる見込みのない場合等の措置) 第六十三条 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を差押債権者(最初の強制競売の開始決定に係る差押債権者をいう。ただし、第四十七条第六項の規定により手続を続行する旨の裁判があつたときは、その裁判を受けた差押債権者をいう。以下この条において同じ。)に通知しなければならない。 一 差押債権者の債権に優先する債権(以下この条において「優先債権」という。)がない場合において、不動産の買受可能価額が執行費用のうち共益費用であるもの(以下「手続費用」という。)の見込額を超えないとき。 二 優先債権がある場合において、不動産の買受可能価額が手続費用及び優先債権の見込額の合計額に満たないとき。 【参考本】民事手続法入門第2版この本は、民事執行保全法以外にも、民事訴訟法や倒産法等の民事手続全般を分かりやすく書いています。ちなみに、この本と同じ会社が、「民事執行・保全法」と言う本を出していますが、大変内容が高度で難しいため、まずは上の本を読むことをオススメします。応援してくださる方は、下記のバナーをクリックしてください。
2007年10月23日
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では、「3 自己矛盾供述で」の話を致します。自己矛盾供述とは、法廷での証言の前にした供述との矛盾を示して殺 すということです。普通、検察官や警察官は、証人と何回か会って、取り調べをし、証人の言い分をまとめた「調書」というものを作ります。そして、「調書」は、弁護人が請求したら、原則として弁護人に見せなければなりません。そうすると、「調書」の内容と、法廷での証言が矛盾していることに気付くことがあり得るのです。たとえば、「犯行当時、信号は青だった」と証人が証言したものの、「調書」には「犯行当時、信号は赤だったと言った」と書かれていた場合などです。ここまで申し上げると、「2 他の証拠との矛盾で」と同じではないかという疑問が生じると思います。2の場合は、「他の証拠」が客観的なものであり、正しいことが前提です。昨日の例でいえば、信号が赤だったことは、客観的に明らかです。ですから、2の場合は、「証人は客観的に間違ったことを言っている」と主張するのが目的です。しかし、3の場合は、「調書」は、証人の言い分に過ぎませんから、内容が正しいかどうかは分かりません。先ほどの例でいえば、どっちも証人の言い分に過ぎませんから、犯行当時、信号が赤だったか蒼だったかは、客観的な証拠はありません。ただ、以前言ったことと矛盾する証言をしていること自体、証言に信用性がなくなります。ですから、3の場合は、「証人は、日によって言うことがコロコロ変わる」と主張するのが目的となります。このように、2と3は、主張内容が全く異なります。あと、3の派生として、欠落供述で殺 すというものがあります。人間の記憶は、時間が経つにつれて曖昧になるのが一般的ですから、法廷での証言より前に話した「調書」の方が、記憶が鮮明なときに作成されたといえます。それなのに、「調書」では語られていない重要なことが、法廷で突然証言として出てくるのは不自然であるといえますから、欠落供述は、自己矛盾供述の一種といえます。たとえば、とある殺人事件で、証人が、法廷で突然「犯行当時、信号は赤だった」と言ったものの、「調書」には、信号について言及が一切なかった場合があたります。そして、殺 し方には、手順があり、普通の自己矛盾供述については、C(commit=法廷証言は正しい)C(credit=調書を作った時も正しい)C(confront=自己矛盾供述とご対面)欠落供述のある自己矛盾供述については、C(commit=法廷証言は正しい)I(important=欠落部分は、重要な事実である)C(credit=調書を作った時も正しい)C(confront=自己矛盾供述とご対面)……といっても抽象的過ぎて分からないですよね。ということで、明日、具体的な手順をお示しします。応援していただける方は、下記のバナーをクリックしてください。
2013年07月17日
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今回も引き続き、新司法試験の勉強で使った本をご紹介します。今回は、司法試験科目で言うところの「商法」です。具体的には、会社法・手形小切手法・商法総則商行為法です。<会社法>会社法は、司法試験受験勉強中に法改正があったので、本もおのずと多くなってしまいました。リーガルマインド会社法第11版司法試験の勉強を始めた頃、買った本です(もちろん、版はずっと前のものですが)。当時は、会社法といえば弥永先生の本を買う人がほとんどでした。しかし、内容が高度で初心者の私には辛かったです。ということで、ほとんど読みませんでした。結局、予備校テキスト・予備校本で勉強しているうちに、会社法が改正されました。その時に紹介されたのが、神田先生の本です。会社法第10版これは、基本書としては極めて薄く、平易な書き方をしているので、読みやすい本です。薄い分、条文の紹介だけで終わっており、論文対策には足りないと指摘する方もいらっしゃいますが、会社法は条文を追うだけで大変なので、試験対策だけを考えれば、基本書はこれで十分でしょう。あとは判例百選で補えば大丈夫だと思います。