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1977年、ビル・ジェームスは「1977ベースボール・アブストラクト」を自費出版した。この本に関心を持って買ったのはわずか75人だった。今日、ジェームスが毎年発行している本は、アメリカの国民的スポーツの野球におけるファンの必読書とみなされている。
ジェームスは厳密な調査によって、選手を評価するうえで特定の統計がほかの基準よりも意味があることを示した。彼の数多くの発見から一例を挙げると、打率とホームラン数は、みんなが考えているほど重要ではない。それよりも、例えば出塁率や長打率のほうがより重要だとしている。

ジェームスは、選手が試合結果に与える影響を判断するときにどの要素が最も重要かを調べることで、世間の野球に対する考え方を一変させた。
そして、ユージン・ファーマとケネス・フレンチも、1992年にザ・ジャーナル・オブ・ファイナンス誌に発表した論文「ザ・クロスセクション・オブ・エクスペクティッド・ストック・リターン」で金融経済学の分野に似たような影響を及ぼした。ファーマとフレンチの研究は、のちのスリー・ファクター・モデルを生み出した。
ファクターは株や債券の特徴を表わす共通した指標で、3つのファクターとは市場のベータ(市場リターンから1年物Tビルのリターンを引いた値)と、サイズ(小型株のリターンから大型株のリターンを引いた値)と、バリュー(バリュー株から成長株のリターンを引いた値)である。このモデルは、分散されたアメリカ株ポートフォリオのリターンの分散を90%以上説明できるとされている。
資産価格に対する私たちの理解はさらに進んだ。主なものを挙げると、モメンタム(直近のパフォーマンスが高い証券は比較的短期間、それが続く傾向)、収益率(評価額に関係なく、収益率が高い会社のほうが収益率の低い会社よりも高いリターンをもたらす傾向)、クオリティーなどである。
クオリティーは、収益率よりも幅広い特徴で、質の高い会社は収益率が高いだけでなく、財務レバレッジや営業レバレッジが低く(負債や固定費が低い)、収益の変動が小さく、資本回転率が高く(資本を効率的に使っている)、個別リスクが低い(経済全体に関連しないリスク)ことなどが含まれる。

学術研究が投資のパフォーマンスに関する私たちの理解を進めた一例が、「バフェットス・アルファ」という論文である。
彼の成功はバフェットの戦略であるファクターのイクスポージャーによるもので、銘柄選択によるものではない。加えて、彼がパニック売りをしないこともパフォーマンスに寄与している。

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