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2025.01.28
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カテゴリ: 坐禅
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第二章 人生を円相で考える どちらかが水ならば、ぶつかりはしない

 岩もあり 木の根もあれど さらさらと
  たださらさらと 水の流るる

 これは教育者で、念仏に生きた甲斐和里子*さんの歌です。

 私はしばしば修行僧たちに語ります。
「修行の眼目は『無我』になることです。道元禅師は『坐禅の床を破るほどに坐っても我で座ってはならぬ』と示しておられます。
 水と氷とにたとえてみましょう。水と氷とはもとは一つですが、氷とこりかたまると一つの器には入っても違った器には入らず、無理には入れようとすると両方が傷つきます。水ならばどんな器にも、またどんな小さな隙間にも入ることができ、両方とも傷もつけず、むしろ自分を汚しながら相手を清めてゆくことができましょう。



 嫌な人や嫌な仕事に出会ったときこそ、私の中に『我』という氷を凝視するチャンス、氷を水に溶かす修行のチャンスと受け止めてまいりましょう」


*甲斐和里子
「み仏を よぶわが声は   み仏の われをよびます み声なりけり」

甲斐和里子(かいわりこ)〈1868年~1962年〉さんの詩集『草かご』の中に載せられている言葉です。
 和里子さんは、1868(慶応4)年、広島県の勝願寺というお寺で、父・足利義山、母・早苗の五女として誕生されました。
義山師は明治時代、本願寺を代表する学者(勧学)さんでした。
このようなお念仏の薫る恵まれた環境で育った和里子さんは、生涯をお念仏を中心とした生き方をされました。
 そして、女子の教育に非常に熱心取り組まれ、現在の京都女子学園の前身である「顕道女学院」の創立者の一人であり、念仏者(阿弥陀仏のはたらきを喜ぶ者)として当時の女子教育に活躍された方です。
 その甲斐和里子さんの詩に、

  み仏のみ名を称える わが声は わが声ながら尊かりけり

  泣きながら 御戸を開けば  御仏は たヾうち笑みてわれを見そなわす

  ともしびを  高くかかげて  わがまへを 行く人のあり  さ夜なかの道



 このような詩を読ませて頂きますと、和里子さんの念仏そのものを喜び、阿弥陀さまのはたらきを頼りにしておまかせしていくというお姿が読み取れます。

 ところで「阿弥陀さまにおまかせする」ということは、どういうことでしょうか。

 和里子さんのお父様の足利義山師は、三女の「おとぢ」さんが大病を患われた時に送られた手紙の中で、
 「煩悩だらけのあさましい心を持ったままの私たちを絶対に捨てず、必ずお浄土に生まれさせることを約束して下さったのが、阿弥陀さまであるから、阿弥陀さまのことを有り難いと思うことがなくても、お礼の称名(しょうみょう=念仏を称えること)を忘れてはいけない」
   (足利義山和上の文を住職=安藤和範が意訳しました。ご了承のほど)


 ここで、阿弥陀さまという仏さまは、私たちの思いや行いに対して応えて下さるのではないことがわかります。
 例えば、一所懸命に祈るとか、毎日毎日願いをかなえるためにお勤めやお参りをするとかということで、私達の方を向いて願いを叶えて下さるのが阿弥陀さまではないということです。
 阿弥陀さまは、私達一人ひとりのことを救いたい。いつでもどこでも、ずっと一緒に居て支え続けていますと、私に対して呼びかけ続けている仏さまなのです。
 それは、私の心がコロコロ変わったり、何時病気になるか怪我をするか、そして何時死ぬかもわからない全く不安定な私だからです。また、自分の都合ばかり考え動いている「あさましい」私です。
 どんなに心が阿弥陀さまからかけ離れている自分が念仏しても、口から出てくる南無阿弥陀仏は、阿弥陀仏そのものなのです。
 私が阿弥陀さまに呼びかけている声は、そのまま阿弥陀さまが私に対して「必ず救うぞ、私を頼りにしてくれ」と呼び続けて下さっている声であったのです。
 つまり、阿弥陀さまが私のすべてを知り尽くして私にはたらき続けて下さっているのです。その心をそのまま受け取らせていただくことが、おまかせすることになるのだと思います。
                              南無阿弥陀仏





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最終更新日  2025.01.28 12:00:13
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