あと、旧会社法を知っている方は、一問一答で改正の趣旨を学ぶと、理解が深まります。一問一答新・会社法勿論、旧会社法を知らない人も、改正の趣旨を知っていれば、趣旨からの論述の助けになりますので、神田先生の本で基本を学ばれたあと、お読みになるといいかも知れません。あと、忘れてはいけないのが「新・会社法100問」なのですが、どうも品薄らしいので、割愛します。なお、会社法短答は、類似の制度間での相違点を聞いてくることが極めて多いので、短答対策として↓の本を買いました。会社法マスター115講座第2版これは、類似の制度を図表にして分かりやすくまとめているので、短答対策には最適でした。<手形小切手法>手形小切手法も、初めは弥永先生の本でしたが、やはり初心者にはとっつきにくかったです。そこで、書研(総研)の「手形法小切手法講義案」を買いましたが、現在品薄らしいので、割愛します。まあ、債権電子化が予定されている現在、手形や小切手の重要性が急速に失われているため、新司法試験でも実務でも、手形小切手法はあまり重要ではなくなりました。なので、学部や法科大学院の授業をひととおり受ければ十分でしょう。<商法総則商行為>商法総則商行為も、初めは弥永先生の本でしたが、やはり初心者にはとっつきにくかったです。そこで、↓の本を買いました。商法総則・商行為法第5版補訂版これは、縦書きであると言うことを除けば、読みやすい本です。私としては、こちらをオススメします。なお、商法総則・商行為法は、旧司法試験ではめったに出題されず、日陰の身でした。しかし、いつ商法総則・商行為法がメインで出題されるかは分かりません。いつ出題されても、最低限のことは書けるようにしておくべきです。応援していただける方は、下記のバナーをクリックしてください。法
2008年09月20日
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憲法判例編 第8章 どぶろく裁判について法律の勉強をしていない方でも、「どぶろく裁判」という言葉を聞いたことがある方はおられると思います。今日はそれについてお話しましょう。日本の法律では、酒税法などでお酒を造ることを禁じています。確かに、税収の関係上自分で造って売ってはいけないというのは感覚的に受け入れやすいのですが、たとえ自分で飲む分を造っても処罰されます。なので、ある人が、「自分で飲む分の酒ぐらい自由に造らせないのは憲法13条に定める幸福追求権侵害だ」として国を訴えたのです。いろいろ話題になりましたが、判例(最判平成元年12月14日)はあっさりと判断しました。「酒税法の規定は・・・立法府の裁量権を逸脱し、著しく不合理であることが明白であるとは言えず、憲法13条に違反する物ではない」つまり、著しく不合理で無ければ違反じゃないよと言ったのです。なぜ、こんなにあっさりと判断したのでしょうか。そもそも考えていただきたいのは、法律を違憲にするということは、主権者たる国民の代表である国会の意思を反故にするということです。つまり、主権者の意思を踏みにじるわけです。それに引き換え、裁判官は別に国民の代表からなるわけでは有りません。従って、裁判所は出来る限り法律を尊重するべきだと考えられます。そうは言っても、変な法律が出来たらどうするんだとお考えでしょう。その場合は、そんな変な法律を作った議員を今度議員にしなければいいのです。つまり、変な法律を作ったら原則として選挙で何とかすればいいのです。これを「民主政の過程で是正する」と表現します。つまり、変な法律は民主政の過程で是正すればよいのです。また、専門的な判断を要する事柄については、裁判官は不案内なことが多いです。そこで、専門的な判断を要する事柄については裁判官はあまり手を出さない方が良いとされます。そして、本件では単に税法上の問題ですから民主政の過程で是正できますし、税の徴収方法は大変専門的な判断が必要とされます。なので、著しく不合理でない限り裁判所は違憲判断をしない方が良いとされるのです。裁判所と言うと最後の手段と言うイメージがありますが、権力の一つにすぎず、何でもできるわけではありません。原則としては変な法律は国会で修正すべきと言う考えですから、選挙権の行使がいかに重要なことなのかお分かりいただけると思います。ちなみに、「サラリーマン税金訴訟」と言うのがありました。これは、サラリーマンは源泉徴収されることが他の業種に比べて不平等で、憲法14条1項はないかとされた物です。しかし、もう御想像の通り、税金徴収方法と言う専門的で民主政の過程で是正されるものですから「著しく不合理であることが明らかでない限り・・・憲法14条1項の規定に違反する物ではない(最判昭和60年3月27日)」とされました。他にも、「著しく不合理であることが明らかでない限り」という言葉で合憲判決となった事件は結構あります。小売市場事件(最判昭和47年11月22日)酒類販売免許制事件(最判平成4年7月15日)裁判所も万能ではないのです。さて、次回は裁判所が違憲判断をした事件についてお話しましょう。応援してくださる方は、下記のリンクをクリックしてください。人気blogランキング
2005年03月12日
