PR
Free Space
Calendar
Keyword Search
II. 反脆さ
衝撃を利益に変えるものがある。そういうものは、変動性、ランダム性、無秩序、ストレスにさらされると成長・繁栄する。そして冒険、リスク、不確実性を愛する。こういう現象はちまたにあふれているのに、「脆い」のちょうど逆に当たる単語はない。本書ではそれを「反脆い(はんもろい)」または「反脆弱」(antifragile)と形容しよう。
反脆さは耐久力や頑健さを超越する。。。反脆いものは衝撃を糧にする。
反脆いものはランダム性や不確実性を好む。つまり、反脆いものはある種の間違いさえも歓迎するのだ。
反脆さがあれば、人は考えるより行動するほうがずっと得意になる。ずば抜けて頭はよいけれど脆い人間と、バカだけど反脆い人間、どちらになりたいかと訊かれたら、私はいつだって後者を選ぶ。
一定のストレスや変動性を好むものは、身の回りにいくらでも見つかる。経済システム、人間の身体や精神、それから栄養だってそうだ(糖尿病のような現代病の多くは、食事のランダム性やたまの絶食というストレスがないことと関連があるようだ)。また、反脆い金融商品なんてものまである。そういう商品は、市場のボラティリティ(変動性)で利益が出るように意図的に設計されている。
反脆さを理解することは、脆さをもっと深く理解することに通じている。病気を減らさなければ健康にはなれないし、まず損失を減らさなければ金持ちにはなれない。それと同じで、反脆さと脆さは同じスペクトル上に並んでいるわけだ。
9. 損失は利益の2.5倍の精神的ダメージが… Sep 21, 2024
8. テクニカルなトレード手法はシンプル… Aug 10, 2024
7. マーケットはわれわれが考えているよ… Aug 9, 2024