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2006.02.13
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倉橋刑事とその他数名の捜査員が、脅迫電話に対しての準備を始めた。

大路が機嫌悪く一緒に帰ってきた。
「・・・大谷はっ」
吐き捨てるように言った。

「今・皆に飲み物を買いに」

「ふん」
大路は憮然とした表情で、ソファに腰掛けた。

「さっきかかってきた電話のことで聞きたいことがあるんだけどね」
倉橋刑事が優しく聞いてきた。


七星亮太が軽く手を挙げて、倉橋の質問に答え始めた。

穴吹秋、三井健二、沖山誠二の3人は静かに捜査員の準備を見ていた。

まだ逆探知や何も準備できていない状態だった。

突如、事務所の電話が鳴り響く。
ピンとした空気が張り詰めた。
全員が顔を眺め始める。

「よし、申し訳ないが、七星君、さっきも君が出たから、もう一度君が出てくれ。そして、大路社長に替わるんだ。おい、録音の準備だけでもするんだ。」
倉橋が指示を出した。
「大路社長、いいですか、相手から出来るだけ情報を貰うんです。感情的になってはいけませんよ。」

子供に伝えるような言い方の倉橋に、ムッとしたのか、大路は「わかっとる」と悔しそうに言った。

「録音の準備ができた、七星君、いいぞ」


丁度、大谷が両手にジュースなどが入ったビニール袋を持って帰ってきた。
表情に驚きの色が出ている。
帰ってきたら、事務所の中は捜査本部のようになっているのだ。
しかも犯人からの電話。
驚くのも当然だろう。


七星亮太がゆっくりと受話器を取る。
「はい、オージです。」
一瞬だが、亮太の顔色が変わる。
少し言葉を返して、「はい、替わります」と言い、受話器を大路へ渡した。

受け取った大路も少し緊張した面持ちで「大路だ」と震えた声で言った。
「・・・・ああ・無事なのか?ウチの赤石は」
感情的になるなと前もって言われていたのが効いたのか、かなり抑えた様子で受け答えしている。
だが、それも、長くは持たなかった。
「なっ!なにぃ~!ふっふざけるな!そんな金・・・なっおい!おい!」

切れた・・。

捜査員はすぐに巻き戻しを開始して、再生ボタンを押した。

「はい、オージです。」

「社長か?」

「いえ、違います」

「社長いるか?」

「はい、替わります。」

「大路だ」

「もう知っていると思うが、アンタんとこの赤石圭介を誘拐した。」

「・・・・ああ・無事なのか?ウチの赤石は」

「今のところはな、さて、本題に入ろう、我々の要求は・・・10億。」

「なっ!なにぃ~!ふっふざけるな!そんな金・・・」

「いいな、よく考えろ、また電話する。」

「・・・なっおい!おい!」

全員の溜息が出る。
10億・・・・。

捜査員達が録音テープの検証を始めている、横で、七星亮太が一言呟いた。
「機会音声じゃなかった・・・」

つづく。

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最終更新日  2006.02.13 20:08:08
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