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第2章 人の身体に関する罪7脅迫罪(脅迫) 第二百二十二条 1 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。 2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。 いわゆる脅迫をすればこの脅迫罪となります。「脅迫」とは人を恐怖させること全般をいいます。ただし、脅迫者によっておよそ起こしえない事柄は含みません。つまり、「殺すぞ」と脅すのは脅迫罪になりますし、「殺し屋に頼んで殺してやる」と言うのも脅迫罪になります。しかし、「火山を噴火させてやる」と言うのはおよそ人には出来ませんから、たとえ相手方が信じ込んで怖がったとしても脅迫罪にはなりません。また逆に、およそ人に起こせる行為であれば、婉曲表現であっても脅迫罪となります。実際にあった事件では、相手に「出火お見舞いいたします」と言う手紙を送った人が脅迫罪で処罰された例があります。文字通りとれば単なる出火見舞いですが、出火もしていないのにこんな手紙を送るということは、「火をつけてやる」という内容を婉曲的に表現したことになります。なのでこれも脅迫罪となるのです。ですから、婉曲的に脅迫を受けている方も「婉曲的だから処罰は無理だろう」と思わず、警察や弁護士の先生などに相談してみてください。
2004年11月10日
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第4章 民事保全手続2解放金不動産について仮差押を受けた人が,裁判で争うことは諦めるが,仮差押をはずしたいと思う場合があります。例えば,突然,不動産を市価の数倍で買いたいという人が現れた場合です。この場合,誰も困る人は居ませんから,法律によるまでもありません。仮処分を受けた人が,買主から代金を受け取って,仮処分をした人にお金を支払って,仮処分を解いてもらえばいいわけです。では,裁判で争いたいし,仮差押をはずしたい場合はどうでしょうか。これだけ見ると,わがままを言っているように見えるかも知れませんが,裁判をしていない以上,仮差押を受けた人が正しいかも知れません。正しいかも知れない人の権利を完全に封じることは出来ないのです。そこで,差押解放金というお金を積んで差押を解いてもらいます。(仮差押解放金) 第二十二条 仮差押命令においては、仮差押えの執行の停止を得るため、又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を定めなければならない。 2 前項の金銭の供託は、仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。 (仮差押解放金の供託による仮差押えの執行の取消し) 第五十一条 債務者が第二十二条第一項の規定により定められた金銭の額に相当する金銭を供託したことを証明したときは、保全執行裁判所は、仮差押えの執行を取り消さなければならない。 2 前項の規定による決定は、第四十六条において準用する民事執行法第十二条第二項 の規定にかかわらず、即時にその効力を生ずる。 イメージ的には,前回申し上げた担保の裏返しみたいなものだと思っていただければ良いでしょう。そんなに自信が有るなら,仮差押のついたままで売って,負けた時に買主に対し責任を取れば良いではないかと思うかもしれません。しかし,仮差押がついているというだけで,買主は嫌がることが多く,値が下がってしまうので,たとえ裁判で勝つ自信があっても仮差押を解いておきたいのです。ちなみに,仮処分の場合でも仮処分解放金を積めば,仮処分を解ける場合があります。(仮処分解放金) 第二十五条 裁判所は、保全すべき権利が金銭の支払を受けることをもってその行使の目的を達することができるものであるときに限り、債権者の意見を聴いて、仮処分の執行の停止を得るため、又は既にした仮処分の執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を仮処分命令において定めることができる。 2 第二十二条第二項の規定は、前項の金銭の供託について準用する。 (仮処分解放金の供託による仮処分の執行の取消し) 第五十七条 債務者が第二十五条第一項の規定により定められた金銭の額に相当する金銭を供託したことを証明したときは、保全執行裁判所は、仮処分の執行を取り消さなければならない。 2 第五十一条第二項の規定は、前項の規定による決定について準用する。 そして,もし仮差押などが解かれた場合,積まれた解放金について仮差押がなされることになります。普通,仮差押は将来お金を受け取るために行うのですから,仮差押の対象が不動産からお金に変わっても特に困らないので,これでいいのです。応援していただける方は、下記のバナーをクリックしてください。※私は、アフィリエイトの画像を参考に、店頭で中身をご確認の上、お買い上げいただくのがベストだと思います。あくまで皆様の便宜としてアフィリエイトリンクをご利用ください。【参考本】民事手続法入門第2版この本は、民事執行保全法以外にも、民事訴訟法や倒産法等の民事手続全般を分かりやすく書いています。ちなみに、この本と同じ会社が、「民事執行・保全法」と言う本を出していますが、大変内容が高度で難しいため、まずは上の本を読むことをオススメします。
2007年11月04日
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